国宝のレビュー・感想・評価
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無意識に涙が零れた
歌舞伎というものは何も知らずに観ましたが、圧倒的な演技力、映像美に魅了されました。
特に感動シーンがあった訳では無かったはずなのに、鬼気迫る演技に自然と涙が溢れました。この映画の良いところは、死別や喧嘩別れの仲直りなど、そういう以下にも泣けるシーンを作らず敢えてカットされていることでした。「ここ感動するでしょ?」みたいなのではなく、ほんとに歌舞伎役者としての人生を描いていることにとても好感的に感じました。部屋子である喜久雄に役を取られた俊介の悔しさ、登りつめてもまた地に落とされる喜久雄の虚しさ。そして堕落しても歌舞伎を続けるしかないという無力さ。屋上での舞は圧倒的でした。終盤、俊介が自分を守ってくれる血によって命を落とすのもまたえも言われぬ哀しさがありました。最後の最後の求めていた景色を見た喜久雄の「綺麗や…」がとてもストンと心に落ちました。映画が終わる頃には顔も涙でびしょびしょでした。
今まで見た中で最も凄い映画でした。表す語彙力が無いのが悔しいくらいです。
邦画の最高傑作
レビューを投稿するのを忘れていたので投稿
原作は未読
終わった後の余韻がレベチ
初めての感覚
曽根崎心中が劇中で2回演じられるが両方とも違う過程を経ての演技だったので心震えた
見た後調べたが、吉沢亮と横浜流星の努力でこの作品の演目は成り立ってると言っても過言ではない。
リピートは絶対確定
起承転結もしっかりあった
恐ろしく美しい不気味な化け物
才能を見込まれた少年・喜久雄が“人間国宝”に至るまでの道のりを描いた芸道映画。
サスペンス的な展開を想像していたが、実際は“歌舞伎”という日本芸能の美と狂気を掘り下げる、濃密な人生の物語だった。
喜久雄を演じた吉沢亮と黒川想矢、どちらも素晴らしい演技力で、とても美しかった。
歌舞伎を実際に観たことはないが、演出や所作も本格的で、クオリティの高さを感じた。
「芸」のシーンだけではなく、芸に呑まれ、道化のように荒れ果てた吉沢亮の姿は、強く印象に残った。
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「ずっとそばで応援する」と言っていた春江が、俊介のもとへ行ってしまう展開には、しばらく腑に落ちないモヤモヤが残った。
だが、おそらく春江は、喜久雄の“圧倒的な芸”を前に、凡人である自分にはそばにいる必要がないと悟ったのだろう。
そして俊介もまた、その芸に打ちのめされ、本気で芸と向き合う決意をする。
圧倒的な芸の前で、2人は寄り添うしかなかったのだろう。
血筋だけでは到底届かない「芸の力」が、当たり前の人間関係さえ断ち切ってしまう。
「歌舞伎」という道は、人並みを逸脱した世界であること——「悪魔との契約」という言葉の意味が静かに迫ってくる。
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実子を差し置いての“名”の襲名。
唯一の後ろ盾であった恩師の死。
スキャンダルによる孤立。
そして、俊介の帰還。
純粋な娘の心を利用しながら、
自暴自棄に荒れていく喜久雄——。
そこから、なぜか唐突に人間国宝・万菊に認められ、復活。(なぜ急に認められたの?)
