国宝のレビュー・感想・評価
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読んでから観る、観てから読むか
原作先行の映像作品には常にこの悩みが付きまとう。小説も漫画も読者の世界観があるわけでそのズレをどう楽しむかは、読書好きにとって大きなポイント。結論「国宝」はどちらからでも楽しめる。映画のレビューなので、ここは小説を読むことをおススメしたい。高評価通りの作品。個人的には「とくちゃん」が冒頭だけの登場なのが残念なのだが、切り捨てた決断は大いに評価したい。
血筋の地位がほしい愛憎劇
と思って鑑賞したら全く違う。
愛憎は確かにあるし、ドロドロと言えば確かにそうなんだけどお父さんが撃たれるとこから、最初からずっと綺麗だった。
個人的には社長の付き人っぽくしてたひとが社長に昇進してたのがクスりとしたし、本音でぶつかったからこそずっと3代目と居たんだろうなと思う。
吉沢亮がひたすら美しかった。
劇場で見てよかったぁ!
昔ながらの「芸の道」のイメージ
本当は、公開前のYUKIKAZEを観に行ってレビューを書く気満々だったのですが、上映会に2つ応募して2つとも見事に落選しました!笑 なので今はYUKIKAZEの内容や主題歌に関してリリースされた前情報を見ながら、 “その時”がくるのをひたすら楽しみに待ちます!
ということで、今は他の映画の鑑賞タイム(^^)
話題の作品「国宝」を観に行きました。原作は読んでいません。
結論からいうと、一年以上前から歌舞伎の所作の稽古や精神を身体に叩き込むなど努力を重ねて難しい役に挑んだ吉沢亮さん(立花喜久雄役)と横浜流星さん(大垣俊介役)は、素晴らしかったと思います。2人とも艶のある踊りが素晴らしく、ニ人道成寺では息もピッタリでしたし、鷺娘も素晴らしかったです。一人が抜き出ると、もう一人がそれを上回ろうとしのぎを削る2人のライバル関係も良く表現されていました。そういえば、最近他にみたF1(ブラッドピット主演)も1年以上役作りに取り組んだとのことで、俳優さんの役が肉体的訓練を伴う場合ってすごく時間をかけて取り組むんだな、、と改めて驚きました(自家用戦闘機に乗って訓練するトムクルーズまで行くと、ありえないレベルです)
作品に対する感想は、、、個人的には少し残念でした。
なぜかというと、主人公の一人で、最後に国宝に上り詰める立花喜久雄(吉沢亮さん演じる)について描かれているのは、昔から世間にある「芸を極める道」の一つのイメージのままだったからです(私のような外の世界に生きる一般の人には中の世界をうかがい知れないので、現実とこのイメージがどのくらい合っているのかは判断出来ませんが)。よく聞く「芸のこやし」という言葉に表れる芸の世界です。つまり、芸を極めるために身近な人たちを傷つけ、不幸に陥れていってしまう業深さ、そして自身もその業深い生き方に傷つき、泥の中をのたうちまわるような苦しみを抱えながら生きる人生について描いていたのです。
描き方は、大胆かつ丁寧に描いていたと思いますし、歌舞伎の舞台は美しく映像化されていたと思いますが、、、やはり描かれていた世界が自分には「私が見たい”芸を極める道”は、これではないような気がする、、、制作陣はなぜ今この時に、この古びれたイメージを映画化しようと思ったんだろう。」という気持ちになりました。例えば「次の時代の国宝には喜久雄のようではない人たちに、どんどん国宝になってもらえるといい」という希望が込められているのなら制作意図を理解できますが、実際にはそうではなさそうだし(国宝となった喜久雄に対して喜久雄の娘が放つ言葉が、喜久雄の生きてきた道を肯定しています)、この作品が描いている世界を私は手放しで素晴らしい!と拍手喝采はできませんでした(原作を読んでみたら印象が変わるかな、、、?)
