八犬伝のレビュー・感想・評価
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虚をつらぬいて実となす
今なにかと流行りのファンタジックな美剣士ものとベテラン俳優同士の掛け合いの両方が楽しめる豪華なエンタメ作品。
江戸時代後期、江戸随一の読本作家曲亭馬琴と圧倒的な画力を誇る絵師の葛飾北斎はタッグを組んで次から次へとベストセラーを世に生み出します。今でいうところの武論尊と原哲夫といったところでしょうか。違うかな。
二人で世に出した作品は数知れず、その制作過程ではお互いけんかなども絶えなかったとか。でもやはりこれだけの作品を世に出しただけあって二人はベストパートナーだったのかもしれません。
劇中でも「その漬物石に文鎮を重ねて押しつぶしたような石頭からどうしてこんな話が思い浮かぶのか」とか、「しみったれた親父がなぜこんな色鮮やかな浮世絵が描けるのか」と互いをけなしてるのか褒め称えてるのかわからないような二人の会話劇が繰り広げられ、そして北斎の描いた絵を欲しがる馬琴にけして絵を渡さずその場で破り捨てたり鼻をかんだりと、二人の掛け合いがとても面白く描かれます。
かたや創作された八犬伝の方も、とてもこの時代に書かれたとは思えないくらいの冒険ファンタジーで、八剣士がこれまた美形ぞろいと観客の目を楽しませてくれます。
作品構成は原作通り創作物である八犬伝の物語と平行して馬琴と北斎の関係、そして馬琴がそのライフワークである八犬伝を書き続ける上での人生における様々な苦悩が史実通りに描かれます。
本作はCGを駆使した美剣士たちのアクションも見せ場として大いに盛り上げてくれますが、何と言っても一番の見せ場は歌舞伎の舞台の奈落で馬琴と鶴屋南北が作品において虚実をどう描くべきか議論する場面でしょう。
馬琴はこの世が不条理であり、善きものが恵まれず、悪しきものが栄えている現実を見るにつけ、せめて物語の上では正義が貫かれるべきとして勧善懲悪をテーマに読本を書き続けるのだといいます。
対して南北の舞台にはその出来に感心はするものの、忠臣蔵という勧善懲悪ものに四谷怪談を掛け合わせて虚実が入り乱れたために作品を貶めていると批判します。
しかし忠臣蔵は今でこそ主君の敵討ちをした浪士たちの物語という美談として演劇やドラマ、映画として長く愛されてはいますが、そもそも赤穂浪士たちは主君の仇討が目的ではなく、当時仇討ちが世間の受けがよかったために浪人となった彼らが新たに仕える主君を見つけるためのアピールとして行ったものであったのが事実であると言われています。
対して四谷怪談は田宮家に婿入りした伊右衛門によって陥れられた田宮家の娘お岩が行方不明になり、のちにその家に不幸が続いたという実話をモデルに書かれたものであり、南北は忠臣蔵の物語こそ美談の皮をかぶった虚であり、おどろおどろしい四谷怪談こそ現実を表した実なのだと言います。
この世は現実は善因悪果、悪因善果であり辻褄の合わぬもの。南北はその辻褄が合わぬこの世を見る者に思い知らせるために虚に見せかけた実を作品に描くと言います。かたや馬琴もこの世は辻褄が合わぬからこそせめて物語くらいは辻褄を合わせたいとして虚を書き続けると言います。
馬琴はこの南北の言葉に自身の創作への迷いが生じます。自分の書いてることは無意味な自己満足なのか。勧善懲悪を書くことで読む者に世間の不条理を忘れさせているだけではないのか。南北のように問題提起すべきではないのかと。
この両者はある意味で表裏一体といえるのかもしれません。同じように世間の不条理を憂いつつも、読者に生きる指標を与えようとしてる点で。
この南北との議論を経て迷いつつも馬琴はライフワークである八犬伝を書き続けますが、その後彼には次々と試練が訪れます。
