「韓国お得意の蘇りもの」母とわたしの3日間 じんじんさんの映画レビュー(感想・評価)
韓国お得意の蘇りもの
この題材はどこの国でもよく扱うのだけど、韓国が作ると本当に上手いといつも感心する。
韓国人を描くのに情と恨は欠かせない。
日本人には深すぎる恨の世界は理解し難い。一方、情は分かりやすい。特に親子の情は世界共通だろう。
つい20年くらい前までは経済的に恵まれない人が珍しくなかった韓国なので、貧しいながらも子供に愛を注ぐという物語はどの年代にも好まれて当然だろう。
3年前に亡くなった母親に3日間だけ現世の好きな場所に戻る休暇が与えられた。
生前、折り合いが悪くて死に目にも会えなかった娘のことが気掛かりで、今は米国で大学教授として働く娘に会いにいくことにした。
着いたところは米国ではなく、母親自身が食堂を営んでいた田舎の実家だった。
娘は渡米したものの、母を弔う為に故郷に帰ったまま母親の店を継いでいたのだ。
なぜこんなことになったかを、映画は過去と現在を行き来して説明する。
娘を理解できない母親をどう納得させて成仏させるかが腕の見せどころなのだが、母が生前たどった道を娘は隠れて見ていたこと、そして娘も母と同じように歩むことで、娘が母に抱いていたわだかまりは既に消えていたことが判る。
蘇り最終日の夜、接触禁止のルールを破って母は娘の前に姿を現し、添い寝した。
翌朝、ルール違反の罰で娘は母の記憶を失くしているはずだが、生前書いていた母の日記帳には新しいページが書き加えられていた。
蘇りのガイドと見張り役をする天使の忖度に感謝。
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