八犬伝のレビュー・感想・評価
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予告編どおり
もっとも映画で観たい原作の1つ「南総里見八犬伝」に関する映画なので、楽しみに観ました。
山田風太郎医師の原作「八犬傳」は、未読だが、
日本で最初と言われている 副業を持たない純粋な小説家:曲亭 馬琴(滝沢馬琴)氏を語っても、誰も興味を持たないが、永い章回小説「八犬伝」の切り抜きを 張り合わせて入れ込む事により、
江戸後期の文人の生きざまを見事に映画・小説化できていました。
本作を観ていて、月代・火縄銃・武具・衣装等での考証が気になったが、それはあくまで"虚の世界"
江戸時代にあって、作者があえてSF娯楽作品に徹している事が素晴らしい。
実の世界での考証は、文句はないが、最晩年に過ごした 新宿区四谷信濃仲殿町は、下級武家屋敷街だったのだが、竹藪が多く、そんなに田舎ではなかったと思うのだが。。。
撮影はしっかりしています。
八犬伝を扱った作品は、「宇宙からのメッセージ(1978年)」「里見八犬伝(1983年)」とみてきたが、
子供の頃観た NHK「新八犬伝(1973年-1975年)」が、1番面白く、今でも8個の字は主題歌として覚えています。
馬琴について、じゅうぶん魅せてくれたので、
次に観たいのは、今回の役者をそのまま使った「南総里見八犬伝」だ。
2時間では表現しきれないので、
ネットフリックス等の動画配信で、全106冊の章回小説を 最低でも3シーズン30話位
可能ならば9シーズンにまとめて、製作して欲しい。
虚と実
魔界転生や忍法帖の山田風太郎原作の作品。
物語「南総里見八犬伝」の「虚」の世界と
原作者「曲亭馬琴」の「実」とを行ったり来たりする構成。
「八犬伝」パートはうまくダイジェストにしてあるので見やすい。(親兵衛編はめんどくさい)
が、途切れ途切れになるので、ちょっと集中が欠ける部分も。
どっちもやりたいのはわかるが、話が散漫になってしまい薄くなった印象を受けた。
「馬琴編」と「八犬伝」を2部(作)構成でもよかったか。(それだと「馬琴編」が地味な仕上がりになるかも)
キャスティングは豪華。
「八犬伝」パートは若手を多く起用。演技はともかく(笑)、原作に近いイメージの俳優であったと個人的には思う。(特に毛野は女性をキャスティングしがちなので辟易していた)
八房デケェなw
企画的に失敗だったか
邦画界随一の名優役所広司の作品なのでそれだけで観賞は決まりなのだが、役所以外にも内野聖陽他、名だたる名優のキャスティングを見て楽しみにしていた。
【物語】
時代は約200年前、江戸時代後期。 滝沢馬琴(役所広司)は自宅で親しい友人の浮世絵師・葛飾北斎(内野聖陽)に構想中の物語の冒頭を語り始める。たちまち魅了された北斎は、馬琴に頼まれ話を聞いて思い浮かんだ場面をその場で絵にする。馬琴はその絵でさらに構想を搔き立てられる。
北斎は物語の続きを聴くために足しげく馬琴のもとへ通い、一方馬琴も北斎がイメージしたシーンをその場で描くのを見ることが大きな楽しみになっていた。
悪が横行する世で勧善懲悪を貫く八犬伝は、出版されると世間で大人気作品となる。長大な物語は20年を超す歳月書き続けられるが、終盤に差し掛かる頃には年老いた馬琴は視力を失い、ライフワークとして書き続けて来た物語を完結することが危うくなる。
八犬伝は、安房里見家当主義実が不用意な発言から敵方の嫁玉梓(栗山千明)に大きな恨みを買い、玉梓が里見家にかけた犬に纏わる呪いを解くため、運命に引き寄せられた8人の剣士たちの戦いを描く物語。 馬琴の執筆生活描写の間に八犬伝のダイジェスト的シーンが挿入される。
【感想】
ちょっと期待ハズレだったかも。