息子の宗伯を医師にさせて武家の身分を取り戻そうとしましたが、そんな父に常に従順だった息子は病弱でついに命を落とします。彼は死ぬ間際まで父の作品の校正を手がけていました。
そして馬琴自身も年老いてやがて両の目を失明してしまいます。宗伯の嫁お路に口述で作品を書かせようとしますが漢字を書けないお路に我慢の限界がきて諦めかけます。
その時にお路が宗伯の言葉を伝えます。八犬伝を頼むと。宗伯こそが八犬伝の一番のファンなのでした。自分が武士の身分を取り戻したい一心で息子の人生を犠牲にしていたのではないか、彼を死なせたのは自分なのでは。自分を責めていた馬琴は宗伯の言葉を聞かされ、そして渡辺崋山の言葉を思い出します。
虚をつらぬけばそれはその人にとって実となる。正義を貫けばやがては現実もそのようになるはず。そう信じて馬琴は八犬伝を書き続けて来ました。宗伯の言葉と崋山の言葉で馬琴は迷いが完全に吹っ切れたことでしょう。自分は今まで通り信じるものを書き続ければいいのだと。宗伯もそれを何よりも望んでいる。
お路と共に二十八年にも及ぶライフワークを完結させ、他にもいくつもの作品を世に出した馬琴は81歳でこの世を去ります。
その最後の数年の姿は北斎が言うように絵になる姿だったのでしょう。彼が作品でつらぬき通した正義の心を褒めたたえるかのように彼が生みだした剣士たちに迎え入れられて彼は旅立つのでした。
娯楽作品として十分楽しめましたが、せっかく虚実の物語が並行的に進行するのなら、実の馬琴が創作において迷いが生じたときには虚の剣士側も正義をつらぬくべきか悩むシーンなんてあればより作品に深みが出た気がします。
馬琴が没して170年以上経ちますが、この世はいまだに善因悪果、悪因善果のままなのでしょう。八犬伝は28年をかけて勧善懲悪を成し遂げましたが現実の世ではそう簡単にはいかないようです。それでも彼のように志を持ち続けたいものです。
「八犬伝」完成秘話
50代の滝沢馬琴と絵師の葛飾北斎。
「八犬伝」のあらすじを北斎に語り、北斎は挿絵を馬琴の背中で
すらすらと書く。
そしてそれを握りつぶして破り捨てる。
そんな戯言に興じながら「八犬伝」は延々と書き続けられた。
馬琴の役所広司。
北斎は内野聖陽。
どちらも燻銀の巧さである。
味のある2人の語りが、「虚」である「八犬伝」の実写映像へと
瞬時に入れ替わるのだ。
なかなか凝った面白い趣向である。
重鎮スター2人、若手スターの八剣士、歌舞伎役者、
美女4人のラインナップ。
小さい時から「人形劇」の原作を楽しんだ世代向き、
なのかもしれない。
通好み、一見さんお断り。
これなら下見に観た1983年の「里見八犬伝」の方が、
素人には分かり易い。
キラ星のように輝く当時の時代劇スター。
今より進んでないカメラ技術なのに、
1983年の方が大作に見えるのはなぜ‼️
こっちには馬も出てこないし、玉梓だって栗山千明より夏木マリの方が
数倍妖艶(入浴シーンの美乳とかあった。)
姫と剣士(犬士)の、ラブシーンとかもない。
(若くて美しい薬師丸ひろ子と真田裕之が惚れあうんだよ)
いったい何処を愛でればいいのさ、この私。
土屋太鳳は早々殺される、
河合優美は崖から落とされるし、
八剣士(犬士)も美形を揃えたんだろうけど、
水上恒司でなくても、渡辺圭佑でも誰でもいい感じでしたし、
大好きな役所広司さんと内野聖陽さんも、
すっごい燻銀で素敵なんですけど、
茶飲み話のお部屋シーンばかりで、
見せ場がなかったですね。
それと、
年寄りすぎて、華がなかったですね。
「八犬伝」より挿入された「四谷怪談」と、
(鶴屋南北役の立川談春の狡猾さが印象に残るって、
(なんか本末転倒ですよねー)
それでも、馬琴が失明して、嫁のお路(黒木華)が、
