国宝のレビュー・感想・評価
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息をするのも忘れる圧倒的な演技力
久しぶりにレビューを書きます。
この映画『国宝』を観て、どうしても言葉に残しておきたくなりました。
自分の心の記録としても、書いておきたいと思います。
【脳裏に焼き付いているシーン】
手が震えている喜久雄に俊介が化粧をしてあげる場面。
「守ってくれる血が欲しい」「俊ぼんの血をごくごく飲みたい」――
ただただ、静かに涙が流れました。
歌舞伎の世界について詳しくはない私ですが、主演の吉沢亮さんと横浜流星さんの演じる女形の美しさには、心を奪われました。所作の一つ一つが驚くほど繊細で、優雅で、まさに息を呑む美しさ。どれほど稽古を重ねられたのか想像はつきますが、それでもおそらく私たちの想像を遥かに超える、果てしない鍛錬の積み重ねがあったのだと思います。俳優という仕事のすごさ、そしてお二人の並外れた表現力に、ただただ感服しました。
お二人ともルックスの美しさが話題になりがちですが、それを軽く凌駕する演技力。まさに「一流の役者」です。
上映時間は3時間。決して短くはありませんが、「長い」と感じたのは、退屈だったからではありません。主演の二人の踊りや演技があまりにも見事で、「これ以上観たら感情が持たない」という、ある種の叫びに近い感覚を覚えたからです。この感情は喜久雄と俊介に向けてなのか、俳優のお二人に向けてなのかわかりません。もっと踊りが見たい。もう踊りは辞めてほしい。そんな矛盾した気持ちを抱かせる映画でした。
芸に生きる者の喜び、怒り、哀しみ、苦しみ、そして嫉妬や別れ…。それらを体現したかのような演技に、何度も息を飲みました。
二人の「道成寺」での大舞台。張りつめた緊張感がスクリーンから伝わってきて、胸がじわじわと熱くなっていく感覚。
そして、喜久雄の「曽根崎心中」。お初の心情を切々と語る場面は、本当に胸を打たれる名場面でした。
息をするのも忘れるようなシーンが何度もありました。
「血」と「芸」の圧倒される映画です。
吉沢亮さん、横浜流星さん、心からの拍手を贈りたいです。
あっぱれ、あっぱれ――。
美しかった
圧巻の歌舞伎シーン
画面の顔面偏差値が高すぎる
血か、芸か。
血の繋がり
美しき狂気
25-071
木戸銭が正札では失礼と恐縮しました🙇♀️
国宝
先ずは音響の透明感に満ち溢れて
撮影の構図、照明、色彩が
美術、衣装まで美しく、汚く、年齢や時代にマッチして
その上、年齢背景に合わせたいいロケ地や景色がずば抜けて素晴らしかった
最初の任侠乱闘シーンは、長崎の史跡料亭「花月」の一部だと思う。
特に気に入ったのは、
寺島しのぶさんの所作には梨園の女将が笑えるほどピッタリだった。
板子一枚下は地獄の世界に、悪魔と命の取引した芸の道は、ドス1本の任侠の血生臭い世界で父を亡くし、背中の梟を背負った時からの覚悟なのだろう…
タップ3時間楽しませてもらった。
木戸銭を倍払ってもまた観たい。
(⌒▽⌒)
国宝
李相日監督が「悪人」「怒り」に続いて吉田修一の小説を映画化。
任侠の家に生まれながら、歌舞伎役者として芸の道に人生を捧げた男の激動の人生を描いた人間ドラマ。
任侠の一門に生まれた喜久雄は15歳の時に抗争で父を亡くし、天涯孤独となってしまう。
喜久雄の天性の才能を見抜いた上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎は彼を引き取り、喜久雄は思いがけず歌舞伎の世界へ飛び込むことに。
喜久雄は半二郎の跡取り息子・俊介と兄弟のように育てられ、親友として、ライバルとして互いに高めあい、芸に青春を捧げていく。
そんなある日、事故で入院した半二郎が自身の代役に俊介ではなく喜久雄を指名したことから、2人の運命は大きく揺るがされる。
