八犬伝のレビュー・感想・評価
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滝沢馬琴=尾田栄一郎と仮定して…
なんでこういう構成にしたのだろうか?
話のネタとしては興味深い。
八犬伝を後世に残した滝沢馬琴の物語。
それに葛飾北斎や鶴屋南北までが参戦する。
虚と実の話が何回も出てきて、構成もそれに準じるものではあったけれど、どうにも噛み合わせが悪い。
「八犬伝」の内容は虚であるが、戯作自体は実である。で…今作が語る滝沢馬琴の生涯は虚ではないかと思うのだ。いや、学がないからこその見解であって、滝沢馬琴研究家が「これぞ!」と唸る程、ご本人の人物像に沿っていたのかもしれないが。
実際、馬琴のプライベートがアレだと仮定すると、劇中劇の八犬伝のウェイトが重過ぎるような気がする。
長いと言うか、くどいというか。
ご丁寧に八犬伝の筋は分かる。
けど、馬琴の生涯を知る事で相乗効果が出てると思えず…なんなら滝沢馬琴物語を見せてくれた方が充実感を得られたような気がしてる。
北斎や南北のようなキャラも出てくる訳だし、ラストのエピソードも効いている。
八犬伝と馬琴が喰いあってる気がしてならないのだ。
それと、八犬伝パートの色味をもうちょい変えて欲しかったかなぁ…。
思うに馬琴の脳内映像ながら演出的には時代劇をやろうとしている。芝居もなんだかコッテリしてる感もある。逆に…この色味を変えない事がテーマと直結してて、虚と実の境目をワザと付けなかったのだとしたら、八犬伝とは馬琴にとっては何だったのだろうか。
そうなると途端に哲学じみてくる。
虚と実の話をすると、他人なんか全部「虚」に分類される。他人が見てる世界と自分が見てる世界の解釈は違うからだ。
確かなものは、自分が感じるものだけである。それが間違っていたとしても嘘でも想像でも推察でもない訳だから。北斎が馬琴の頭ん中が分からないのと同様、他人の頭ん中を100%理解するのは不可能だ。
馬琴にとって、八犬伝執筆は実であって、それを創作する過程も実であるってのが色味を変えなかった意味なのだろうか?
では虚とは何を指すのか。家庭であり世間であろうか。驚く程、馬琴から見た家族の描写は少ない。その代わりに妻や息子から見た馬琴は同一人物かと頭を傾げる程に両極端だ。そして、馬琴が家族に想う事にも溝を感じるような状況も多々ある。
かと言って八犬伝執筆に没入してる馬琴を描くでもなく、苦悩を描くでもない。周りが馬琴を評価する原因が悉く描かれてはおらず、馬琴自体もそこを気にかけてる素振りもない。
…いや、そんな小難しい事を描いてるような作風でもないとは思うので、ここらでやめとこう。
劇中で興味深い台詞があった。
「物語は虚でも、その精神を貫けば、それは実になるのでないですか」とかなんとか。
素直に「だよね」と思う。
が、ここに待ったをかけるのが南北で…出来もしない理想を掲げるのは無意味だとか何とか。
「正義は必ず勝つ」このありもしない幻想を流布し浸透させたのが滝沢馬琴なのかと思うと戦慄さえ覚える。
八犬伝以前にはそう言うファンタジーに分類される戯作はなかったのだろうか?
八犬伝以降、現代に至るまでその思想を拠り所にする精神論が蔓延ったとするなら恐怖でもある。
実際、俺もそんな事を考えながら日々降り注ぐ理不尽に対処してるような気にもなる。
いや、これも本作のテーマではなかろう。
どうにも居心地が悪いのだ。
思わせぶりな台詞が多すぎるのかしら?
