国宝のレビュー・感想・評価
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とても良く練られた作品
原作が良いのか、
脚本が良いのか、
はたまた監督が良いのか、
私的に「良く錬られた作品」という印象です。
横浜流星、吉沢亮の『舞』一つとっても
時間を掛けて、修練を重ねたコトが
スクリーンから伝わって来ました。
他人に勧めたい。
素直にそう感じます。
キラキラ
最近、ジークアクスにハマってるせいか、キラキラを求め身勝手な行動をする喜久雄がマチュに見えて仕方なかった
真面目にレビューすると、この映画は歌舞伎をあまり知らない人のほうが楽しめるのではないかなと思った。
曽根崎心中はストーリーにかなり関係するので、あらすじを調べてから観に行った方がいいが、歌舞伎に馴染みがあるとそのフィルターを通して見てしまうので、そんな甘くない、歌舞伎はこんなんじゃないと本当の歌舞伎と照らし合わせて粗を探すような見方になってしまうと思う。
歌舞伎を知っている人からすれば色々ツッコみたい部分(舞台上で頷き合うところとか)はあるだろうが、これは"歌舞伎"ではなく"映画"なので、そこは差し引いてみてほしいと思う。
そして、凄いと思ったのが吉沢亮の演技力。
ずっと喜久雄の影がありながらもギラついてる少し嫌な雰囲気が凄くこの映画を引っ張っていた気がした。
あと凄くきれいなところが喜久雄が客に殴られたあと屋上で鬱々としてるシーンで、喜久雄の背中と持ってるウイスキーの瓶が背後の街明かりで照らされて、光の輪郭を帯びていて、それがとても綺麗で好きなシーンだった。
あと観てる最中「JOIKA 美と狂気のバレリーナ」という「国宝」と同じく、実力はあるが、血のせいで認められず苦悩するバレリーナの映画を思い出した。
全体的に見応えのある映画だったが3時間は流石に余程の映画でないと長い
原作のタイトルだが『国宝』には違和感がある。と言いつつ、じゃあ何が相応しいのかは解らない
いや、驚いた。
ビッグネームの渡辺謙はともかく、以前から吉沢亮と横浜流星の上手さは知ってはいたが、ここまでとは。
この映像づくりに、凄まじい情熱と鍛錬を注ぎ込んだことがわかる。
日本映画も、最近はものすごいものを観せてくれる。
なまじ歌舞伎ファンじゃないほうが楽しめるのかもしれない。何でもそうだが、特定の領域にマニアックな人たちは、その領域が映画化されると、作品の出来自体よりも見当違いなディテールやらご自身の違和感やらでディスりがち。それはちょっと見苦しい。
しかし僕のような「素人」からすると細かいことなんか気にならない。むしろ、本当のようなウソを見せるべき壮大な「物語」というのは、まさにこういうものなんだろうと驚嘆至極である。
二転三転する物語の脚本も巧みだし、演出も優れていると思う。カメラワークも良い。
金曜平日昼からの部でほぼ満席。
ただし、ここ渋谷のTOHOシネマズは今いち劇場環境が良くない(ドアのすぐ外が通路だったり売店が狭くて異常に混んだりする)ので、改めて日比谷で観てみたいとも思うが、さすがに丸々3時間というのが昨日の『地獄の黙示録ファイナルカット』に続いて満腹感が半端ない。
とは言え、この作品もやっぱり映画館の大スクリーンと良質な大音響でないと堪能できないだろう。
喜久雄、俊介の少年時代を演じた黒川想矢、越山敬達がともかく見事だった。その後の成長した姿である吉沢や横浜に自然に繋がるほど良かった。
てっきり歌舞伎界のあまり有名ではない御曹司を使っているのかと思ったが(それほど所作がすごい)、まるきり未経験者、というより役者とモデル。それも15歳と16歳とは。
僕はほとんど事前情報を見ずに観に行くし、顔をぱっと見てすぐに名前や出演作がわかるタイプではないのだが(「どこかで見たことがある」程度w)、そうか、黒川は『怪物』の、越山は『ぼくのお日さま』の主人公だったか。
黒川も越山も、前作では内向的な子どもを演じていたので印象ががらりと変わってしまい、まったくわからなかった。
ところでこの作品はカンヌで上映されたらしいが、どうも向こうではあまり高い評価を受けていないように漏れ聞こえる。
恐らくエキゾチシズム(ゲイシャ、フジヤマのレベル)で通じたかもしれないけれど、日本人のわれわれが知る歌舞伎界の「世襲」「血」という凄絶でおどろおどろしい呪縛がこの映画の大きなモチーフなので、そんなことは欧米人にはまったくわからないだろうし、到底この作品の深みには触れられない。
それがわかるとすれば、たぶんマッカーサーの副官だった「歌舞伎を救った男」フォービオン・バワーズと、稀代の日本通ドナルド・キーンくらいだろう。
