八犬伝のレビュー・感想・評価
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生涯を通して正義を貫いた苦悩「滝沢馬琴」物語と、軽い今どきCGアクションもの「八犬伝」の両者のダイジェストを交互に編集した総集編?で、本編は??
里見家の呪いを解くため、運命に導かれた8人の剣士たちの戦いを描く「南総里見八犬伝」。
その作家・滝沢馬琴の生涯をかけた創作の過程と芸術家としての苦悩を描く。
八犬伝と言えば薬師丸ひろ子・真田広之の角川映画「里見八犬伝」ではなく、子供の頃に毎日見ていたNHKの連続人形劇「新八犬伝」を思い出す。
当時は、一大ブームが巻き起こり、書店には「南総里見八犬伝」の数々のバージョンがずらりと並んでました。
「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」が今でも空で言える人が多いのではないか?
「玉梓が怨霊~」の決め台詞も脳裏に焼き付いてます。
滝沢馬琴は、生涯を通して正義を信じる物語を描き続けながらも、そうはいかない現実との差に苦悩し続ける。
何も悪をなしていないのに、わが身に降りかかる不幸を嘆き苦しむ様は、さすが役所広司、内野聖陽、見ごたえがあります。
脇を支える寺島しのぶ、黒木華も良かったのですが、いかんせん、他の者との関係を描くシーンが少なすぎてもったいない。
黒木華が夫と心を通わせ支える話がほとんどない。
なかなか面白かったのですが、「滝沢馬琴」物語と、「八犬伝」の両者のダイジェストを交互に観ているようで残念。
ダイジェスト?予告編?で、本編は?と言いたくなる。
どっちも中途半端。
特に「八犬伝」部分。
せっかく真田広之が米国で時代劇を頑張ってるのに、日本の時代劇がこんな軽量級でいいのだろうか。
ワイヤー・アクションやCGを見せ場にしてもいいけれど、数々の名寺等でせっかく撮影しているにもかかわらず、全シーンが超軽いのは、演出のせい?俳優?美術?撮影?
特に特に玉梓の正体の超超超チープな煙CGはずっこけた。
なんと、発想が貧弱な。
いくらCGが発達してもクリエイターの発想がこれではお話にならない。
栗山千明の方が怖い!正体が煙では明らかにグレードダウンしてる!
ちなみに、八犬士は八房と伏姫の子供たちとずっと思ってたのですが(随分とエグイ話だと)、WikiPediaを読むと、そこにもいろいろあったのですね。
あと、「あっぱれ八犬士!」みたいなこと言うけど、どの口が言うか。
そもそも全ては、義実が玉梓の助命の言を翻したり、八房に「景連の首を取ってきたら娘の伏姫を与える」と軽口を言ったことから始まったことなのに。
最後にさらに許せない点。
劇中の歌舞伎のシーンの扱いが雑なこと。
戸板返しの場面(ですよね?)なのに、戸板返しの驚きシーンを映さなかったり、
お岩の登場を歌舞伎なのに合成で出現させたりするのは、ひどい。
あと、山田風太郎の原作だから仕方ないのかもしれないが、クレジットに「南総里見八犬伝」「滝沢馬琴」または「曲亭馬琴」の文字が無いのは納得いかない。
虚実の交錯がおもしろい!
『南総里見八犬伝』
あんなに堅物そうなのに…葛飾北斎が頭撫でるのも同感!
現代でも通用するであろう、ものすごーく面白いファンタジーなストーリーを思いつく
滝沢馬琴の頭の中ってどうなってるの?!
8人の剣士たちの戦いをダイナミックに活写する“虚構”パートと、
その作者である江戸時代の作家・滝沢馬琴の創作の真髄を
葛飾北斎や妻のお百、息子の宗伯、宗伯の妻 お路との日々のやり取りを
織り交ぜながら迫る“実話”パートがテンポ良く交錯され描かれており、
ワクワクとフムフムとで、とても面白く感動しながら楽しめました。
虚構パートの俳優さんたちも、2.5次元感がハマっていて良かったですが、
やはり、実話パートの俳優さんたちが、本当に素晴らしかったなー。
お百の「チクショー」、良かったなぁ…。
さらに、奈落での鶴屋南北との問答対決は、
そのまま、役所さんと談春さんの芝居対決のようでもあり、
問答も芝居も双方が引けを取らず、
息を詰めて魅入ってしまい、感動して泣きそうになりました。
この場面、いちばん好きかも。
そして、笑顔のラストは、とても良いです!!!