単純に八犬伝誕生秘話でも良いのだけれど、そうなると馬琴の境遇が不憫で、と言うか不憫なエピソードしか語られずで…執筆者のプライベートとか違う世界過ぎて知りたくもないのだ。
明石家さんまさんが「TVで泣かないのは、お客さんが笑ってくれへんくなるから」という信念を持ってらっしゃるらしい。
そう言う事だと思うのだ。
読者は我儘だ。
本作を見ながらに思うのはONE PIECEを執筆中の尾田栄一郎先生の事である。
連載が終わるまでは死んでほしくないし、彼のプライベートを知りたいとも思わない。
どんな人物でどんな境遇なのか知る術もないけど、知る事で作品に対する雑味となってしまうなら、それこそ本末転倒ではなかろうかと思うのだ。
乱暴な言い方をすれば、執筆者の境遇などどうでもいい。そのぐらい執筆者と読者の間に距離があってもいいと思うのだ。
だから、本作の切り口はよく分からなかったのだ。
滝沢馬琴物語なら俄然興味はある。
それも八犬伝執筆の裏話なら。
が、本作はそうでもなさそうなのが難点で…本作が語る「滝沢馬琴」自体が虚、つまりは創作である匂いがプンプンする。
八犬伝パートがもっと凝縮されてて、続きが見たいと思うくらいでも良かったんじゃなかろうかと思う。
実際、前半は壮大なスケールだった。
後半になりCGに逃げたというか安直になったというか…おざなり感が強かったのが残念だ。
驚いたのが原作「山田風太郎」のコールがあった事だ。
実際、原作は読んでないのだけれど、角川映画の「里見八犬伝」の原作も山田風太郎だったように記憶している。
いや、角川の方は「南総里見八犬伝」だったかしら。
※調べたら角川の方は「新・里見八犬伝」で原作者は鎌田敏夫さんだった😅
ともあれ角川の里見八犬伝は大好きで、今尚、生涯ベスト3の1本には入ってる。
監督、深作欣二が偉大なのか、脚本家が偉大だったのか分からんけど和製ファンタジーの最高峰だと今でも思う。
まぁ、ともあれ、役者同士の掛け合いは面白くて、特に寺島しのぶさんの役所はとても重要だった。
彼女1人が虚を実に繋ぎ留めていたと言っても過言ではない。
ネタ的には面白かったのだけど、配分が好みではなかったなぁー。
よかった
八犬伝にはなじみがないので、どんな話なのか興味があってワクワクしていたのだけど、劇中劇はダイジェストだ。球を持った人物が発見されて集まっていくのは面白い。殿様の発言がブレブレで災いを招く、発言には責任を持とうというメッセージを感じる。しかし、あの女だったら発言がぶれていてもいなくても目一杯恨んできそうだ。どっちでも結果は同じだったと思う。
当時は殿様は絶対だったのかもしれないけど、里見家に無関係な若者が球を持っているからと言って命がけで忠義を尽くす。いいのか。
滝沢馬琴パートはまあまあで、歌舞伎を見に行った時に鶴屋南北を不真面目だと批判する。物語作家なのにえらく真面目だなと思ったせいで、八犬伝をつまらなく感じる。今も昔も同じだと思うけど、現実の方が絶対にふざけているし理不尽がまかり通っている。四谷怪談も忠臣蔵もよく分からないけど、ふざけて表現していると言う鶴屋南北の方が面白そうだ。
奥さんの寺島しのぶがいいところ一つも描かれない。息子には厳しくしつけをするのに奥さんは野放しだ。今なら普通だけど当時としては変ではないだろうか。いまわの際の言葉が「ちくしょう」、あまりに悲惨だ。