(2025.7.4追記)
フォービオン・バワーズについては、Wikipediaでは「歌舞伎を救っていない」「マッカーサーの副官ではなかった」という近年の批判的評価が記されている。フェアな判断のために追記しておきます。
なお、Wikipediaの日本語ページのURLをコピーするとこの映画.comの投稿フォーマットで弾かれる文字が含まれるため、リンクを張りません。
恐ろしいほどの凄みがあり、奥深く、美しい映画
歌舞伎の世界とは縁遠い生活の私。
子供の時に狂言の教室に参加したり、お正月にNHKの番組で見るくらい。
でも、初めにでてくる舞台が連獅子だったので
これ、見たことある!と物語にスッと入ることができました。
目は口ほどにものを言う。
の言葉、思いだしました。
セリフにのせずに役者の目に語らせる。
父親が殺される瞬間を見つめる喜久雄の眼差し。
喜久雄を迎えた時の俊介の目つき、万菊さんの刺すような視線、神社で悪魔と取り引きして芸以外は全てを捨てると語る父親に幼い娘は何を思ったのか。
寺島しのぶさんは気持ちを表に出す役回りでしたが、昭和のこの時代の日本人、口数が少なめ。
だから、目で語るんですね。
女形演じる喜久雄の目の表情は千変万化。
妖艶、色艶、凄みを感じました。
吉沢亮くん、凄い、凄い!
横浜流星くんと2人、歌舞伎の所作を稽古したんですね。
しゃがみながら滑らかに歩く姿。
見事でした!
歌舞伎では代々受け継がれてきた型があり、それを完璧に表現する為の厳しい稽古。
華やかな歌舞伎の舞台、それを支える人達のなんと多いこと。
大掛かりな舞台装置、衣装、音楽、多くの黒子さん達に支えられて主役が引き立つのですね。
浴びる光が強いほど濃い影ができる。
華やかな表舞台の裏でドロドロの人間模様が繰り広げられる。
喜久雄、なかなかに嫌な奴に仕上がっていた。道を極めるには何かを捨て去らなければならないのか。
人としての矜持さえ。
緩く生きている私にはあちらの世界には入れないな。
しんどそうだな。
最後、映画館の階段を降りながら改めて吉沢亮くん凄いと思いました。
演技が上手いと思っていたが、凄まじい演技力を感じました。
予告で見たバンパイアの映画も見に行きたくなりました。
東宝が松竹ってだけで感動!三浦貴大も坂本美雨も、隅々まで「血」にこだわり。
「怒り」の音楽が坂本龍一だったんで、エンドロールの「作詞:坂本美雨」にそう来たか、と。
歌舞伎の音曲もかなり高級、ハイレベル。
鑑賞するなら篠笛の音が原音忠実再生される(されてる気がする)シアターを選びたい。
「覇王別姫 さらば我が愛」とか「昭和元禄 落語心中」とかそういう古典芸能もの。
あの哀しさと舞台表現者のエクスタシーの表裏一体感。
さらば我が愛の、舞台俳優たちの化粧をぐしゃぐしゃにした共産主義者による尋問。
落語心中の背中に刺青を抱えた落語家と白髪のスレンダーの師匠。
横浜流星が大河「べらぼう」で見せる仕草にもだいぶ生かされていると思われる。
雀踊りを秒で覚えてささっと舞ってみせたあの感じ。
長崎〜取材者の告白に既視感。あぁ、朝ドラ「カーネーション」か。
そこにも「血」。
市川中車があの歳で入門したのも、尾上眞秀がそこにいるのも、全部全部「血」。
14歳ではっきり養子になったのは人間国宝、当代坂東玉三郎。
入門は数えで六歳六月六日と言われている。
ほら、いろいろ思い出すじゃないか。
東銀座歌舞伎座、幕間の弁当の味とか。
何かいろいろ記憶の片隅から溢れ出てくる。
圧倒的な演技…⭐︎
朝日新聞に連載中に読んではいたが、新聞小説の宿命で物語が細切れになってしまうためそれほど印象が残らない作品だったけど
この映画は本当に素晴らしかった。
役者さん達全員に⭐︎を贈りたいくらいに誰も良いけど やはり吉沢亮の執念を感じるほどの演技力に魅了される。
「曽根崎心中」のシーンで震えるような感動を味合わせてくれて、ラストシーンの「鷺娘」の及んでは泣けてきそうだった。
「鷺娘」は坂東玉三郎の踊りを映画で見ていて、その美しさは知っているつもりだったけど吉沢亮のそれはまた違った
感動を与えてくれるものだった。
登場する全ての踊りが、季相日監督の手腕で素人目には踊りのアラなど全く感じない仕上がりになっていた。
横浜流星もW主演と言えるほど歌舞伎界の御曹司になりきっているし、この二人が渡辺謙を食ってしまっている。
始めに登場する吉沢亮演じる喜久雄の父親役の永瀬正敏。
あの雰囲気は存在するだけで画面が締まるようだし、他の方のレビューにあるように田中泯演じる女形の万菊!
