八犬伝のレビュー・感想・評価
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ややこしいが、真理を突いていた
なるほど~ そもそも山田風太郎さんの小説の実写化ですか~ ややこしいな。
この中で描かれている虚構とは「南総里見八犬伝」という物語であり、それを当時創作した滝沢馬琴の人生はこうだったという空想上の「実」を交えているのがこの作品。
監督が虚構部分の役者に依頼したのが、虚構としての演技のように感じた。
そこに寄せた監督の想いが実際の山田風太郎の小説から読み取ったのだろうか?
監督は、時代背景の違いや価値観の違い、その他の違い、そして虚と実という概念を映像ならではの表現として組み合わせたのだろう。
さて、
作中の歌舞伎四谷怪談 その脚本を書いた人物の考えこそこの作品のテーマだろうか。
彼の話を聞いて思い浮かんだのが鬼舞辻無惨と産屋敷耀哉の会話
「永遠というのは人の想いだ 。人の想いこそが永遠であり 不滅なんだよ」
実体であるモノ 目に見え、においがあり、味がして、触れて、聞える「モノ」はすべてエントロピーの法則によって分解へと一直線に向かう。
しかし人の想いに時間は存在しない。消せるようであっても消えることはない。
五感で感じる「実」とはいったい何だろう?
動的平衡という福岡伸一先生の言葉
そもそも人間が作り出したモノは、いったいどこからやってきたのだろう?
想像 思考という虚構によってモノになったはずで、人はそれを創造と呼ぶ。
虚構である想像によって創造されたモノは実体として認知される。
四谷怪談の脚本を書いた人物は、心に存在する真の恐怖こそ実体なのではないのかと問うた。
辻褄など合わないのが世の中だと彼は言ったが、それは正義は必ず勝つ 勝たねばならないという盲信こそ虚構ではないのかと投げかけたのだろう。
時代によって変化する価値観もまた虚構だろう。
さて、、
作中の滝沢馬琴が思案し続けた虚と実 辻褄
これらに回答を求めつつ、物語を創るという想いに人生を費やした馬琴。
友人の葛飾北斎の絵 そこに感じる躍動感 その感じた思いとは虚なのか?
物語の面白さも、虚なのか?
辻褄が合わなければ虚なのか?
万人が知る忠臣蔵という体裁上、心理上、そしてそうあるべきだという信念上の物語。
誰かが見たと言っていた幽霊 彼女が生前抱えた怨念
彼の妻の悪口がその対照として描かれている。
目が見えなくなっても想像することはできる。
しかし思うことができなくなれば、人はいったい何ができるのだろう?
思う、考える、想像する これらを証明するのは難しい。
だから虚構、なのだろうか?
馬琴は自問自答しながらも辻褄の合わないことも平気で物語を書いた。
彼がそこに見た面白さ その面白さこそ絶対に必要な要素だったのだろう。
逆に、
無関心こそ危険だと誰かが言っていたが、それは本当かもしれない。
その延長線上にあるのは、美しい風景などを見ても何も感じなくなる心だろう。
絵を見て、文を読んで、建造物を見て、風景を見て… 何かを感じることこそ実が生まれる瞬間かもしれない。
その心という「実」は永遠に残され、失われることなどないのだろう。
そしてこの心が一体どこにあるのかということは、未だ誰にも証明されていない。
滝沢馬琴がこのようなことと葛藤しながら南総里見八犬伝を書いたのかなと想像した山田風太郎さんの想像力もまた面白かった。
八犬伝の物語りは面白いが…
判断の分れる映画
この作品の持つ二重構造の劇中劇をどう評価するかで意見が分かれそうである。少なくとも馬琴にフォーカスされた主旋律は見事。時代のスーパースターである馬琴、北斎、南北、崋山は言うに及ばず、馬琴妻のお百、嫁のみち(てつが改名)を寺島しのぶ、黒木華と名優が配されていて、物語としては完璧。問題は八犬伝物語部分。頑張って作ってはいるが誰が見ても消化不良。これは意図してこうなったか、それとも編集上の成り行きか、はたまた予算の問題か・・と議論が分かれるところだけれど、敢えてザックリ作ったというべきかと思うのが本音。と言うのはちゃんと作ろうと思えば作れるよ!的な表現、演出が随所に見えるが、それを敢えてギリギリのざっくりで終えているのはやはり本編を際立たせるためだったのではないだろうか。
そう考えると個人的には十分な良作と言えましょうと言うのが僕の考え。是非他の皆さんにも見て頂きご意見聞きたいところだ。
Amazon Primeで観たけど
いつもの役所広司映画
納得出来る人生を全うする幸せ
人生、終わりが近づくと、こういう事は身に染みる
まあ、思い込み次第でなんとでもなる事ですけど
他人がどう思おうと、自分が満足ならいいんだから
そうできる人はね
南総里見八犬伝
子供の頃、NHKの人形劇をワクワクしながらみていたけど、最後どうなったかは覚えていない
ただ”玉梓が怨霊”の人形が他の人形よりバカでかくて怖かった印象がある
なので結末が知れただけでも観たかいがあったかな
今、八犬伝を映画化しても誰も観ないだろうから曲亭馬琴の生涯にスポットライトを当てたんだろうけど、この時期になんで?とは思った
納得のいく人生を送る事は普遍のテーマだけれど、やはり、なぜ?