本当に真面目な人が作っている感じがするのだけど、葛飾北斎が描いた絵をいちいち丸めて馬琴が恨めしそうに見ているやりとりが面白い。
役所広司はナニモノなんだ
《PERFECT DAYS》でも思ったけど役所広司すごいね。
「そこの筋肉は、どうやったら動かせるの?」という感じで表情を作ってくる。
合わせる寺島しのぶもすごいんだよ。
役所広司と寺島しのぶでやり合ってるところに磯村勇斗が絡むんだけど、磯村勇斗をもってしても敵わない。格下に見えちゃう。
話は、物語《八犬伝》の世界と、それを描く馬琴の世界で交互に進むのね。
《八犬伝》パートはわざとだと思うけどちょっとちゃちっぽいというか作り物っぽい描き方なのも面白い。
玉梓役が誰か気になって「こんな顔した女優さんいたよな」って感じで、深津絵里っぽいのかな。エンドロールで栗山千明と分かって、なるほど綺麗だわと思ったな。
《八犬伝》面白いよね。一大スペクタクル爽快活劇じゃん。
木下グループが「黒澤映画みたいなのを撮ろう」と思ってやったのかな。角川映画にも似てた。
話は無茶なんだけど『主君の言葉の重さを知れ』っていう教訓が入ってたりすんの。
「実は大鳥にさらわれたお姫様でした」ってところは「ギリシア神話かよ」って感じなんだけど、いまこういう大仕掛けないね。
あまりにやりすぎて「さすがに作り物っぽすぎる」と思われちゃうんだろうな。
でも、いまは作り物にみんな慣れてないから、今こそまたやって欲しい。
実の世界ではなりたたない善因善果、悪因悪果を虚の世界で描いて、でもそれを貫けば虚も実となるのだみたいな話があるんだよね。馬琴の人生がそうであればいいってことだと思うんだけど。
だからラストに八犬士が馬琴を迎えにきたときは泣いた。
知っていそうで知らない八犬伝だから、歴史的名作を知る意味でも、観たほういい作品だと思ったよ。
タイトルなし(ネタバレ)
虚実をテーマに、滝沢馬琴近辺の実部、八犬伝の虚部をうまくまとめてたなと感じました。
・衣装などリアルな実と、衣装など明らかに作られた虚
・家族間がうまく行かない実と、八犬士がうまくそろう虚
など、細々と虚実の対比があったのはよかった。
拍子木がなくなり、正義が報われるとは限らない実と、正義が報われる虚がいつの間にかいっしょくたになっていくのはおもしろかった。
ラスト息子・おみちの正義が、作品完成という形で報われるのも虚実合わさった故にという感じ。
まぁ、ラストはもう少しどうにかできた気がするけど、八犬士に囲まれた馬琴の笑顔は1つの虚実の合わさった形なのかな。
八犬士にワクワク
八犬伝と言えば、昭和生まれの私はNHKの人形劇「新八犬伝」を思い出します。坂本九さんの語りが軽妙で、辻村ジュサブローさん制作の人形は妖艶で、ちょっと怖かったです。あらすじは全く覚えていませんが、♪”仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌”の一節だけは歌えます。
そしてもう一つは、角川映画の「里見八犬伝」。信乃役の京本政樹さん(なんて綺麗な人、と思った)が「浜路!」と呼んだのが岡田奈々さん、美しい。踊り子(毛野)役は志穂美悦子さん、美しい。でも真田広之さんの役は覚えてなかったです(親兵衛でした)。主役が薬師丸ひろ子さんですからとにかく豪華で派手。ジャックが大暴れです。同じ深作欣二監督の「魔界転生」とちょっとごっちゃになっています。エロイムエッサイム、我は求め訴えたり!