俊介との再共演、そして彼の病——。
きっと端折られている描写も多いのだろうと思うが、彼の芸の人生がいかに壮絶であったかは、十分に伝わってきた。
そして最後に辿り着いた景色。
あの舞台は、不気味で、美しくて、恐ろしくて——。
魂を削って舞う姿は、観る側の体力までも削ってくるほどの迫力だった。
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全体として、確かに「すごい映画」だった。
ただし2時間40分という長さは、想像以上に体力を要する。
途中で席を立つ観客も多く、少し気が散ってしまった。
個人的に2時間40分は決してあっという間に感じるものではなく舞台のように中休憩が欲しいなと思ったので、
できれば体力のある昼間に観るのをおすすめしたい。
それでも、濃密で圧倒的な“芸”の世界を垣間見られたことは、よい体験だった。
期待しすぎました
とても映像も歌舞伎も素敵で見入ってしまいます…が… 主役が悲劇のヒロインに見えてしまった。そりゃ誰だって人生山あり谷あり… でも結局「芸は辛くてもやるもの」を口実に、家族はおいてけぼり。それでもステージで拍手喝采され評価される人は素晴らしい、的な表現が、世の中の少子化に拍車をかけているのでは。なんて…すいません、ステージから降りて絶賛育児中の母親からすると、主人公のように奥さんや子供を捨てて自分の芸に集中できる主役に嫉妬してしまいました。そりゃぁ誰だって最高のステージで最高の演技をして死ねるなら本望だ…確かにいろいろ素晴らしいですが、ステージで光を浴びてないけれど輝きのある人生に注目する映画が観たくなりました。意外と大したことない映画だなというのが率直な感想です。
歌舞伎を知らない人にもおすすめ
私自身フラ(フラダンス )を20年余り習っているので人前で踊る事が多々ありますし、最近では琉球舞踊や韓国舞踊も鑑賞しています。
しかし歌舞伎自体、鑑賞した事がないので「演者」としての勉強にもなると思いましたし、評価なので観に行きました。
長時間でしたが、内容・演技共に良かったです。
特に、田中民さんの演技が素晴らしかったです。
何度も観られている方がいらっしゃるのも納得です。
国宝
主人公の生き様には共感できないが、結局芸を極めた結果人間国宝にまでなることができたのだなと思った。もし二代目半次郎が亡くならなくても、きっと芸を極めただろう。ただすんなり順風満帆にいかなかったから、人生経験があったからこその人間国宝になれたのかもしれない。素晴らしい映像と芸に見惚れあっという間の3時間だった。
血と知の闘い
2回目の鑑賞。1度目の途中で又観ようと思いました。理由は歌舞伎シーンの迫力と圧倒。歌舞伎をこんなに長く観たのは初めて。映像と音曲の素晴らしさに身が震えました。二人は相当な修練をしたそうですが、全く驚愕な演技でした。お見事としか言えません。田中泯、さすがダンサーですね、身の熟しに見入りました。「その素晴らしい顔が演技のじゃま」は中々意味深ですね。喜久雄の紋紋は有り難いです。無ければ2人の見分けが付きにくいので。しかし歌舞伎界、良く作品作成に協力しましたね。歌舞伎界の痛いところを突いてるので。2人の最後の共演、幕が降りてからの観衆の拍手喝采シーン、(ライムライト)のラスト、舞台から落ちたチャップリンを演技だと思い爆笑した観客シーンを彷彿しました。
歌舞伎、素晴らしいの一言に尽きる作品でした。
血が受け継ぐのは良いものだけではない
歌舞伎座には長年、年に数回足を運んでいるので、歌舞伎シーンはある意味「別物」として楽しませていただきました。原作は読んでいませんが、素直にストーリーとして、よくできている作品だと思いました。血筋として俊介には歌舞伎界でアドバンテージがあったけれども、糖尿病体質を父親から受け継いでいたという致命的なディスアドバンテージがあった。世の中、短絡的に親ガチャとか、裕福な家系とかを羨む風潮があるけれども、心身の健康な血筋が第一、と思わずにいられなかった。原作も読みたいと思っています。
とても充実した175分間だった
歌舞伎はよく知らないが、話題になっていたから興味があり鑑賞。序盤は物語の始まりが少々(どころではないが)物騒でびっくりした。
最初見てるうちは175分間耐えられるかなあと心配になったが、終盤には吉沢亮さんと横浜流星さんらの演技に夢中になっていた。
175分というのはハードルが高いので、リピはないが非常に良い作品だった。
敬称略で失礼します
吉沢亮と横浜流星、師範の渡辺謙の鬼気迫る演技や歌舞伎世界の厳しさ、辛いけど青春を捧げて役者世界にのめり込んでいく成長過程は見て取れました。
ですが如何せん2人とも下半身が自由過ぎませんか?
人間国宝になって居ますが、関係を持った芸妓と子供を存在しない物のように放置。その他にも女の子利用して歌舞伎世界を去る。
ライバルの半次郎(横浜流星)は菊ちゃん(吉沢亮)の彼女横取りして駆け落ち。歌舞伎世界から逃げ出したくせに父が死んだら子供連れて何食わぬ顔で出戻り。
歌舞伎役者2人と幼なじみの女の子の三角関係を描いている気もしますが、彼ら全員自分勝手な人間という印象を受けました。
悪魔と取引をしたと言っていましたが、バチが当たったと個人的には思っています。
みなさん吉沢亮の顔の良さで誤魔化されていませんか?
最後の台詞「綺麗やなぁ」で全て良かったことにして締めくくろうとしていますが、その景色にたどり着くまで人としてやっていることは最低です。「こんな人でも人間国宝になれてしまうんだ」というガッカリ感。劇場で泣いている人が居ましたが共感出来ませんでした。
同じことをされたら許せますか?
高評価レビューが多く期待していた私は正直期待はずれでした。
歌舞伎知識があればもっと楽しめたのでしょうか?
