八犬伝のレビュー・感想・評価
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滝沢馬琴の哲学が詰まった作品だった!
「"虚"と"実"=フェイクとリアル」が交錯する世の中で、コインの表裏のように移ろいやすいこれらの要素によって、憤り、葛藤を抱えながらも"虚"を貫くことにより超大作を生み"実"を成した作家。
生涯を通して八犬伝を書く姿は胸に来るものがあった🥺
『仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌』 滝沢馬琴と八犬伝
『八犬伝』と言えば、我々世代からすると、NHKで1973~75年に放映された、15分間の連続ドラマ『新八犬伝』が思い出される。滝沢(曲亭)馬琴原作の『八犬伝』を元にして、辻村寿三郎の人形劇とコラボして製作された、2年間に渡る人形劇。当時、遅々として進まない展開にイライラしながらも、次第に八犬士が召喚され、「玉梓が怨霊~」のおどろおどろしい台詞に、胸躍らせて見入った記憶が甦る。
そんな『八犬伝』の新作ということだったが、本作は、単に『八犬伝』の小説を実写化するのではなく、主役はあくまで、原作者でもある滝沢馬琴。馬琴が、28年間の歳月をかけて、目が見えなくなっても、息子の嫁・路子の手助けもあり書き上げた『八犬伝』に纏わる実話と、『八犬伝』のファンタジ・ストーリーである虚構を、交錯させた展開となっている。
当時、人気作家であった滝沢馬琴という人物は、極度の堅物男。妻からは、毎日愚痴を聞かされて嫌気を指す生活だったが、息子の宗伯からは、物書きとして尊敬されていた。そんな馬琴が、気兼ねなく話せる友人だったのが、浮世絵でお馴染みの葛飾北斎。実話パートでは、互いに悪態を突きながらも、それぞれの小説と浮世絵の才能を認め合う馬琴と北斎の2人の奇妙な友情を描いていく。
一方、『八犬伝』パートは、劣勢となった戦火の中、里見家は、名犬・八房の活躍で、敵大将の首を獲り、その妻・玉梓も打ち首にする。しかし、玉梓は死に際に、里見家に怨念の呪いをかける。その呪縛によって再び窮地に陥る里見家を救い出す為に、八つの玉の力に導かれて、『犬』に関わる苗字と『牡丹』のあざがある八犬士が集結し、怨霊・玉梓との戦闘を繰り広げる物語。
実話パートに登場する、馬琴を演じた役所広司と北斎を演じた内野聖陽、そして、馬琴の妻を演じた寺島しのぶは、もう何も言うことなく安定感のある演技で魅了する。『キノ・フィルムズ』らしく、ベテラン3人による泣き笑いの人情劇の中に、若手の磯村隼人が馬琴の息子役として、よいアクセントとなる演技をみせていた。
八犬士の方は、若手のイケメン有望株の8人が顔を揃えていた。フレッシュな演技で、頑張ってはいたが、流石に、役所、内野、寺島による演技と交互に、この若手の演技を観ると、なんとなく、演技の凄味や厚み、重さが感じられず、申し訳ないが、『時代劇ゴレンジャー』の様な感想で、イマイチ入り込めなかった。
日本文学の奇跡
尺稼ぎな感じも
2024年劇場鑑賞273本目。舞台挨拶中継付き。本編前。案の定ネタバレ気にして言葉を濁す役所広司。こういうことする映画は微妙と相場は決まっています。
作者側と作品を交互に描いていくという、どうも山田風太郎の原作通りの展開らしいです。ただ、本当は滝沢馬琴と葛飾北斎のやり取りを描きたかったけどそれだけじゃ尺が足りないから八犬伝の部分もダイジェストでくっつけた感じでした。もちろん28年、98巻、106冊の大作で、まず八人集めなきゃいけないからまぁ薄い感じの話になってしまいました。映画にまとめるなら新・八犬伝を原作にした真田広之主演の里見八犬伝の作り方が正解なのかもしれません。後は大河ドラマですかね。いいんじゃないですか、たまには完全フィクションでも。でもお年寄り怒るか・・・?
