国宝のレビュー・感想・評価
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芸を極めるということの、本質を見た
絶対に映画館で見なければと思っていたが、3時間映画館の中で呪縛されることを、躊躇していた。しかし11/1に思い立ち、映画館に走った。
練馬区のユナイテッドシネマとしまえんで見ようと思ったが、満席だった。そこでTジョイ大泉に自転車を走らせた。1時間前にチケットを買ったが、何と残り数席だった。
映画館は、伝説の体感したい人で一杯。そして最初の華やかな宴会のシーンが始まってから。。。館内全員が壮大な歌舞伎ワールドに飛び込み、仮想体験に没入した。Dolbyの効いた館内、演者の息遣いまで聞こえる臨場感の溢れる国宝体験を、スクリーンを見つめる全員がしていた。だから声一つ聞こえない、食べる音や飲む音さえも聞こえない。
最後の「白鷺」のシーンは凄かった。悪魔にすべてを引き換えに手に入れた、日本一の歌舞伎役者の地位は、細雪のように冷たく美しかった。それは父がヤクザに殺されたあの細雪の日の残像を乗り越えた先に見えた、新しい境地だったのかもしれない。
顔面
このセリフに全てが詰まってると思う。
『あなた、歌舞伎が憎くて仕方ないでしょ。それでもいいの。それでもやるの。』おそらく、内省の果てにいる人にしか伝わらない奥深さだと思います。
歌舞伎のような、閉ざされた文化.家系だからこそより深く作品に溶け込んだ言葉でした。
でも誰しも人間のアイデンティティや職業倫理、感情や理性で解決しない矛盾に悩むと思います。ある人は、感情に傾く時があり、ある人は理性に傾き人間性を見失う。
主人公は、一度この言葉に取り乱します。偏った人には、この言葉は別の意味にも聞こえるのだと思います。
この言葉は、苦悩と向き合うのでなく感情も理性も受け入れるというのが正確なのだと感じます。
すべて放棄する自暴自棄でない、矛盾の中で自分を保つ人間のど真ん中に生きる事。
そして、芸能の到達点は誰も理解されない。
その芸は到達が、主人公のど真ん中で、感情と理性の包括集合知。
すごく面白かった。
カッコいいこと言ってますが、僕はそこに到達できるのはいつだろうか?^_^
難しい
ハードルが高すぎた
妖怪人間国宝
泯さん妖怪が寒気をおよぼす!以前テレビでお見かけした、あのダンサー。すっかり人間国宝で、あんな長老いますいます、とトラウマ級。襲名挨拶の時の、「オマエ、やってくれたな…」の眼!!こっわ!
そして。見終わっても、強烈に残った思いとしては、何十年も前に感じたよそ者感。結婚した当時。私ってよそ者なんだ……味方がおらず、四方檻で囲まれ、そこに放っておかれたような疎外感。フラッシュバックしてきてかたまってしまいました。「私には血がない」このセリフは刺さりました。それでも。帰る場所なんてなくて、ここで生きるしかないと、腹をくくってからが勝負なんだな。そして、妖怪となる。
ラブシーンいりますか?あと後半がうーんて感じ
前半は85点、後半は50点です。
吉沢亮さんの演技力が凄い100点です。
そして渡辺謙さんの指導するシーンも緊張感があって良いです。あそこまでの激しいシゴキではないですが、中村勘九郎密着番組を見た時、我が子を指導する際の映像で感じた張り詰めた空気!を思い出されるような演技でした。
そしてラブシーンはサラッと描いて欲しかったです。
特に彰子(森七菜)さんとのラブーシーンは
「お兄ちゃん」というセリフや前後に突かれる
描写もあり、やり過ぎに感じました。(-30点)
血筋や歌舞伎に対する執念?怨念?を表現したのでしょうが、悪趣味です。
上記のシーンを含めて後半は色々と詰め込み過ぎです。
