国宝のレビュー・感想・評価
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全てが見事
歌舞伎素人の
最後の光景
歌舞伎の悪魔と契約し歌舞伎の神が微笑む映画。簡単に言うと芸のためなら女房も泣かす🎵の歌の通りに生きたらこうなりますよって事かなぁ。最後の光景が見たくて歌舞伎の悪魔と契約したんでしょうが、一般ピープルの私がそんな事怖くてできるはずもなく、だからこそ最後の風景を見る主人公に共感するんでしょう。普通の人は見た事ないんですからね。
完全なる勝者や完遂者だけが見る世界。どうなんでしょうかねぇ。私はクーラーの効いた6畳の部屋でエヤコン温度を24度の微妙な温度に保ちながら、自分で作った麦茶をすすりながら安心安全に暮らしたいですね。
PS:少し考えを整理しているときに思った事。あの光の先、それはかつて父親の宴で演技を披露した時に戻るって事かも。最高点に達してみた風景は初心って事でしょう。
評判通り良い作品
一人の少年が才能を見出されて歌舞伎の世界に入り、頂点を極めるまでの人生を描いた作品。ちょっと長かったけど、途中でダレることはない。評判通り良い作品でした。
歌舞伎をしっかり観たことはないが面白そうだなと感じた。
吉沢亮、横浜流星、田中泯の演技が素晴らしかった。特に曾根崎心中のシーンは圧巻の演技でした。
世襲と聞くとネガティブな印象を受けるが、先祖代々受け継がれた芸が血筋に沁み込んでいるというのは、大一番に臨むときは大きな助けになる。その世界の中で生まれ育ち、物心ついた時から両親を含めて周りから自然に知識が入る環境というのは大切なことなのかも。
自由であるべきと思うが、特殊な世界の存在も肯定されるべきかな。
精進する、その美しさ。すべてを蹴散らして。
映画「国宝」を観てきました。ネットでの評判も、メディアの取り上げ方もすごくて、ちょっとそれに引っ張られたかな。もうネタバレで書いてもいいと思うけど、心理描写という意味ではちょっと物足りなかった。歌舞伎界という特殊な技能集団、世襲制が色濃く残る世界での主人公たちの葛藤と、取り巻く女性たちのそれぞれの生き様。難しく、切なかった。歌舞伎という芸の美しさがそれを増幅させる。
喜久雄は結局誰も信じていないし、誰も愛していないよね?その分、芸に愛されたかというとそうでもない。誰かを傷つけながら名声を勝ち取った、などといわれても彼に実感はないだろう。ただ次の高みを観たかったんだ。最後の彼が見た風景、それはゴールなんかじゃない。奇しくも人間国宝たるお手本、万菊がいるじゃないか。もっともっと先がある。それが無でも地獄でも、なんだっていいんです。それに魅入られたものだけが手にできる風景。精進するしかないんだよ。すべてを蹴散らして。
感動した!と素直に言える映画です
【後日書き足し 第1弾 】
この人ここに欲しいなって場面に
それぞれのキャストがぴったりとはまる、
そんな映画でした。
まずは主演の吉澤亮、横浜流星については、
本当に短い期間で、歌舞伎の所作を表現するまでに鍛錬し、
学んだ姿勢はすごいことだった、と思う。
歌舞伎そのものはほぼ知らないが、そんな私が、歌舞伎が
どのような社会で作られ、演じられているか、少しだけ
見せてもらったような気がする。
この映画により、本物の歌舞伎を舞台で見てみたい、
と思った人も少なからずいるのではないか、
私は本物を見たい、というくらい作品の世界に引き込まれた。
「鷺娘」の舞は、“神がかった演技”と評価する向きもあるようで、
二人のインタビューや感想を聞いても、
吉澤は、歌舞伎の世界を知らない自分だからこそ表現し、
届けられるものがあるのではと思って取り組んだとのこと。
また、横浜は演技に「命を込める」ということをこの作品を
通して学んだ、ということを話している。個人的には、
流星は空手の有段者だけあって、暴力的なシーンは作り物でない、
本物感があって特に素晴らしい出来だと思う。
殴っても、殴られてもそのシーンはものすごい迫力だ。
監督の李相日は「演出は支配ではなく、委ねること」
と話しており、2人を「生かし切る」準備をし、演出は邪魔しない、
という姿勢で望んだ、と話している。
