国宝のレビュー・感想・評価
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令和の映画史に残る作品
『疲れる映画はいい映画』と言われるように非常にピリピリした緊張感が終始描かれている。
本物のドキュメンタリーを見ている錯覚を起こすかのような役者やスタッフの本気度。令和の映画史に残るとんでもない作品でした。ここまで歌舞伎を描いた映画があっただろうか。歌舞伎に興味ない人もこの作品を見て興味を持つかなと思う。歌舞伎の演目と描かれている場面の意味や意図など。
映画と言う産業
久々に感激した邦画です。最初の感想としては日本にはまだ映画産業が残っていたのかと言う事。映画という興行は製作に金が掛かるし、多様な才能が必要だし、絵を作る為、ストーリーを現実らしく見せる為の技能集団が必要。それらがちゃんと結語して形になってるじゃないですか。
この数十年間、拙い邦画ばかりで、日本は映画産業がなくなった、文化として死滅したと思ったが復活のファンファーレが聞こえました。
さて感想。金額として4000円払います。
最初の10分が最高で、これで1500円。
半ばの曽根崎心中迄で+1000円。前半は文句なし。
ラスト近くの曽根崎心中以降は1000円、良くて泣ける。
二つの曽根崎心中を挟んだ期間は500円 計4000円。
映像が素晴らしく、演技が素晴らしい。
一番いいシーンは初めてのお茶屋さんで告白されるシーンかな。あれは何故か涙が出た。計算しているようでしてない初恋の感覚ね。いいシーン満載だ。両手で足りない。
血
若き才能に感服、邦画の星たち
私は観たい作品のチラシは必ずゲットし鑑賞記念にしていますが、本作は敬遠しておりました。歌舞伎に興味ないし難解なのかなと・・・・。
しかし周囲で推す声があまりに多く、妻と鑑賞しました。公開2ヶ月後、田舎のシネコンは他の作品なら早々に終了になっているが、その日は平日にもかかわらず(夏休みではありますが)、スクリーン前の数列以外、ラストの横並び席を買えました。高校生の男子が友人同士で何組も居ました。
シネコンスタッフに聞いたら昼の回はこんな感じが続いているそうです。いつのまにか前列のあの見づらい3列も全て埋まっていました。
・生あくびすら出ない
・3時間があっという間
・脚本の見事さ
・映像美
・カメラワーク
そして吉沢さん、横浜さん、謙さんの演技の見事さ。邦画のこの二人の若き才能が居る、そのこともまさに邦画の宝です。「踊る~」を抜くのは無理かな、でも抜いてほしい。まだの方、是非是非!!!
吉沢亮さん、貴方は天才です。
今年の映画大賞はこの作品。
少なくとも今年、この作品を超える力作は出てこないと思う。
制作側の熱量と本気、覚悟を感じた力作。
予告編だけで結構仕上がってるのは分かって、「これ稽古大変だな」と感じた。
吉沢亮君、横浜流星君の2人は、歌舞伎の家に生まれてもいないのに、2年ない稽古期間でよくここまで頑張ったと思う。
田中泯さんの、空中を滑るような足捌きはさすがだと思った。
役者にとって、作品は出会い。当たり役に出会えるのは幸せだと思う。
称賛の言葉なんて、血の滲む稽古の苦しさに比べたらほんのオマケかもしれないけど、でもこの作品、出演者は間違いなくやってよかったんじゃないかと思う。
また個人的には、エンドロールにKing Gnuの井口理が起用された事は誇らしく…、ここはアップルや髭ではなく、ちゃんと選ばれたと思う。彼がコントラルトである事が、女形の要素と通じるところが、制作側にも分かっていたのかと思うと、そんなところも最後の最後まで拘って作った作品だと思った。
映画史に残る大作の、誕生に拍手。
鬼気迫る演技に心を掴まれる
元々見る予定は無かったが、評判が良いので劇場に足を運んでみて正解だった。パーフェクトデイス以来の感動だった。出演者の一人一人に味があり、主役の二人の舞台に立つプレッシャーもさることながら、それらを演じることのプレッシャーは相当のものであっただろう。2人の演技のぶつかり合いは鬼気迫るものがあった。ストーリーも立場が二転三転し、一体どうであることが幸せなのか、幸せなどないのかもしれない。極めることが幸福なのだ。田中泯が演ずる国宝の末路が何とも物悲しく、全体的には暗いトーンだが、一切飽きずに引き込まれた。特に吉沢亮の演技は素晴らしかった。アイリスのCMと同一人物とは思えない。何でもこなせるのが引く手あまたの理由であろう。自分にとって間違いなく今年ナンバーワンの邦画である。多くの外国のひとにも観てもらいたい。次は予告で流れていたキムタクの映画を観に行ってみよう
演技、映像!