不覚にも前半ウトウトしてしまったせいもあるかも知れないが、そもそも最初から引き込まれればウトウトしない。と言うと「他人の性にするな」と言われてしまうか(笑)
本作で良かった点を言うと、役所広司、内野聖陽という二人が演じる馬琴と北斎の対話シーン。その部分は、期待通りでとても良かった。だから思うのは、この2人の絡みのシーンをもっともっと観たかった。
八犬伝のエッセンスを、単なるあらすじ説明にはせず、あたかもこれだけで1本の「南総里見八犬伝」実写化作品が制作できるキャスティングと撮影を行い、挿入シーンとした贅沢な構成。八犬伝をまともに読んでない俺には八犬伝がどんな話か分かって有難いことではあった。が、しかし、やはり半端だ。 前述のとおり、役所・内野の演技をもっと観たかったという満たされない欲求が残るし、八犬伝実写化作品として観たら、満足できるものではない。 そりゃあ、そうだろう、馬琴が28年掛けて執念で書き上げた八犬伝が作品の1時間ちょっとで描き切ることはできまい。
俺としては、八犬伝のあらすじはアニメか何かでサラサラと説明してもらって、馬琴の執筆生活、北斎初め周りの人間との関係、さらには息子、嫁、母親との関係をより深く、時間を掛けて描いて欲しかった。寺島しのぶ演じる妻生百なんか、あの描写だけだと悪妻にしか見えない。 馬琴の墓参シーンを観れば、お百が馬琴を支えたことは想像できるが、描き切れていないと思う。
ひと言で言えば、役所と内野がもったいなかった。
いい作品ではある
切なくも素敵な物語
いつも前情報を見ずに鑑賞するので、見てみると思っていたのと違いましたけど、とても面白かったです。スケールが大きかった分、シーンごとの雑さがあったり、展開が強引だったり突っ込みたいところは多々あるけれど、それらをひっくるめて評価できました。こんな風に実世界との葛藤に苦しみながら生まれた創作の世界はどれほど大切なものか。痛いほど伝わってきました。
8人の剣士たちも上手かったし、アクションも見ごたえがありました。本当は八犬伝の世界観だけを壮大に描いているものを期待していたので、最初の方は葛飾北斎が出てくるたびにテンションが下がっていましたけど、ラストは切なくて、あたたかかったです。なるほどなぁ、虚と実の結びつきはそりゃあ簡単な事じゃないけど、あり得ない夢というエンタメの世界に生きる力を見出している人はいっぱいいます。私もそうだけど。しょせん創作だという揶揄する人は多くいるだろうけど、立派な道義だと私は思うのですよね。八犬伝ファンには色々と物足りなさはあるかもしれないけれど、物語としては満足いく作品となっていました。ぜひ♪
タイトルなし
2つのパートそれぞれに物足りなさが、、、
曲亭馬琴作の『南総里見八犬伝』はNHKの人形劇『新八犬伝』を小学生の頃に見てから大好きになり、馬琴が28年かけて書き上げた十二巻に渡る原作も中学生の頃に読破後に益々ファンになりました。
この映画では馬琴が八犬伝に取り組み始めてから没するまでの人生を描くパートと、南総里見八犬伝の物語パートを交互に絡めて描かれます。
とても面白い作品でしたが、2つのストーリーを2時間半に納めたためにそれぞれが大味になってしまった感じは否めませんでした。
特に八犬伝パートは原作を知っているたけに割愛された部分をもっと見たかったなと思いました。
馬琴パートももう少し描いて欲しかったと。
それぞれをダイジェストで同時に楽しめたという点ではとても満足です。
あと、八犬伝パートの演出が配役と共に少々チープに感じました。
虚と実の対比が凄い
子どもの頃NHKの人形劇「新八犬伝」を毎回欠かさず観ていた者として、この映画はとても楽しめました。
虚の「八犬伝」と実の馬琴の生活との対比がくっきりと分かれていて、物語も分かりやすかったです。
虚は総天然色イケメンパラダイスで、実はモノクロのジジイ二人!?
