八犬伝のレビュー・感想・評価
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味わいがあった・・歳くったからかもしれんけど・・・
事前にレビューの評価を見たら前評判の割には低かったので、観に行くかどうか迷ったが、久々に味のある面白い映画を観たと感じた。最近の映画では役所広司さん主演の「PERFECT DAY」が印象に残っているけど、今回の映画、内野聖陽さんと二人の言葉のやり取りに味わいがあった。二人の話の中に、馬琴(役所)の妻(寺島しのぶ)が割って入るところが、まさに江戸の日常を感じさせた。そういった日常風景を描きながら、馬琴の創る八犬伝の世界が挿し込まれる。恥ずかしながら、南総里見八犬伝の話を僕は知らなかったんだけど、この映画を観て大体のストリーが理解できた。八犬伝の話になるとCGを駆使した、まさに虚構の世界、そして、戯作家としての日常に戻る。実生活では息子に先立たれ、決して幸せとはいえなかった馬琴が、息子の嫁(黒木華)の助力で八犬伝を完成させるというラストも胸震えるものがあった。"真面目にやってる奴が必ずしも報われない"という現実であっても、息子の友人渡辺(大貫勇輔)の「たとえ正義が虚であっても、貫いていけば人生は実になる」という言葉が強く印象づけられた。虚が実になる、虚構によって現実を深める、といった一本の背骨を感じる映画だった。栗山千明の狂気に満ちた迫力ある演技も目を惹く。
玉梓
あ〜、面白かった。懐かしかった。
江戸時代の大人気ファンタジー 「八犬伝」を書いた曲亭馬琴(本名 滝沢馬琴)の話と「八犬伝」そのものの実写化映像を、往復しながら観せてくれる映画。
八犬伝は、隣家の裏切りで窮地にあった安房の里見家で殿が愛犬 "八房" に敵将の首をとってきたら我が娘を嫁にやるぞ、と語ったことから起きた事件と、そこから生まれた八人の "珠(たま)" を持つ子供たちが里見家を助けに集まる話。
「八犬伝」 自身は江戸時代だが、NHKで1973年4月から1975年3月まで足かけ2年、全464回放送された人形劇「新八犬伝」は当時大人気だったので、現代でも知っている人は多い。上記放映期間は、俺の中学入学から2年生の終了まで、という時期にあたり、俺も家に飛んで帰ってTVにかじりついて観ていた。若い頃の、友人至上主義みたいな考え方は、「新八犬伝」に色濃く影響されているかも。
いやあ、面白かった。
馬琴が葛飾北斎と関わり合いながら書き続ける話はともすれば単調になり盛り上げにくく面白みは出しにくい。一方八犬伝自身を実写化するだけで映画とするならそれこそ「ロードオブザリング」ばりのVFXが期待されちゃう。そんな中で、両者を組み合わせたことはまさに「絶妙!」 実写版は、馬琴の書いたお話の先を見たいという気持ちで待ち遠しいし、江戸時代のお話という頭が常にあるから、そこそこのVFXで十分にスペクタクル。実際の馬琴のシーンも、めまぐるしく進む八犬伝シーンの、ちょうどいい箸休めとなり、まったりしていること自体にすら価値を感じる。
さらに馬琴シーンは、最後に一捻りもあり、恥ずかしながら俺は泣きました。(一捻りと言っても実話なんだけどね)
まあ、中学時代は実写シーンにあたる「新八犬伝」最終回で号泣した記憶があるから、ちょうどいいのかな。
この組み合わせにしようと考えた人にははくしを送りたい。
ぜひ一度、観てみてください。
おまけ1
馬琴と鶴屋南北が、舞台の奈落で虚実を語り合うシーンは、たしかに面白かった。創作する人なら、俺の100倍響くとこなんだろうな、と思って、少し羨ましく思ったことを思い出しました。