漢字もろくに書けないのに、志願して口述筆記するくだり、
ここはやはり胸を打ちます。
こうして滝沢馬琴の「八犬伝」は1842(天保13年)に、28年の
年月を費やして完成したのです。
映画も真面目な労作でした。
【"実の世界の報われなき己の人生を糧に、虚の世界で勧善懲悪を貫く日本最古の伝奇小説を不撓不屈の心で作り上げた男とその家族の物語。”VFX多用の虚の世界と、実の世界の対比が面白き作品でもある。】
ー エンドロールでも流れたが、曲亭(滝沢)馬琴の「南総里見八犬伝」は、28年の歳月を掛けてナント、全98巻に渡り描かれた日本最古の伝奇小説である。
今作は、そのエッセンスを書き出した山田風太郎の「八犬傳」が原作である。
因みに私はNHKの辻村ジュサブローによる人形美術が素晴しい人形劇で八犬伝を知り、その面白さにのめり込んだモノである。”♬ジンギレーチ、チューシン、コーテー。いざとなったら玉を出せ!力が溢れる、不思議な玉を。♬”今でも歌えるよ!そして、怨霊珠姫の姿は、チビッ子NOBUにとってはトラウマ級の怖さでありました。(だが、後年辻村ジュサブローの素晴らしい人形に、少し嵌まったなあ。)-
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・物語は、曲亭馬琴(役所広司)が、友人の絵師葛飾北斎(内野聖陽)に「八犬伝」のアイディアを話し、北斎がそのイメージをササっと紙に描く”実の世界”と、「南総里見八犬伝」のVFXを多用した”虚”の世界とが、交互に描かれて行く。
・”実の世界”では、馬琴は妻(寺島しのぶ)から家業を継がずに、文筆業に明け暮れている事をブツブツ言われ、果ては医者になる事を望んでいた素直なる息子、宗伯(磯村勇斗)を病で失い、悲嘆に暮れるのである。
■ある日、馬琴は北斎と共に、鶴屋南北(立川談春)の催す”赤穂浪士”の舞台を見に行くが、その舞台は途中に”四谷怪談”が織り込まれる”赤穂浪士”の善なる行為を否定する様な内容だった。
私は、このシーンはこの作品の胆ではないかと思ったのである。何故ならば、【正しき者が報われないこの世で、”八犬伝”のような勧善懲悪の物語を書く意味があるのか】と言う事を馬琴が考えるきっかけになったシーンではないかと、思ったからである。
確かに現在でも、南北が”舞台の奈落の底”で言うように、善人が報われるとは限らない。
けれども、だからこそ、馬琴は”虚の世界”で、【正義が勝ち、善が報われる世界】を作り上げたかったのではないか、と思ったからである。
・「南総里見八犬伝」は、伏姫(土屋太鳳)が首に付けていた八つの玉(仁・義・礼・智・忠・信・考・悌)を持つ八犬士が不思議な因縁で出会って行く過程や、里見義実の逆臣の妻玉梓(栗山千秋)を一度は許そうとするも斬首にした事で”子孫まで呪ってやる!”と悪霊と化した彼女と戦う八犬士たちの姿がハラハラドキドキの勧善懲悪ストーリーとして描かれている、とても面白い伝奇小説なのである。
・但し、この映画では八犬伝が長すぎる故に、初めて観た人は”虚の世界のパートの面白さが、分かったのかな。”と思ったのも事実である。
少し、残念に思ったかな。
<馬琴は両目の視力を失い、妻も失いながらも、宗伯の妻おみち(黒木華)に字を教えながら、見事に「南総里見八犬伝」を書き上げるのである。
馬琴は、”実の世界”では報われ無き事の多い中、”虚の世界”で、世界に名だたる勧善懲悪の伝奇小説を見事に描き出したのである。>
■鑑賞後に思ったのだが、今作のVFXシーンを観ると「南総里見八犬伝」のみを前後編併せて4時間で映画化したら、大ヒットするのではないかなあ、と思ったのである。
”山崎貴監督、白組総動員で製作されては、如何でしょうか!”