その意味でガッカリしたシーンは、喜久雄に捨てられた娘の綾乃(瀧内公美さん演じる)が、国宝となった喜久雄に対して、自分は(喜久雄を)父親として認めたことはないけれども、舞台を観ると抗いようもなく心を動かされ、拍手をしてしまう、というようなセリフを言うシーンでした。
業の深い芸事の道を描いていると分かってはいたけれど、ああ、この映画はここでわざわざ娘役にこのセリフ(そういう生き方を肯定するようなセリフ)を言わせてしまうんだ、、、と思って、ガッカリしたのです。ダメ押しのセリフにトドメを刺されたような感じでした。
もちろん実際の芸能の世界では、喜久雄のような業深い生き方からは一線を引いて芸事を極めている方が沢山いらっしゃると思いますが、「国宝」というこの作品のタイトルでさえ私の目には、「国宝(という名の魔物)」という副題?もついているかのように、業深さゆえに暗くどろどろした影がピッタリと寄り添っている印象でした。
作品で描かれた主人公2人の生き方については、大垣俊介(横浜流星さん演じる)の方は最後、自分を捨てて全てを喜久雄に委ねてしまったように見えたので、その後の生き方は身も軽く、清々しい印象を受けましたが、喜久雄の方は自身の過去の全て、”悪魔と取引”までしてしまう業の全てを自分の中に抱えたまま生き続けなければならない重苦しさを感じました。少なくとも、喜久雄のようにどろどろの深い沼にはまって自身がのたうち回っているような状態では、同じ沼、あるいは他の苦しみの沼にはまっている人に対して、手を差し伸べて引き上げる手助けをしてあげることは出来ないかな、と思いました。
吉沢さんには「喜久雄の生き方についてどう思いましたか?」と尋ねてみたい気がしました(俳優という仕事全てに関わることかなとは思いますが、吉沢さんは喜久雄の役を演じることで自分の身体の中に入ってきてしまった毒を解毒する必要なんかは無いのかなぁ〜、、、なんて感じました)。
そういえば、田中泯さんが女形の人間国宝、小野川万菊役を怪演していましたが(目の動き一つだけでギョッとさせられます笑。微笑んでいるのに不気味だし、すごい迫力です)、その万菊が喜久雄に向かって、貴方は自分の美しいお顔に注意なさい、と忠告するシーンがありますが、注意すべきは顔ではなくて野心だと思うのですが、、、やっぱり顔なのかな、、笑。
ものすごい人数の方が鑑賞した、この話題作。個人的に少しガッカリした後に感じたことは、、芸事の神様がもし今まで喜久雄のような人の上に(そうでない人よりも多く)降臨していたのだとしたら、今後は神様にはちょっと考え直して欲しいかも笑、ということです。
私たち観客の側にしても、今までは喜久雄のような芸の道が最高だと絶賛してきたかもしれないけれど、本当は喜久雄のような生き方ではない人が到達する芸の道の素晴らしさを、まだ目にしていないだけなのかもしれない(これまで表に出てきていないのなら、この映画が喜久雄の生き方を世に見せているように、もっと表に出して見せて欲しい)
1人の人の生き方として見た場合、喜久雄のように「芸の肥やしを消費」しながら芸の道を極めなければ神様が降臨してくれないとなれば、とても苦しいと思うんですよね。
例えば自分が植物の種だとして、生まれた?時から「自分は1人の人を大切にする人生を生きたい」と考えている種だとして(変な例えですけど笑)、それが毎日上から水をかけられる度に「成長するには芸の肥やしが大事だぞ!」と言われたら、、、ウンザリしそう!まっすぐ伸びようとする芽さえねじ曲がりそう‼︎
1人の人を大切にし続けるのも山あり谷ありで、そこには努力して作る道があるように思います。その努力も神様が見ていてくれると嬉しいかな。
ということで。鑑賞後、これまでの世間の古びたイメージを打ち破る、新しい「芸を極める道」を見てみたい!と期待が膨らむ、、そんな作品でした(俳優さんたちの演技、映像などが素晴らしい分、描かれた世界が寂しすぎて、評価が低くてすみません!この作品のタイトル「国宝」も、もし「これが国宝と呼ばれるものの実態の全てです」という意味だったら、寂しいを越えて愕然としてしまうかも、、。人間国宝制度?の根底が揺らぎそうです)。
「上達」を観客に腹落ちさせる表現にうたれた
見終わったあとに残っていた喉に魚の小骨がひっかかっているような違和感は、劇中で、渡辺謙さん演じる花井半二郎の役が、『曽根崎心中』のお初なのですだったこと。
謙さんが、お初を?