その爺二人の演技が見事で、流石です。
虚があるからこそ実を生き抜けるのかもしれない・・・そんな風に感じました。
子どものころ観ていた人形劇は、自分の脳内ではすでに「イケメンパラダイス」だったのかもしれません。
CGと美しき剣士たちの映像は迫力がありました。
玉梓の怨霊はもっと怖くても良かったかな。
ノスタルジーも感じて+0.5ポイント
「八犬伝」が完成して本当に良かった!
40年ぶり
馬琴の人生観と戯作家のジレンマ
南総里見八犬伝の創作の物語を曲亭馬琴と葛飾北斎とのやりとり(多分フィクション)が絶妙な味わいの作品。
役所さんの好演が光る作品です。
年齢バレしそうですが、かつての人形劇を思い出す八犬伝のテーマ。
真田さんも実写版の映画で演じていたっけ。
馬琴の紡ぐ物語と馬琴の作家背景をしっかりパラレルワールドのように描かれており、非常な見応えのある映画でした。
山田風太郎の八犬伝を読んで感動したのは半世紀前のことです
山田風太郎の八犬伝を読んだのは半世紀も前の小学生の頃。「仁義礼智忠心孝悌」と諳じるくらいハマっていて、最近八王子の上川霊園にある山田風太郎の墓所に行ったくらいです。
八犬伝を書き上げた滝沢馬琴の生涯と八犬伝が並行して展開される映画。正直、滝沢馬琴の生涯には興味はなくて八犬伝に出てくる剣士のアクションばかり気になりました。
滝沢馬琴の友人として葛飾北斎や渡辺崋山が登場しました。調べたら確かに同じ頃に生きていたようですが、本当に親交があったかは不明です。
ただ、滝沢馬琴が視力を失って息子の嫁が口述筆記したことは本当だそうです。
一粒で二度おいしい?
「八犬伝」の著者。滝沢馬琴の半生を描いた壮大な人間ドラマ。 本年度ベスト級。
上映時間が149分と長め。
途中で寝落ちしそうになったけど何とか鑑賞出来た(笑)
28年もの歳月をかけて完成された「八犬伝」をテーマにした作品。
実話ベースの物語と知って驚く!
作家の滝沢馬琴が友人の絵師。葛飾北斎に小説のストーリーを話し、北斎がそれをイメージした絵に書き、滝沢馬琴が再び想像を膨らませて随筆を進めて行く感じ。
「八犬伝」の物語が同時進行。
江戸時代にこんな壮大な物語が書ける滝沢馬琴が凄い人だったと驚く。
28年の歳月をかけた作品と言うことで滝沢馬琴や葛飾北斎が徐々に老けて行くメイクが凄い!
馬琴を演じた役所広司さん。
北斎を演じた内野聖陽さん。
2人が徐々にお爺ちゃんになって行く姿が印象に残る(笑)
本作の見所は馬琴の目が徐々に見えなくなり字が書けなくなった時、嫁に来た黒木華さん演じる、お路の行動。
馬琴の目や手となる献身的な姿がに泣ける。
お路がいなければ「八犬伝」は完成しなかっただろう。
ラストの馬琴の前に現れる「八犬伝」の登場人物達が頼もしく見え、涙が流れる始末(笑)
鑑賞目的は河合優実さんがキャスティングされてたのが理由だったけど、あまり登場しなくて残念でした( ´∀`)
八犬伝と馬琴の物語をそれぞれ単体で観たいかも!?
