八犬伝のレビュー・感想・評価
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ようやく満足出来た。
薬師丸ひろ子・真田広之が主演の深作欣二監督「里見八犬伝」に失望していたので、ようやく満足出来た。山田風太郎の原作は未読なので、滝沢馬琴と葛飾北斎、鶴屋南北の「実」パートはとても興味深く面白く楽しめた。どこまで真実性があるのかな。「虚」のパートは今までの東映映画と比べれば圧倒的に楽しめたが、脚本は1959年バージョンの方が面白い。少なくとも犬江親兵衛の登場シーンはオリジナルに準じて欲しかった。「南総里見八犬伝」オリジナルを尊重して欲しかった。何より、八房と伏姫のエピソードは厳密にして欲しかった。義実の戯言から八房が伏姫を欲し、のし掛かる姿や、洞窟での同居で八房が迫るが伏姫がそれを制して読経で邪念を払うシーン、最後は気にやられ伏姫が妊娠する場面、金鋺大輔により八房が射殺され、伏姫は体の関係はなく懐妊したことを証明するために腹を切り、貞操の証明を果たした後、そこから仁義礼智忠信孝悌の珠が飛び出し、四方八方に飛び散っていくシーンを見たかった。あたかも「獣姦」を連想させる、これぞ玉梓が怨霊が、孫子の代まで畜生道に陥れ祟ってやる、という呪いの具現化だったのに。後は犬坂毛野の女形の由縁・犬村大角の父を殺めた化け猫騒動・ひとり幼い犬江親兵衛の生き返りエピソードなどはちゃんと見たかった。浜路のエピソードもオリジナル通りにして欲しかった。とは言え、芳流閣の屋根上での犬塚信乃と犬飼現八の捕物・決闘はスペクタクルで楽しめたので満足。八犬士がひとりずつ登場して仲間になるプロットは黒澤映画「七人の侍」の原型なのかな。犬坂毛野の女装で暗殺は「ヤマトタケル」を模しているのか。大鷲に拐われる浜路姫は「シンドバッドの大冒険」から?犬塚信乃を追いかける浜路は吉川英治「宮本武蔵」のお通の原型か?スペクタクルな活劇にファンタジーを絡ませつつ、化け猫のオカルト話や玉梓・船虫・伏姫の懐妊など、様々な女性がらみのエピソードは少し淫靡なエロスを感じさせたのに、そこが薄められたのが残念。珠が飛び散るシーンや豪傑が次々に集う展開など、この作品に影響を与えた108人の英雄が活躍する中国の古典「水滸伝」もまた映画化して欲しい。子供時代に夢中になったNHKの人形劇「新・八犬伝」以来の傑作だ。
山田風太郎の八犬伝
恥ずかしながら山田風太郎の八犬伝があることを知りませんでした。
私の世代なら里見八犬伝ですね。薬師丸ひろ子さん、真田広之さん、千葉真一さん等が出演していましたね。めちゃくちゃ面白かったです。当時はCGもなく今見返すと迫力不足かとも思えます。
さてこちらの八犬伝は虚と実を交互に見せていましたが、実の世界は良い出来だと思いますが、虚の世界が中途半端な気がしちゃいます。欲張りかも知れないがもっと迫力が欲しかったです。
さて本家の南総里見八犬伝は完結するのに28年かかっていますがもしこれを映像化した場合どうなるんでしょうね?
映画だと三部作とか、又はネットフリックス等の動画配信とかそうなるのかな?