が、『国宝』原作上巻を読んで納得。
花井半二郎は『河庄』の治兵衛や、『廓文章』の伊左衛門のような、つっころばしと呼ばれる商家の若旦那を当たり役としている役者だそう。
坂田藤十郎さんはじめ、つっころばしの役者が、お初や夕霧のような女形を演じることは少なくない。
つまり、その芸の系譜にある人物としての花井半二郎なら、お初を演じても違和感はない。
この「見えない補助線」をひくことで、映画の中での配役に対する納得感がぐっと深まった。
舞台の仕組み、演目の背景、役者の流儀、そして歌舞伎という文化の重層性。どこをとっても濃密で、一度観ただけでは処理しきれないほど。
だからこそ、もう一度観たいと思った。
映画ではない、一人の人間国宝の生き様を観た
良かった、というか、映画というカテゴライズで「良かった」と安直に言いたくない素晴らしさ。一人の男、人間国宝になる男の生涯を知った3時間だった。呼吸を忘れるほど集中した後、酸欠で頭痛が止まらないなか、気づけば施設内の書店で原作を買っていた。顔が綺麗すぎて怖いという理由で苦手だった吉沢亮のファンになった。
父の仇取りだの血縁だの、吉沢亮が持つ「み(恨み辛み妬み)の感情」はとてつもなく大きいもの。自分が魅せられた歌舞伎、かつ、自分にはこれしかないと信じ込んだ歌舞伎を駆使して、感情を晴らすように私には見えたな。
吉沢亮と横浜流星が若き頃、比較みたいに描かれていたのも印象的。血筋を引いているがゆえにお高くとまる、若き日の酒に女に現を抜かす横浜流星とは異なり、ひたすらスレずに芸に励んでは認められる吉沢亮。ただ、中盤、血筋やスキャンダルに翻弄されて迷走する黒いシーンがあるからこそ最後の人間国宝まで辿り着くんだろうな。
個人的には、黒いシーンの最中に酔っ払って狂ったように踊るシーンと、最後のインタビューが好き。単純に順風満帆だったわけではもちろんないし、何なら犠牲になった存在を慮って(?)の、最後圧巻の演技だったんじゃないのかな〜と。確かにいろんな女を犠牲にしたよな(笑)
演技については、最後の演技もだけど、横浜流星との演技が好きだな〜。命懸けの演技に対し、自分にはできないとつぶやく男性(名前わからん)、確かに、あの人にはわからないだろうな。そして、あの人みたいに何かに全力で取り組んだことない人、人生で失敗経験などがない人にはこの映画って刺さらない気がするなとも思ったり。
ぐちゃぐちゃになったけど、とにかく良かった!ところどころ抜けてる?ところあったから、原作読んで補おうと思う。あの長編を3時間にまとめるんだからそうなるだろうし。
万菊は見た
前評判通り、主演2人は素晴らしかった。体の全ての使い方を覚えるところから、たった1年半でよくここまでできたと思う。その努力に頭が下がる。歌舞伎シーンは満点だ。しかし、詰め込み過ぎの感は否めない。喜久雄の芸への向き合い方、梨園の内情はよく描かれるが、女性キャストの存在が軽かった。鑑賞後に原作を読んだけど、たぶん映画3本にしないと、小説の世界は描ききれないんじゃないか。「ゴッド・ファーザー パート1〜3」みたいにやれば良かったねぇ。あと、原作では主要登場人物の徳次が、大幅カット…。徳ちゃん!! 尺の関係で仕方ないとはいえ、これはもったいない。しかし、うまいことつないで切って、人間国宝となる役者を描くことはできたと思う。
