国宝のレビュー・感想・評価
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演者に惚れ惚れする3時間
私はあまり邦画には興味がなく、ましてや若い俳優さん達の名前は知っていてもその方達の作品は見た事がなかった。この映画はカンヌ映画祭で高評価だった事と、大好きな歌舞伎の話という事もあり、これまた滅多に行かない東宝系映画館に足を運んだ。正直、吉沢亮さんや横浜流星さんには全く期待していなかったし、歌舞伎といういかにも外人好きなテーマのお陰でカンヌでも成功を納めたんだろうと、いささか冷めた気持ちで観に行ったのだが… 失礼しました!私が間違えていました!もー、素晴らしいというか、凄まじい演技だった。
でも実は、1番印象に残っているのは冒頭の喜久雄の子役が女形で登場した場面。ツンとした上向きの鼻と上唇が強調された横顔はなんとも美しく妖艶だった。最初にあれが来たから、この映画にのめり込んだと言っても過言ではない気がする。『怪物』の子か!素晴らしい演技力と美しさに納得。あ、あとは田中泯さんですね。歌舞伎役者ではないかと思うほどの美しい所作、視線、そして声。物凄い存在感を放つお方ですね。
いやー、語りたい事がたくさんありすぎて、考えると胸がいっぱいでこれ以上書けない。
しばらく行っていない歌舞伎もまた観たくなった。
P.S. 美術、素晴らしい。さすが。
こんなきれいなジジイがいるか
観る前から名作の予感がびんびんしてたが、予想を裏切らず、すごく良かった。
女形というのはすごく面白い(奇妙な)文化で、その真髄みたいなところもテーマの一つかなと思う。美しい女性が美しい女性の役を演じるだけなら当たり前だが、おじいさんが美しい女性を演じることで、美しさとは何か?という哲学的な問いが生まれてくる。
ただ、正直いって男も女も誰が誰やら分からないところがけっこうあり、日本人である自分でもちょっと混乱した。
この映画はグローバルに人気になる作品だと思うけど、外国人がこの映画を観たら、登場人物の区別がかなり難しいのでは、と思った。
あと、最後に老年になった主人公が舞うところで、主人公の老けメイクが中途半端なのがもったいなかったな、と思った。完全に老人の顔にしないと、この映画のテーマがぼやける。渡辺謙の老けメイクは完璧だったのに…。
今年を代表する作品の一つ
吉沢亮の演技に圧倒された3時間だった。緊張も悔しさも高揚感も孤独も、喜久雄として見せ喜久雄にしか見えなかった。
また、子役時代の俳優も最初から天才さを放っていた。劇中「真綿が水を吸い込むよう」と表現されていたが、底知れない能力を感じさせてくれた。
田中泯・渡辺謙・横浜流星はしっかり吉沢亮とかみ合い、より作品を濃密にしている。
李相日監督作品で、『フラガール』の時にも感じたが、自分もそこに居る(参加している・観客としている)カメラワークが素晴らしい。
長い期間を描くため、途中何年か飛ばすがもう少し足して欲しいところもあった。
伝統芸能の継承の難しさと、引き継ぐ者達の並々ならぬ努力を感じた作品。賞レースには当然出てくる、今年を代表する作品だった。
歌舞伎を観てみたくなった!!
原作未読ですが、めちゃくちゃ良かったです!
