国宝のレビュー・感想・評価
全728件中、381~400件目を表示
文句なく☆5にしたかった
さらばわが愛、を彷彿とさせる
完璧
物凄い映画を見た。
歌舞伎の名家に生まれた俊介と、拾われた者でありながら歌舞伎の才能に恵まれた喜久雄。
同い年で性格も異なる2人の間には友情があった。
これは2人が歌舞伎俳優として切磋琢磨する絆の話かと思った。
けどこれは一人の人間が人間国宝と呼ばれるまでの人生を描いた壮大な映画だと思った。
いやむしろ悪魔との契約に身を投げ打ってでも歌舞伎の高みに昇りたいとする1人の人間の狂気の物語とも思えた。
歌舞伎について全くの素人であるが、この映画の行く末から1秒たりとも目が離せなかった。
この凄みをどう表現したらいいかわからない。
何が凄いのかが鑑賞した直後ではわからない。
でも確実にこれは凄い映画だと感じる。
3時間があっという間の大作です。
久々に大作感のある邦画を観た気がする。歌舞伎の撮り方も工夫が凝ら...
久々に大作感のある邦画を観た気がする。歌舞伎の撮り方も工夫が凝らされていて、楽屋や舞台裏、舞台上でも黒子の動きなどにカメラが向いていて、単なる歌舞伎のダイジェスト、にならないようにしている。結果、普通の歌舞伎公演では目に映らない、役者の内面の激情が二重写しになったような、それだからこそ一層絢爛豪華な舞台をスクリーンに出現させていて、このテーマをわざわざ映画化した意味に納得がいく。ただ、二人のライバルの話にするのか、主人公の芸道一代記にするのか、はどっちかに絞った方が良かったかもしれない。それほどに結末一歩前の「曾根崎心中」は見事なドラマの結実だった。有名な、縁の下でお初の足を徳兵衛が抱きしめるシーンに、こんな新たな文脈を加えるとは…。田中泯が「手招き」の動作一つで主役2人の全編通しての熱演に拮抗しているのは、さすがに年季が違う。
3時間苦痛でした
吉沢&横浜の熱演が素晴らしい
本作は喜久雄の少年時代から晩年期までを描く大河ドラマとなっている。ライバルである俊介との友情、歌舞伎役者としての栄光と挫折、様々な女性との出会いと別れがピンポイントに描かれている。大変ドラマチックな半生であるが、原作の吉田修一の同名小説(未読)は上下巻に及ぶ長編ということもあり、1本の映画にまとめると、どうしてもダイジェスト風な作りになってしまうのが残念だった。約3時間という長尺であるが、それでも物語は表層的と言わざるを得ない。
例えば、女性陣の葛藤はかなり浅薄に映る。喜久雄の幼馴染・春江、歌舞伎役者の娘・彰子、京都の花街で出会った藤駒といったヒロインたちは、喜久雄の役者人生に深く関わるキャラクターたちなのでもう少し寄り添った視点というものがあっても良かったもしれない。
また、少年時代の喜久雄は初めから女形を余興で演じていたが、どうして歌舞伎に興味を持ったのだろうか?そのきっかけが分からずじまいである。上方歌舞伎の看板役者、花井半二郎のことを知らなかったくらいなので、もしかしたらそれほど歌舞伎に興味がなかったのかもしれない。
他にも色々とあるが、こうした描写不足が物語を軽く見せてしまっている要因となっている。
ただ、これらを丁寧に描いていけば、おそらく1本の映画としてまとめるのは無理だっただろう。そういう意味では、こういう作りを甘んじて受け止めるしかない。
そんな中、個人的には喜久雄と俊介の友情ドラマに最も見応えを感じた。幼少時から始まる両者のライバル関係は、時に対立を生んでいくが、同じ芸道を歩む者同士、根っこの部分では深い絆で結ばれている。そんな二人の愛憎関係は大変面白く観れた。
そして、何と言っても喜久雄を演じた吉沢亮、俊介を演じた横浜流星の熱演が素晴らしい。本作には四代目中村鴈治郎が出演しているが、クレジットを見ると彼は歌舞伎指導という立場でも作品に関わっている。「藤娘」、「二人道成寺」、「鷺娘」、「曽根崎心中」といった人気演目を吉沢と横浜が見事な表現力で演じきっている。本人たちの努力もあるだろうが、おそらく鴈治郎の指導力のおかげもあったように思う。
特に、「曽根崎心中」における両者の熱演には圧倒されてしまった。近松門左衛門による世話物の代表作と言えるこのメロドラマは、現実の二人の愛憎を見事に盛り上げ、観ているこちらの胸に熱く迫って来た。
監督は李相日。吉田修一の小説を映画化するのは「悪人」、「怒り」に続きこれで3度目である。これだけ続くとは、余程相性が良いのだろう。
過去作はいずれも殺人事件を巡るサスペンスドラマだったが、今回は一人の男の数奇な人生を真正面から描いた人間ドラマとなっている。過去2作と比べるとエンタメ要素は減ったが、歌舞伎の世界でもがき苦しむ喜久雄の姿に、才能と努力だけではどうすることも出来ない現実社会の厳しさというものが実感された。