予告からかなり期待していた本作。公開3日目の舞台挨拶中継付き上映回で鑑賞したのですが、いつもはガラガラの劇場がほぼ満席でびっくり!これは大ヒットの予感がします。
ストーリーは、江戸時代の人気作家・曲亭馬琴が、友人の人気絵師・葛飾北斎に新作小説「八犬伝」の内容を語りながら「虚」の世界の想像を広げ、北斎がそのイメージを絵に表すという交流を長年続け、物語がいよいよクライマックスを迎えようとしたとき、馬琴は視力を失ってしまうが、息子の嫁・お路の助力を得てついに完成させるまでの姿を描くというもの。
「南総里見八犬伝」はタイトルと設定ぐらいしか知らなかったのですが、本作を通してがぜん興味が湧いてきました。当時としては斬新だったであろうファンタジー作品を世に送り出したことは、本当にすばらしい功績だと思います。そんな作品を読んだ当時の人々が思い描いた壮大なスケールと躍動するキャラクターが、最新技術を用いて見事に映像化されていてため息が出ます。その世界観に引き込まれ、さすがに原文で読みたいとは思いませんが、映像化作品があれば改めて触れてみたいと感じます。
また、馬琴についても学校で学習した程度のことしか知りませんが、本作で描かれる姿に触れて、もっと知りたくなってきます。作中の馬琴がどこまで史実として描かれているかはわかりませんが、北斎との友情、家族との関係性、自身の病状、「八犬伝」完成までの苦難など、ドラマチックな人生に惹かれるものがあります。中でも、鶴屋南北とのやりとりから、虚実入り混じることへの見解の相違が、馬琴の創作に大きな影響を与えたような描き方に興味を覚えます。一方で、我が地元の名士・渡辺崋山の言葉が、馬琴の背中を力強く押すような描写も心を打つものがあります。
そんな「虚」と「実」の融合した一大ファンタジー絵巻が、その相乗効果によってどんな感動的な作品に仕上がっているのかと期待していたのですが、残念ながらどちらも中途半端になってしまっているような気がします。単体で描けばどちらもおもしろそうなモチーフであり、「八犬伝」は言うに及ばず、馬琴の波乱に満ちた人生も、「八犬伝」完成までの過程にも熱い物語があったことが見てとれます。それなのに、「虚」と「実」を交互に描くことで、感情が細かく分断されてしまったような気がします。アプローチとしては大変興味深い作品ではありましたが、期待には少し届かなかったかなという印象です。
とはいえ、虚構パートの若手俳優陣のがんばりと、実話パートの実力派俳優陣の演技は、どちらも見応えがあります。興味があれば、劇場で作品世界に浸るのも悪くないと思います。
主演は役所広司さんで、確かな演技力で馬琴像を見事に創り上げています。脇を固めるのは、内野聖陽さん、寺島しのぶさん、磯村勇斗さん、黒木華さん、土屋太鳳さん、渡邊圭祐さん、板垣李光人さん、水上恒司さん、鈴木仁さん、小木茂光さん、立川談春さん、栗山千明さんら。
舞台挨拶では、役所さん、内野さん、渡邊さん、板垣さん、水上さん、鈴木さん、栗山さん、曽利監督が登壇してお話しされました。実年齢では役所さんよりひと回り下なのに、役の上では年上である北斎を演じていたと話す内野さんの恐縮した姿が、なんだか印象的でした。役所さんと互いにリスペクトし合う姿にも、お二人の人柄のよさを感じました。
辻褄合わせの毎日です
虚の先に実があり、実の裡に虚が潜む。辻褄合わせの日々が続きますね。健全な精神は、健全な肉体に宿ると云う言葉がありますが、あれ、本当は、健全な精神は、健全な肉体に宿らないから、こんな不健全な世界になるんだよねって云う、皮肉のつもりで使われたそうです。真逆の意味で使われるのも、ある意味、皮肉ですが…。
現実に苦労した方だけが、たどり着ける境地から見える世界は、どんなものなのかな。
この映画の八犬士、私には、キン肉マンとその仲間たちに見えます。つまり、馬琴先生の思いは刻を超えて、今にも受け継がれているわけです。
最近のネットの読み物は、意地の悪いママ友や姑が、悪事がバレて行き場を失うような話で溢れています。花咲爺さんや、シンデレラの現代版です。みんな、馬琴先生と同じなんです。しんどい現実を、少しでも良くしたい。だから、正しく生きたい。誇りある生き方をしたい。ヒーローに喝采を贈りたい。ヒールに鉄槌を下したい。その思いが、強くなり過ぎると、ジョーカーになりますが、馬琴イズムは、きっとDNAレベルで、私達に受け継がれているような気がします。