とにかく画がずっと美しかったです。
そして、俳優さん達が全員良すぎでした。
前半の高畑充希の切ないキクちゃん想いのシーンとか、
子供時代のキクちゃん達の稽古シーンの汗ばむ身体とか、死に際の渡辺謙とか、最高でした。
歌舞伎とか全く知らないですが、とにかく世襲の世界らしい。よくわからん庶民の僕からしたら、安易に否定してしまいそうになる。生まれよりも実力でのし上がるのがカッコいいっしょ!みたいな。映画内ではちょいそうゆう要素で引っ張ってるとこがあるけど、そうゆうことでもないかなと。
国宝観たら、演技というのは身体を全部使っての表現で、それは顔の造形も含めてのことで、やはり醜男にはあの美しさは出せないという身も蓋もなさがあって。それを守るための世襲なら、遺伝すら芸の道具にするという、世襲ってワードから印象されるダサみとは反対の芸への純粋さがあるのかもと思いました。
とにかく、物語も最高でした。
男の嫉妬も、芸への純粋さも、全部感動でした。横浜流星の曽根崎心中のとこの足出したとこ泣きまくりました。
ちょい物足りなかったのは、みんな結局いいやつ過ぎる。あんなけ嫉妬とか煽られて、好きな女はいなくなり、もっとドロドロエグくなるだろうに、そのドロドロ部分は、8年とか2年とか時間が吹っ飛んでしまうので、割と綺麗なとこしかこっちは観てない気がする。
僕の性格がクソだからでしょうか。
どーでもいいんですが、神社でやった悪魔との取引、、あの時代にあの神社で願うときに、「悪魔」って単語だすかな?ってちょっと気になった。
どーでもいい②
今日、べらぼうで横浜流星が、「お初の徳兵衛です!」って言ってて、さっき映画でやってたやつやん!って嬉しくなりました。
光る君へとべらぼうに出てる人ばっかり出てて、結局NHK大河最強だなって思いました。
横浜流星大好きですが、おしろい塗ったときの顔は吉沢亮の方が綺麗だと思いました。
とにかく、美しい物が好きな全ての人にオススメです。
あぁ日本人
ぜひ映画館で
舞台は美しかったが、原作の改変が上手くない
原作の上巻だけ読んでから、映画を観た。
舞台が美しかった。
姿も、踊りも、
切ない台詞も、そして意外にもロックな魂を感じた音楽も。
* * *
原作は文庫上下巻合わせて800頁を超える分量だから、
映画で1時間40分かかった上巻の内容も、その実かなりダイジェスト。
おまけに大事なキャラの徳次が、冒頭の場面以外全カット。
徳次なしに喜久雄は存在し得なかったのに。
でもまあ、その他の大筋は原作のままだし、
しかたないか、と思って観ていると、
ワタクシ未読の下巻の内容とおぼしき部分に突入。
ところがあちこちで、
なんか変、と思ったり、
違和感や不自然さを感じたり。
気になるので早速下巻を読んでみたら、
そのほとんどは、原作を改変した部分だったのであります。
ここから後は、ネタバレ全開。
というより、映画か原作かどちらかでもご存じないと、おそらくチンプンカンプン。
* * *
まず映画では、俊介が復帰してTVでインタビューを受けるのが唐突。
これは原作では、
写真週刊誌への「隠し子」リークともども、
俊介復帰宣伝のための、竹野の策略だった。
なるほど不自然なわけだ。
次に、吾妻千五郎とその娘の彰子のこと。
映画では、彰子は途中で退場?しちゃってるが、
原作では、最後まで喜久雄に寄り添う。
それから映画の、ドサ回りとも呼べないような場末の「仕事」。
原作ではこんなことはしない。居場所のなくなった喜久雄を、新派が救ってくれる。
その後喜久雄が、長崎抗争のあおりを受けて再び批判の矢面に立たされた時には、新派への出演も無理になるんだが、
その時には、「勘当」を言い渡したはずの彰子の父・吾妻千五郎が、手を差し伸べてくれる。
藤娘を踊っている時に、狂った客が舞台に上がってきちゃうのも、
映画では場末の舞台だが、
原作では歴とした劇場でのこと。
件の男は1名だけで、しかも取り押さえられて乱闘になどならないし、
それをきっかけに彰子が去ったりもしない。
(ただ、これ以降、喜久雄に異変が……)
芸妓の藤駒(原作では市駒)の娘、綾乃のことは、
映画では幼い時からずっと見捨てていたようだが、
原作では、彼女が中学生の時に荒れているのを見かねて引き取り、
春恵(と俊介)が預かって大学にまでやっている。
つまり、原作にはいろいろと救いがあるのに対し、
映画は原作より、苛酷・苛烈で極端な設定が目につく。
不自然になってしまってるし、
ワタクシの好みではない。
* * *
ただ、本当のラストについて言うと
――これまた映画と原作は異なるのだが――
原作は、映画より怖い。
ここのネタバレは、致しませぬ。あしからず。
とても良かったんだけど