さすがに上手すぎて、もともと歌舞伎の女形では⁇と思うくらい言葉遣い、手の振りなどなど登場する度に魅入って
しまった。
実際の歌舞伎は玉三郎と團十郎を少し観覧しただけだけど、この映画を見てもっと他の作品(少なくとも
曽根崎心中は…)も見てみたいと思う。
吉沢亮が林修の初耳学で、李監督の作品に主演したくてこれまでもオーディションを受けていたと語っていたが
満を持してこの作品に巡り会えて良かった。
自分達が彼の喜久雄を見ることが出来たから。
吉沢亮と横浜流星がこの作品のためにどれだけの修練を重ねたのだろう。
演技をすると言うことは終わりがない道をひたすら歩くことなのかもしれない。
国宝鑑賞
劇場で見て欲しい
血と業と
話題になっていたので観てきました。
前知識は歌舞伎の世界の話である事と吉沢亮と横浜流星…以上。
出会ってしまった宿命と、己の業から逃れられずに生きる人間の物語でした。
誰もが他人の人生の責任も肩代わりも出来ないのに、出来る覚悟もないのに、見つけてしまったら手を伸ばさずには居られなかったのでしょうか。
それが「本物の才能と出会う」って事なのか。
己の血を分けた子供(愛弟子)よりも、見つけてしまった原石の方が能力が勝っている…そんな物語は腐るほどありますが、師にとっても、子にとっても、原石にとっても…不幸(波乱)の始まりが予見出来るのに…見つけてしまったら見つける前にはもう戻れないのですね。
見つけられてしまった子供もまた、己の運命を見つけてしまった。逃げる事は出来ない。
果たして其れが幸福な事なのか、不幸な事なのか。
そんなのは自分が死ぬその時まで(若しくは死しても)答えが出るものではないのかもしれません。
それにしても、健康には気を付けましょう。。。
最低の父だけど、日本一の歌舞伎役者
呪いだ
呪いだよ
魅せられてしまったらどうしようもない
恋人とか家族なんかは視野にも入らない
人生の全てを捧げないと到達できない物
芸の道は魔物のような魅力があるんだろう
選ばれた人間だけが挑戦できる高み
羨ましくもあり、恐ろしくもある
同じく、この作品に挑戦した2人も見事でした
大スターだった田村正和のように自分はテレビだけの俳優と身の丈を語っていたが、あれは例外
ほとんどの役者は、あえて舞台に挑戦する
自分を追い込んでいくストイックさがある
役者としてやりがいのある仕事だったでしょう
見事成し遂げましたね
きっと、今頃はエクスタシーに震えているんだろうな
田中泯の舞踏が怪しく、美しかった
歌舞伎風にアレンジしたのだろうが、カメラワークでなんとか誤魔化した吉沢亮のラストの歌舞伎とは、やはりものが違った
あれ、同じ演目だったと思ったけど(違ったらごめん)、さすがに対比すると本物の舞踏家は違う
天才ですね
血が優先する歌舞伎界の人間国宝を孤高のダンサーの彼が演じたのも興味深い
言っときますが、吉沢亮は素晴らしかった
ただ、田中泯が凄すぎて、凡庸に見えただけ
そして横浜流星
映画だから仕方ないけど、最後のシーンは化粧がとれて顔がぐちゃぐちゃすぎる
あんな歌舞伎はないでしょう(笑)
2人とも良かったけど、歌舞伎役者としては吉沢亮が主役で正解でしょう
とても見応えのある作品でした
さすが、男の世界、歌舞伎を題材にした作品というか
高畑充希の行動も、サラッと流し、寺島しのぶも見上愛も森七菜も、まるで背景のように通り過ぎて行った
このあたりは、時代錯誤映画というか、コンプライアンスなんか無視の狂気の作品です
まあ、最近は子煩悩な中村獅童なんて、少し前には考えられない面を見せる歌舞伎界ですけどね
