国宝のレビュー・感想・評価
全2152件中、1641~1660件目を表示
濃密な歌舞伎界が観れました。
他の方も仰っていましたが時間を感じない程、濃密な主役二人の魂のぶつかり合いな映画でした‼︎持つ者、持たざる者の執念にも似た歌舞伎に対する熱量が凄くて歌舞伎のドキュメンタリーを観ているのではないかと錯覚してしまう程。エンドロールの最後まで全ての方々が素晴らしかったです。世界中に観て欲しい作品です‼︎
伝統芸能・イケメン俳優・3時間のバランス
上手いなと思ったのは
・テーマは伝統芸能だが主演と助演を人気イケメン俳優で固めることで集客を確保
・3時間の映画に馴染みがない視聴者層に3時間の映画を観たいと思わせた、そして3時間を長いと思わせなかった
・歌舞伎というテーマから逃げず歌舞伎をわかりやすく魅せている(私は門外漢なので目の肥えた人にあの歌舞伎がどう映るかわからないが、非梨園の俳優が正面から取り組んだというだけで拍手!)
一方で、偉そうで恐縮だが、
・吉沢亮と横浜流星は健闘したが結局は健闘止まり。この感覚はミッシングの石原さとみに近い。興行収入を捨てた映画なら彼らは選ばれていなかったはず。
・黒川想矢が下瞼をぴくりとさせたところや、キャバクラ?での高畑充希の芝居に拍手
・吉沢亮のことはうっすらとしか知らないが、喜久雄は彼が演じやすいキャラクターだったろうなと思った。
・この映画には、映画としての深みとか味わいはほぼない。3時間面白い物語が展開されるだけなので、性質的にはドラマと変わらない。
役者さんがそろい踏み
田中泯さんステキですな~。
また二人の女方のぶつかり合いも気迫があって
すごかった。
厳しい稽古の様 歌舞伎役者としての成長
それぞれが抱えているもの 秘めている気持ち 背負っている生い立ち
全てが
プラスに作用していたような・・。
何と言っても
歌舞伎界の裏側を垣間見れたこと
歌舞伎をお客様として見ているような感動も味わえて
とても面白かった。
また 国宝 とは・・・も考えさせられた。
坂東玉三郎さんを勝手にイメージしてしまったが
どうなのでしょう?!
もう1つ書き加えておきたかったのは、彼の 例のやらかしがあって
本人の頑張りは そのイメージ払拭の思いもあったのかな?とも思ったり・・・。素晴らしい作品と出会えて良かったですね。
何十年に1本の大傑作
国宝
「血」
大絶賛のレビューが多くて気後れしてしまいますが、個人的には冷静に見てしまいました。生で本物の女形を見た時のあの感動を期待していたからかもしれません。
また、主人公を取り巻く3人の女性について、あまり理解できなかったのもあります。
とは言え、やはり良い映画だったことは間違いありません。
ヤクザの血筋と歌舞伎の血筋。常に「血」を感じさせられました。流血や吐血の「血」もあり。終盤には喜久雄の唯一の血のつながりある娘とのシーンも印象に残りました。娘もやっぱり血を感じているのでしょう。
この「血」を特に思い知らされるのは、襲名式で2代目半二郎が倒れて意識が遠のく中、俊介の名前を呼ぶシーンでした。喜久雄の気持ちを考えると胸が苦しくなりました。
ただ、この作品で描かれる嫉妬心は全く醜くないので、嫌な気持ちにはなりませんでした。ヤクザの血を引く喜久雄に誰も意地悪しませんし、喜久雄も俊介とは良きライバル関係でなんとも爽やかな描かれ方でした。
緊張で震える喜久雄のメイクを俊介が手伝うシーンが美しかったです。
一方で、喜久雄が落ちぶれて舞台とも言えないような所で大して興味もなさそうな客に向けて演劇をしていた頃には女と間違われて散々な目に遭いますし、この転落ぶりがとても痛々しく感じられました。
最後のシーンは、すこし説明不足な気がしました。人間国宝になった時点でもまだ見えなかった景色。わかる人にはわかるのでしょうか。
終盤で出てくる瀧内公美さんの複雑な心情を表現した演技は存在感たっぷりでした。この方、本当に素晴らしい役者さんで今後も目が離せません。
そして、吉沢亮さんと横浜流星さんのこの映画への情熱を強く感じることができました。役者人生のターニングポイントになったかもしれませんね。
役者さん達には満点付けさせていただきます。
歌舞伎堪能
…長い…