もったいない!
ストーリー、素晴らしかった。
役者さん達、見事でした。
脚本、微妙。
演出、編集、微妙。
滝沢馬琴の八犬伝を知るという意味では最高の映画だか、何か細かいところが雑で良くない。手放しで傑作!と言えないところが非常に残念な映画。
物語の紡ぎ手の苦悩、虚と実のテーマなどが非常に良く描かれている反面、拙いCG、古臭いカメラアングル、テンポの悪い編集などのおかげで、見てる途中でスウっと冷めてしまう。
虚のシーンは北斎画風のアニメにしたらどうだったんだろう?
馬琴が八犬伝を描き始めた動機・背景を、もう少し詳細に描いても良いのでは?
色々改善を妄想してしまう作品だった。
ジャパニーズ エンターテイメント
滝沢馬琴の物語
語らせすぎる
様々な解釈深読みが可能
と言うことは優れた作品だ。と言えると思う
とそんなありきたりの文句で高評価を残して終わりだと
僕の感想としては片手落ちなので
一部自己解釈を書き残し締めておこうと思うのだ。
僕はある時期に同じクリエイター先祖と思い
馬琴縁のち詣を行っていた
その場所は自社オフィスのすぐ近所で直ぐにでも詣ことが
可能な場所だった。
その場所を振り返りつつ、今の僕が取り憑かれている
要素振り返りを行うと
八と言う数は古来より我が国を彩る物語で
語り続けられて来た数である。
八島に八岐大蛇に八咫烏など陰極まる数である。
因みに八犬士が倒すべき相手が玉梓とされていたので
確証は持てないが、これが玉藻であるならば
九尾の狐。
渡来の妖怪である◎
ついでに八犬士が持つ珠は
仁義八徳で七福を超えた数でもある。
これもまた渡来の神で占める福を超えた話だなぁ。と
つまりは馬琴は新時代に向けて、我が国鼓舞を意図し
本作を創作したのではないか?
と本作展開より感じた。
まぁ、僕の深読みだが、多いに刺激を受けたのである。
無事役者新旧入替も見てとれ良かった良かった◎
日本のサブカル先駆者
本作は予告編を見た時から見るのを楽しみに待っていました。
何故なら、予告で見る限り「南総里見八犬伝」の物語と、その作者である滝沢(曲亭)馬琴の物語と並行した物語であり、それに興味がそそられていました。
物語の方は、昔NHK連続人形劇「新八犬伝」(1973〜75)で初めて知り熱狂して見ていたし、それから関連して山田風太郎などの小説やアニメも色々と見て来たので、個人的には今回は作者視点の物語の方が興味があり、そちらの方で満足させて貰いました。
しかし、この方法では私の様な人間は満足しても「八犬伝」初心者の人には物足りなかったかも知れませんね。
精密には分かりませんが、物語パートと伝記パートを単純に二等分すると時間的にはそれぞれ70分程度で、あの膨大な長編物語をその程度の時間だとダイジェストというか粗筋程度にしかなりませんからね。(個人的にはそれで十分だったし、かなり上手くまとめていたとは思いますが…)
なので、それが原因で「物足りない」という感想もよく理解できます。