既に高評価の映画で私も心を掴まれ、涙を堪える事がやっとだったので、素直に褒めたいんですが、あの時間内に収める事が前提ならば、脚本、台本はあれ以上を求める事は酷というか、無理ゲーだと思います。
元々の原作がおそらくもっと膨大な情報量だった事は容易に想像がつくほど、映画の脚本はどこを削るか、という作業が大変だったと思います。所々でストーリーの連続性に飛躍があり違和感をいくつか感じました。特に3代目花井半ニ郎が闇堕ちしていく部分は時系列に沿って組み立てた方が自然だし、その後、小野川万菊の計らい?があったからなのか、よくわからんけど再び復帰して半弥と共演することになったとか、すみません、時間を考えると最大限配慮している事がよーくわかるのですが、私は二部作にしてもよかったかな?と思いました。歌舞伎のシーンをふんだんに味わって欲しい、という作り手側の意図はとても伝わったのですが、ストーリーを楽しみたい気持ちがあったので意見を言わしていただきました。
かなり贅沢な悩みなので、映画の出来は素晴らしいので堪能出来ると思います。
「国宝」は素晴らしい。でも女形の演じる歌舞伎役者を見たい
「国宝」を見ました展開が速くあっという間の3時間でした。
歌舞伎界からも絶賛されているのをみると凄い映画なんだと実感します。
テレビで歌舞伎役者中村忠蔵のドラマを見たことあります。
中村勘九郎が演じていて歌舞伎役者を歌舞伎役者が演じていて最高でした。
七之助が演じる女形もそのままに水が染入るように馴染んで素晴らしかったです。
「国宝」では吉沢亮も横浜流星も素晴らしいかったんですが、
映画の中で女形を演じる歌舞伎役者が今いないってことなのでしょうか‼️
華のある人じゃないとスクリーンには耐えられないのでしょうか。
立役なら中村隼人がいるのに
昔々大昔なら長谷川一夫か林与一か
女形出身の役者ってミーハーの私には思い当たらない。
女形は歌舞伎役者だけの専業になっているのですか。
大衆演劇にも女形がいると思いますが
やはり映画はイケメン俳優が演じるから歌舞伎界も褒めてくれるのかなと思いました。
俳優陣の努力の結晶
吉沢亮、横浜流星の演技、本物さながらの歌舞伎には
言葉を失うものがありました。
フラガールと同じ監督ということもあり
その魅せ方はさすがだなと。
本当に美しく、俳優さんはすごいなぁと感動しました。
…とまぁ、みんな絶賛してるのでここまでにして…
3時間もある中、描ききれず私的には消化不良なのは
①いつのまに吉沢亮と横浜流星にそんなに友情生まれたの?
横浜流星の懐の深さすごすぎる
②寺島しのぶのもっと怒る姿、見えないところで吉沢亮を傷つける姿も見たかった。
横浜流星が病気になった時は『あんたが病気になればよかった!』ぐらい吐き捨ててほしいところ
③高畑充希の心の動きはどうやってもわからん
どの面下げて会えるのか謎
④森七菜はどこにいったん?限界感じたってことでおけ?
とまぁ、美しい映画にしたいわけだから
ドロドロは少なめって感じですかね、
ざんねん!
芸を喰ったのか、喰われたのか
舞台上の女形の優美さに圧倒されました
原作未読。ストーリーは喜久雄という人物がひたむきに日本芸能へ注力した人生を描いた作品です。
舞台上の演者は俳優さんであることを忘れてしまうほど優美な動きで、一長一短でできるものではないことは一目瞭然であり、素晴らしかったです。
印象に残ったシーンは数多くありましたが、わたしは人間国宝の万菊と菊久雄の初対面のシーンが印象的でした。菊久雄を手招きする万菊の手の動き、声色とカメラワークに只者では無さが現れていて背筋がひやりとしました。
作中音声は息遣いまで鮮明に拾われていて、俳優さんの、それこそ心技体すべての演技を注いで作られた作品だと感じ幾度となく胸が熱くなりました。
予告で国宝を知って以来、観る事を楽しみにしていました。しかし3時間の超大作を暫く観ていなかったため若干ひるんでいましたが、実際観たら体感2時間。ずっと惹き込まれていました。ストーリーもカメラワークも、衣装も演技も素晴らしく記憶に残る作品でした。観て良かったです。
超大作はわかった
ホントは見るつもりなかったけど、あまりに見た人みんなが良いと思い評価されてるし、劇場の人気ぶりも凄いので、そんなに良いのかと期待して見ました
出演者も大物揃いで、制作期間も相当長い超大作なのはわかりました。(そうゆうのは結構個人的に外してるけど)
芸の道を極めるストーリーだけに、吉沢亮と横浜流星の熱演は大変なものだったと思います
が、作品的には私にはちょっと難しかった笑笑
才能か血筋家柄か?純粋に才能が評価される世界!と思ったら血筋が大逆転!という映画かと思ったら、健康がいちばん!と言う全てのことに言える結果に
そして歌舞伎の世界で脚光浴びる技術を持っても、違う畑では客のハートに全然届かないというのは、技術以外のものがこの世界では評価されてる?
