「フランダースの犬」八犬伝 SP_Hitoshiさんの映画レビュー(感想・評価)
フランダースの犬
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面白かった。
虚(フィクション)と実(現実)の問答。
四谷怪談が掛け算でも足し算でもない、引き算ではないか!と激昂するシーンが最高に面白かった。
八犬伝と四谷怪談の関係など考えたこともなかった。
虚は実となり、実は虚となり、反転する、虚実の哲学。
主人公は現実の無情さに生涯苦しみぬく。
そして、この「八犬伝」という物語そのものが、虚を実でくるんだ構造になっている上、さらに最後の最後でさらに虚でくるむという構造は素晴らしい(フランダースの犬のように)。
改めて我々にとって虚(フィクション)とは何なのか、深く考えるきっかけになった。
現実はつまらぬ、無情の世界。
しかし我々は現実だけに生きているわけではない。
むしろ何をもって生きるのか、ということの中に真実があるのかもしれない。
江戸川乱歩の「うつしよは夢、夜の夢こそまこと」にも通じる。
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SP_Hitoshiさんのコメント
2024年10月28日
ありがとうございます。そうですね。「絵にならねえ」が、晩年「絵になる」になったことを、意外に本人だけが気づいてない、なんてことはよくありそうですね。理屈通りか、理屈通りでないか、という問答とまた違う見方もある、と北斎は示していたのですね。
トミーさんのコメント
2024年10月28日
リアル追求は確かに引き算かもしれませんね、事実に圧倒される部分も有ると思います。ただ正しい者が勝つ理想の世界も無ければ救われないなぁとも思います。絵になる人生を観るのは何だかんだで愉しいですからね。