という事で本作ですが、角川映画でお馴染み山田風太郎さん原作です。ただ、角川の「里見八犬伝」の原作は鎌田敏夫さんなんです。どうりで主人公も話も違う、ややこしい。
滝沢馬琴が28年の歳月をかけて書き上げた「南総里見八犬伝」の創作エピソードと、本の中身の伝奇物語が交互に進んでいきます。葛飾北斎との交流が創作意欲を刺激して、壮大な物語が出来上がったという話です。
”虚の世界”と”実の世界”は同じ分量で描かれますが、どちらかに重点を置いた方が良かったかなと思います。私は八犬伝の方が面白かったです。磯村勇斗さんはてっきり犬士かと思ったら違いましたが、8人は良かったです。これだけの物を書いた馬琴は天才と思います。
実の世界の方は中途半端かなあ。北斎や鶴屋南北とのやり取りは面白かったですが、映画では創作に28年もかかった理由がよくわからず、一体どのくらいの分量の話なんだろうとウィキペディアをみたら、98巻106冊でした。それほど膨大なら、28年かかったのも納得ですが、生みの苦しみとかがもうちょっと欲しかった一方で、要らない描写が結構ありました。
本作では妻は悪態ばかりつき、息子は病弱だし影も薄い人物。馬琴も晩年は目が見えなくなって、息子の妻が字を覚えて聞き書きで執筆を引き継いだ話になっていました。
でも土岐村という苗字と路(みち)という漢字の名前を持った女性が漢字を全く知らないとは信じがたく、自分の夫が仮名を振った原稿を全て(その時点で数十巻あります)読んだなら、分からない字を聞く事はあったとしても、馬琴がへんやつくりを一から全部教えたというのは、大袈裟な作り話ではないかと思います。もし、「うちの嫁はろくに字も知らなくてね」なんて言われていたとしたら、お路さんがお気の毒ですね。
天才作家の話を無理に家族の絆みたいな話に持っていくこともないのに、と思います。
とはいえ流石は役所広司と内野聖陽なんですわ
鑑賞前は、現実シーンと物語シーン両方が入ってるって、結局どっちつかずの感じになってしまうのでは!?
と、若干の懸念や疑念を密かに抱いていたものの、観終わってみたら、全くの杞憂でした
現実パートは、役所さん&内野さんをツートップに、日本の誇る名俳優陣が有無を言わさぬ圧巻の演技
物語(虚)パートでは、新進気鋭の若手俳優たちが、銀盤上で縦横無尽に駆け巡り、颯爽と活躍
伏姫と八房が出ていくところは、もうちょっとどうにかならんかったん???と冒頭でちょっと気になったけど、それは小さいこと
いやはや、良いものを拝見いたしました
先に観た『十一人の賊軍』も良かったけど、こっちもよかった
両者で伝えたい最終メッセージは、最終的にどちらも同じ場所に帰結していると思うのだけど、全く違ったアプローチ。まさに正反対
同じ時期にこれだけの良質な作品を双方楽しめるというのは、良いものですなあ〜
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ちなみに、自分の観た回は舞台挨拶もあったので、以下自分用備忘録。
(読まれる方は、ネタバレ注意)
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登壇者は八犬士を演じた役者さん達(犬塚信乃・犬川荘助・犬江親兵衛役の御三方)と、曽利監督
登壇直後、監督の曽利さんが、信乃役の渡邊さんから花束を手渡されていて、感激してました (以前の舞台挨拶で役所さんと内野さんだけ貰っていて、羨ましかったらしいw)
以下、問答集
Q. 最近「はっけん(発見)」したこと。
A. (曽利監督) 最終シーン(音声無し)、実は役所さんはずーっとしょーもないクイズを出していて、それで役者達を笑わせていた
なので、最後の笑顔は、役としての笑顔ではなくて、演者さん達自身の笑顔になっている!
A. (渡邊さん) 親兵衛役の藤岡真威人君が凄く可愛いということ(笑)
何か発言がいちいち可愛いらしいw
それは確かに、壇上を見ていて自分も思ったww
Q. 信乃と壮助のキャスティングについて
A. (曽利監督) 物語中で兄と弟分のような立ち位置なので、リアルですでに親交があるから良いと思った。映画の中でも関係性をすぐに築いてくれると期待して
結果、思惑がピッタリ嵌まったそう
Q. 親兵衛役について
A. (曽利監督) 原作で親兵衛はもっと歳の低い役どころだったので、一番若い子として起用。
実際に撮影してたのが2年前で、その時まだ藤岡君は17歳だった (!)