芸のために多くの人を犠牲にして人間国宝になる国宝の価値観に?となったり
凄く作り込まれた作品ではあるものの、この話の着地点があまり明確に伝わらなかったけど、見応えはありました。
後から襲ってくる満足感
映画を見終わった後は、何とも言えない感情になった。
ああ、面白い!でもなく、感動!でもなく、何とも言えない感情。圧倒されたこの感情を、どう処理すれば良いのか頭が混乱し、とにかく今まで生きてきた中で、こんな感情は初めてでした。ただ、時間が過ぎるにつれ、何とも言えない満足感が溢れてきて、心がどんどん満ち足りていく。そんな不思議な体験でした。
また、悲しくもないのに、涙が自然と流れている状況にも驚きました。
特に吉沢亮の演技が、凄まじく驚き、李監督が、以前ある映画批評家に言っていた言葉を思い出しました。
その評論家が吉沢亮の素晴らしさを、つい最近監督に伝えた所、まだ彼は原石なのだとおっしゃったのだそうです。評論家はまだ私は原石の演技を見て興奮していたのかと驚いていました。きっと吉沢亮はまだまだ輝いていく、素晴らしい素材だと監督は見抜いていたんですね。
喜久雄と言う人物は、吉沢亮にしか演じられないと監督が言っていた意味が、映画を見て本当に分かりました。まさに、彼こそ国宝になっていける人です。そんな俳優さんに出会えて本当に光栄です。
また他の役者の方々も、最高の演技を見せてくれました。人の怒り、欲、孤独、悲しみ、沢山の感情が渦巻いている、深みのある映画です。絶対に映画館で見るべき映画です!
圧巻。
1年半稽古が必要だったというのもわかる、歌舞伎俳優としての、「女形」としての、舞踊、演技。
3時間も必要なのか?と半信半疑で観に行ったけど、3時間あっという間どころか、もっとくれ、もっと見せてくれという気持ちで映画館を後にした。
「血筋」と「才能」というシンプルにして永遠のテーマのような題材を予告で見せていたが、そもそも予告の部分は本作の半分にも満たないのでは?それくらい、後半の展開はうねりにうねっていた。
少年・喜久雄を演じた黒川想矢がどこかで観たことがあると思ったら『怪物』の主人公だったとは。冒頭、彼の女形が魅力的で、惹きつけられた。
花井半二郎(渡辺謙)の稽古シーンのパワーが凄い。
吉沢亮、横浜流星の二人それぞれの舞踊の違いがあって面白かった。
吉沢亮の「死ぬる覚悟が…」のシーン、あの声、良かったなぁ。
また彼のダークサイド的な一面を本作で見られるとは思いもしなかった。
そして、田中泯の圧倒的な強さ。素の会話のシーンのほうが多かったが、そこが強かった。(あのバァさん、いやジィさんか、と言われていたところは笑った)
これは、シネマ歌舞伎の需要が増えるだろうなぁ……いやいやそもそも歌舞伎ファンが増えるだろう。
撮影がソフィアン・エル・ファニという外国の方だった。「Pachinko パチンコ」で李監督と仕事をした縁で本作に参加していたらしい。気になっていたドラマだったので、「Pachinko パチンコ」を観てみたい。
全1924件中、1121~1140件目を表示
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