確かに、吉澤、横浜の二人らしさが、演技の中でも十分表現され、
演武の中でもそれが生かされている。
2代目半二郎を演じる渡辺兼はこの映画そのものの価値を
さらに高める演技をした。特に歌舞伎の所作は、
「本物ではないか」と思える中にも重厚な演技で魅了した。
吐血シーンは、観客から本当に倒れたのでは、と思えるほど
ため息が漏れていたほど。
高畑充希、森七菜はそれぞれ主演の二人を支える恋人として、
高畑は喜久雄と共に歩んできた過去を捨てて、俊介の家出について行く
その場面は、女心の複雑な一面を最大限表現した。
森七菜は、俊介に憧れた少女が成長し、俊介を陰から支える
透明感のある演技は見事にはまっていた。ここでも彼女の
個性が生かされ、他にこの役を演じる女優はいない、
と思わせる演技だった。
三浦雄大の演じる竹野は、興行主の2代目としてずっと
二人を見つめ、あるときは冷酷にその評価をする役柄。
ここでも、三浦の個性を見事に引き出し、本物の興行主
「らしさ」を感じることができた。
最後に自身が人間国宝の称号を受ける時、
背負ってきた過去と葛藤と挫折を深く知り、
それを知った上で祝福してくれる人が
誰もいない、っていう事実も。
褒章を受けるってそういうことだな、
とも考えさせられました。
ストーリーも良かった
血筋とは因果の道理
これは間違いなく傑作である。近年、ここまで完成度の高い作品が他にあっただろうか。原作、脚本、映像、構成、そして俳優たちの演技。どれを取っても一級品だ。中でも注目すべきは、全体の構成が極めて巧みに練られている点である。
この映画の根幹を成すテーマは「血」。血筋に寄り添い、あるいは抗いながら、生き抜こうとする人々の姿を描いている。そしてその奥底には、「日本人とは何か」「我が国のアイデンティティとは何か」という問いが静かに流れている。それを李相日監督は驚くほど丹念に、深く掘り下げて描き切った。まさに圧巻だ。
物語の中心には二人の青年がいる。
ひとりは、喜久雄(吉沢亮)。彼は血筋の外から梨園に飛び込み、背中には恩義を忘れずに生きる“ミミズク”の刺青を背負っている。類まれなる才能を持ちながら、結局は「血」という逃れがたい運命に打ちのめされる。
それでも彼は、恩に報い、芸に生き抜こうとする。その姿は痛々しくも美しい。
もうひとりは、俊介(横浜流星)。歌舞伎の名門に生まれながら、血筋に支えられることもなく、むしろその重みに苦しむ青年である。恵まれない才能を、それでも芸の道で磨こうと、愚直に、必死にもがく。
この対照的な二人の生き方が交錯し、共鳴しながら展開していく。どん底に落ちてもなお、泥水をすすってでも這い上がろうとする志の姿が、胸を熱くさせる。
作品全体は歌舞伎の演目によって構成されている。前半と後半で同じ演目をあえて繰り返し見せることで、その中に二人の変化と人生が丁寧に織り込まれていく。こうした演出は、緻密な構成の妙と言えるだろう。
特に印象的なのが、田中泯が演じる名優・万菊による「鷺娘」の舞いである。
鷺の精が人間に恋し、その苦しみと喜び、そして恋が破れた後に堕ちていく地獄を描いたこの演目。その妖しく、美しい舞いに魅了される少年の喜久雄と俊介。この一幕が、やがて彼ら自身の人生を象徴するかのように重なっていく。
鷺の精は人間にはなれない。それと同じように、喜久雄には血筋がない。俊介には才能がない。彼らはどちらも、梨園という世界において「欠けたもの」を抱えた存在だった。しかし、だからこそ光るものがある。
この物語は、歌舞伎という芸の世界を通じて、彼らの人としてのあり方、そのものを描いている。
物語のラスト。恩を忘れぬミミズクを背中に背負った喜久雄が、「鷺娘」の舞台に立つ。そのとき彼の目に映ったもの。それは、血筋や因果、業といった逃れがたいものを超えた、そのさらに先に広がる、言葉では捉えきれない風景だったのかもしれない。ただ静かに、ただ深く、その舞台の上に、すべてが昇華されていた。人生そのものを使い、梨園への恩を捧げた姿が美しい。
この作品に収まりきらない魅力がある。語っても語り尽くせない奥行き。見終わった直後、思わず呟いた一言がすべてを表していた。
「これは傑作だ。」
人間国宝
これは人生ベスト5入り!