主人公・喜久雄を吉沢亮、
喜久雄の生涯のライバルとなる俊介を横浜流星、
喜久雄を引き取る歌舞伎役者・半二郎を渡辺謙、
半二郎の妻・幸子を寺島しのぶ、
喜久雄の恋人・春江を高畑充希が演じた。
脚本を「サマー・ウォーズ」の奥寺佐渡子、
撮影をカンヌ国際映画祭パルムドール受賞作「アデル、ブルーは熱い色」を手がけたソフィアン・エル・ファニ、
美術を「キル・ビル」の種田陽平が担当した。
2025年・第78回カンヌ国際映画祭の監督週間部門出品。
国宝
2025/日本
鑑賞動機:この座組10割
なんかもう、とてつもなくすごかった。
2025/6/7追記というかここからどうやって言語化するか。
歌舞伎の知識が1mmくらいしかないので、公式ページ内で演目の予習しておいたのが正解だった。それだけでわかんなくてもわかるような気になったし、歌舞伎の場面で引き込まれる度合いが全然違う。中でも『曾根崎心中』は圧巻。1度目は舞台上と舞台外を二重写にするかのような使い方だし、2度目はお話と現実をより直接的に二重写しにしていて、感情を揺さぶられ続けた。
ストーリー自体も毀誉褒貶激しくて、鑑賞中に何回「!」となって前のめりになったことか。 2人の愛憎絡み合った関係は演技と真意が混ざり合っているように見えて、複雑なのだけれど、目を逸らさず観続けるしかなかった。3時間近いけど、それでも前半の濃密さに比べると、後半は駆け足に感じた。でもあのペースで最後までやったらこちらの身が持たないから、結果的によかったのかも。
吉沢亮と横浜流星は…あなたたち悪魔と取引したでしょ? 絶対したでしょ。そうでもしないと、おかしいでしょ、あんなにできないでしょ。
『さらば我が愛 覇王別姫』は大好きな映画だが、私は違うと思う。
あそこで「順風満帆」という言葉を使うことで、逆に波瀾万丈で苛烈な人生だったことを際立たせる感覚が素晴らしい。
凄いものを観た圧倒的な重厚感。
凄かった。吉沢亮さんこんなに芝居うまかったのかと終始圧倒されていた。李監督は役者さんを引き上げて全部さらけ出させるんだろうなぁ。怖いなぁ。凄いなぁ。李監督がまさに宝なんだけど。あと黒川想矢くんの存在感がめちゃくちゃ良かった。キャスト、映像美、音楽、全て圧巻。血を吐きながら仕事していた、良いものを作ろうとしていた、自分や家族を犠牲にしてでも目指すべき取り憑かれた状態。ストイックという言い方すると薄っぺらいが
そうして死にものぐるいで仕事していた時代を生きた人にしか作れない作品だった。もうこれ以上熱量のある作品はしばらく観れないだろう。歌舞伎は観た事がないけど絶対にみる!
てか、この映画、他の作品と同じ料金で良いの?そして余談だけどたくさん観客いるのに緊張感あってマナーが良かった。きっとみんな没入してたということ。
映像が目に焼き付いた
タイトルなし
結構入ってた。大島さんの絶賛するほどではないけど、歌舞伎がよかった。歌舞伎のような伝統的芸能を裏側から見せたのはすごい。
雪の景色は、死んだ父親の大舞台だ。でも父に何で逃げない必要があったのかとか、いまいちよく分からない。あと、永瀬は少し若くて、もっと貫録ある人がよかった。
渡辺は二人道成寺を袖で見守る不安そうな表情が良かった。連獅子はきれが悪いし。父というより、母的ポジション。
歌舞伎で血より才能のある人に継がせるのはありえないそうだし、しかも彫り物があるので、間違いなくフィクションなのだけど、歌舞伎界の非情さもちゃんと描かれている。
返り咲けたのは、3代目ができて、その後見人としてだったのではと思えば、高畑はそこまで計算して主人公を助けたのかとまでうがった見方も。
2人の道成寺の再現はもとより、曽根崎の反復。演劇そのものが上演という反復なのだけど、そしておそらく現実にもあるあるなのだろうけれど、感慨深い。すでに片方しか残っていない足を見せるためにこの設定にしたのかと思うほど、劇的な仕掛け。その足もすでに指先は黒ずんでいる。