時の経過も駆け足で目まぐるしく変わります。
最後のシーンで作品をうまく締められるのを期待しましたが、その前のカメラマンとのやりとりいるか〜??などモヤモヤして
最後のシーンを見ても「前半は良かったな」としか思えませんでした。
ミッドサマー???映画NO1
国宝最遅レビュー
めちゃくちゃ面白かったのに公開から4ヶ月経ってるから同じ熱量で感想を話せる人がいない
館内に入ると僕以外が全て外国のお客さんだった
疑問に思いながら作品が始まると全ての謎が解ける
セリフの全てに英語字幕がついてるじゃないか
慣れるまでは集中できなかった
「どこにいくの!」→「Where are you going」
とか
「あんた、あんた」→「Darling.Darling」
とか笑っちゃいそうになったし
歌舞伎の見せ場のシーンで「wooooo」って歓声が上がってた
すごい映画だった
ハイカロリー
途中までは2人の歌舞伎役者の人生の交錯する様子にルックバックみたいだなあと思ってみてたけど
最後の最後で裏切られた
ダブル主人公なんかじゃない
圧倒的に吉沢亮単独主人公だと感じた
なぜかというと、最終的に人間国宝になって舞台の極みのようなものを見つけた時、吉沢亮の全ての人生がこの瞬間のための仕掛けだったような感覚がして怖かった
美しいとかじゃない怖かった
全ての出会い、別れ、決断、挫折がここにつながるため
横浜流星の存在さえも無機質な仕掛けであり歯車にしか感じなくなった
それはまるでミッドサマーみたい
ミッドサマーも主人公の女の子が最後生贄になるまでに、全て仕込まれていたことを察するホラーだけど、結末が生贄か人間国宝かの違いでホラーだと感じた
1番好きだったシーンは
アマチュアで活動する吉沢亮と電撃復帰した横浜流星の喧嘩の後、車に戻り「アイツ本気で殴りやがった、、、w」みたいなテンションの吉沢亮を無視する森七
まじであのシーンは男の子のしょうもなさが溢れてて最高すぎました
もはや世界遺産
まだ間に合います。ぜひ、劇場で!
この映画は、第一に、おそれながら、歌舞伎のために良いことだと思った。田中泯が演ずる人間国宝のモデルと思われる女方が演じた「隅田川」を拝見したことがあり、一生の思い出だが、17世紀に京都ではじまった歌舞伎が、能・狂言を出発としていることをまざまざと感じることができた。
第二に、本作品は日本映画にとっても素晴らしいことであると思った。アニメやVFXを別にすれば、フライト中などに、たまさか日本映画を目にすることはあるが、展開が遅く、待っていても何も起こらず、それでいて不安だけが掻き立てられることに耐えきれず、30分も保たないことが多い。その復興に役立つのではないかと思った。
主題は血(筋)と芸。渡辺謙が演じる、血を伝えるはずの先代の半次郎が、半ば意識を喪いながら、我が子の名前を呼ぶ場面に、心打たれた人も多かろう。しかし、伝えたのは、名跡だけでなく、病(正確には、その合併症)もだった。芸についても、一番心に響いたのは、渡辺謙の台詞「お前は一日たりとも稽古を休んだ日はないだろう」だった。
たった一つ、残念だったことは、大向こうからの掛け声が目立たなかったことである。天井桟敷も、通り一遍の拍手を送っているだけに見えた。実は、京都南座に入ったことはないが、一階席からの二階の眺めは、驚いたことに、アムステルダム・コンセルトヘボウのそれに似通っていた。音響の優れたシューボックス型の構造をとっているためだろうが、本作が国際的に評価を受ける素地は十分あると思われた。
この映画を観て、私もどれくらい生きていられるかわからないが、精一杯生きてみたいと思った。
取ってつけたような波乱万丈な人生物語