結局のところ、今、最も存在感のある役者の1人である役所広司で映画を撮りたかったんでしょうね
その目的は充分果たせたんじゃないですか
ただ、自分としては、大して興味がある訳では無いので、まあまあという感想です
最後の逸話は知識として有難く観させてもらいましたけど、それだけです
気になったのは序盤
冒頭からの物語シーンの間が短すぎる
サクサク進みすぎる
玉梓が怨霊になるシーンが軽すぎる
物語のシーンだからこのままいくのかと思ったら最初だけでした
はしょりすぎです
少しくらい長くなってもいいので、ちゃんと作りましょう
驚いたのは船虫役の真飛聖
最初、誰だかわからなかったくらいのオドロオドロしいメイク
こっちが玉梓みたいでしたよ
元宝塚トップスターがやる役じゃないし、彼女である必要もない役
諸事情があるんだろうけど、自分を大切にして欲しい
長い
いざとなったら玉を出せ!
ガキンチョだった頃、クラスメートたちはみんなNHK人形劇『新八犬伝』を見るために急いで帰宅していた。私kossyは興味なかったので学校での話題について行けず、「玉を出せ」と言われて赤面していたものだった・・・(実)。とにかく時代劇に興味なかった少年時代、真剣に見てたのは『プリンプリン物語り』くらい。いや、『ひょっこりひょうたん島』も記憶にあるなぁ。
忠臣蔵とお岩さんが歌舞伎舞台でいきなり現われてビックリ。滝沢馬琴が鶴屋南北と「虚」と「実」について押し問答するシーンが絶品だった。葛飾北斎が忠臣蔵嫌い?絵も描いているのに?と疑問にも感じたが、もしかすると彼自身は殿様に忠義を尽くすことが嫌いだったのかな・・・(虚)。ひょっとすると、北斎の中では虚実の見極めがしっかり出来ていたのかも・・・(虚)
映画の構成自体は馬琴の実の世界と、八犬伝の虚の世界を融合させ、28年の月日を費やしたことで実は「実」だったという描き方をしていた。と、わけのわからないことを考えている自分が嫌になる。だから数学でも真偽の問題が苦手だったわけだ(実)。
八犬伝パートがつまらなかったので評価は下がってしまうが、ヒーローがいっぱい集まると名前すら覚えられないことが原因かもしれません。真田十勇士だって覚えられなかったし・・・とは言っても『アベンジャーズ』は大好き!(実)
「う〜ん いいねぇ〜🤣」ってね
「う〜ん いいねぇ〜🤣」って
八犬伝だから八回は言ったネ!
いんや〜百回越えの百八犬伝は
観てる間、言いやした
う〜ん いいねぇ〜🤣って
あら ちょっと褒め過ぎたわ(笑)
2002年、ボキの大大好きな松本大洋の傑作漫画「ピンポン」を見事に映画化したあとはTBSの社員だからかトント名前を聞かなくなった曽利文彦監督がこの作品で鮮烈に日本映画の最前線に返り咲いた?