タイトルなし(ネタバレ)
簡潔に言うと、ヤクザものの息子が歌舞伎役者を目指す物語。
映画から緊張感や迫力、凄みをビシビシと感じて動けなかった。ストーリーに引き込まれるというよりは、俳優陣の鬼気迫る演技に圧倒されて身動きが取れなかったというのが正しい。
3時間途切れることのない集中力が必要になる物語だが、展開が早くスピード感があるので3時間があっという間だった。緩急ある構成力が素晴らしい。
吉沢亮は、「どこまでも稽古を積んでも足りないと感じてしまう」と語っていたが、その気持ちはスクリーンの喜久雄からも感じ取れるのだった。型は違えど、きっとこの2人も演じることに取り憑かれた人たちなんだろう。
ただ、3時間に詰め込みすぎではないかと思うところもある。一つ一つの出来事が起きてから完結するまで短すぎるから人物の心情が描ききれていない気もする。前編後編に分けても良かったのではないか。
とんでもない作品でした
かなりよかった…!!
覚えてるところ書きなぐり
序盤の殴り込み(?)からの父が命を断つシーン。
2人が仲良く切磋琢磨する場面。
歌舞伎というメジャーではないものを、一緒に同じ熱量で同じように頑張れる相手がいるって良いモチベーションになる。お互い普通に楽しかったと思う。
この頃がもしかしたらお互い幸せだったのかもね。
高畑充希は吉沢亮と自分は釣り合わない、自分が足かせになる、とかそういうこと?
横浜流星と高畑充希は、吉沢亮という人間に対しての劣等感?的なところで意気投合してしまったのかなと。
ドサ周りで女と間違われてオカマと罵られボロボロになりつつも踊る屋上のシーンはきつかったなあ。
これだけのことがあっても自分には踊るしかない。
横浜流星の足が糖尿病で侵されてるとわかるシーンね。
これが2人で立つ最後の舞台かもしれない。とか考えながらやってたのかな。
吉沢亮も横浜流星もどちらもすごい歌舞伎でした。
特に横浜流星は顔だけと思っていた時期もありますが本当すまん。とんでもない役者ですわ。
才能か、血筋か。
才能ある者は血筋で悩み、血筋の者は才能で悩み。
けどどちらかというと血筋で選んだほうが安牌やん。
才能だけでどうにかなるような世界じゃないイメージやん歌舞伎って。
才能で選んだ方が、どちらも苦しむことわかりそうなのに。
挙げ句の果て、今際の際に呼ぶ名は実の息子で。
吉沢亮可哀想すぎますやん…。
歌舞伎初見にも分かりやすい演目で、この演目なら歌舞伎見てみたいと思うくらいおもしろかった。
話は重ためで心にグサグサくる。
しかし全体的に綺麗に目に映った。
色彩のせいなのか、シーンの一コマ一コマが綺麗に思えた。
コントラスト?パキッとしてる?感じ。
父が雪の中倒れるシーンや、吉沢亮が屋上で踊るシーンが特に印象的。
かなりおもしろかった。
邦画の歴史に名が残ってほしい作品でした。
25.6.13 映画館
歌舞伎にささげたヤクザの一人息子の激動の人生。
SNSで評価がやばいと言って本当なのか気になって観に行きました。
中でも色彩感あふれる歌舞伎映画は初めてで凄かったです!
任侠一家の一人息子(吉沢亮)が抗争で父を亡くした後、歌舞伎一家に入りライバル(横浜流星)との友情、決別後のスキャンダルからライバルとの再会、そして最年少の人間国宝認定までの激動がヤバかったです。特にスキャンダル発覚後の自堕落な人生の中で舞が狂気すぎて衝撃を感じました。
追記:7月22日にイオンシネマ守谷で2回目の鑑賞してきましたが、こんなにも極上あふれる歌舞伎映画は二度と作れないかもしれません。
海外でも凄く評判が良いと言われているので今年度の米アカデミー賞の国際長編映画賞ノミネートそして日本の映画賞独占に興収100億円は絶対行ってほしいです!