組長の息子の設定にしながら殺された親父の敵討ちシーンが寸前でカット。
ここはすごく消化不良で何で1年後に娑婆にいるのか訳分からなかった。
3時間もかけているのだからもう少し説明してもよかった。
糖尿病で花井半次郎と花井俊介は最終的に亡くなる訳ですが、
花井俊介のいきなり片足切断は不自然すぎる。急に足が壊疽状態になるわけでもなく
親父が糖尿で亡くなっているのだからもう少し気を付ける筈。
遺伝性のある2型糖尿病は生活習慣に問題がある人が多く筋肉バリバリの横浜流星さんがなるには無理がある。リアリティがなさすぎる。
全体の感想として歌舞伎シーンは圧倒的迫力と美しさが感じられ、人間国宝まで行かなくても世襲という壁にぶち当たった半生でもよかった。
取ってつけた浮き沈みの激しい人生物語にしているから3時間もそんなに長く感じなかった。
落ちるとこまで落ちた歌舞伎役者が人間国宝までなるのは無理があるなと感じた。
(歌舞伎を演じている以外は女性を踏み台にしてのし上がって、それが芸の肥やしになっているのかもしらんけど碌な人間ではない)
よせてはかえす運命の浪
近づくと反発して遠ざかる量子
日が昇ると薄くなり、夕暮れ過ぎ輝きを取り戻す月
数多の血を啜り生き残りを賭け切磋琢磨する写し鏡のふたり
テーマの一部にある血筋、血脈を体現するキャストの起用等、日本に生まれ日本に生きる人々にこそ明確に伝わるメッセージ
「人間国宝」だけでは足らず、"由宇子の天秤"の判定を受けついぞ見ぬ景色に到達した境地 自己肯定感とはかくも得難く偉大であった
美と言う呪い
ヤクザの祝儀の場で、二人の少年が床の間を舞台にして芝居を演じ、幕になると二人して座敷脇の廊下に威勢よく繰り出した。人生は芝居だ! この破天荒なプロローグで、まず軽く胸を掴まれました。
◉それでも舞台に立つ
田中泯が木賃宿の薄汚れた一室で、そこに訪れた喜久雄に呟く。綺麗な物が何一つないから、心が穏やかであると。喜久雄や俊介を駆り立てた「美しさ」は、やはり重荷だったのだ。
木賃宿と言う設定には正直驚いたが、田中泯は更に言う。「周りの人をどれほど苦しめようと悲しませようと、それでも舞台に立つの」と。それは鬼気迫る覚悟であって、知らず感動もするけれど、いたたまれない。生きることの原点は、自分勝手であり自己満足が、その全てなのだ。
◉越える吉沢亮、崩れ落ちる横浜流星
野で見出された「個」である喜久雄。演じた吉沢亮は芸への想いを瞳に湛えていたが、その眼差しは情熱を越えた狂気に手が届いていた。ドサ回りで若者に揶揄われた喜久雄が暴れて、屋上でウィスキーを喇叭呑みしながら咽び泣くように笑った後、俺何を見てるんだろうな…と呟いたシーン。必死だった人間が、何かを飛び越え損ねた時、こうなるのだろう。
どうやっても抗えない「血」を持っているはずだった俊介。しかし、そこまでのDNAは生得していなかった俊介を、横浜流星は崩れ落ちるように演じた。諦めや絶望に慣れてしまった瞳が凄いなと思いました。基本、流星君は立ち上がれないダークな姿が、一番よく似合っていると私は勝手に思っています。
極道の子と歌舞伎の子の二人のライバル心が、ギラギラした刃物ではなく、展開が進むほど爽やかな景色になってきて、そこは気持ち良く時が経ったと感じました。
歌舞伎の悪魔
圧倒的な素晴らしい映画だった
二人の友情に感動した。