公開前から気になっていた作品。忙しい日々が続き、なかなか観に行く暇が取れなかったけれど、世間の評価がどんどん上がっていったこともあって何とか時間作って鑑賞することに。
いや、これは…無理矢理でも時間作って観に行った甲斐がある超良作でした。
昨今、ストーリー展開勝負や豪華CG勝負、俳優の演技勝負など色々なジャンルの映画があるように感じていますが…
この作品はワンカット毎に演技、BGM、映像角度など総合的に見て、非常に美しい作品に仕上がっていたように感じます。多分、色々な映画を観ている人ほどその美しさを感じれるように思います。私が観た作品の中では「生きる Living」が最も近いでしょうか。あの作品は静かさを主体とした美しさがありましたが、こちらは生命力溢れる美しさがありました。
鑑賞中、鳥肌が立つシーンが4,5回くらいありました。特に終盤はずっとゾクゾクしていたような…
世間の高評価も納得の作品でした。
女形の美しいさったら…
おばちゃんの推しの一人は吉沢亮君よぉ。
国宝では彼の役者魂を見せられたゎ。
ただのハンサム、国宝級イケメンだけじゃなく、もはや彼は国宝級俳優だゎ。
渾身の鷺娘美しかったゎ。
残念な事におばちゃん歌舞伎のこたぁとんと分からないゎ。
おばちゃんが知ってる歌舞伎はスキャンダルの情報ばかりだゎ。
ただ、
昔「夜叉ヶ池」っていう映画の坂東玉三郎さんのこの世のものとは思えない美しさに
誰?となって初めて歌舞伎役者の女形というのを知ったゎ。あの時の衝撃は今でも覚えてるゎ。
今回国宝で、田中泯さんの小野川万菊に目を奪われたゎ。俳優としてダンサーとしての美しい所作、登場するたび、目で追ってたゎ。
くぁー、コレからおばちゃん持てるスマホの機能使って【梨園の世界】へレッツラゴーだゎー。
作品に掛ける芝居の本質を感じられる作品
李相日×吉田修一 極上のタッグ再び
美しいが、表面的で退屈な作品
映像は大変美しく、この映画に関わる俳優陣やスタッフの方々が心血を注いで撮影に挑んだであろう情熱は伝わってきました。
が、その熱意は表明的な映像美に終始するのみで、映画としては退屈でした。
熱量の感じられる俳優陣の演技には特に不満もありませんが、脚本が悪いのか監督の力量か、単に時系列に筋を追うだけで、そこに至るまでの人物の心情が描かれていない為に登場人物に全く共感、感情移入できず、ストーリーもご都合主義な予定調和。
子役時代の前半はまだ新鮮味を楽しめましたが、後半すっかり飽きてしまい退屈で退屈で、早く終わってくれ〜としか思えませんでした。
私は感動症なので心の琴線に触れる映画はどんな小作品でも泣いてしまうのが常ですが、こちらは映画として『一見豪華で綺麗だが、内容は人の心が描かれていない表面的な作品』と感じられてしまい、鑑賞後は時間を無駄にした徒労に胸のモヤモヤと苛立ちを感じながら映画館を後にする事になりました。
映像面であそこまで美しく作り込んでいながら勿体無い作品だとも思います。
非常に多くの方々による大絶賛のレビューを読み、人の感じ方は本当に人それぞれである事を改めて実感致しました。
お好きな方には申し訳ありませんが、私の正直な感想です。
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