勧善懲悪がいい
馬琴の現と
八犬伝の虚が絡み合う。
何が虚で何が現か。
勧善懲悪で何が悪い。
昔懐かしい「里見八犬伝」を知る世代のお客さんが
多かったように見えました。
単純に八犬伝の世界を描くだけではなく
馬琴の現も同時に描かれているので困惑してそう…(苦笑)
役所広司と内野聖陽の派手さのない
でも全身全霊でオーラを放ち、
漲っていて、アクション頑張る若手陣は
少しかすみがち。
でも昔の里見八犬伝もきっとそうだったはず。
(観たけどあまり覚えてない💦)
ここから名優へと成長して行ってほしい。
2025年注目度NO.1と言われている板垣李光人も
出てたことだし👍
葛飾北斎と曲亭馬琴の関係性が良かった。
馬琴の実生活と、八犬伝の物語を両方知れたのも
愛想のないお路が、どう物語と関わっていくのか
中盤までは分からなかったけど、
宗伯(磯村勇斗)を支え、彼の最後の願いでもある
「八犬伝の完成」は、しっかりお路に託された結果
現代文学にも多大なる影響をもたらしたであろう
大作が誕生した事が知れてそれだけでも異議ある。
構成しきれてない感じがしちゃう
虚構世界を作り上げる執念
実に28年かけて書き上げられたという八犬伝。
現代の戦隊ヒーロー物の元祖みたいなお話だったんですね。
作者滝沢馬琴と挿絵画家葛飾北斎の【実】パートと八犬伝の物語の【虚】パートが交互に語られるという斬新な切り口で面白かったです。八犬伝パートは虚の世界でわざと作り物っぽくしてあるのかな?まさにハチレンジャー。役所広司と内野聖陽のやりとりは本当に惚れ惚れ見とれてしまいました。最後漢字もろくに知らない娘が必死に口述筆記する場面は涙。
子供の頃、薬師丸ひろ子の里美八犬伝を見て泣いた覚えがあるんだけど配信で見直したらいかにも昭和の映画であれ?って感じでした。
この時代の小説ってどうやって出版したんだろう?何人もの人が一冊ずつ書き写していったんですかね?
八犬伝の方だけでネトフリでドラマ化してくれないかな。
期待を超える良さ。
曲亭馬琴の人生と八犬伝の物語が交互に語られる構成の上手さに脱帽
たいへんに有名な原作ですが、恥ずかしながら未読です。
遥か昔に人形劇で観た登場人物の名前が朧に記憶に残っている程度…
予告編を見て特撮ものかと思い、「微妙だなぁ」とは感じていましたが
「役所広司に外れなし!」の信念で鑑賞しました。
いやぁ良かったです。
「八犬伝」ってこういう話だったんですね。
八犬伝のストーリーも面白いですが、馬琴と同時代の著名な芸術家たちとの交流、家族間の複雑な愛情、晩年の鬼気迫る執筆風景…
馬琴の人生の断片が八犬伝のストーリーと絡まり一体となり観客の心に染みこんでくる。
繰り返します。いやぁ面白かったです。
特撮がしょぼいとか、粗を論えばキリがないですが、八犬士たちの凛々しさと戯作者の迫力に魅せられました。
これを機に重い腰をあげて原作を読んでみようと思いました。
名著『南総里見八犬伝』が28年の歳月をかけて執筆される現実世界(実)と八犬伝の物語の中身(虚)が並行して描かれる、見ごたえたっぷりのエンターテインメント巨編
筆者の滝沢馬琴を演じた役所広司さんとその友人 葛飾北斎を演じた内野聖陽さんのやりとりがとっても楽しく、時に熱く、素晴らしい演技に圧倒される
加えて馬琴の妻を寺島しのぶさん、馬琴の息子の嫁を黒木華さんで脇をかため深みを持たせていて、重厚な名優たちの素晴らしい演技が楽しめます
他方、虚の八犬伝の世界は土屋太鳳さんが凛とした里見家の姫を、ヴィラン玉梓を栗山千明さんが妖艶に演じ、加えて里見家を守る八犬士たちを注目のヤングアクター達が力強く演じ、彼らのアクションシーンも見どころの1つです