花井半ニ郎(二代目)は、女形だよね? 渡辺謙ではゴツすぎないか? もう少し細い感じの人だと良かったかも。渡辺謙の演技はさすがだし、やはり重みはあるのだが…。二代目の口上の席での吐血…フィクションだけど、これはいただけないねー。また息子まで上演中に消えるとか、二代続いて丹波屋の恥ですよ。流血の舞台で人々が騒いでいる中、万菊だけは客席に向かって頭を下げたまま。動じないねえ。歌舞伎はこの世ならざる美を見せるもので、役者の素を舞台でさらすものではない。万菊兄さんが無言でそう言ってるように思えた。
軽い扱いの女性キャスト達だが、寺島しのぶは梨園関係者なので、リアル感がずっしりあった。ラストに出てきた瀧内公美も、わずかな出番ながら印象が強かった。三上愛の着物姿と京言葉は、はんなりしていて良い。森七菜は、たくましさを見せたが、脚本の都合か、不完全燃焼。春江は元ホステスなので、少しはすっぱな雰囲気が欲しかったかな。高畑充希だとおとなしいかも。二階堂ふみだったら、どんな感じだっただろう。
万菊役の田中泯は、もう本当に素晴らしい! 大絶賛! 発声、口調、手の動き、歌舞伎役者を長年やってきたとしか思えない。本物の歌舞伎役者でないのに、人間国宝と言われて納得させられるところがすごい。
上方歌舞伎は和事、江戸歌舞伎は荒事、って日本史の教科書に載ってたなあ。上方はどちらかというと、町民の芝居が多いんだっけか。江戸は侍のお家再興の話が多いかな。私は関東なので、上方歌舞伎は観たことがない。曽根崎心中が上方歌舞伎なのも知らなかった。江戸歌舞伎も少ししか観たことないけど、久しぶりに歌舞伎座に行きたくなってきた。この映画をきっかけに、歌舞伎を観る人が増えるといいな。
あと、シネマ歌舞伎はいくつか観ているが、玉三郎の「阿古屋」は観てないので、何とか観たい。七之助との「藤娘」は観たが、すごくきれいだった。「鷺娘/日高川入相花王道成寺」とーっても美しかった。「桜姫東文章」も良かった。今年は新作「源氏物語 六条御息所の巻」の公開もあるので、これは観なければ。シネマ歌舞伎は、ナマ観劇よりもリーズナブルで、役者のアップも観られるので、とてもいい。それに、過去の舞台は映像でしか観ることができないので、資料としても有意義だ。
映画は、歌舞伎に全てを捧げた男の人生を描いたが、いかんせん周囲の人間まで描くには、時間が足りない。ここは、制作予算がかけられるNHKで、ドラマ化を検討していただきたい。松竹協力で、歌舞伎役者をたっぷり用意してもらって。女形の役者は若手から年配まで、たくさんいるから、年代に応じて交代できるよ。あまり雰囲気が違うと混乱するから、背格好の似た人をあててさ。それで、吉沢亮と横浜流星をカメオ出演させれば、サービス満点! ぜひご検討いただきたく、お願い奉りまする〜。
無意識に涙が零れた
歌舞伎というものは何も知らずに観ましたが、圧倒的な演技力、映像美に魅了されました。
特に感動シーンがあった訳では無かったはずなのに、鬼気迫る演技に自然と涙が溢れました。この映画の良いところは、死別や喧嘩別れの仲直りなど、そういう以下にも泣けるシーンを作らず敢えてカットされていることでした。「ここ感動するでしょ?」みたいなのではなく、ほんとに歌舞伎役者としての人生を描いていることにとても好感的に感じました。部屋子である喜久雄に役を取られた俊介の悔しさ、登りつめてもまた地に落とされる喜久雄の虚しさ。そして堕落しても歌舞伎を続けるしかないという無力さ。屋上での舞は圧倒的でした。終盤、俊介が自分を守ってくれる血によって命を落とすのもまたえも言われぬ哀しさがありました。最後の最後の求めていた景色を見た喜久雄の「綺麗や…」がとてもストンと心に落ちました。映画が終わる頃には顔も涙でびしょびしょでした。