創作意欲
江戸文化の中での創作ファンタジー。
28年の歳月をかけて創るとは。
年老いても創作を諦めないジジィ達は凄い。
滝沢馬琴が葛飾北斎に触発されて
描いていくとは知らなかった。
二人のジジィ達が刺激仕合ったんだね。
馬琴が命をかけた八犬伝。
『虚』『実』だから描けた正義の世界。勧善懲悪。正義が勝つという希望の物語が必要。これが今日の日本人に残されている。
馬琴と鶴屋南北の虚実のやりとりは面白かった。黒木華さんの着物姿は似合うなぁ。
途中、とある鮨屋の握りとツマミが交互に
出てくるような映像感覚に捕らわれたが晩年の馬琴の生き様が観れて良かった。
正に『正義』でした。
八犬伝をふわっとしか知らずに見に行きました
色々ドラマやコミックにもアレンジされているのでなんとなくは知ってましたが、八犬伝。やはり日本人が好きなストーリーだなぁと思います。
八犬伝パートは各地から宿命を持って生まれた若者が集まり敵を倒すという王道RPGのダイジェストみたいでした。エンドロールで見たら結構、見覚えのあるお名前が並んでいたので、戦隊モノが俳優の登竜門と言われることを考えるとこれもそうかも知れません。
しかし映画館のお客さんの質がハズレでした…途中で席を立つ人、おぼつかない足取りで移動する人、携帯電話の電源を切ってない人、ボソボソ話す人……、面白い映画には没入して勝手にしーん…となるものだと思うので、結構な人が集中してない映画だったと言えるかも知れません。
お百さんの金切り声、ちょっと耳につきましたし、同僚とかにいたら凄く嫌なタイプです。
最期の最期に嫉妬で嫁を睨みつけ終わるところとか…気が強すぎて引きます笑。
実のところ、
お路の書が見事でした。最高の嫁だと思う。
馬琴と北斎の仲も良かったです。理解者がいてくれるのは有り難い。
二つの物語のように
交互でストーリーが切り替わる、最初はそれも楽しめたが段々ストーリーが進むにつれてもどかしくもっとスピード感があっても良いのではと思う。
八犬伝は昔見たことがあるがやはり昔の方が良かった感が否めない
読者へ届ける。
28年にわたり「八犬伝」の物語を書く作家・滝沢馬琴と、その家に遊びに来る葛飾北斎と息子の妻・お路の話。
滝沢が書く八犬伝に出てくるキャラ伏姫の死と引き替えに空高くから放たれた八つの石(水晶)、その放たれた石を持つ八犬士達と里見家の物語と作家・滝沢の日常を絡めながら見せる。
八犬伝の話から入る冒頭から急に雰囲気変わって滝沢と北斎のやり取りに変わる序盤、眠気のせいもあり、状況掴めず滝沢と北斎は八犬伝の中に出てくるキャラ?と思っていたら、八犬伝を書く作家と途中で気づき…。
ハ犬士達の一人一人違う能力を持ち戦うシーンはカッコよかったけれど、物語と現実を絡めながら引っ張って、ラスボス玉梓の怨霊ははあんなあっさり?って感じだった。
滝沢の目となり手となったお路へ対して何故そんな感じ?と、作品だけれど思ってしまった。過去作で里見八犬伝って作品があるのは何となく知ってたけど、こんな話だったんですね。
虚の虚と実の虚の融合
会ったことはないのに馬琴(役所広司)と北斎(内野聖陽)はこんな感じだったのだろうと思えた。かなり喧嘩をしたらしいが。北斎の馬琴評が面白い。「よくぞこんなかちんこちんの頭からこんな物語が書ける」と。隣人にはしたくない性格の馬琴の雰囲気も、家族もいい。馬琴の目となり自分が八犬伝を書くと言うお路(黒木華)は勿論、鶴屋南北(立川談春)や渡辺崋山(大貫勇輔)の言葉に考えさせられる。
原作の山田風太郎先生の『八犬伝』は『南総里見八犬伝』からするとかなり手を入れている。犬江親兵衛の馬、青海波を早々に登場させたり、子供の頃の信乃と大角が知り合いだったり。虚の世界を更に虚としている。映画ではそこにまたまた手を入れて『南総』にもなかった八犬士vs玉梓(栗山千明)を作り、伏姫(土屋太鳳)が最後の戦いの後三犬士を蘇らせる。
何でもやっていいとは思わないがここでの虚の八犬伝はまだ想像の段階だ。『南総』の玉梓は里見家に呪いをかけ斬られて以降未登場だし、七犬士の仇撃ちで盛り上がる前半に比べ治世や犬江親兵衛の少しやり過ぎな「仁」が目立つ後半は関東決戦になりながら華が弱い。山田先生も最後の辺りは八犬伝の進行を状況の説明にしている。映画という娯楽作品であればこのような展開もありと思う。