と、日本最古の傑作ファンタジー小説誕生のドラマと八犬士と呪術使いの闘いを描くスペクタクルアクション史劇の虚と実 入り乱れての149分、最高に面白かったです
見応えはあったが色々と無理が……
あまり多くを期待せずに拝見したためか、思いのほか満足して劇場を後にできました。
八犬伝の誕生と滝沢馬琴の人生を重ねて描かれるため、実際の作品も馬琴パートと八犬伝パートが交互に展開していきます。そのため、テンポはよくないです。
馬琴パートは役者の力量もあり、かなり見応えはあるものの冗長な印象は拭えず、八犬伝パートは演者や演出含めて、もう少し頑張って欲しいところ。
特にクライマックスは狭い空間でのアクションシーンとなり、八犬士たちの派手な衣装と相まって、劇団☆新感線を思い出さざるを得ませんでした。
製作陣の意気込みはわかりますが、これだけの物語を一本の映画にまとめるのはやや無理がありますね。
馬琴パートでの四谷怪談を再現したシーンや馬琴と南北の掛け合いはとにかく見事でした。
八犬伝パートの見どころはなんといっても玉梓役の栗山千明さん。佇まいも貫禄も角川版の夏木マリさんに匹敵する素晴らしい存在感。坂垣李光人さんの女装も凄すぎ。
なんだかんだ言ってますが、楽しませていただきました。
面白い
物語の虚と実の両面を巧みに組み合わせた一作
江戸時代の名作小説『南総里見八犬伝』の作者、滝沢(曲亭)馬琴と葛飾北斎の交流を描いた場面が「実」ならば、馬琴の語りによって動き出す八犬伝の世界は「虚」。両者が絡み合って展開する創作世界の愉楽はさらに、物語の持つ「虚と実」の位相が加わることによって更なる深淵へ……。この構成は見事なまでに映画的ですが、これは本作独自の構成というよりも、山田風太郎原作『八犬伝』を踏まえたものです。時代を経て、山田風太郎の語り口の面白さを改めて認識させられるとは……。
日本映画の特撮は、いかに特殊効果をふんだんに用いたところで、ハリウッド超大作と比較するとどうしても技術的、予算的な限界を感じてしまうことが多いんだけど、本作はその「安っぽさ」を逆手にとって、「これはあくまで馬琴の描く空想世界なんですよ!」という見立てをしています。だからこそ、外連味たっぷりの活劇場面を心ゆくまで楽しんで(さすがに本作の設定で「史実と違う!」と批判する人はいないでしょう)、かつ馬琴と北斎の交流の滋味深さを噛み締めることができる仕組みになっています。日本映画にまとわりつく技術的予算的限界をむしろ活用して、物語的な面白さに結び付けている点は、非常に「うまい!」と感じました。
一見本筋との関連が薄そうな、馬琴(役所広司)と北斎(内野聖陽)が『四谷怪談』を観劇し、作者の鶴屋南北(立川談春)と対話する場面。現実と物語の「虚実」についての重要な議論が展開する意味でも興味深いのですが、この鶴屋南北は、本作以前の「八犬伝」の映画化作品である『里見八犬伝』(1983)を手掛け、後に『忠臣蔵外伝 四谷怪談』(1994)を作った深作欣二監督の姿を託したものでは……と感じました。その視点で見ると、鶴屋南北の「虚実」談義がさらにまた味わい深く感じます。
「八犬伝」の世界描写は、奇想天外なアクションの連続のように見えて、犬養信乃(渡邊圭祐)始めとした剣士たちそれぞれが際立つような演出が施されており、その点でも入念な作品作りと感じました。
ほぼ同時公開の『十一人の賊軍』と、アクション映画としての描写の違いをスクリーンで見比べるという、今しかできない稀有な体験を楽しむという手も。そして本作を面白く鑑賞した人には、ぜひとも深作版『里見八犬伝』の鑑賞をおすすめしたいです!