今まで見た中で最も凄い映画でした。表す語彙力が無いのが悔しいくらいです。
邦画の最高傑作
レビューを投稿するのを忘れていたので投稿
原作は未読
終わった後の余韻がレベチ
初めての感覚
曽根崎心中が劇中で2回演じられるが両方とも違う過程を経ての演技だったので心震えた
見た後調べたが、吉沢亮と横浜流星の努力でこの作品の演目は成り立ってると言っても過言ではない。
リピートは絶対確定
起承転結もしっかりあった
恐ろしく美しい不気味な化け物
才能を見込まれた少年・喜久雄が“人間国宝”に至るまでの道のりを描いた芸道映画。
サスペンス的な展開を想像していたが、実際は“歌舞伎”という日本芸能の美と狂気を掘り下げる、濃密な人生の物語だった。
喜久雄を演じた吉沢亮と黒川想矢、どちらも素晴らしい演技力で、とても美しかった。
歌舞伎を実際に観たことはないが、演出や所作も本格的で、クオリティの高さを感じた。
「芸」のシーンだけではなく、芸に呑まれ、道化のように荒れ果てた吉沢亮の姿は、強く印象に残った。
⸻
「ずっとそばで応援する」と言っていた春江が、俊介のもとへ行ってしまう展開には、しばらく腑に落ちないモヤモヤが残った。
だが、おそらく春江は、喜久雄の“圧倒的な芸”を前に、凡人である自分にはそばにいる必要がないと悟ったのだろう。
そして俊介もまた、その芸に打ちのめされ、本気で芸と向き合う決意をする。
圧倒的な芸の前で、2人は寄り添うしかなかったのだろう。
血筋だけでは到底届かない「芸の力」が、当たり前の人間関係さえ断ち切ってしまう。
「歌舞伎」という道は、人並みを逸脱した世界であること——「悪魔との契約」という言葉の意味が静かに迫ってくる。
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実子を差し置いての“名”の襲名。
唯一の後ろ盾であった恩師の死。
スキャンダルによる孤立。
そして、俊介の帰還。
純粋な娘の心を利用しながら、
自暴自棄に荒れていく喜久雄——。
そこから、なぜか唐突に人間国宝・万菊に認められ、復活。(なぜ急に認められたの?)
俊介との再共演、そして彼の病——。
きっと端折られている描写も多いのだろうと思うが、彼の芸の人生がいかに壮絶であったかは、十分に伝わってきた。
そして最後に辿り着いた景色。
あの舞台は、不気味で、美しくて、恐ろしくて——。
魂を削って舞う姿は、観る側の体力までも削ってくるほどの迫力だった。
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全体として、確かに「すごい映画」だった。
ただし2時間40分という長さは、想像以上に体力を要する。
途中で席を立つ観客も多く、少し気が散ってしまった。
個人的に2時間40分は決してあっという間に感じるものではなく舞台のように中休憩が欲しいなと思ったので、
できれば体力のある昼間に観るのをおすすめしたい。
それでも、濃密で圧倒的な“芸”の世界を垣間見られたことは、よい体験だった。
期待しすぎました