原作はいつも読まないからいつの日にか実現してもらいたいです。
虚も貫けば実
八犬伝(南総里見八犬伝)
曲亭(最近は滝沢とは言わない)馬琴により
1814年から28年かけて106巻が刊行された
今でいうライトノベル「戯作(げさく)」
室町時代を舞台とし
安房里見家の伏姫の因縁によって八つの玉に
導かれたアザをもつ若者が里見家に結集し
古賀公方を討つ
そのプロットは後のファンタジー
漫画や小説に与えた影響は計り知れない
また馬琴は恐らく日本初の
原稿料だけで食っていた作家である
今作は山田風太郎の小説をベースとし
武家奉公を悲願しつつ偏屈な性格が
災いして戯作に甘んじる曲亭の葛藤を
葛飾北斎との関係と共に
曲亭の人生をたどりながら
二元的に八犬伝の世界と
行ったり来たりする内容
どうだったか
曽利文彦監督は
漫画実写化映画の傑作「ピンポン」
で度肝を抜かれ
フルCGムービー「アップルシード」など
数作見たことはあるが久しぶりに聞いた名前
どんなもんかと思っていたがこれが良かった
曲亭の暮らす江戸の世界の文化的描写が
素晴らしく歌舞伎座のシーンは
見入ってしまった
逆に八犬伝のシーンは
かつて平成初期の角川の
実写ファンタジー映画のような
どこかチープな雰囲気が漂い
ここの出来が悪いという感想も
よく見かけるが
現実と戯作としての対比であえて
そう作っている感じがした
八犬伝が人気作になって
お武家にもファンがいて籠を持って
迎えに来ても紹介がなければ会わん
という偏屈さを役所広司さんならではの
クセのある演技も見事
栗山千明・中村獅童
寺島しのぶの過不足ない安定した
演技で最後まで楽しめた
曽利さん映画はそんなに
しょっちゅう撮らないけど
やっぱいいね
原田眞人さん的で
個人的には現実パートのみで、脳内映像は北斎の絵だけでも良かったように思った
2024.10.26 イオンシネマ久御山
2024年の日本映画(149分、G)
原作は山田風太郎の小説『八犬伝』
滝沢馬琴が「八犬伝」執筆に至った裏話を描く時代劇(&アクション映画)
監督&脚本は曽根文彦
物語の舞台は、文化11年頃の江戸(神田明神下付近)
戯作者として名を馳せる曲亭馬琴(役所広司)は、親友で絵師の葛飾北斎(内野正陽)に新たな戯作の話をしていた
それは、里見家の当主・義実(小木義光)に恨みを持つ者が家を滅ぼそうとする物語で、それを阻止するために、里見家の亡き娘・伏姫(土屋太鳳)が残した遺言を叶えるというものだった
伏姫は死の間際に自身の数珠に念を込め、それは日本各地へと散らばっていった
その珠を持つ者を集めれば、里見家に降りかかった呪いを打ち消せるという
この話を聞いた北斎は、その戯作に興味を示し、わずかな挿絵を描いていく
馬琴は北斎が挿絵を描いてくれるなら連載をしたいと考えていたが、北斎にはその気がなく、結局は北斎の息子がそれを担当することになった
映画は、馬琴の脳内イメージパートと現実パートが行き来する流れになっていて、その脳内イメージをササっと挿絵にしてしまう北斎が描かれていく
「絵にはならない」と言いながらも「八犬伝」を絵にする北斎だったが、馬琴の晩年にて、息子・宗伯(磯村勇斗)の妻・お路(黒木華)が彼の代わりに文章を書くシーンでは「絵になる」と言っていた
北斎の中にある絵は「実」を描くもので、彼が描く「八犬伝」は「虚」ゆえに後世に残したくなかったのだろう
物語は、馬琴の晩年の「八犬伝」執筆時代のみに特化していて、全98巻ある「南総里見八犬伝」はごく一部のみが語られる
「八犬伝」としては「八犬士が揃うまで」
みたいなところがあって、虚構パートの玉梓(栗山千明)を倒すところまでは描いていく
この虚構パートの終わりまで描く必要があったのかは何とも言えず、犬士集結ぐらいで終わらせてもちょうど良かったかもしれない
また、お路が代筆したというパートが不要とは思わないが、いきなり登場して、いきなり代筆しているし、サラッと字幕で「文字を書けなかったお路が馬琴と同じように書けるまでになっていた」と説明するのはナンセンスなように思えた
登場人物がかなり多く、名前のついているキャラが50名以上いる