でも、映画ファンを名乗るなら元々原作モノ映画というのはそういうモノである事を念頭に置き、そういう存在価値であるという事を肝に銘じておくべきなのです。そして興味を持ちながらも物足りないと感じた人は原作を読むべきであり、それこそが原作モノ映画の存在意義なのですよ。
そして、私が馬琴の半生の方に興味があると言ったのは、元々偉人伝や伝記は大嫌いなんですが、この人が現在のサブカルチャーの始祖的存在の様に勝手に感じていたからです。
私が生まれて幼年期の最初に興味を持ち夢中になったのが漫画というサブカルチャーであり、それからずっとこの歳までそのサブカルチャーにドップリと浸かって来た人生であり、そしてこういう人間(私)が形成されたと思うと、それを作った先人の人達に興味を持つのは当然の事なのです。
私が、漫画を読み、小説を読み、映画を見て、他の様々なジャンルの表現に触れ、そこで考えたことや人生観に至る何か共通性やヒントが、そういう人達の言葉や行動の中に必ず隠されている筈ですからね。そういう意味で本作の現実パートに興味がそそられたのです。
で、本作の場合だと特に馬琴と鶴屋南北(歌舞伎の演出家又は作家?)の創作についての問答は最高に刺激的で面白かったです。
今で言うなら、娯楽とアート、商業(大衆の要望)と作家の志、人生の美しい部分だけを表現し夢を与えるか、醜いものを描き怖がらせ勉強させるか等々、あの短いやり取りの中に考えさせられる(考えて来た)様々な事柄が含まれていて非常に興味深かかったです。
しかしまあ、今やネット時代となり日本のサブカル文化が世界中に広まっている訳ですが、日本ではこの時代から大衆が人生を楽しむ術を持っていた事に対する誇らしさを本作を見て感じられましたね。
中国の「水滸伝」などはもっともっと大昔の書物でそれが誰の為の読み物だったのかまでは知りませんし他国の事までは詳しく知らんけど(苦笑)何はともあれ日本の誇れるサブカル先駆者の存在を再確認させて貰いました。
中途半端
虚パートをもっと見たい派にも、実パートをじっくり見たい派にも、中途半端な出来。
いろんな役者さんが出ているのに、もったいない。
虚パートの栗山千明がいい感じの悪者なのに、最後盛り上がらない。。。
せっかく怪演しているのだから、もっと見せ場を。
あと八犬士のメンバーのビジュアルが被りすぎ。
・犬飼と犬山のビジュアルが酷似。
・犬川と犬村もよ〜分からん
実パートは北斎とのやりとりが間延びしていたし、寺島しのぶがこういう役を演じるとほんとにただ性格のキツい悪妻になってしまうので、使い方間違ったのでは。
南北と馬琴の問答(口喧嘩レベル)は面白かったけど、
それが原因でしばらく書けなくなった、という馬琴の葛藤が画面に現れることはないし。
その他、創作自体はスラスラ進んでいるので、スランプになった訳でもなさそう。
また晩年は目が見えないのに虚勢を張ることもないので、馬琴の苦悩がいまいち伝わってこない。
歌舞伎勢が総出演とか、松竹がやってもよさそうなのに
木下グループ制作、配給キノフィルムズの時点で、この企画に大手は乗らなかったという証左…?