今日の登壇を見ていても、本人も愛されキャラで末っ子の立ち位置で、やはり良く嵌まったとのこと
Q. 撮影中に印象に残ったシーン何か一つ
A. (藤岡くん) 自身の親兵衛登場シーンで、お馬さん(←)に乗って「お待ち下されー!」て言いながら出てくるところ
乗馬も初めてだったので、馬場での練習も含めて、楽しかったそう
(と、手先で馬の脚を真似ながら・・・うん、可愛いw)
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大ヒット御礼の文句に虚飾無し
とても楽しめました・・・!!
味わいがあった・・歳くったからかもしれんけど・・・
事前にレビューの評価を見たら前評判の割には低かったので、観に行くかどうか迷ったが、久々に味のある面白い映画を観たと感じた。最近の映画では役所広司さん主演の「PERFECT DAY」が印象に残っているけど、今回の映画、内野聖陽さんと二人の言葉のやり取りに味わいがあった。二人の話の中に、馬琴(役所)の妻(寺島しのぶ)が割って入るところが、まさに江戸の日常を感じさせた。そういった日常風景を描きながら、馬琴の創る八犬伝の世界が挿し込まれる。恥ずかしながら、南総里見八犬伝の話を僕は知らなかったんだけど、この映画を観て大体のストリーが理解できた。八犬伝の話になるとCGを駆使した、まさに虚構の世界、そして、戯作家としての日常に戻る。実生活では息子に先立たれ、決して幸せとはいえなかった馬琴が、息子の嫁(黒木華)の助力で八犬伝を完成させるというラストも胸震えるものがあった。"真面目にやってる奴が必ずしも報われない"という現実であっても、息子の友人渡辺(大貫勇輔)の「たとえ正義が虚であっても、貫いていけば人生は実になる」という言葉が強く印象づけられた。虚が実になる、虚構によって現実を深める、といった一本の背骨を感じる映画だった。栗山千明の狂気に満ちた迫力ある演技も目を惹く。
勧善懲悪がいい
馬琴の現と
八犬伝の虚が絡み合う。
何が虚で何が現か。
勧善懲悪で何が悪い。
昔懐かしい「里見八犬伝」を知る世代のお客さんが
多かったように見えました。
単純に八犬伝の世界を描くだけではなく
馬琴の現も同時に描かれているので困惑してそう…(苦笑)
役所広司と内野聖陽の派手さのない
でも全身全霊でオーラを放ち、
漲っていて、アクション頑張る若手陣は
少しかすみがち。
でも昔の里見八犬伝もきっとそうだったはず。
(観たけどあまり覚えてない💦)
ここから名優へと成長して行ってほしい。
2025年注目度NO.1と言われている板垣李光人も
出てたことだし👍
葛飾北斎と曲亭馬琴の関係性が良かった。
馬琴の実生活と、八犬伝の物語を両方知れたのも
愛想のないお路が、どう物語と関わっていくのか
中盤までは分からなかったけど、
宗伯(磯村勇斗)を支え、彼の最後の願いでもある
「八犬伝の完成」は、しっかりお路に託された結果
現代文学にも多大なる影響をもたらしたであろう
大作が誕生した事が知れてそれだけでも異議ある。
人形劇の記憶
八犬伝というとNHKの人形劇のイメージが、それも最初の頃の
一番印象に残っているのが坂本九さんのナレーション?「さもしい浪人あぼしさもじろう」
本作にも序盤に「あぼし」さん出てきました
(劇中劇=虚のパート)
テンポよくスッキリとした流れでいい感じです
もちろん実のパートがなければ少し物足りないかも知れません
そもそも里見の殿様が「武士に二言」があったために自ら災いをもたらした訳なので、冷静に考えて自業自得なのです🙇♂️
最初に玉梓さんかわいそうだとかバカ殿何やってると思ったら、その後の展開に感情移入できなくなるので、そこは伏姫・八房・浜路さんの方がもっとかわいそうだと思ってラストまで観ましょう(笑)