また、一人二役をしている役者がいるのだが、ググって調べられる範囲を超えているので、パンフレットでは「全キャラクター相関図」を作って欲しかったくらいである
細かなキャストに関しては「四谷怪談」「仮名手本忠臣蔵」「南総里見八犬伝」に詳しい人ならエンドロールを読んで理解できると思うが、かなり難易度が高いのではないだろうか
いずれにせよ、創作をなぜ行うかという哲学的な部分とか、勧善懲悪の是非、写実主義と理想主義の対決みたいな部分は面白かった
歌舞伎観劇後の奈落にて、狂言師の鶴屋南北(立川談春)と語る部分はとても面白く、ジジイ三昧の現実パートの方が深みがある
「八犬伝」のアクション時代劇部分はCGに頼りすぎている部分と、キャラクターを描き切るには時間がなさすぎるので薄味になっている
最後の方の集結部分は結構無理やりな感じに仕上がっていたので、尺のバランスを考えると、無茶なシナリオを書いたんだなあと思った
編集せずに全部上映したら、おそらく5時間くらい超えて来そうな気がするので、良いとこどりが裏目に出ているようのかもしれません
創造と現実の二つの世界
南総里見八犬伝の話は以前別の映画で見たことが有りました。
ただそれを書いたのが誰だったのかは今回初めて知り、しかも実際に28年を費やし書いたと言うのには驚きました。
その作者滝沢馬琴の八犬伝作りの過程を描いた実話パートと、創作の八犬伝の世界を描いた虚構パートが交互に映し出されていましたが、どちらのパートも実に見ごたえがあり、それぞれの世界に見入ってしまいました。
どちらのパートもそれぞれ通しで作れば2本の映画が出来てしまうかのような作品です。
馬琴の創造から生み出された八犬伝の世界は正に映画のようなスペクタクルな世界で、江戸の時代にこんな壮大な物語を考えた人がいたとは驚きです。葛飾北斎がその話に魅せられるのも無理からぬ話しだと納得です。
自らの視力を失ってもこの作品を作り上げた馬琴さんと、義父にあたる馬琴さんを助けたお路さんの姿が鮮烈です。北斎が言う絵になる二人でした。役所さんの迫力は本当に素晴らしいし、黒木華ちゃんこう言う役上手ですよね。
二人のみならず内野聖陽さん、磯村勇斗さん、寺島しのぶさんら実話パートの皆さんの存在感がすごい。
虚構パートは何と言っても玉梓の栗山千明さんが妖怪感満載で印象的でした。浜路が河合優実ちゃんだとは最初気づかなかったです。太鳳ちゃん美しかったです。
虚と実。二つが支えあって出来た八犬伝の世界。二つの世界を行き来して、その深みにどんどん引き込まれて行きます。
一本の映画で二本分の楽しさが味わえました。
いい映画を見ました
2本の作品
を観たお得感がありますね。八犬伝は子供の頃好きで、TV人形劇や本で何度も見て来たので、それが映像化されてとても興味があり、面白かったです。滝沢馬琴の生涯も名役者の共演で、作品作りへの情熱の伝わるものでした。
入れ子型ファンタジーお見事
江戸時代の巨人の
馬琴VS北斎の芸術論に、
馬琴の話を聴いて、
馬琴の背中を画板にして北斎が即興で挿絵を描くのが笑えた。
そして、二人の話しは、
赤穂浪士VS四谷怪談
滝沢馬琴VS南総里見八犬伝
実VS虚が、
勧善懲悪を軸にリアルでも南北、崋山、お百、お路、宗伯と入れ子として展開されて行く。
実によく出来ている。
もう一人居れば八人伝となるのだが…
それは曽利監督なのか?
それにしても
ロケ現場VS VFXでも素晴らしい出来だった。
あの歌舞伎小屋とラストの竹林道は凄い。
勿論、役所VS内野との40年交流劇は楽しかった。
(╹◡╹)
八犬伝
劇場公開日:2024年10月25日 149分
山田風太郎の小説「八犬伝」を役所広司主演で映画化。
里見家の呪いを解くため運命に引き寄せられた8人の剣士たちの戦いをダイナミックに活写する“虚構”パートと、
その作者である江戸時代の作家・滝沢馬琴の創作の真髄に迫る“実話”パートを交錯させて描く。
人気作家の滝沢馬琴は、友人である絵師・葛飾北斎に、構想中の新作小説について語り始める。