VFXも今ひとつだし、ドラマも今ひとつだし、役者の無駄遣いに思えた。
人が前を向いて生きる為に
間違いなく面白かった。 だが ⑧人が多すぎて 識別不能
この有料パンフ🈶 歴史を知る的に【@1,200は高い】けど 相応の価値がある
ただ 『俳優のコメント』が多いのね 『そこじゃ無いだろ❗️』と思いました。
歴史的背景的には面白い🈶有料パンフ。資料も満載
八犬伝 って 1980年台の 薬師丸ひろ子さんですね。あと真田さん お二方ともバリバリ健在で何より。
人形劇とか漫画は一切知りません。
まあ 確かに ゴレンジャー以降集団ヒーロー🦸への影響力は計り知れないですね,まさに元祖。
本屋さんすら ほぼほぼ日本の大部分占める農村には無かった江戸時代 ただ 貸本の配達屋さんはいたかも
このような 物語を創作した 曲亭 滝沢馬琴さんは素晴らしい👍です。
有料パンフからの引用 滝沢馬琴さん 1767〜1848 南総里見八犬伝に晩年の28年 途中73歳で両目失明
3年間失明状態で 八犬伝完結1842 106冊
⭕️黒木華さんの役が素晴らしい👍 マジ 泣きのポイントあった。心を打った 是非劇場で確認してください❗️
葛飾北斎さん 1760〜1849
役所広司さんの曲亭馬琴は年相応
だけど 内野聖陽さんの 葛飾北斎さんは チト若め
あっ❗️関係ないけど ホームページの動画 東大王が出てるのは なんだかなぁ だったけど
あの 熱い男 藤岡弘さんがコメントしてるのはなぜ❓と思ったら
息子さんが 八犬士の一人演じてた❗️
曲亭馬琴さんの生き様【実 パート】
創作した八犬伝の世界VFX 【虚パート】バランスが良く飽きさせない
ただ,たまに傷 なのが ゴレンジャーのように 色分け 個性【リーダー🟥 センス人気🟦 女性の『真の強さ』🩷
未熟🟢 カレー🍛怪力🟡】が出ていない 識別がイマイチ短時間の映画では厳しい😰
ストーリーはわかったが 8人がごちゃごちゃが マジ玉に瑕。
でも 飽きなくて面白かった それは相違ない
河合優実 さんが こう言う時代劇初 らしくて 初々しい。
個人的には 渡辺崋山【大貫勇輔さん】が登場するのと 栗山千明さんが良かった。劇場で確認して❗️
玉の 数珠的な 『悌』が難読漢字 仁 智 信 義 とかは意味もわかったけど
あっ 詳しい内容は触れてないので 是非 映画館で確認してください❗️パンフもよろしく❗️
娯楽作品ですが 歴史興味ない人には少しだけハードル。だけど 誰でもわかりますよ。
悪人がのさばる世の中だが‼️❓正義を貫きたいものだ‼️❓
特撮映画史に残る大作
「虚構」の世界だけでなく「現実」の世界にもハッピーエンドは訪れる
「八犬伝」の物語と、それを創作した滝沢馬琴の物語を同時に楽しむことができて、少し得をした気分が味わえる。
ただ、「八犬伝」の方は、その面白さを満喫するには、さすがに「尺」が短かすぎて、例えば、せっかくの八犬士のキャラクターが充分に活かされていないなど、どうしても物足りなさを感じてしまう。VFXやアクションの見せ場も多いのだが、やはり、ダイジェスト版のような中途半端さが気になって、今一つ没入することができなかった。
その一方で、「八犬伝」の創作活動の方は、気難しくて人付き合いの悪い滝沢馬琴と、自由闊達な葛飾北斎という2人のキャラクターの対比が面白いし、馬琴に文句を言い続けた妻と、馬琴を支え続けた息子とその妻との関係性が、馬琴の人生を上手く浮かび上がらせていると思う。
馬琴と北斎の創作に対する姿勢の違いも興味深いが、本作の最大の山場の一つは、歌舞伎小屋の奈落で、馬琴と鶴屋南北が、「虚構」と「現実」に対する考え方について火花を散らす場面だろう。
悪がはびこり、正直者が馬鹿を見る「現実」だからこそ、勧善懲悪の「虚構」を創り出すことにこだわる馬琴と、正義が報われないという「現実」を直視し、それをありのままに描こうとする南北の姿勢は、どちらが正しくてどちらが間違っているという類のものではなく、いつの時代にも共通する創作のスタイルであるに違いない。
おそらく、重要なのは、その姿勢をブレずに貫くというで、馬琴が、28年という歳月を費やして、勧善懲悪の姿勢を貫いた「八犬伝」の価値は、そういうところにもあるのだろう。
そして、八犬士が玉梓の怨霊を滅ぼし、盲目になった馬琴が、義理の娘の力を借りて「八犬伝」を完結させたという二重のハッピーエンドからは、「虚構」の世界だけでなく、「現実」の世界でも「善人は報われる」ということを実感することができ、思わず胸が熱くなってしまった。
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