3時間はさすがに...と思っていたけれど
伝統と挑戦のドラマ
日本の伝統である歌舞伎の世界に、圧倒的な熱量と美意識を注ぎ込んだ渾身の人間ドラマでした。まず印象的だったのは、女形を演じる吉沢亮さんの姿。「まるで役そのものが宿っている」と感じるほど魂が乗った演技に、こちらも心を揺さぶられました。
そして、横浜流星さんとの競い、支え合う関係にも胸が熱くなりました。家の力と才能の間で揺れる2人の切ない対比は、互いの存在が道を照らす鏡のようで、美しかったです。
また、本作は上演時間が約3時間に及ぶ大作ながら、まるで1時間半のように感じるほど引き込まれ、観終わった後には魂が震える余韻が残りました。
加えて、本作に込められた「芸を追うことの過酷さ」と「美しさ」は、まさに“芸道もの”の真髄。この映画を通して、日本の伝統がいかに深く、そして時代を超えて普遍的な感情を揺さぶるものであるかを再認識しました。
最後に、本作が公開から73日で興行収入100億円超という〝大ヒット〟を達成した事実にも納得。これは、ただの娯楽ではなく、未来に受け継がれる価値を描いた作品だからこそだと感じました。
歌舞伎の素晴らしさ
人生、決める瞬間や変わる瞬間が 何度もあるんだという学びでした。 ...
人生こそ見世物のようで
原作未読のまま、ようやく観た。
原作者と監督のこのコンビは「悪人」や「怒り」いらい信頼している。
芸道にまい進する主人公の、憑りつかれたような尋常ならざる生き様を追う、ともとれるが、主人公はそもそももう帰るところがないのだ。退路を断たれているのなら何があろうと進むしかなく、様が鬼気迫るものだとしてしかるべしと観た。
その道が芸道という特殊さが本編の華であり、映像美も相まってヒットにはうなずくほかない。
その二転三転するような道筋はのっけから観る者にとって非日常の連続で、劇中劇形式であればこそ作中の現実さえ芝居の一部のように見え、いやこれは主人公にとっての現実なのだと思えばまるで主人公の人生こそ見世物のようで、翻弄されるままの彼はまさに観客を沸かせる悲壮が滑稽なピエロ、そう感じられてならなかった。同時に、一部始終が芝居のシナリオかと疑うようだった市川猿之助さんの事件を思いだしている。
多くの人の前に立ち、惹きつけ、とてつもないプレッシャーの中でこなす時、何か尋常ならざる領域を出入りするのか。深淵をのぞくのか。常人には理解できない行動のとっかかりを、もしかしたらありうるかもしれない、という感覚を作品の中に見たような気がしている。
年齢ごとに役者が変わると途中、すっ飛んだ風に感じることが多い中、本作はうまくスライドしていて違和感がなかった。年を追うごとに全員、老けてゆくのだが、時間経過も分かりながらわざとらしくなくて、これまたよい。
もし2度目見たなら、冒頭の学生服の主人公二人にこれからのことを思い、泣いてしまうかもしれない。
血の話、実力の話、ない物ねだりは合わせ鏡が切ない。
和楽器と重なる劇中BGMの効果も、歌舞伎を極力親しみやすく変えていたと思う。
これで若い人も歌舞伎に興味を持ってくれたならいいのにな。
ネットよりもリアル
監督の勝利
平日朝8:40からの回なのにほぼ満席。公開から二月経つのに!
吉沢亮の隣室侵入事件があれくらいで済んで良かった。暴れて暴行事件からの逮捕とかになってたらこの素晴らしい映画がお蔵入りになってたかも。
吉沢亮と横浜流星の演技は本当に自身最高というだけありました。
でも一番はやっぱり監督。原作はものすごく面白いけど、どうしても馴染みのない歌舞伎の世界をここまで胸にせまる感動的な芸能として見せてくれたことに感謝。
この日本の伝統的芸能世界を画いてくれた監督が在日三世の李相日監督。
この間の選挙で話題になった極右政党の方々はこの映画をどう評価してるんだろう?
吉沢亮に圧倒され森七菜ちゃんの可愛いさに参りました
吉田修一さんの小説は苦手ですが、李相日監督作品好きで期待していました。
期待以上!「悪人」や「怒り」のような社考えさせられる作品でなないのですが、主演二人の歌舞伎シーンに終始圧倒されました。鑑賞後しばらく動けなかったくらい(笑)
吉沢亮の屋上シーン、俊坊の血がほしいと言われ絶句するも涙を流しながら紅を塗ってあげる横浜流星。田中泯の底がなく吸い込まれそうな眼、高畑充希の悟ったような表情、寺島しのぶの内なる怒り、子役二人のまっすぐな瞳、どのシーンも圧倒され、脳裏に焼き付きました。しかし森七菜ちゃんは可愛いですね!フロントラインから思いましたが、あんなに小柄で可愛い小顔なのに存在感が半端ないですね。可愛いのにナチュラルで、作品に溶け込んでいます。秒速5センチメートルが楽しみです。
もう一回観にいこうと思います!!
倒錯的な色気
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