それは、8つの珠を持つ「八犬士」が運命に導かれるように集結し、里見家にかけられた呪いと戦う物語だった。
その内容に引き込まれた北斎は続きを聴くためにたびたび馬琴のもとを訪れるようになり、2人の奇妙な関係が始まる。
連載は馬琴のライフワークとなるが、28年の時を経てついにクライマックスを迎えようとしたとき、馬琴の視力は失われつつあった。
絶望的な状況に陥りながらも物語を完成させることに執念を燃やす馬琴のもとに、息子の妻・お路から意外な申し出が入る。
滝沢馬琴を役所広司、
葛飾北斎を内野聖陽、
八犬士の運命を握る伏姫を土屋太鳳、馬琴の息子・宗伯を磯村勇斗、宗伯の妻・お路を黒木華、馬琴の妻・お百を寺島しのぶが演じる。
監督は「ピンポン」「鋼の錬金術師」の曽利文彦。
八犬伝
字幕メガネマーク 音声ガイドマーク
劇場公開日:2024年10月25日 149分
虚と実
山田風太郎の名作『八犬傳』が原作。
曲亭(滝沢)馬琴が、『南総里見八犬伝』という「虚(虚構)」と、馬琴の「実(現実)」である生きざまを交互に描きつつ、「人生は虚と実のどちらなのだろう」「創作は世の中の役に立つのか」と悩む姿が印象的な原作を、ほぼなぞってはいました。
金のために書き始めた商品が、「現実が不条理であるからこそ物語の中でこそ正しい勧善懲悪であってほしい」という馬琴の願いを込めた作品へと昇華していく。
その過程を映像として不足なく丁寧に描いていたし、美術もCGもクオリティが高いものの…
予想通り尺の問題でどうしても『南総里見八犬伝』パートがダイジェストになってしまっていたので、あの壮大な物語が軽く見えてしまう点が否めず、やや不消化な印象が残りました。
さらにそのダイジェスト感によって、すべての事象の元凶が里見義実の軽口と軽挙妄動にあって、玉梓の怨霊化さえ義実のせいで起きたのであり、里見家に義がないようにも見えてしまうのが難でした。
作中は馬琴の語り(作中再現の虚パート)を聞いた北斎が場面を再現した絵(イラスト)を描く流れで、それはきっと原作に準拠しているのだと思ったのだけれども、バラバラに順序通り並べただけにも見えてしまった。
映画という動く媒体であれば、順番を入れ替えたほうがよかったかもしれない。
「話のとっかかりだけ馬琴に語らせ、北斎の絵を基にイメージが膨らみ、作中再現が始まる」ようにした方が流れもよく、また虚の世界が生き生きとしたのかもしれないなとも夢想しました。
ただし、海外配給を軸にするのであれば正解で、この単純化したわかりやすさは好まれそうです。
また、作中で歌舞伎『東海道四谷怪談』の上演シーンがあり、伊右衛門を七代目市川團十郎(中村獅童)、お岩を三代目尾上菊五郎(尾上右近)が演じているのがまず面白かったのと。
馬琴の妻・お百は、家庭を顧みず、自分(妻)への気遣いもなく、家業の草履屋もせずに執筆をつづける馬琴に苛立ち、クリエイター友達である北斎、馬琴を尊敬し崇める息子・宋伯やその嫁・お路に対し嫉妬すらしていたという難しい役どころを、寺島しのぶが怨念を乗せるように演じていてのがすごかった。
怨念といえば、玉梓役が栗山千明なのが、当て書きみたいにハマりすぎていたのも書いておきたい。
虚が実より面白い‼️
滝沢馬琴が様々な困難を乗り越えながら「八犬伝」を完成させる過程である「実」と、「八犬伝」の物語の映像化である「虚」を交錯させながら描いているわけですが、残念なことにどちらも中途半端な出来栄え‼️「実」では、役所広司さん扮する馬琴が息子の死や自身の失明など、様々な困難を乗り越え「八犬伝」を完成させるわけですが、一つ一つの出来事が単なるエピソードの羅列みたいに描写されているので、イマイチ胸に響かない‼️妻役の寺島しのぶもウルサイだけだし、肝心の内野聖陽さん演じる北斎の扱いもビミョーであまり必要性を感じない‼️もうちょっと馬琴との関係に一工夫欲しかったですね‼️そして「虚」‼️八人の犬士たちの描写は、実際の「八犬伝」では背景がかなり緻密に描写されているのですが、今回の作品ではかなり省略されています‼️それでもテンポ良く展開が進んだかと思いきや、「実」が入ってくるので、せっかくのテンポ良い展開が遮断‼️特に河