栗山千明さんの玉梓よかったです
既視感があったのは夏木マリさん(1983年の映画の玉梓役)に似ていたからかも
(作り手側の物語=実のパート)
馬琴さん北斎さん家族に友人達の話なのですが、安定感がありすぎて虚のパートとの切り替えが何故かしっくりこなかったです
最後にクレジットで流れる路さんが重要な役割を果たした完成秘話をメインにし、テンポよく短くしてナレーションで補うなどの工夫があってもよかったのではと感じました
創作の喜びとは
八犬伝のほうは、支離滅裂になりそうなところ、
よく短時間でまとめたなぁという印象でした。
セリフで状況を説明しなければならないのは仕方のないところ。
飢饉のときに相手を支援したのに、逆の立場になると攻めてくるとはひどい。
犬がモフモフで可愛かったです。
馬琴のパートもそれぞれのキャラがいい味を出していました。
交友関係とか結構史実に基づいていたのですね。
忠臣蔵の対極にあるものとして四谷怪談がでてきましたが、
里見八犬伝の監督だった深作欣二さんの作品にも忠臣蔵外伝 四谷怪談
というのがあるのですね。
四谷怪談は忠臣蔵のスピンオフだったとか。知りませんでした。
調べてみるとなかなか面白いです。
虚と実の論争。八犬伝が虚で馬琴の生活が実ということでしょうけど、
楽しみは虚に結び付きやすく、実を感じるのは苦しいときが多いですかね。
楽しみの種を虚の中に植えながら、その実(み)を実(じつ)のなかに花開かせたい。
浅はかながら、そんなことも少し考えさせられました。
原作も人形劇も見ていないが、まあ楽しめた
物語パートだけとおもって行ったが
現実パートの方が楽しめた。
北斎の内野さん 良い役者になりました。
半ネタバレ
最後にその犬出すか?でマイナス☆2で。
普通にそのまま終わって欲しかった
ナガイヨ、ナガイヨ
原作未読。滝沢馬琴伝なんでしょうけど、ほとんど感情移入できなくて、感動もなかったです。
馬琴伝と八犬伝と交互に流れるのですが、八犬伝の方で玉梓の怨霊に一人の犬士が八つの玉を投げて、一太刀で破るという呆気なさが淡泊に感じました。最初から玉八つ投げれば倒せたよなあ。
馬琴伝も人物像をなぞっただけで、どちらのパートも長いわりには中途半端に感じました。
昔テレビで放映していた里見八犬伝はかなり面白かった記憶があるので、残念でした。
邑犬群吠
原作は膨大だそうで未読で映画でコンテンツ自体完全初見です。
かなり奇天烈な作りで人を選ぶ作品なのは間違いないですが、こう変わった感じの邦画って久々だなというところで楽しめました。
八犬伝の作者の滝沢馬琴の日常と八犬伝のストーリーを融合させた感じで現実と空想が入り乱れる特殊な進行をしていたので、どちらかと言うと現実パートの方が興味深かったので割合8:2くらいで進めていてもエンタメ作品としては十分面白かったんじゃないかなとは思いました。
その日常パートで馬琴と北斎がわちゃわちゃ会話をしているところが抜群に面白く、天才と天才の会話のはずなのにおじさん、お爺さんになっても変わらずそれぞれの夢や生活を語ったり、挿絵を描いてくれたのに捨てられて、挿絵を頼んだら断られてみたいな流れを延々とやっていて愛らしいですし、なんならこの会話劇をずっと見ていたいくらい良かったです。
八犬伝パートは歴史ものにファンタジー要素を加えた感じでだいぶ簡素化したのが今作に差し込まれる感じなのでなんとなく八犬伝を知れる感じで気楽に観るのがベストかなと思いました。
ドラゴンボールみたく8つの玉をそれぞれ持った剣士たちが集まって悪に立ち向かっていく王道物語で、時代背景的に姫様だったりがもっと絡んできそうなところを省略しているので今作だけでは物足りなさはありましたが本編自体は気になる作りになっていたのは良かったかなーと思いました。
