「エンタメ系クリエイターズドキュメント~再現ドラマと作品ダイジェストを添えて」八犬伝 ギリカンさんの映画レビュー(感想・評価)
エンタメ系クリエイターズドキュメント~再現ドラマと作品ダイジェストを添えて
タイトルから低評価のように感じるかもだが、誉めてます。
曲亭馬琴の創作人生と、その作品である南総里美八犬伝のパートとが、、虚、実、虚…と、ぶつ切り展開していくので、そこで没入感が阻害されて着いて行けない人は多いと思う。
また、八犬伝パートが結構雑で(自分は楽しんだけど) 且つ本家原作を変えている(山田版を未読なので、そちらで変えたのか映画で変えたのかわからないのだが)ので、原作ファンの方は不満だと思う。
だが、それらは正直、予告編を観れば容易に予想出来る事なので、折り込み済みの上で鑑賞に挑んだ。故に、どちらのパートもストレスなく楽しめた。
兎に角、馬琴パートが良かった。大まかな人生の流れは知っていたが、創作者としての、あるあるや拘り、晩年の苦しみ、北斎との爺同士の会話とか、色々興味深かった。
八犬伝パートが本家原作と微妙に違うのも、草案の段階で北斎に話した内容と思えば、そこまで不思議ではない。
虚と実にこだわった馬琴が虚の世界に溶け込んで微笑む姿に癒された。
あまり複雑に考えず、感動と爽快エンタメと両方素直に味わえば良いかなと思う。
コメントする