ファンタジー
虚と実、動と静
現実と虚構が入り乱れた作品、150分の尺から「大丈夫か?」という一抹の不安があった。しかし、推しの役所広司が主演となれば、観ないわけにはいかない。というわけで、おっかなびっくりで初日のレイトショーへ行ってきた。
鑑賞し終わって最初に感じたことは、150分があっという間だったということ。
つまり、それだけ作品に没入できた。実と虚の世界の時間配分のバランスがよく、違和感なく、自然に見ることができたからだと思う。
推しの役所広司(馬琴)の演技はやはり流石。言うことなし。
内野聖陽の北斎も、内野らしさ、北斎らしさ、が出ていて、二人の掛け合いがよかった。
実のパートでのクライマックスは、中盤の鶴屋南北(立川談春)と馬琴の問答だったように思う。実と虚、正義と悪をどう描くかの問答だったが、大衆文芸である偽作、歌舞伎にそれぞれメッセージを込める二人の創作者としての矜持がぶつかり合う場面だった。ここ見どころ!(南北が終始天地逆さまで話し続けるのは、馬琴と真反対の考えを持っているということのメタファーかな)
虚のパートは、ダイジェスト的にまとめないと実のパートの邪魔になるので、かなりの中途半端感は否めない。いや、それでも、よく1本の映画にまとめたものだと思った。
実のパートが動きがない「静」の映画とすると、虚のパートは完全に「動」。実と虚、静と動。相反するものを1つにまとめた制作陣の手腕はすごい。
ただ、全編通して馬琴の執念は伝わってきたが、残念ながら心を揺さぶるものがなかった。馬琴が失明してお路(黒木華)が代筆して作品を完結させる場面や、八剣士が玉梓(栗山千明)と戦う場面なども、平板な印象で、観る者の心を動かすような演出・演技ではなかった(わざとそうしたのかもしれないが)。
豪華俳優陣の力が十分発揮されていないように感じたのが残念(下記に簡単な感想を)。
※栗山千明はやっぱりダークな役が似合うと思います。
※河合優実どんだけ働いてるの?
※板垣李光人はやばいわ。誑かされそうになった。
※寺島しのぶは、めちゃくちゃいい味出てました。
(2024年映画館鑑賞29作目)
江戸爛熟期の文化の香りを感じる話
感想
江戸文化文政(1804〜1830)期の町人文化華やかかりし頃、活躍した著名な戯作者で日本最初の職業作家であった曲亭(滝沢)馬琴の全盛期の活躍から晩年までの姿と、また1814年(48歳)から28年間に渡り著作された自身最長且つ最高の作品であった南総里見八犬伝を映像化した作品である。原作は山田風太郎。
馬琴自身の生涯を全て描いている訳ではない。話は八犬伝のストーリーを着想した話を挿絵の依頼をしていた後に浮世絵の大家となる葛飾北斎に語り出すシーンから始まる。(馬琴の若き日の身の上の説明がもう少し詳しくあるとこの作品は俄然面白くなるのだが歴史としての記録を含め本作の内容を以下に簡単に記した)
本作は馬琴が虚なる戯作を創作し続ける意義や流行り物の歌舞伎演目に於ける作者達の各作品としての虚と実の解釈と表現方法、四代目鶴屋南北との対話から人の虚実の捉え方の違いを意識して以降、八犬伝の作風に影響を与えたのか否かという話等、江戸文化爛熟期の世俗の中で昔から普遍的に思われていた虚と実の解釈が時代の変遷により変化し続けている事、さらに馬琴自身の実人生において虚と実とはどのようなものであったのかを克明に描いている。
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馬琴(滝澤興邦)の家系は元々は松平姓を名乗る旗本上士の家老職を務める家柄であったが馬琴の祖父興也に男子が無く中間家より養子を迎え興吉と名のらせ4人の子をも受ける。その三男として生まれた。