そして実の世界と言いながら、やはりそこは山田先生が書いた実際の人物達を動かした虚の世界だ。実もまた虚でできている。
ただ馬琴が信条とした虚の世界は正義だ。実の、現実の世界がそうでないから虚の世界に正義を求めた。そして多くの人を惹きつけた。やはり映画の八犬士が揃って敵に向かう姿にはワクワクする。ラストで馬琴は八犬士に迎えられる。崋山が言ったように正義を書き続けた馬琴が八犬士と共に実となった。そのように感じた。現実に疲れている分、正義に生きる彼らに憧れさせてもらおう。
予想外に面白かった
元々、期待は低かったのだけど南総里見八犬伝が好きだったので観に行った。結果的に滝沢馬琴物語を観た訳だけど、それは承知の上で観ると決めたので問題なし。
ゲームやラノベ、映画にTRPGと虚構に娯楽を見出している自身として、それに真摯に向き合う姿勢に思いの外共感を得てしまった感じ。
作品としては八犬伝パートはそこまで重要ではなかったとも思うが、虚構をテーマに据えているからこそ意味が出てきているというか…
ネタバレとしては、劇中劇にあたる(?)歌舞伎の中の「忠臣蔵と四谷怪談」が「八犬伝と滝沢馬琴」に対比するのかねぇ…などと細かい部分を比較してくと構成の拘りなんだろーなーとか徒然
残念、バランスが悪い……。
試写会に行きました。
なんだろうなぁ、素晴らしいところとイマイチなところかはっきりした作品だったなぁ。
いいところとしては、役所広司さん、内野聖陽さんはやっぱり演技が素晴らしい!
それと、四谷怪談のお芝居部分の迫力がすごくて、歌舞伎役者ってすごいなぁと感動しました。
悪いところ…って言いたくはないんだけども、八犬士がイケメン揃いなんだけど、演技がイマイチな役者さんが……。
演出がわるいのかな?
時代劇は現代劇とはやっぱり勝手が違うのかなー?
その中では板垣李光人さんはすごい良かった。やっぱ上手いよね。
映像も技術は凄いけど、虚の方の世界観が私には入り込めませんでした。
もっと滑らかに話が進めば見やすかったかなぁ。
面白い。だからこそ勿体無い
なんとなく申し込んだ試写会が当たったので、観に行きました。
全体としては面白かったです。
当初は当たったけど、どうしようかなぁ〜という感じでしたが、観に行って良かったと思います。
現実と虚実を分けて描くのも良かったです。
正直、現実のパートだけで一本の映画もしくはドラマがつくれそうでした。
流石という演技でした。
なので、残念です。虚実パートの演技や演出と比べてしまいます。
あの戦隊物のような演技、演出がどうしても、好きになれませんでした。
それと、やはりベテランの演技に比べると負けている感じがしています(個人の感想ですが、シノの従者の八犬士の役の人が酷い)
あと、何がというのはわからないのですが、現実と比べてみると、虚実は何か負けている感じがします。
あと、不満をあげるならパート分けのせいでテンポが悪いです。
ただ映画自体は面白いです。
観に行った方がいいか聞かれたら、時間があるならオススメだよという感じです。
まぁ、最後のシーンは無しでいいと思いますが、文章だけで終わらしておいてもよかったのでは。
俳優の使い方
役所広司と内野聖陽という、当代邦画界を牽引する名優に加え、寺島しのぶ、黒木華、磯村勇斗ら実績ある俳優陣をそろえた、『現実(江戸)パート』だけでも、本作を観る価値はあると感じました。
内野聖陽は、葛飾北斎のようなクセの強い年寄りを演じるのが上手い。対比として役所広司の馬琴もいかにもそれっぽくて、見応えがありました。
『仮想(戦国)パート』は、嫌らしい書き方をすれば、女優に助けられた感じ。
伏姫(土屋太鳳)は演技はともかく所作にキレがある。対する玉梓(栗山千明)は、まさにハマり役。
浜路(河合優実)は、今売り出し中なんですかね?もう少し姫感が出ると良かったですが、、、
女優ではないけど、毛野(板垣李光人)が、女優さんよりも美しかったです。
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