原作は未読なので、原作を読まれた方の感想を聞くと「よく3時間でまとめた」というのですが、たしかに、歌舞伎の演目をダイジェスト風とは言え盛り込んできているので、さらには「曽根崎心中」でも「二人道明寺」でも物語のキーとして使われているので、それらの演目を外すわけにもいかずなのはわかりますが、3時間は長い。
言ってしまえば、濡れ場シーンはいりますか?(あわせても10分にも満たないシーンですが)
テンポが悪いわけでもないし、観ていて時間が気になるかと言われるとそうでもありませんが、個人的にも濡れ場シーンがいらないかも~って思えるくらいで、でもそこも、人間関係だったり心情だったりを見せる箇所でもあったので不要は言い切れないと思います。
内容は、すごいと思います。芸事への凄まじい想い、対比しておかれている二人の若手歌舞伎役者の、それこそ人生は浮き沈みとはよく言ったものだ、思わせるモノでした。
それを描くために3時間は必要です、と言われてしまうと、そうですかぁ、と詫びるしかありません。
この「国宝」を観に行こうと思ったのも、亡き伯母や亡き母たちが芸事が好きで、少なからずその影響があったとは思います。歌舞伎の演目も、その意図も、「なるほど、だから『曽根崎心中』なのか」「だから『二人道明寺』なのね」と薄く感じ取れることもできました。
DVD、Blu-ray化の際は、特典として、吉沢亮と 横浜流星の演じた歌舞伎「二人道明寺」を見せてほしいなぁって思います。
ひとつを極める覚悟
言葉にできない事とは このことなんだなって
原作未読です。
なんと言えばいいのか、吉沢亮の歌舞伎に対する執念?貪欲さ?生命力?
血を越えるための芸へのエネルギーがすごく、見終わった時に心が震えました。
全てを注ぎ込んで演じた吉沢亮に対し、役者ってすごいと心から思いました。
横浜流星はリアルな歌舞伎役者の血筋に見えました。
どこか品があり、綺麗で、色々な葛藤を抱えていた時ですら、心が曇らないように見えました。
2人の演目は陰と陽で、それぞれが本当に美しかったです。
他の方々もみんな素晴らしく、そのパワーが作品を素晴らしいものにしていました。
映像と音楽が綺麗で、その効果が喜久雄の人生を暗いだけにしていなかったと思います。
気になるところは、幼少期を一緒に過ごした少年のその後。
そして、それぞれの女性たちの心情やストーリーがなかった事。
この作品は吉沢亮と横浜流星の歌舞伎役者としての生涯を描いているので、他を削いだのは理解出来ますが、見終わった後の余韻を冷静にした部分でした。
そこで星を作品として少し減らしましたが、星をつけるのがおこがましいくらい役者のみなさんが素晴らしかったです。
三浦貴大のみ正常
それ以外は本能ダダ漏れである そういう意味で観客視点を一番表現している役どころなんだろう
それ程、今作、"芸のためなら女も泣かす♪"のオンパレード 傍で見ているだけならば話題に事欠かないであろうなぁw
覚悟の上に咲く花
鑑賞後、これほどまでに言葉が出てこないことがあったかなというくらい、言葉が出てきませんでした。
脳が痺れているようなジーンとした感じ。
多分、人は凄すぎるものを見た時、言葉を失うんだと思います。
この映画を鑑賞後、「すごいもの観たぞ!これはすぐに感想書きたい!」と思ったのですが、
気持ちとは裏腹に、全然書けませんでした。
今も余韻に浸りながら書いています。
吉沢亮さん、横浜流星さん、本当に圧巻でした。
どれほどの努力をしたら、ここまでの演技、歌舞伎の舞台を表現出来るのか、、、
相当の覚悟と、血の滲むような稽古があったのだろうということは想像できます。
その他の出演者の方々も秀逸で、喜怒哀楽では片付けられない、複雑な人間の感情をこれでもかと浴びせてくれました。
想像を絶する覚悟の上に咲く、役者という花が儚くて、美しくて、それでいて孤独で。
綺麗事だけではない芸能の世界。
とてつもない世界を覗いてしまった、という感じです。
個人的に、大人になった綾乃と再会するシーンが好きでした。
綾乃の言葉で、喜久雄が少し救われたような気がしています。
【2回目鑑賞後、気づいた点】
・万菊さんの楽屋に、病床の枕元に置いていたお人形さん発見!