CGやVFXは大作っぽい今作のような作品にしてはクオリティは高くありません。
初っ端のワンコの合成しましたよ感が強すぎて笑っちゃいましたし、殺陣で飛び回るシーンだったり、敵が煙状になったりするところも合成ってこうだろうって感じではめ込まれた感が否めない出来だったのは笑いましたが褒められるものではないかなと思いました。
演技面では皆々様素晴らしい方が揃っているのですが、ところどころ舞台よりのオーバーな演技と映画らしい繊細な演技がぶつかり合っての化学反応が起きずバランスが悪くなっていたのはもったいなかったです。
八犬伝パートではそれが特に顕著に見られ、殺陣のシーンがあったり、VFXとのぶつかり合いもあったり、血みどろな展開もあったりと大変だったとは思いますが、映画として1本筋の通った演技合戦にして欲しかったなというのが正直な感想です。
ラストの八犬士たちと出会えた馬琴の絵面は神々しくて結構好きでした。
評価するには難しい1本ですが、日本には昔からこんなエンタメがあったんだぞという証明にもなりましたし、創作の大変さが身に染みて感じられる作品でした。
鑑賞日 10/27
鑑賞時間 9:10〜11:50
座席 L-9
みんな八犬伝育ち〜‼️(*^^*)スゴい〜‼️
滝沢馬琴と葛飾北斎がタッグを組むなんて、スケールが大き過ぎて嬉し過ぎる〜(*^^*)
更に、芝居小屋の南北迄登場〜‼️
南北と滝沢が闘わす劇作家の哲学論が、滝沢馬琴の生き方をも問い詰めてゆく。
果たして,28年もの長き年月を掛けて綴った物語に、
勧善懲悪、正義を貫き、心正しき努力を続けた者こそ報われるのだという理想を込める滝沢馬琴や如何に?
壮大なスケールで描いた葛飾北斎の富獄八景には、時を超えて胸に迫る圧巻の光景が躍る。
「八犬伝」で、育ったという青年絵師は、人生の生き方を教わったと、馬琴に胸を張ってみせる...
先の見えない時代を生きる若者に、昔もこれからも日本人の生き様はこれだ‼️
八魂を 瞼で描く 虚実の姿!
昔、新八犬伝という人形劇をTVで見ていた記憶がある。プリンプリン物語よりも5年も前の事である。
”~ 仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌 ~ いざと成ったらタマを出せ!”
良く口ずさんだものだったな。
男は八つもタマは無いけど2コはあるw
各タマの呼び名が、
”エンザ-キ-イ-ガ-・リャンガ-コ-テ-”(王将)とよく似てるが
これらとは決して違うw (末尾だけやん似てるの)
今日は「八犬伝」を観に行きました。
でもこの映画は ”南総里見八犬伝”がメインでは無く、あくまでこの作品を書き上げた 曲亭馬琴(滝沢馬琴)の半生を追って綴っている。
28年をも歳月を掛けた大作の物語ではあるが、馬琴本人も途中で両目が全く見えなくなってしまい、手助けしていた長男を病で若くに亡くし、そして我が妻をも先立たれてしまうのである。亡き家族の中、息子宗伯の妻・お路が口述筆記を行う事で漸くこの大作が完成されたのである。
そうまでして成し遂げた思いに、きっと本人の心の中には
鶴屋南北との出会いが深く絡んで居たのかも知れないと思う。
真の正義とは何か。江戸後期に生きた馬琴に 長く続いた天下泰平の終わりを感じていたのかも知れません。
勧善懲悪をハッキリと描く事で人々の心の不安(安心)と真っ直ぐな生き方を照らしたかったのかもと思います。
監督・脚本:曽利文彦氏
--------豪華な俳優陣------
滝沢馬琴:役所広司さん
葛飾北斎:内野聖陽さん
宗伯(鎮五郎 病気の長男):磯村勇斗さん