馬琴と北斎と、八犬伝
馬琴の生きる現実の世界と並行して進行する八犬伝の物語自体がほどよくシンクロして興味深い構成。
並行した分、八犬伝の方もう少し見てみたい分量になっていたが、現実世界の馬琴と北斎との頑固者同士のやり取りが面白かった。
華ちゃんがなかなか出てこないのよぉ〜
映画の日に観ました。
瀧澤馬琴と葛飾北斎。北斎漫画ではついこの前、亡くなってしまった西田敏行が滝沢馬琴役だったなぁ。年上女房の役は乙羽信子だったなぁと思い出していました。
春画先生の内野聖陽が北斎役😎
南総里見八犬伝は読んだことも芝居を観たこともないので新鮮だった。伏姫とかも全然知らないし、CGのバカに大きいブチの犬のやつふさ(八房)も知らない。ただ、日女体出身の太鳳ちゃんと絡むんだからあのくらいデカくないと釣り合い取れないなぁと思いましたね。
栗山千明のたまずさ(玉梓)さすがにキレイ。とにかく「八」がたくさん出てきて、 金碗八郎(殿の家来)がはち、はちって呼ばれるもんだから、つい、釣りバカ日誌の釣り船太田屋の八郎も西田敏行つながりで思い出してしまった。釣りバカの太田屋は品川の鮫洲あたり(本当の太田屋は金沢八景)なんだけど、この八犬伝では行徳の旅籠屋の名前が太田屋だったものだから、ついね。原作の旅籠屋の名前は古那屋で犬田小文吾(悌)の実家。なんで太田屋にしたのか???もしかしたら、西田敏行オマージュか?馬琴役は西田敏行の予定だったけど体調が原因で役所広司に交代したのかな?北斎のほうがずっと年上なのに役所広司より一回り齢下の内野聖陽が北斎役。それとも巣鴨のカレーうどん屋(具がないのに高い)と紛らわしいからか???
まぁ、いいか。
栗山千明が夏木マリにみえた。
真飛聖(船虫)はもっとこわい。
悪妻役の寺島しのぶは内海桂子師匠にみえちゃったよ。寺島しのぶと内野聖陽は同い年。役所広司よりひと回り年下。
お路役の華ちゃんには「せかいのおきく」同様に萌えちゃいました🤩
河合優実はなんか時代劇似合わないね(笑)はまじって、ちびまる子ちゃんか?
仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌 の8個の玉。ミスタードーナツのポン·デ·リングとなって玉梓を倒す。
土佐のハチキンならぬ16金。
🎵いざとなったら玉を出せ〜
侍タイムスリッパーのあの顔のながーいギョロ目の俳優 (安藤 彰則)も出てきて、テンションあがった。
殺陣(たて)はやっぱり侍タイムスリッパーに軍配。
役所広司と黒木華ちゃんお目当てで鑑賞。
華ちゃんがなかなか出てこないのよぉ〜
目が見えなくなった馬琴の口述を最後まで書き上げたのは亡くなった息子の嫁のおみちだった。役所広司と黒木華ちゃんのシーンはとてもよかった。
コウメ太夫じゃなくて、寺島しのぶの「チクショー」もすごかったけどね。
【古那屋】
そういえば、内房上総湊にある「こなや」という民宿旅館に釣りで泊まったのを思い出した。アオリイカ、スミイカ釣り。南総里見八犬伝が由来なんだと思う。長浦にあるこやな丸という釣り船店はルアー釣り専門で客は船長の息がかかった地元のYANKEESが多くてとても苦戦した。
この映画では太田屋でホントによかった。
虚と実と
観客を飽きさせない虚と実の描写
この長い歴史の中で八犬伝を舞台にした作品がいくつも制作されていることは知っていて、観たことがあるものもいくつかありました。
自分が生まれる前の作品ばかりですが、特に有名なものや祖父母に教えてもらったものは幼少期に観ていました。
過去に馬琴先生の人生も織り交ぜて制作されたものはあったのでしょうか。
勉強不足で至らない部分がありながらも鑑賞しました。
正直なところファンタジーの要素は面白くても、実の部分である馬琴先生と北斎先生のシーンは飽きてしまうのではないかと思っていました。
しかしそれは杞憂でした。一瞬でも飽きてしまうのではないかと思った自分を叱りたいです。
アクションの多い八犬士と比べ、動きの少ない馬琴先生と北斎先生のお芝居は大変苦労されたと、役所さんと内野さんが仰っているのを拝見しました。
確かに馬琴先生はほとんど動かないため、北斎先生が少し体制を変えたり移動したりしないと同じ画になってしまうんですよね。
ほんの少しのコメディ要素を取り入れつつ飽きさせることのなかったお二人には感服です。
また、八犬士を演じられた皆さんの躍動感には最後まで魅了されました。
存じ上げない方も何人かいて申し訳なかったのですが、それぞれ味があって素敵でした。
個人的には定正役の塩野さんのお名前がビラに記載されていなかったことが残念でした。
というのも迫力と眼力で圧倒する素晴らしいお芝居だったからです。
曲亭馬琴という人間の生き様に最後は涙しました。
逆境や困難に飲み込まれ一度は挫けても、生涯諦めない心を学びました。
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