・万菊さんが俊介に稽古をしてる時、「あなた歌舞伎が憎いんでしょ、それでもいいの、それでもやるの」と言っていたけど、それは喜久雄に向けての言葉だったのでは、、!
・万菊さんが病床で喜久雄に話しかける時「私には分かるんだ」など、今までの「〇〇ですよ」という女性らしい話し方ではなくなっている
・観客の服装の移り変わりで時代がよく表現されていた!
・音楽や美術による、没入効果も高い気がする
凄い映画です
曽根崎心中のストーリーは調べてから行ってください
最初に、-0.5点は、ストーリーの粗さゆえです。
少年が人間国宝になるまでの長い時間を3時間で、舞台の演技もしっかり見せながらなので、物語をはしょらねばならないのは仕方ないのはわかるのですが、喜久雄が歌舞伎の世界にもどった後、彰子がどうなったかは知りたかった。
春江がなぜ俊介に心を移したのか、もう少しきっちり描いてほしかった。
幸子の母としての思い、育ての母としての思いを揺れる心も、寺島さんの演技におんぶするんじゃなく、もう少し時間をとって描いてほしかった。
前編・後編に分けることはできなかったんでしょうか?
もったいない。
でも、それ以外は、ただただ圧倒されていました。
私は歌舞伎の所作はわかりませんが、ただ、喜久雄のお初は素晴らしいと思いました。
愛する徳兵衛がいなければ、遊女の暮らしは地獄でしかない。
だから、徳兵衛が死ぬのなら私も死ぬ。
近松の曽根崎心中を読んだとき、「なぜお初は、徳兵衛みたいなクズ男が好きなのだろう」と不思議に思いましたが、この映画を見てわかりました。
苦界に生きるお初にとっては、徳兵衛だけが救い。
心中は、むしろ遊女が強引に引っ張ってのことが多かったのかもしれません。
そういう機微が、喜久雄の演技ですべて伝わってきた。
でも、映画の終盤で俊介のお初を見て、まったく違うお初がいることに驚きました。
俊介のお初には、観音様を思わせる「赦し」「大悲」がにじみ出ていたからです。
観音の「悲」は、ただの哀しみではありません。すべての衆生を救わんとするからこその「悲」。
ただ、自分のためにお初を演じたかった喜久雄から、観音様の慈愛がにじみでているのが不思議。
でも、究極に自分を思うからこそ、すべての人への慈愛が生まれるのかなと、妙な説得力がありました。
喜久雄の「人間お初」と、俊介の「観音お初」と。
私の中では、俊介のお初のほうが、少しだけ上でした。
それにしても、吉沢さんも横浜さんも、本当にすごい。
本当にすごい。
映画館で鑑賞してよかったです。
3時間でもあっという間
戦前にあった芸道映画を思い起こさせる。
邦画「残菊物語」を観たことをある人はどれくらいいるのだろうか。現在、放送されている放送大学の「映画芸術への招待」で、芸道映画というジャンルがあることを初めて知った。その流れの作品である。
歌舞伎役者の家に生まれた人間と、そうでない家ながら歌舞伎役者の才能に恵まれた人間との対比の物語だ。この対比からストーリーはだいたい予想できるだろう。主人公2人は短期間で歌舞伎の踊り、所作、せりふ廻し等を練習したと思う。が、人気俳優(共にNHK大河ドラマの主役)だけあって充分な時間を取れなかったのでないか。しかし、一応は様になっていた。
原作を読んでいないので、迂闊なことは言えないが、映画は原作に忠実なのだろう。だから、上映時間が3時間に近い大作となった。推測だけど、原作者は物語を面白くする為に、話を捏ねってしまっているのでないか(ヤクザ・入れ墨・口上挨拶での吐血・娘との再会等)と感じた。あと30分位は切れるはずだ。
私が感心したのは、映画音楽を担当した人。弦楽を主体にした付随音楽で、上手いなと感心した。
但し、エンドロールに流れる主題歌は今ひとつの出来。
全2152件中、1641~1660件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。