とても映像も歌舞伎も素敵で見入ってしまいます…が… 主役が悲劇のヒロインに見えてしまった。そりゃ誰だって人生山あり谷あり… でも結局「芸は辛くてもやるもの」を口実に、家族はおいてけぼり。それでもステージで拍手喝采され評価される人は素晴らしい、的な表現が、世の中の少子化に拍車をかけているのでは。なんて…すいません、ステージから降りて絶賛育児中の母親からすると、主人公のように奥さんや子供を捨てて自分の芸に集中できる主役に嫉妬してしまいました。そりゃぁ誰だって最高のステージで最高の演技をして死ねるなら本望だ…確かにいろいろ素晴らしいですが、ステージで光を浴びてないけれど輝きのある人生に注目する映画が観たくなりました。意外と大したことない映画だなというのが率直な感想です。
歌舞伎を知らない人にもおすすめ
私自身フラ(フラダンス )を20年余り習っているので人前で踊る事が多々ありますし、最近では琉球舞踊や韓国舞踊も鑑賞しています。
しかし歌舞伎自体、鑑賞した事がないので「演者」としての勉強にもなると思いましたし、評価なので観に行きました。
長時間でしたが、内容・演技共に良かったです。
特に、田中民さんの演技が素晴らしかったです。
何度も観られている方がいらっしゃるのも納得です。
国宝
主人公の生き様には共感できないが、結局芸を極めた結果人間国宝にまでなることができたのだなと思った。もし二代目半次郎が亡くならなくても、きっと芸を極めただろう。ただすんなり順風満帆にいかなかったから、人生経験があったからこその人間国宝になれたのかもしれない。素晴らしい映像と芸に見惚れあっという間の3時間だった。
血と知の闘い
2回目の鑑賞。1度目の途中で又観ようと思いました。理由は歌舞伎シーンの迫力と圧倒。歌舞伎をこんなに長く観たのは初めて。映像と音曲の素晴らしさに身が震えました。二人は相当な修練をしたそうですが、全く驚愕な演技でした。お見事としか言えません。田中泯、さすがダンサーですね、身の熟しに見入りました。「その素晴らしい顔が演技のじゃま」は中々意味深ですね。喜久雄の紋紋は有り難いです。無ければ2人の見分けが付きにくいので。しかし歌舞伎界、良く作品作成に協力しましたね。歌舞伎界の痛いところを突いてるので。2人の最後の共演、幕が降りてからの観衆の拍手喝采シーン、(ライムライト)のラスト、舞台から落ちたチャップリンを演技だと思い爆笑した観客シーンを彷彿しました。
歌舞伎、素晴らしいの一言に尽きる作品でした。
血が受け継ぐのは良いものだけではない
歌舞伎座には長年、年に数回足を運んでいるので、歌舞伎シーンはある意味「別物」として楽しませていただきました。原作は読んでいませんが、素直にストーリーとして、よくできている作品だと思いました。血筋として俊介には歌舞伎界でアドバンテージがあったけれども、糖尿病体質を父親から受け継いでいたという致命的なディスアドバンテージがあった。世の中、短絡的に親ガチャとか、裕福な家系とかを羨む風潮があるけれども、心身の健康な血筋が第一、と思わずにいられなかった。原作も読みたいと思っています。
とても充実した175分間だった
歌舞伎はよく知らないが、話題になっていたから興味があり鑑賞。序盤は物語の始まりが少々(どころではないが)物騒でびっくりした。
最初見てるうちは175分間耐えられるかなあと心配になったが、終盤には吉沢亮さんと横浜流星さんらの演技に夢中になっていた。
175分というのはハードルが高いので、リピはないが非常に良い作品だった。
敬称略で失礼します
吉沢亮と横浜流星、師範の渡辺謙の鬼気迫る演技や歌舞伎世界の厳しさ、辛いけど青春を捧げて役者世界にのめり込んでいく成長過程は見て取れました。
ですが如何せん2人とも下半身が自由過ぎませんか?