合優実ちゃん扮する浜路が里美の城で父君と再会するシーンや、いきなり親兵衛が仲間入りするシーンはあまりに展開が急すぎて、ちょっと置いてけぼり感が‼️八人の犬士たちも個性が乏しいし、玉梓役の栗山千明も頑張ってはいるのですが、やはり夏木マリさんは超えられない‼️私としては「虚」と「実」を交錯させるよりは、前半で馬琴の生涯を描き、後半で「八犬伝」の壮大な映像化を魅せたほうがバランス的にも良かったような気がします‼️やはり私は深作欣二監督作品「里見八犬伝」が大好きなんですよね‼️八犬士は真田さんや千葉真一さんをはじめとするあの八人しか考えられないし、浜路は信乃とともに死ぬ運命だし、この「八犬伝」を観ながらも頭の中ではジョン・オバニオンのテーマ曲が鳴り響いてましたもん‼️
事実パートの方が興味津々
作者である滝沢馬琴の事実パートと、作品である南総里見八犬伝の虚構パートが交互に描かれる。
里見八犬伝は、ドラマやゲームなどにもなっているが、作者である滝沢馬琴がどのような環境で里見八犬伝を作っていったのかといった新しい視点での八犬伝だと感じた。
葛飾北斎との掛け合いが面白く、事実パートは地味ではあるものの当時の生活感溢れる様子がとても良かった。しれっと登場している葛飾北斎には驚いたが、調べてみたところ滝沢馬琴と葛飾北斎は同居する程仲が良かったようですね☺
一方の里見八犬伝を映像化した虚構パート。
こちらは、各シーンの映像の美しさやアクションの迫力こそあるものの、里見八犬伝の主要箇所を切り取ったかのような作り。展開こそ早いが、淡々とご都合主義に進む為、雑にも見えてしまう。八犬士も何だかよく分からないうちに揃ってくるが、各キャラに感情移入できる程の深掘りも無く、敵との戦いもアッサリしていて味気ない。
何か時代劇版の特撮ヒーロー物みたいにも見えた。
イマイチ深みのない虚構パートだが、逆をいえば、こんな感じどうかな?と馬琴が構想したものを表現している為、敢えてサクッとした演出になっているのかなとも感じられた。
いずれにしても、江戸時代に今で言うファンタジー的なジャンルの小説を28年の月日をかけて書き上げた作家がいたという事実。
特撮ヒーロー物みたいだと書きましたが、江戸時代にこのような作品が生み出されていたという事自体に、ただただロマンを感じます☺✨
里見八犬伝より滝沢馬琴の生涯の方をもっと知りたくなる作品でした。
仁、義、礼、智♩ 忠、信、孝、悌♪ いざとなったら玉を出せ🎵
我こそは、玉梓が怨霊〜。(ガンバの冒険のノロイくらい怖かった)
ひとりぼっちじゃないんだ〜🎵 ま〜だ知らないだけなんだ〜♬
新・八犬伝 世代だから、八犬伝って聞いただけでワクワクする。
アストロ球団とか宇宙からのメッセージとか(ひどかったな。真田さん出てたけど)、薬師丸ひろ子の里見八犬伝もあったか、全く覚えてないけど(こっちも真田さん出てたかって、どっちも深作作品だったな)。
予告篇で馬琴と北斎の物語か、ちょっとワクワク感減ったけど、西田敏行さんと緒形拳さんの北斎漫画は面白かったな。
「これが八犬伝の始まりだ」ってめっちゃワクワクした。
堅物の馬琴を役所広司さん、破天荒な北斎を内野聖陽さん、これ以上ない適役。二人の掛け合いが楽しい。
でもちょっと実のパートのテンポ悪いかな。それと虚のパート端折りすぎ。
八剣士(犬士?)はまぁよかったけれど、どうせなら虚のパートも実のパートのキャストに演じてもらったら面白かったんじゃないかな。
里見の殿様を役所広司、出家して八犬士を探してた忠臣を内野聖陽、敵役を談春、犬塚信乃を磯村勇斗、玉梓を寺島しのぶとかWキャストで。
土屋太鳳ちゃんも河合優実ちゃんも栗山千明さんもきれいだったけど、板垣李光人が一番美しかった。
なんてったって河合優実ちゃんは演技派女優だけど、演技派女優さんでなくてもよい役を、演技派女優さんじゃないみたいに演じて、さすが演技派女優だな(めっちゃ贔屓目)。
虚のパート、南総里見八犬伝を本格的に映画化、シリーズ化してほしい。真田広之さんお願いします。
虚実が交錯する作りだったが、『実』に特化した構成で見てみたい。 役...