ある雪の日、立花組の宴席に上方歌舞伎の花井半二郎が挨拶に訪れる。組長息子の喜久雄は余興で女形を演じるのだが半二郎はその演技に才能を感じるのであった。その時唐突にカチ込みを受け雪の中で父は殺害されてしまう。それを見ていた喜久雄はなぜか美しく思えてしまうのであった。喜久雄は父の仇を取ろうとするが失敗してしまい、半二郎に引き取られ丹波屋で憧れの歌舞伎の道に進むのであった。半二郎の息子俊介は、初めは反目していたが、お互い厳しい修行を受けることで親友になっていた。ある日人間国宝の万菊の鷺娘の講演を観て喜久雄は雪の日を思い出すのであった。二人道成寺で脚光を浴びると半二郎は「俊介は血が守ってくれる」歌舞伎は世襲制であった、一方で「喜久雄は毎日の稽古が助けてくれる」と言うのであった。次第に俊介は芸に身が入らなくなっていった。ある日、半二郎が代役を立てることになった。誰もが息子俊介がなるだろうと思っていたが、半二郎は喜久雄に代役をさせるのであった。喜久雄は曾根崎心中の舞台前に俊介の血が羨ましいと吐露する醜態をみせていたが、講演の演技は迫真に迫るもので、それを見た俊介は敵わないと講演途中逃げ出すのであった。喜久雄の恋人であった春江は哀れな俊介をみかねて行動を共にした。順風満帆な喜久雄は舞妓の藤駒との間に娘をもうけていたが父親だと名乗りすらしなかった。それどころか神社で悪魔に何もいらないからもっと歌舞伎が上手くなりたいと願をかけるのであった。すると失踪した息子俊介の代わりに丹波屋の名跡を継ぐことになり、襲名の舞台で半二郎は悪魔に取り憑かれたように死亡してしまう。父の他界で帰宅した俊介は人間国宝の万菊の元でもう一度歌舞伎の稽古をやり直すことにした。万菊は俊介が歌舞伎を恨んでいるのを見抜いて「恨んでもするのが歌舞伎」と逆に諭すのであった。一方、喜久雄は出自のスキャンダルとゴシップで役がなくなってしまっていた。役を獲るためだけに彰子と結婚するが、そのことが逆に歌舞伎界から追放されてしまう。追放された喜久雄は彰子と地方で小さな講演するほど没落していたが、いっそう歌舞伎しかないと感じるのであった。一方で歌舞伎に復帰した俊介は名声を得ていた。万菊によって喜久雄は歌舞伎に復帰させてもらうと、昔のように俊介と二人道成寺をするのであった。しかし今度は俊介が糖尿病進行で足を切断することになり一旦歌舞伎を諦めたが、新しい歌舞伎をしたいと懇願、俊介は自分の原点だと演目は曾根崎心中で二人は共演する。その共演中に喜久雄は俊介の命が短いと悟ると本物の悲涙を流すのであった。俊介の新しい歌舞伎とは命を削る鬼気迫る歌舞伎なのであった。俊介が死んでからも喜久雄は一人で歌舞伎を続け人間国宝になっていた。自分の娘と再会した時、喜久雄に歌舞伎を続けたことがどれだけ周りが血を流したか恨みをぶつけ、それでも歌舞伎に感動をしたことも告げる。それからも喜久雄は歌舞伎を続けた。喜久雄は何を探していたかも忘れてしまっていた。ある講演で鷺娘を演じた。会心の演技を終えた後、雪の日のことを思い出すとそれが有終の美であったと気づくのであった。
本編は三時間の長編ではあったが、理由としては歌舞伎の映像美が多く含まれているからである。その映像は色彩鮮やかで、BGMで上手く盛り上げられていた。美しいと言えば主演の吉沢亮も美しくそれを目当てで鑑賞するのも良いだろう。歌舞伎の知識はなくとも鑑賞できる内容で、多くの人に歌舞伎に興味を持たせる映像美であった。映像美は高印象だが、物語は奇抜さは感じられず、どんでん返しもないやや退屈な人情劇であった。俊介は喜久雄が血が羨ましいと言われたら、自分が継ぐはずだった名跡も喜久雄に与えてしまう。一方喜久雄は芸のためなら不義理なこともする人間であった。私は歌舞伎よりこの二人の友情に感動した。そして一方が隆盛すると片方が没落する数奇な運命でもあった。ここまでくると喜久雄の生き方は歌舞伎の話なのに、なにか極道の話のようにも思えてくるのだ。
全2340件中、101~120件目を表示
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