と、思いまして調べてみたらばTVとアニメ系映画のVFX畑で国際的に大活躍してたらしいね
まぁともかく、この監督、持ってるね!
人を見つめて描くセンス🪭😜
馬琴と北斎の活躍してた江戸を描きながら今に通底する人情をジクジクせずカラッと描けてるところにキラメキ感じちゃった
還暦超えたので、もうVFX関係なしに.好きなものを自由に撮ってもらいたい
なーんて偉そうに思いましたぜ ガチョーン🤯
映画鑑賞で役者の演技は大事な見どころだと思うが
役所広司!いい俳優陣、いいカメラワークとサウンド、演出、脚本・・・素敵な娯楽作品ですね!!
昨年の公開時に「面白そう!」と思い、観ようとしたがそのままになり見損ねた映画だが、最近AMAZON PRIME VIDEOで配信されたので早速見ることに・・
冒頭からの「八犬伝」の序盤ストーリー、とてもいい!小木茂光の里見義実も深めの演技で重みがあり、それを強調するための軽妙さをもって演ずる側近武将も良い感じ。土屋太鳳の伏姫も美しく、栗山千明の玉梓は情念と怒りを上手く出している。
そして、犬の八房に姫が跨って語るシーンは若干「この女優、犬に乗っちゃってる姫という構図に本音では笑っちゃってるな・・」と思わせる感じも、そのあとの「八犬伝原作者の脳内に浮かべる虚構から、原作者の実際の情景への切り替え」という映画の中でのややリアルからリアルへの場面転換を観客に気持ちよく解釈させる為に一役買っている。
役所広司の滝沢馬琴がまた実にいい!!Scitt’s Creekのユージン・レヴィっぽい表情も重厚且つ軽妙という娯楽作品向けの絶妙感のある存在感。良い役者だねぇ~~。
其の後も実に見どころのある、役者の演技やカメラワーク、音、演出が続くのだが、まぁ”ネタバレ”過ぎても何なので割愛・・・
「CGにもうちょっと費用かけられたらねぇ・・・」っと思うところが随所にあるが、それもまた「映画の中の更に馬琴の脳内の虚構の部分」か・・ということで寧ろ演出として納得できる!
兎に角、面白い、良質の娯楽作品です。最近のハリウッドよりずっと楽しめる!!
サイトなどにキャスト名が挙げられていない役者も含めて、皆いい演技してる!!緊迫感のある女性俳優陣、軽妙と重厚と気迫のある男性俳優陣・・・
カメラワークも良い、光の使い方、構図が良い、音楽、効果音も良い、
映画が始まったら、(家で見ていても)途中でトイレいけなくなりますよ・・・ホント😊💛💛💛
後でもう一回、そして妻と一緒に更にもう一回観たいと思います。
物語パートと実話パートでの構成が良かった
予想よりずっと良かった
やっぱり角川版が良い
老人馬琴の八犬伝秘話
虚と実の世界…
八犬伝の中のパートと創作する馬琴の現実のパートに分かれ、行ったり来たりするのだが混乱すること無く、上手く描かれている。八犬伝のストーリーを全く知らなかったので、それを知れただけでも楽しく、なるほどドラゴンボールだと思った。馬琴と南北の虚と実の世界に対する考え方、やり取りがハイライトであり、考え深かった。どちらも真実だと思う。しかし、その後28年かけて視力を失いながらも、己の信念を貫き通し、八犬伝を完成させた馬琴の思いはお路の奇跡的な助けも手伝い、実を結んだと思う。
虚と実を織り交ぜた馬琴の半生
八犬伝のストーリーと、作者の滝沢馬琴の半生が交互に織り交ぜられて進んでいく。
映画では堅物で偏屈な滝沢馬琴が、和風ファンタジー長編の元祖みたいな八犬伝を想い描けたのはすごいと思いつつ、現実での息子の死と言う救われなさとの対比が切ない。鶴屋南北のつじつま合わせの虚は無意味、と言う言葉と、渡辺崋山の虚でもそれを貫いた人生は実となる、的な言葉の対比も馬琴の悩みが反映されていて考えさせられる。ちょいちょい訪ねてくる葛飾北斎の自由気ままな空気感で程よく和める。
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