虚実が交錯する作りだったが、『実』に特化した構成で見てみたい。
役所広司の演技が素晴らしかった。
裏を返せば『虚』のパートはそこまで刺さらなかった。
全体の半分近くの時間を費やしても内容が薄いと感じた。
⭐︎3.8 / 5.0
10月25日(金) @映画館
八犬伝
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「何となく続けている事」が愛おしくなる映画🎬虚パートのラストはショボいけど、馬琴と北斎の語らいにとても癒されます😚
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#movie 🎬2024
#備忘録
#八犬伝
#映画
#映画鑑賞
#映画レビュー
#映画好き
#映画好きと繋がりたい
#映画好きな人と繋がりたい
期待度○観賞後の満足度◎ “虚(映画・文学・漫画等々)”で何が悪い…
①“玉梓が怨霊~!”懐かしい、あー、懐かしい、懐かしい、懐かしすぎて映画として正当に評価出来ないと思うわ。
②『南総里見八犬伝』といえば、私達の世代(か、もうちょい下の世代?)から上の人達にとっては、辻村ジュサブローさんの手によるNHK人形劇。イヤー、面白かったな。結構長い話だし登場人物も多いのに毎回ワクワクしながら観ていたのを記憶している。八犬士が一人一人見つかっていく過程に子供心にも魅力された。
それから、(薬師丸)ひろ子ちゃんと、今や『SHOGUN』で時の人となった真田広之(同い年です)の二人が主演の『里見八犬伝』。
人形劇の“玉梓が怨霊~!”もいまだに忘れられないくらいインパクトが有ったが、映画の方も玉梓役の夏木マリの大悪女ぶりが印象的だった。
③滝沢馬琴の“実”話パートと八犬伝の“虚”物語パートとを交互に語りながら進む構成は洋画等で時たまあるので決して珍しいものではないが、なかなか面白い着想だとは思った。ただ、半分くらいを占める大物俳優達のギャラが高かったのか、特殊撮影等に費用が掛かったのか、物語パートが少々スケールが小さいのが残念(宴シーンはなかなかよかったが)。
八犬士や殿様含め里見家の面々に有名俳優陣を揃えたりしたらもっと豪華な感じが出たのだと思うが(ハリウッドみたいに)、日本映画では無理なんだろうな(黄金期の日本映画なら総オールスターキャストで映画化されただろうけど)。
まあ、若手俳優を私が知らないだけかも知れないけど。犬士一人一人の人物描写やその背景描写とかの描き分けが足りないので感情移入が出来ないのもイタイ。
最後の勝利を喜び会うシーンも何か時代劇というよりも青春映画っぽい雰囲気。
栗原千明扮する玉梓も禍々しさを纏う美しさが足らず玉梓にしてはスケールが小さいうらみはあるが、「八犬伝」パートの弱さ(スケールの小ささ)からすればこんなくらいがビッタリなのかも。
船虫役の女優さんはビッタリだったけど。
「実話」パートも、“虚(フィクション)”と“実(リアリティ)”の相克という興味深いテーマが根底に有るんだけれども、役所広司の熱演をもってしても絞りきれていたとはいえないもどかしさがある。
このパートは演出というよりも役所広司と内野聖陽の掛け合い芝居でもっていた感じ…馬琴が晩年に失明して漢字を知らない嫁が代筆して『南総里見八犬伝』を完成させた名高い話も、期待したよりは尺が短く感銘を受けるほどの描き方でなかったのも残念。テロップで逃げちゃたてもなぁ。
④馬琴と北斎とが、歌舞伎観賞後に歌舞伎座の「奈落」を見せてもらうシーンでは、高橋留美子の『犬夜叉』(全巻揃えてます)を思い浮かべてしまった。あちらも「犬」だし。
まあ関係は関係は無いでしょうけど。
⑤あと、室町時代後期の関東地方の武士社会の勢力図とか、鶴屋南北の『東海道四谷怪談』とか、“仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌”の出典とか、渡辺崋山とか、日本/中国の歴史や古典文芸等の知識が無ければ若い人達には分かりにくい部分もあるかと思う(だから若い売り出し中?の俳優さんを使ったのかな。)
といいながら、そんなこと全く知らない中学生でも虜になるくらい面白かったのだら改めてNHK人形劇『里見八犬伝』がどのくらい良くできていたかがわかる。
本作ついてそこまで面白いと若い人が思えたかどうか、興味深いところではあるけれども。
⑥ということで後で冷静に振り替えったら結構残念な部分も多く、せいぜい甘く見積もっても★★★⭐くらいが適切だと思うが、かなりノスタルジックな気分(冒頭の犬房と伏姫を巡る一幕には最初から涙が出てしまった)にさせてくれたので★一つオマケ。