少年時代の喜久雄を演じた、黒川想矢って、怪物に出てた子やね
いい感じに成長していましたね
序盤の女形の演技、可愛かった
期待したほどではなかった
傑作までは行かない
演技が素晴らしい
キャストが豪華
喜久雄の豊かな人生
小説を読み終えたばかりであの世界観が自分の中に色濃く残るなか鑑賞。開始5分、少年時代の喜久雄と徳次が出てきただけでもう泣いてた。小説では喜久雄をずっと支える徳ちゃんが映画では端折られていて残念だけど、映画は映画ですごい完成度で、3時間があっという間、あちこちのシーンで泣きながら観た。映画はそれだけで素晴らしく完成しているのだけど、私は映画だけではここまで感情移入しなかったかも。例えば喜久雄が大阪に行くことになったいきさつをより詳細に小説で知っていたからこそ、大垣家に着いた時の喜久雄の心情を俳優さんの表情から感じ取り「きくちゃん頑張れ!」と感情移入した。喜久雄が「不束者ですが」と挨拶するシーンも、映画では端折られているが、これは育ての母であるマツが喜久雄を長崎から大阪へと送り出す前に仕込んだ挨拶だと小説で知っていたので、このシーンから、息子を送り出すマツの強く切ない思いを感じとったり。一方、映画じゃなきゃ観られない大好きなシーンもあった。少年時代の喜久雄と俊介が正式な稽古以外の場所でも橋の上で自主的に稽古していて、二人とも本当に踊りが好きなんだなあというのが伝わってきて幸せな気持ちになった。俊介の最後の演目のシーンは小説でも泣いたけど、映画でも同じくらい泣いた。小説の方がリハーサルのところから、描かれているので、よりハラハラしながらそして泣いてしまう。映画の最後の方で「あなたがここに辿り着くためにどれだけの人を犠牲したと…」という台詞があったけれど、犠牲という言葉はちがうんじゃないかなあと思う。喜久雄が芸の道に邁進した孤独な人というふうにとる人もいるかもしれないけれど、小説を読むと、本当はもっと豊かな人間関係があり、彼は決して孤独ではなく、人に恵まれ、本人も人に対して仁義を通したひとだったのだと思う。喜久雄の面倒をずっとみていた徳次の存在(これはほんとに大きい。なんならこの軸でもう一本、映画が撮れるくらい。印象的なシーンがたくさんある)、あと映画には全く出てこないけど、弁天との出会いとその後のつながり、力士との温かな交流、綾乃との葛藤がありながら孫を抱っこする幸せに浴することもできたこと、などなど色濃い人間関係が小説には描かれているので、映画を観て感動した人は、小説を読んだらさらに感動すると思うし、喜久雄への見方がまたちょっと変わるのではないかと思う。オーディブルにもなっていて、歌舞伎役者の尾上菊之助さんが朗読しているので歌舞伎のシーンはホンモノが聴けて贅沢です。(奇しくも尾上菊之助さんのお姉さんが映画では幸子役として重要な役割を演じましたね。)
面白い
歌舞伎は全く無知、なのに予告で惹かれて鑑賞。
公開後すぐに話題になっていた。
主演の2人が素晴らしい。
それだけでも見応えがある。
静かに人間模様が描かれているが退屈はしなかった。
むしろ3時間弱の映画でも描ききれていなかった登場人物達のその後が気になりもう少し長くてもよかったとすら思った。
転落からの復活、2人の再共演もあっさり。
その辺も物足りないがそれでも久々に終わった後の喪失感というか、言葉に出来ない気持ちで映画館を出た。
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