少年期に父興吉病にて他界。養子家系なので家禄を減らされた上、兄より家督を譲られる。主君の孫に支えるも折り合い悪く10代で浪人となる。その後戯作者山東京伝の弟子となる。さらに出版元を営む蔦屋重三郎宅に手代として住み込む。そこで読書と著述を学ぶ。
しかし生活には困窮し、24歳の時に下駄屋が本業の貸家の大家の娘である会田百と年収20両という生計を優先させる考えで半ば政略的に結婚をする。お百も半ば状況を理解していた為、興邦は生涯お百には頭が上がらなかったという。戯作創作の為にあらゆる分野の書物を読込み理解していた馬琴(興邦)と比べてお百は読み書きは全く出来なかったという。
馬琴の長男の興継は長じて宗伯という画号用い絵等も描く文人となる。土岐村路(みち)と結婚。路の父親で紀州藩家老の御典医だった土岐村元立の紹介で医師の道へ進みその傍ら父馬琴の八犬伝の文章校正を担当する。しかし流行り病で興継は早逝する。その死に顔を座像として最後に描いた渡辺崋山との出会い、自身の視力喪失、さらに興継の妻みち(路)の馬琴口伝による八犬伝代筆。さらに妻のお百の死。八犬伝という虚である話を創作する内に多くの偽らざる実が馬琴に降りかかっていく。
南総里見八犬伝が完結するまでの28年間、事ある毎に馬琴の精神的支柱を担っていた葛飾北斎の姿にも感銘を受ける。馬琴との時々の話の掛け合いは江戸っ子ならではの笑いを誘う。
馬琴の八犬伝で実の世界で滝澤家再興を待望するその熱い想いが里見家を再興させる八つの玉(仁義礼智忠信考悌)を持つ伏姫と八房の絆に繋がる八人の剣士を中心に展開する怨霊玉梓に誑かされた者達との不可思議かつ壮大な一大戦記の戯作を完成させる事に繋がっていく。
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この物語を読んだ者は確かに物語は虚であるがその話の中で主人公達が命を賭して護っていく重要な八つの理念は実(現実)の世界で生きていく時にも、また人として最も重要な判断をする時にも護るべき大切な精神である事を切々と訴えている事を感じとった。この頃に生きていたこの戯作を読んだ多くの日本人が、これこそがこの国の精神の真髄であると結論付けたのだ。だからこそ大評判となり現代では江戸期日本文学の傑作と評される所以だと感じた。
当時の三代目尾上菊五郎の公演と見受けたが歌舞伎役者としての中村獅童さん、尾上右近さんの四代目鶴屋南北版忠臣蔵と四谷怪談も素晴らしい演技で興味深く観た。更に奈落での人力の舞台回転装置の中での馬琴と南北の虚と実の講釈会話の中で馬琴に衝撃を与えた南北の主張する実を尊ぶ心(人の根底に在る極めてありふれた人間的心情やありのままの振る舞い、仕草を戯作や歌舞伎の演目作品に取り込み自由に表現しようとする自然主義的ムーブメント)は江戸中世期の幕府統治体制が理想とし常識とした思想モラルからすると時に直情的且つ退廃的、俗悪で体制に反抗する思想が形成される可能性があり、発言する事さえも憚られる内容も含まれその真意を御上に悟られ罰せられる事を恐れての所謂「まぶし」という手法として忠臣蔵のような古典的演目を脈絡なく合わせ上演することで新しい自由な表現を当局の目から逸らす役目を担っていた。それは江戸爛熟期ならではの前衛思想を持った文化人の行動であったのだという事を感じる。
実の世界で最後には身も心もぼろぼろになった馬琴が28年間にわたり創作し続けた虚の物語の中で一貫して貫き通した主張として悪と対峙し複雑な人間的関係や心理的葛藤と苦難を経験したその先に正義の本質が理解できる世界が存在し得るのだとしているところが感動する。
脚本・演出
江戸期の町人文化の香りを深く感じられる内容であった。八犬伝本編を本作の配役でもっと観てみたい気がした。馬琴の出自等の身の上に関しての割愛は構成上致し方ないと感じる。全体的に二つの話を視点を変えてファンタジーアクションと人間ドラマとして観たというお得感があり満足した。
VFX
