「"不可能でないなら、実行する方法はあるはず"」ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命 おひさまマジックさんの映画レビュー(感想・評価)
"不可能でないなら、実行する方法はあるはず"
本作の日本公開日は6月21日。
さて問題です。前日の6月20日は何の日でしたでしょうか?
答えは「世界難民の日」。
『難民の保護と支援に対する世界的な関心を高め、UNHCRを含む国連機関やNGOによる活動に理解と支援を深める日』として、国連の難民支援機関であるUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)が呼び掛けている。日本人初の国連難民高等弁務官となった緒方貞子さんがご活躍され----と聞くと記憶に蘇ります。
ここのところ立て続けに良作を引っ張ってくる某配給会社が狙ったものかどうかは私には知る由もないが、スカイツリーを始め日本各地のランドマークが難民の日の周知目的で「青色」にライトアップされた、その翌日に本作は公開された。
再現された物語はまさに現代世界への警鐘のようだ。ちなみに、第2次大戦前夜にこのような善行があったことは、私も含め知らなかった人も多いのではなかろうか。
ニコラス・ウィントンの活動は開戦と共に止められてしまうことになったが、この頃、ブルニェネツという町にはオスカー・シンドラーがいた。リトアニア日本領事館には杉原千畝がいた。非道な世界にわずかであっても光は存在していた。
「ひとりの誰か」が世界を混乱に巻き込んだ20世紀。まさか21世紀もそのような時代になると、誰が予想できただろうか。いま「ひとりの誰か」がひどく政治的、また個人的な理由により世界を混乱に巻き込んでいる。
ただし、まだ【混乱の坩堝】ではない。現代は「誰かひとり」が果たす力を期待しにくい。よって世界の多くの「普通の人々」による、グローバル化された善意が光となり、我々自身を正常な立ち位置にバランスさせ、坩堝にまでの惨禍に繋がらせないことが肝要とおもう。
その意味において本作の果たす役割は小さくない。
とはいえ現在、世界の難民・避難民の人口は1億2000万人を超えている。
日本の総人口と同じくらいの数・・・。
その40%は18歳以下の子供たちと言われている。
レビュータイトルに挙げたニコラスのモットーを借りるとすれは、我々はまだ、後悔の落涙をしてはならないのだ。
こんにちは~。
難民の日知らなかったです。勉強になりました。
つい最近、自宅にUNHCRの募金活動みたいな人が来ました。緒方貞子さんの事を仕切りに仰っていました。
胡散臭くて、ドアを閉めてしまいましたが、本物だったら寄付すれば良かった。
平和な日本に感謝しつつ
何か自分でもできることがあれば良いなぁと思いました