横浜流星もとても目の涼しいイケメンで、2人主演の女形歌舞伎というだけで、もうこの作品は十分豪華なのだけど。
田中泯は、セリフの意地悪な感じと佇まいだけで様になる。何を考えてたのかよく分からないけど。
吉沢くんは顔が端正な点にポイントがあるので、子役の子は演技力はあるけど、この点ではミスキャスト。女性としての色気はあったけれど。
吉沢くんという人は、顔が端正すぎて、その外見に比して演技は下手なのではと思われてきたゆえ、それをバネにしてきた人。まさにこの映画の初期設定。その吉沢くんの努力とこの映画が重なる。
女形歌舞伎の表情は見事。
流星くんの曽根崎も良かった。
歌舞伎は、すでに見せ場が定型化されているだけに、話が分からなくても鑑賞できる点もこの映画の成功の理由。
運命に翻弄され、不条理を身体に受けるのが名俳優の定めなので、どうしても受動的になりがちなのだけれど、吉沢くんにはさっきの要素があるだけに余計に受動的ポジションで、それは女形というポジションと重なった。名キャスティングだった。
国宝
見応えあり。
化けに化けた吉沢亮!
映画が終わった瞬間に、エンドロールを観ながら、続けて今からもう一度観たい!と思ったのは久しぶりだ。
素晴らしい!化けに化けたな吉沢亮!
横浜流星との化学変化で息を飲むようなシーンがどんどん生まれて行く感じ。
二人道成寺や曽根崎心中などの歌舞伎のシーンは圧巻。
嫉妬と恨みから出る本音の言葉を上手く濁すシーンが2回。2回とも素晴らしい。立場が逆なのがなんとも言えない。
そして、少年時代を演じた2人も素晴らしかった。
とにかく、あっという間の時間。映画館を出た時、え?3時間近くもあったの?という感じ。ミッションインポッシブルファイナルレコニングも同じく長い映画だったけど、国宝の方は1秒たりとも無駄なシーンがない。
贅肉を全てこ削ぎ落としたような無駄のなさ。説明ゼリフのなさ。瞬きするのも惜しい美しさがある。
画角がまたいい。このアングルで来るか!と唸る。
キャストが抜群で非の打ち所がない。
田中泯さんの舞も観られて大満足。所作も目の動きも唸るしかなかった。
歌舞伎界から、寺島しのぶが睨みを効かせているのがまたよかった。
個人的には三上愛ちゃんの耐え忍ぶ隠し妻の役も良かった。
そして成長した娘、瀧内公美のカメラマンも良かった。
本物の南座が京座として映ったり京都の景色も楽しめた。
間違いなくもう一度観る。外国に向けても自信を持って勧められる日本の映画が生まれた。
ちょっと震えた
凄すぎるものを目の当たりにした
役者の凄さに圧倒されまくり
どうしても初日に観たいため、
時間をこじ開け、映画館に足を
運ぶ。
役者の凄さに圧倒されまくり。
歌舞伎役者の喜久雄と俊介に。
役を演じる吉沢亮と横浜流星に。
芸に生きる厳しさ、喜び、怒り、
哀しみ、苦しみ、妬み、嫉み、
そして別れを渾身の力で魅せて
くれる。
初めての大舞台での二人道成寺
には緊張感がこちらまで伝わり、
拳を握りしめて見入ってしまい
じわじわと胸が熱くなる。
喜久雄の曽根崎心中、切々と語
るお初の心情が沁みてくる名場
面、さらに拳に力が入る。
極めつけは、左脚の切断をもの
ともせずに曽根崎心中のお初を
演じた俊介と、徳兵衛を買って
出て演じた喜久雄。
鬼気迫る迫真の演技は、スクリ
ーン越しでなく、舞台を間近に
観ているかのような錯覚に陥り、
観客と一緒に拍手しそうになる。
くどいようだが、役者の凄さに
圧倒されまくり。
3時間があっという間。
この臨場感をぜひ劇場で味わう
ことをおすすめする。
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