⑦演出は可もなく不可もなし。この長尺を飽きさせずに最後まで引っ張ったのはエライと思うけれども、これも最後をどう締めるのか、玉梓の最後はどうなるのか、を見届けたかったというオールドファンの気持ちから来ているので何とも言えません。
追記:大多数の人の価値観は滝沢馬琴寄りだと思います。根性がひねくれた私は、大多数な人が普通・常識・当たり前と思っているものを斜に見たり、ひっくり返して見るのが好きなので人間としては鶴屋南北寄りかな…
馬琴と北斎おじいちゃんのいちゃいちゃはいいもんだ
開始10分ほど
え。。。これはハズレか?と感じます。
演出がなかなかひどい。。演技もいまいち・・・
邦画にファンタジーCGはだめだよ・・
と後悔し始めたころに現実編へと切り替わります
こちらは、セット、舞台背景から演技まで素晴らしい出来でした。
作品の流れは
八犬伝のファンタジーと作家の現実を何度も行き来を繰り返し
八犬伝という作品を口伝形式で展開していきます。
一方、現実では作品完成までの経緯をヒューマンドラマとして表現します。
まずは悪い点から
ファンタジーとはいえその時代、舞台背景に似つかわしくないCGが没入感をなくします。
瓦、建物の崩壊などはうまく表現されていますが、ラスボスの表現などとてもチープに感じます。
特殊メイクは悪くなかったためCGにお金を使うのでなく、迫力がなくてもメイクでの表現の方が作品にはマッチしたと思います。
現実のヒューマンドラマは作品完成までの苦難が幾度と起きますがどれも
涙を流して感動するほどには仕上がっていませんでした。
決してつまらないというものではないですがあと一歩足りないという点でした。
毎度苦難が続きますがもっとメリハリをつけた方がよいと思います。
「息子の死」、「妻の死」「漢字も書けない媳婦の代筆」どれを最も重く伝えたいのか?
良い点
ファンタジー視点での殺陣はかっこいい戦闘描写が多く満足いく仕上がりでした。
また、ファンタジー側のストーリー進行はどんどん進みでストレスなく見えます。
一方重たい現実のヒューマンドラマはじっくり進めてシナリオ重点を置いています。
現実側は役者の演技が素晴らしい。
八犬士が美形揃い。
男くさいかっこよさから美男子まで揃ってました。
犬坂毛野役の板垣李光人さんは美しかったです。役柄から女装するのですが美しい。。。
虚・実について考えさせる起点となった南北の表現が素晴らしかった。
歌舞伎、赤穂浪士忠臣蔵と四谷怪談のセット、メイクへの力の入れ方が凄いです。
あとは馬琴、北斎おじいちゃん同士のいちゃいちゃ いいもんですね。
ほっこりします。
脚本が良かったです。オススメします
山田風太郎の原作は好きなので興味があり初日に見てきました。
八犬伝の本編と作者の滝沢馬琴の現実世界の対比が面白く2時間半の上映時間を十分楽しむことができました。
南総里見八犬伝の壮大なストーリーがかなりダイジェストで軽めにになってるのは残念とは思いますが、
葛飾北斎と滝沢馬琴の掛け合いも楽しく、さらに息子役の磯村勇斗の演技も素晴らしく十分見ごたえがありました。
曽利文彦監督脚本の虚実の構成がお見事でした。
アニメ版OVA「THE八犬伝」を久しぶりに見直したくなりました。
オススメ度は高いです。
実が虚に、虚が実に
通常スクリーンで鑑賞。
原作は未読。
虚の八犬伝パートだけでも充分一本の映画として成立してしまうだろう高いクォリティーで、とても面白かった。
曽利監督ならではの見事なVFXで表現された八犬士たちの戦いは、スクリーン映えする迫力だ。大きな画面で是非。
そこに実のパートの、滝沢馬琴が八犬伝に込めた想いと苦悩が交錯し、物語により深みが出ていて、感動的だった。
馬琴の、戯作者としての欲と葛藤を体現した役所広司の演技に引き込まれた。内野聖陽の北斎もなかなかの味わいだ。
鶴屋南北との問答がハイライトだと思った。実が虚に、虚が実に。こんな世だからこそ正義が凱歌を上げる物語を。…
令和の世も、当時と変わらない。と云うか人間がいる限り変わらない社会の仕組みに対し、エンタメが出来ることとは。
何度も筆を折りそうになりながら完成させた「南総里見八犬傳」。作品にこめられた馬琴の想いは今にも充分響くと思う。
寺島しのぶと磯村勇斗も名演だった。
巧みに虚と実が配された構成の本作であるが、文字ではどのように表現されているのだろう。原作を読みたくなった。
28年の長期連載
原作は読んだことはないけどなんとなく内容は知ってる位の物語ですが、両目の視力を失っても尚物語を完結させるその執念は凄まじいですね!