また、歌舞伎は様式美の世界である。それを如何に美しく再現出来ているか。これも本作の大きなポイントのように思う。
今回は「アデル、ブルーは熱い色」のソフィアン・エル・ファニが撮影監督を務めている。外国人が日本の伝統芸能を撮るというのは意外だったが、この起用はかえって奏功したかもしれない。
思えば、「アデル~」は鮮烈な色遣いが印象的な作品だった。こうした色彩センスは艶やかで華やかな歌舞伎の舞台を再現するのには合っていたと言える。
また、「アデル~」同様、本作もクローズアップの多用が特徴的である。舞台観劇では決して見ることが出来ない役者の繊細な表情に迫るカメラワークは映画的なカタルシスを生んでいる。
キャスト陣では、主要二人以外では、伝説的女形、小野川万菊を演じた田中泯の存在感が際立っていた。彼の説得力のある演技のおかげで、万菊のセリフは一言一句重みが感じられた。
歌舞伎の舞台裏を見せる映画
血筋と才能
感動しないのは私の問題
歌舞伎を知らなくても
圧倒的熱量〜「歌舞伎の映画」であり「映画が歌舞伎」だった
2025年公開、配給・東宝。
【監督】:李相日
【脚本】:奥寺佐渡子
【原作】:吉田修一〜『国宝』
主な配役
【立花喜久雄(花井東一郎)】:吉沢亮
【大垣俊介(花井半弥)】:横浜流星
【花井半二郎】:渡辺謙
【大垣幸子】:寺島しのぶ
【福田春江】:高畑充希
【彰子】:森七菜
【藤駒】:見上愛
【小野川万菊】:田中泯
【立花権五郎】:永瀬正敏
【綾乃】:瀧内公美
1.圧倒的な熱量と緻密な脚本
『フラガール』、『悪人(原作:吉田修一)』などで高い評価を受けた李相日監督。
歌舞伎へのリスペクト。
人間という生き物への愛、侮蔑、赦し。
それらを圧倒的な熱量で描ききった。
また、構成、セリフなどに冗長さや贅肉がなく、
175分という3時間に及ぶ上映時間中、
たえず緊迫感と緊張感を維持させられる。
ラスト近く、
人間国宝となった喜久雄(吉沢亮)のインタビューシーン。
ようやく「緩和の時間」かと思ったら、綾乃(瀧内公美)が登場する。そんな具合に、ひとときも観客を休ませないのだ。
歌舞伎という伝統芸能を舞台に、
◆若い役者たちの能力を限界まで引き出し、
◆分かりにくい歌舞伎の舞台を簡明かつ荘厳に描出し、
◆人間とは何か、を観る側に問い掛ける、
そんな作品を製作してみせた。
2.素晴らしいキャスティングと裏切らない演技
吉沢亮と横浜流星は、
以前から良い俳優だと思っていたが、
本作で、その潜在能力の一部がさらに解き放なたれた。
また、脇を固めた俳優たち、特に
寺島しのぶ、田中泯、さすがの存在感だった。
冒頭、
任侠ものと見紛う立ち回りがあるが、
この場面すら、「舞台」のような仕立てになっており、
永瀬正敏が大見得を切る。
歌舞伎の映画であり、
映画が歌舞伎だった。
3.まとめ
荘厳、重厚、熱量、、、
暑苦しい単語が並んでしまうが、
実際にそんな映画だった。
ソファに寝転がって観る作品ではない。
歌舞伎という芸能を舞台にしながらも、
「娯楽」の対極にある映画。
もう一度、通しで観られるか、自信はない。
☆4.0
歌舞伎の世界ってすごい!
絶対に生で見たい!
とは全くならなかった。
ゲージツを全く解しない私が観るべきではない作品だった。
もっとも平日の昼だというのに私以上にゲージツとは明らかに無関係のおばさま方が多く、
結構ガラガラなのにすぐ隣の席に始まってから割り込んできたり、
チュロスを音を立てて食べたり、ケータイに応答して会話したり、
近年まれに見る惨状で一層ネガティブな感情がかき立てられた。
誰目当てなのだろう?亮きゅん?流星きゅん?
とは言え、キャストは皆さん大熱演だった。
おそらく途方もない努力の末にこの映像があったはず、本当に素晴らしい。
その一方で、それらのシーンを見せられれば見せられるほど鼻白む私がいた。
この作品で表現したかったのはそこなの?
ゲージツを全く解しない(大事なことなので2回目)私には違いは全くわからないし、
何なら格付けチェックのように並べてみせられてもわかるまい。
大変申し訳ないことながら冗長に感じられて何度も吐息が漏れた。
ストーリー展開もぎこちなかった。
舞台のように時折大転換し洞察力に欠ける私は何度も?となった。
たとえば、吉沢亮がV字回復する場面など不可解さしかなかった。
この作品を選んだのは消去法。
職場のボスに観たら感想を聞かせて!と言われたのにも後押しされた。
前日、この原作者の作品を観てつまらないと思ったばかり。
かなり危惧はしていたが現実となった。
ボスには「ゲージツ的すぎて理解できませんでした」と伝えなきゃ、
エッホエッホ・・・・。
任侠と歌舞伎がカンヌにウケないはずがない
予告の期待を裏切らない
全728件中、381~400件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。