モノを食ってる場合じゃない
歌舞伎役者。芸の道。男が演じる女の美。
板の上の世界に取り憑かれた人物の人生を描いた3時間の重厚な物語です。
高みに登る。名声を得る。泥水を啜り地べたを這いつくばる。この世に唾を吐きかけられる。
憧憬も畏怖も絆も嫉妬も全てがメチャクチャに混ぜ合わされて、狂気の道を彩っている。
苦しくて仕方がなくとも、進んだ先に穏やかな幸福が欠片も見当たらずとも、這いつくばってでも前に進もうとしてしまう。
こんな感じの内容なので鑑賞後に希望や爽快感を得るような内容ではないのですよね。余韻を長く残す映画を観て、その後の数日間は浸っていたい人にお勧めです。
星0.5ぶん減らしたのはやや消化不良気味の部分や説明不足に思える箇所があったため。無駄なシーンなど一つもなく、これだけの内容を3時間に納めただけでも素晴らしいので、これ以上の理解を深めたいならば原作小説を買って読んだ方が良さそうですが。
この映画の鑑賞後に、喜久雄に贈る言葉があるとするならばどんな言葉があるのか様々な人々に聞いてみたいですね。賞賛するのか、励ますのか、罵るのか、口を噤むのか。
あとポップコーンを買って、食べ切れた人がいるかどうかも聞きたい。
重すぎるハッピーエンド
何も持たない、才能だけ持った人が、辿り着きたかった場所に辿り着いた物語なのかな。
と、思った。
辿り着きたかった、
手に入れたかった、
主人公はそこに辿り着いたけど、
手に入らなかったもの達がありすぎて苦しい。
中盤、
何処を見てここまで来たんだろう。
と、涙を流す姿が苦しい。
親代わりに思った師匠も、親では無く、
親友も、隣にはいてくれず、
結婚したかった子も、親友のものになり、
実子との距離も取り、
何もかもより選び取った景色が明るく綺麗で、
苦しみだらけの中、
たったひとつ最初から持ってた自分自身が見せた景色で、
そこにあるなんもかんもを飲み込んだように見えて、
苦しかった。
重たかった。
泣いちゃった。
よいものをみました。
素晴らしかった!
ここ数年、下手したら数十年の映画の頂点が決定してしまった。
他の人のレビューを読みふけりました。
読むにつれ「確かにそうかも」「そのほうが良かったかも」「あのシーンは要らなかったかも」とも思いましたが、そういうのはあくまで「他の人が感じたこと」
自分が、緊張で胃が痛くなり、自分の腕を鷲掴みながら観て泣きすぎて頭が痛くなった事がすべて!
エンドロールが流れる間ずっと泣き続け、劇場を後にしてからも涙が止まらなかった映画ははじめてでした。
自分の感じたままで良い!
是非劇場で観てもらいたい作品!
数日経ってもフラッシュバックのように思い出します。
喜久雄の美しさもそうなのですが、俊介の優しさ。
「人の家に上がり込みすべて奪っていくなんて泥棒やないか!」それが本心でしょう。
でも、「芸があるやないか」と化粧を手伝ってあげる。
雨の中春江を訪ねても何もせずに帰る。
血があるから泰平なわけではない。
俊介ももがき苦しみながら芸の道にまい進する。
そんな俊介も亡くなり、時を経てひとりぼっち(国宝)になって立つ舞台の景色、それが美しかった。
鷺娘を舞う姿を観て「あぁ、私は花井半次郎を愛している」という感情が湧きました。
素晴らしかった
歌舞伎って観たことなかったのですが最後まで引き込まれました。キャストさんはみんな演技派の方々多数で期待をはるかに超えた作品でした。選ばれた人のみ女形を演じるにはほんとに苦労されて覚悟をきめて役に挑んだことと思います。吉沢亮、横浜流星素晴らしかったです。2人の最後の行末、2人の共演ほんとに素晴らしかった。実際、客席で観てたら泣けたと思う。寺島しのぶ さすがの貫録。渡辺謙、ほんとにカッコいい、今回も魅了されました。今日をきっかけに歌舞伎に興味が出てきました。
国宝級の面白さ。
完成された芸は観るものを圧倒し感動を生むが、軽率な笑いは生まない。だからTVでは沢山笑いを作るために素人芸が溢れている。今こそ舞台で歌舞伎を観て完成された本物の芸を知りたいと思った。
この「国宝」という映画はもちろん日本の誇れる映画だが、それで終わらず、もっと深く芸能に触れる良いきっかけにもなる映画であると思う。
「日本一の歌舞伎役者になりたい」と喜久雄は願うが、その承認欲求さえなければ狂気の苦しみから逃れ、観客の側になれるのに、観客になれれば楽になれるのに。僕なんかそう思ってしまう。
人間国宝になるような人はこんな辛い景色やクライマックスの美しい景色、僕が見たことのない景色を見ているのだと感慨深かった。
約3時間という長編映画であったが時間を気にすることは1度もなかった。引き込まれ続けて、気がつくと映画は終わっていた。
とにかく素晴らしい作品だった。絶対DVD買います。10回観ます。11回は観ません。
全540件中、201~220件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
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