ただ、物語を書いてる実パートと物語の中の虚パートが交互に進行していくので、どうしてもテンポが悪い(^_^;)
虚の物語の部分があまりにもダイジェスト過ぎた
原作は山田風太郎の「八犬伝」である。滝沢馬琴が 28 年かけて書いた 106 冊にもわたる壮大な虚の物語に、馬琴と北斎をはじめとする滝沢家のリアルな実の物語を挟みながら進行させるという構成を取りながら、僅か文庫本2冊に収めている。従って、実の物語に比べて非常に長大な虚の物語はダイジェスト版にならざるを得ないが、それでも物語の要点は外さずに描いてある。
この映画は 149 分とやや長い尺を持っているが、それでも虚の物語は更に要約版になっており、八犬士にそれぞれ嫁いだ里見家の姫は、犬塚信乃の恋人・浜路一人しか出て来ていない。八犬士一人一人の物語も極めて簡略化されていて、犬江親兵衛などは唐突に登場したようにしか見えなかった。伏姫の最期についても、原作とはかなり違っていた。女性が割腹するというのは、流石に今風でないと考えられたのかも知れない。
このため、虚の話の印象が薄いものになってしまった感は否めない。八犬士が全員揃うまでには、それこそドラゴンボールを全部集めるより大変な紆余曲折の物語があるのだが、随分簡単に集まったような感じになってしまっていた。八犬士それぞれのキャラクターもしっかり立っていたとは言い難い。レンジャー戦隊もののような感じを受けた。特殊効果などは非常に力を入れていたのが察せられたが、キャラ立てにももう少し注意を払って貰いたかった。
玉梓の首を刎ねた金碗八郎は玉梓の怨念を生んで里見家に災難を呼び込んだことに責任を感じて自害し、その息子の大輔が出家して僧となって八犬士を集めて回った最大の功労者なのだが、そのエピソードが完全に欠落していたため、何故この坊さんがここにいるのかという違和感を感じさせてしまっていたのが惜しまれた。
それに対し、実の物語は十分な詳細さで語られていたように思うが、鶴屋南北の四谷怪談に割いた尺が必要以上に長かったように思った。勧善懲悪が是か非かという問題提起だけであれば、もうちょっとアッサリとやるべきではなかったか?会話も必要以上に長かったように感じた。馬琴の息子の嫁のお路が馬琴の口述筆記を手伝ったのは、執筆期間の最後の1年間である。お路が漢字が書けなかったという話は、馬琴が「回外剰筆」に書いている話であるが、多分に誇張した苦心談が独り歩きしたものであるらしい。
役者は贅沢だったが、テレビドラマ「不適切にも程がある」でブレイクしたジュンコとマッチ先輩が出ていたのが印象的だった。また、大河ドラマ「光る君へ」で一条天皇を演じた塩野瑛久が、一転して野生的な大名・扇谷定正役を演じて芸の幅の広さを見せていた。このまま信長役でもキムタクなどよりずっとそれらしく見えそうに思われた。犬坂毛野役の板垣李光人は、相変わらず女の姿になった時の魅力的なことが特筆ものだった。
音楽はあまり時代劇風でなかったのが惜しまれたが、最後に本編と何の関係もない歌謡曲を流さないでくれたのは良かった。
(映像5+脚本3+役者4+音楽3+演出4)×4= 76 点
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