お路(長男の妻):黒木華さん
お百(馬琴の妻):寺島しのぶさん
七代目市川團十郎:中村獅童さん
三代目尾上菊五郎(お岩):尾上右近さん
鶴屋南北:立川談春さん
(八犬伝 物語登場)
伏姫:土屋太鳳さん
浜路:河合優実さん
里見義実:小木茂光さん
玉梓(怨霊):栗山千明さん
仁:犬衛親兵衛:藤岡真威人さん
義:犬川壮助:鈴木仁さん
礼:犬村大角:松岡広大さん
智:犬坂毛野:板垣李光人さん
忠:犬山道節:上杉柊平さん
信:犬飼現八:水上恒司さん
孝:犬塚信乃:渡邊圭祐さん
悌:犬田小文吾:佳久創さん
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(特に感じた所)
・宝刀:名刀村雨の斬った後の露飛沫がもっともっと光る感じで欲しかったかもです。近頃 鬼滅の刃の見過ぎかも知れませんがw
・芳流閣の決闘が素晴らしい。見事な捉えたアングルに拍手。
犬塚信乃と犬飼現八の戦いが中々の見応え場面であった。
こう言う場面演出が、チャンバラでもまだまだイケルじゃんて思うのよね。
・宗伯(磯村勇斗さん)の 父の腕の中で死にゆく所。
迫真の演技に本当に死ぬのかと そう感じる程に。素晴らしい。
益々の磯村さんのご活躍を応援しております。
・”畜生~” 声上げて死す妻、お百(寺島しのぶさん)のその思い。
この心の奥底からの声は凄いものを感じた。
我が人生、妻として、女としての無念さを見事に表現していたと感じます。
総合的に、八犬伝側の物語進行と、馬琴側の創作進行とが 少しごっちゃに見えてしまう所がとても惜しい所でしょうか。
もう少し色目を変えた編集の方がメリハリ付いたかと感じます。
八犬伝側は十分に楽しめた内容と思いますが、流石に八人は誰が誰?に成ってしまってる感は否めない点でしょうね。
しかし 今をトキメク若い俳優陣の活躍、これはとっても見物ですね。
八つのタマタマに
ご興味ございます方は
是非劇場へ どうぞ!!
タイトルなし(ネタバレ)
期待していたぶん、やや残念。馬琴と北斎の実話パートは豪華顔ぶれ、さすがの役作りと熟練した演技で、深い会話劇にそれなりの見どころがあったが、それとギャップがあり過ぎたのが八犬士の虚構パート。2.5次元舞台のような表面的で派手な演技に、『ゴジラ-1.0』を見習って欲しい安っぽいCG。このギャップ、わざとなのか…?下手な演技がとくに目立ったのは水上恒司と小木茂光。若手男子俳優たちはこれからに期待するとして、小木さんて、こんな下手だったっけ?個人的には『きのう何食べた?』のケンジ(内野)とジルベール(磯村)の共演が、あまりにも2人の役柄が違っていて面白かった。
「虚」と「実」
馬琴と北斎の「実」の部分と、八犬伝の「虚」からなる話。
馬琴は「虚」の為に様々な「実」を犠牲にする。「虚」に取り憑かれた男。
圧巻はやはり鶴屋南北とのやり取り。何が「虚」で、何が「実」か?この辺りは「ジョーカー フォリア・ドゥ」や「ルックバック」とも繋がる。
そして、年老いてなお、溢れる創作意欲。こな辺りは胸に迫る。
しかし「八犬伝」パート。「虚」の為、敢えて大きな芝居をしているのは良いとして、何だか安っぽい。本来人を魅了すべき物語が端折ってるのは仕方ないとしても、魅力を感じない。
また、八犬士がシュッとした二枚目とゴツいパワーファイターの2種類しかおらず、皆同じ様で見分けが付かない。それも盛り上がらない理由のひとつか?
そもそも、正義と悪をしっかりと描くという馬琴だが、里見が正義に見えないのも問題か?既にそこで揺らいでいる。
そして、何と言っても、時間が長い。
#八犬伝
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