ところで外国の学校は、世知辛い世界を、如何に生き抜くか、如何に出し抜くかについて、教えているそうです。その最たる申し子が、どこかの合衆国の大統領になろうとしています。みんなで頑張ろう、みんなで助け合おうと云う精神は、建前はあっても、実際は希薄だそうです。このクニも、徐々にそうなるようですが、改めてこの映画観て、私達が大切にしてきたものが何だったのか、御考慮願います。
二つの映画にした方がいいのかな、でも気持ちは分かる
今年、曲亭馬琴の原著『南総里見八犬伝』全10巻を読んだ僕としては絶対に見逃せない映画が遂に公開です。
が、本作は、現実世界の馬琴と葛飾北斎の交流と、八犬伝の物語を交互に描く構成でした。役所広司さんの馬琴・内野聖陽さんの北斎の付かず離れずの関係の中で語られる「物語を作る」と言う事への情熱と苦悩が非常に重厚でした。特に、当時の歌舞伎の人気脚本家・鶴屋南北との虚と実・勧善懲悪を巡る会話には、切れば血が噴き出しそうな緊迫感が満ちていました。南北を演じた立川談春さんの外連味もとても生々しかったです。
そうした馬琴を描く以上は、彼が生み出した物語世界も見せねば彼の思いが伝わらないのでしょうが、10巻の物語を1時間程度で見せるのはやはりダイジェスト版にしか見えないのが残念です。僕の大好きなエピソードが完全に落とされていたのも悔しい。でも、それも仕方ないのかな。ただ、馬琴・北斎パートと比べると八犬伝パートの俳優さんに重厚さが欠けた事が物語にバランスを欠く結果になってしまいました。馬琴原作では八剣士はあんなイケメンのイメージじゃないんだよなあ。
二つを別の映画にした方がいいのだろうけど、二つを裏表としたい気持ちも分るし難しいなぁ。
若い人も人生の先輩もとっても観やすい!!
「八犬伝」は多くの方が書かれているように私も
NHKの人形劇でハマった年代なのでとても楽しみ!
と同時に、あんな荒唐無稽な話を映画化するのは
実はとっても難しい!大丈夫だろうか?と、
とても不安だったのだけどストーリーの構成を知って、
ああ、そんな手があったか!!と、興味津々でした。
これは山田風太郎氏の原作がこの映画と同じく、
滝川馬琴の半生と「八犬伝」のストーリーを
年代毎に交互に書かれているそうで、
それを元に構成された映画と言うことでした。
正直なとこ「八犬伝」の物語部分は長大なので、
完全映画化は無理だと思っていたし
VFXは頑張ってましたが、随分端折った「物語ですよ〜〜」的な
思った通りの荒唐無稽さは否めないのですが、
滝川馬琴の半生の描写は流石に演技巧者を揃えただけあって
「八犬伝」の「物語ですよ〜〜」感を補って余りある
重厚な出来栄え!!
役所広司さんの馬琴は言うに及ばず、
一番の儲け役、自由人北斎を演じた内野聖陽さん。
馬琴の妻役寺島しのぶさん、息子役の磯村勇斗さん、
息子の嫁役の黒木華さん。
これだけで一級の人情時代劇が出来そう。
その重厚な「実」の部分と荒唐無稽な「虚」の部分が
時代劇なんかほとんど観たこと無いと言う若い観客も観やすい様に
飽きない程度の長さで行き来する。
楽しい作品に仕上がってます!ぜひ劇場で!!
で、月に8回くらい映画館で映画を観る
中途半端な映画好きとしては
そもそも「八犬伝」そのものは
「仁、義、礼、智、忠、信、孝、悌」と言う
江戸時代の武士の価値観が元になっているので
ここを現代の観客に飲み込ませるには
いい意味での「改変」が必要になるのでしょうが
本作はそこは触れずに、人の世では成立しにくい
勧善懲悪の物語として推し進めることで
馬琴の創作意欲の根源に話を集中していて、
中盤、歌舞伎舞台の奈落で考え方の違う
鶴屋南北と馬琴の会話そのものが
創作に携わるの者の本音と言うか
興味深い場面になっている様に思います。
あと、この映画、意外にジェンダーフリー映画かもしれません。
だって最大のビランが悪女ですし〜。
そのビランに対抗するのも正義の姫君様!
馬琴にとっても一番手強いのは自分の妻!
そして最後に手を差し伸べてくれるのは死んだ息子の嫁。
中々でございますわ!!
一粒で二度おいしい?
全314件中、201~220件目を表示