人間国宝になって居ますが、関係を持った芸妓と子供を存在しない物のように放置。その他にも女の子利用して歌舞伎世界を去る。
ライバルの半次郎(横浜流星)は菊ちゃん(吉沢亮)の彼女横取りして駆け落ち。歌舞伎世界から逃げ出したくせに父が死んだら子供連れて何食わぬ顔で出戻り。
歌舞伎役者2人と幼なじみの女の子の三角関係を描いている気もしますが、彼ら全員自分勝手な人間という印象を受けました。
悪魔と取引をしたと言っていましたが、バチが当たったと個人的には思っています。
みなさん吉沢亮の顔の良さで誤魔化されていませんか?
最後の台詞「綺麗やなぁ」で全て良かったことにして締めくくろうとしていますが、その景色にたどり着くまで人としてやっていることは最低です。「こんな人でも人間国宝になれてしまうんだ」というガッカリ感。劇場で泣いている人が居ましたが共感出来ませんでした。
同じことをされたら許せますか?
高評価レビューが多く期待していた私は正直期待はずれでした。
歌舞伎知識があればもっと楽しめたのでしょうか?
タイトルなし(ネタバレ)
簡潔に言うと、ヤクザものの息子が歌舞伎役者を目指す物語。
映画から緊張感や迫力、凄みをビシビシと感じて動けなかった。ストーリーに引き込まれるというよりは、俳優陣の鬼気迫る演技に圧倒されて身動きが取れなかったというのが正しい。
3時間途切れることのない集中力が必要になる物語だが、展開が早くスピード感があるので3時間があっという間だった。緩急ある構成力が素晴らしい。
吉沢亮は、「どこまでも稽古を積んでも足りないと感じてしまう」と語っていたが、その気持ちはスクリーンの喜久雄からも感じ取れるのだった。型は違えど、きっとこの2人も演じることに取り憑かれた人たちなんだろう。
ただ、3時間に詰め込みすぎではないかと思うところもある。一つ一つの出来事が起きてから完結するまで短すぎるから人物の心情が描ききれていない気もする。前編後編に分けても良かったのではないか。
とんでもない作品でした
かなりよかった…!!
覚えてるところ書きなぐり
序盤の殴り込み(?)からの父が命を断つシーン。
2人が仲良く切磋琢磨する場面。
歌舞伎というメジャーではないものを、一緒に同じ熱量で同じように頑張れる相手がいるって良いモチベーションになる。お互い普通に楽しかったと思う。
この頃がもしかしたらお互い幸せだったのかもね。
高畑充希は吉沢亮と自分は釣り合わない、自分が足かせになる、とかそういうこと?
横浜流星と高畑充希は、吉沢亮という人間に対しての劣等感?的なところで意気投合してしまったのかなと。
ドサ周りで女と間違われてオカマと罵られボロボロになりつつも踊る屋上のシーンはきつかったなあ。
これだけのことがあっても自分には踊るしかない。
横浜流星の足が糖尿病で侵されてるとわかるシーンね。
これが2人で立つ最後の舞台かもしれない。とか考えながらやってたのかな。
吉沢亮も横浜流星もどちらもすごい歌舞伎でした。
特に横浜流星は顔だけと思っていた時期もありますが本当すまん。とんでもない役者ですわ。
才能か、血筋か。
才能ある者は血筋で悩み、血筋の者は才能で悩み。
けどどちらかというと血筋で選んだほうが安牌やん。
才能だけでどうにかなるような世界じゃないイメージやん歌舞伎って。
才能で選んだ方が、どちらも苦しむことわかりそうなのに。
挙げ句の果て、今際の際に呼ぶ名は実の息子で。
吉沢亮可哀想すぎますやん…。
歌舞伎初見にも分かりやすい演目で、この演目なら歌舞伎見てみたいと思うくらいおもしろかった。
話は重ためで心にグサグサくる。
しかし全体的に綺麗に目に映った。
色彩のせいなのか、シーンの一コマ一コマが綺麗に思えた。
コントラスト?パキッとしてる?感じ。
父が雪の中倒れるシーンや、吉沢亮が屋上で踊るシーンが特に印象的。
かなりおもしろかった。
邦画の歴史に名が残ってほしい作品でした。
25.6.13 映画館
全567件中、221~240件目を表示
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