どこかで観た事がある雰囲気ではなく、オリジナリティ溢れるファンタジックな映像であった。
配役
役所さん、内野さん、寺島さん、他豪華俳優陣の皆様。大変素晴らしい演技であった。
⭐️4.0
2024.2.1 VOD再鑑賞改編追記。
物語の筆を置いてはならない
八犬伝の冒頭はなぜーか知ってます。何がキッカケだったか思い出せないのですが。
作り手にそんな人生があったのか、と胸熱。
年老いていく姿と目が見えなくなっていく姿。人生をかけて作品を生み出す美しさ。
「ルックバック」「ブルーピリオド」のように美術芸術分野の映画が多いような気がして、生成AI時代への何らかのメッセージかなと感じています。
虚を貫けばそれが実
こっちが原作に忠実なのですね
小学生の頃、満席で立ち見もギチギチの映画館で観て以来、何度もテレビで観て、大人になってDVD買って今でも大好きな『里見八犬伝』。
この映画と比べたら随分と原作こねくり回してたのね。そもそもがSF時代劇だったし、主題歌も洋楽だったし。
八犬士全員の名前覚えてるから、出てくるたび信乃だ源八だ親兵衛だとテンションあがる。
深作版の浜路はちょい役だったから心配だったけど、河合さん出番多くて良かった。
真飛聖さんは気持ち悪くて良かったけど、ムカデ女の船虫を期待してただけに、あそこばかりはちょっと肩透かし。
栗山さんは安定の怖さ。
八犬士パートが楽しみだったけれど、滝沢馬琴と葛飾北斎のパートも、役者陣が芸達者揃いで見応えがあった。あの中で磯村勇斗さん頑張った!
目線でだんだん目が見えなくなっていってるのが分かるくらい、役所さん名演技。
2時間半あったけど、全く長いと感じなかった。
歌舞伎観劇の時の役者が尾上菊五郎なのは偶然かそれとも。
そういや『忠臣蔵外伝 四谷怪談』の監督も深作監督だったな。
中村獅童・尾上右近の歌舞伎シーンが一番見応えあった!
レイトショー『八犬伝』
83年版の里見八犬伝は、当時人気絶頂の薬師丸ひろこ・真田広之さんに松坂慶子・千葉真一さん共演
特撮・特殊メイクにアクションにロックな主題歌〜時代劇の概念を打ち破る作品でした
今回の作品は、滝沢馬琴と葛飾北斎の28年・・・長い。。。
構想と空想をリアルに活劇として映像化しながら、この奇想天外な物語の書き上げるまでが描かれる
役所さん内野さんの極上な演技に魅せられながら・・・
寺島しのぶの馬琴と北斎のやり取りを台無しにする毒ぶりと黒木華の安定感は流石!!
年明けの日本アカデミー賞を席巻しそうな予感!?
八剣士活劇部分は・・・
83年版と比べると役者さんの時代劇スキルが違いすぎるので、私的にオマケって感じ^^;
ただ当時の歌舞伎役者を演じる中村獅童・尾上右近さんの熱演は圧巻でした!!
八犬伝というより馬琴伝?
体感的には7割馬琴の話、3割八犬伝の話、かなりミスリードしてるタイトルだなとは一番正直な感想です。
馬琴はどういう経緯で、何を経験して八犬伝を完成したかを知りたければとてもオススメできる映画ですが、八犬伝の物語を堪能したければこれではない。
八犬伝の尺が短かく、しかも途切れ途切れなので、物語の発展も、映像の編集も唐突な部分が多く、とても入り込みにくいです。結局玉が8つ集めばいいでしたら、八犬士は戦に参加する必要性があるかな?それぞれの人生を歩んできた八犬士はどうして命をかけるまで怨霊と戦うのか、その急にできた使命感も理由も色々よく分からなかった。28年間かけて書いた大作がこれ?と思うぐらい、あまり八犬伝の原作のよさが伝わってくれなかったです。
馬琴の実話の部分がとてもよくできたが、【実】と【虚】が交差する、その【交差】の繋がりが特になく、普通に2つ別々の作品が交替しながら上映されてる感じでした。別々のパートを一つの作品として繋がる所をもっと工夫して欲しかった。
人が観たい物により、評価が割れる作品だと思います。
滝沢馬琴の哲学が詰まった作品だった!
『仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌』 滝沢馬琴と八犬伝
『八犬伝』と言えば、我々世代からすると、NHKで1973~75年に放映された、15分間の連続ドラマ『新八犬伝』が思い出される。滝沢(曲亭)馬琴原作の『八犬伝』を元にして、辻村寿三郎の人形劇とコラボして製作された、2年間に渡る人形劇。当時、遅々として進まない展開にイライラしながらも、次第に八犬士が召喚され、「玉梓が怨霊~」のおどろおどろしい台詞に、胸躍らせて見入った記憶が甦る。
そんな『八犬伝』の新作ということだったが、本作は、単に『八犬伝』の小説を実写化するのではなく、主役はあくまで、原作者でもある滝沢馬琴。馬琴が、28年間の歳月をかけて、目が見えなくなっても、息子の嫁・路子の手助けもあり書き上げた『八犬伝』に纏わる実話と、『八犬伝』のファンタジ・ストーリーである虚構を、交錯させた展開となっている。
当時、人気作家であった滝沢馬琴という人物は、極度の堅物男。妻からは、毎日愚痴を聞かされて嫌気を指す生活だったが、息子の宗伯からは、物書きとして尊敬されていた。そんな馬琴が、気兼ねなく話せる友人だったのが、浮世絵でお馴染みの葛飾北斎。実話パートでは、互いに悪態を突きながらも、それぞれの小説と浮世絵の才能を認め合う馬琴と北斎の2人の奇妙な友情を描いていく。
一方、『八犬伝』パートは、劣勢となった戦火の中、里見家は、名犬・八房の活躍で、敵大将の首を獲り、その妻・玉梓も打ち首にする。しかし、玉梓は死に際に、里見家に怨念の呪いをかける。その呪縛によって再び窮地に陥る里見家を救い出す為に、八つの玉の力に導かれて、『犬』に関わる苗字と『牡丹』のあざがある八犬士が集結し、怨霊・玉梓との戦闘を繰り広げる物語。
実話パートに登場する、馬琴を演じた役所広司と北斎を演じた内野聖陽、そして、馬琴の妻を演じた寺島しのぶは、もう何も言うことなく安定感のある演技で魅了する。『キノ・フィルムズ』らしく、ベテラン3人による泣き笑いの人情劇の中に、若手の磯村隼人が馬琴の息子役として、よいアクセントとなる演技をみせていた。
八犬士の方は、若手のイケメン有望株の8人が顔を揃えていた。フレッシュな演技で、頑張ってはいたが、流石に、役所、内野、寺島による演技と交互に、この若手の演技を観ると、なんとなく、演技の凄味や厚み、重さが感じられず、申し訳ないが、『時代劇ゴレンジャー』の様な感想で、イマイチ入り込めなかった。
日本文学の奇跡
尺稼ぎな感じも
2024年劇場鑑賞273本目。舞台挨拶中継付き。本編前。案の定ネタバレ気にして言葉を濁す役所広司。こういうことする映画は微妙と相場は決まっています。
作者側と作品を交互に描いていくという、どうも山田風太郎の原作通りの展開らしいです。ただ、本当は滝沢馬琴と葛飾北斎のやり取りを描きたかったけどそれだけじゃ尺が足りないから八犬伝の部分もダイジェストでくっつけた感じでした。もちろん28年、98巻、106冊の大作で、まず八人集めなきゃいけないからまぁ薄い感じの話になってしまいました。映画にまとめるなら新・八犬伝を原作にした真田広之主演の里見八犬伝の作り方が正解なのかもしれません。後は大河ドラマですかね。いいんじゃないですか、たまには完全フィクションでも。でもお年寄り怒るか・・・?
もったいない!
ストーリー、素晴らしかった。
役者さん達、見事でした。
脚本、微妙。
演出、編集、微妙。
滝沢馬琴の八犬伝を知るという意味では最高の映画だか、何か細かいところが雑で良くない。手放しで傑作!と言えないところが非常に残念な映画。
物語の紡ぎ手の苦悩、虚と実のテーマなどが非常に良く描かれている反面、拙いCG、古臭いカメラアングル、テンポの悪い編集などのおかげで、見てる途中でスウっと冷めてしまう。
虚のシーンは北斎画風のアニメにしたらどうだったんだろう?
馬琴が八犬伝を描き始めた動機・背景を、もう少し詳細に描いても良いのでは?
色々改善を妄想してしまう作品だった。
ジャパニーズ エンターテイメント
滝沢馬琴の物語
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