壁は語るのレビュー・感想・評価
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石器時代の壁画といえば、ラスコーやアルタミラなどの洞窟壁画の名が...
石器時代の壁画といえば、ラスコーやアルタミラなどの洞窟壁画の名が思い浮かぶのですが、それ以外にこんなにも多くの壁画がスペインにある事を初めて知りました。本作はそうした古代の画を訪ねるドキュメンタリーです。壁画の残る洞窟の数の多さも然ることながら、絵の多彩さにも驚かされます。「一体どんな人がこの絵を描いたのだろう」「どの様な道具や技法を用いたのかな」と、思いはたちまち数万年前に遡ります。タイムトンネルに迷い込んだ様な、その時間的疾走感が素敵です。 しかし、本作は古代物語だけに留まりません。現代の壁画とも言うべきスペインのグラフィティ・アートとその作者が次々と映し出されます。その渋さ・鮮やかさもまた見事なのです。 バルセロナではそれらのグラフィティ(落書き)にも敬意が払われているので、最早空白の壁は残っていないほど街中に絵が溢れているそうです。ガウディの建築だけでなく、この「壁画」を観る為だけにでも行ってみたいな。
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美しい
洞窟壁画もグラフィティも、壁や洞窟の凹凸や質感に誘われて人間の中の霊感や創造性が現出した結果なのだ、という視点がよい。/かつて日本で世界史を学んだものからすれば洞窟壁画といえばラスコーとアルタミラだが、それ以外にもあんなにあるとは思わなかった。様々な壁画が見られるだけでもありがたい。知らなかったが、洞窟壁画は個人の作らしい。/グラフィティアーティストも気づけば初老、というのも発見であった。
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