国宝のレビュー・感想・評価
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良い映画です!だけど…
前評判が高すぎて、ちょっと捻くれ者の揚げ足取りになってしまうかもですが、この作品が生涯観た中で1番綺麗だったとか、迫力の画像で映画館で必ず見るべしとか、最初から最後まで泣き通しとかは無いかな
そんな人達は黒澤の映画とか観てないのか?
キューブリックとか観た事あるの?と
まず歌舞伎の知識が無いと、ヤクザの息子役の役者さんの踊りのどこがどう上手いのか正直良くわからん。
叩き上げとエリートの対比も『あしたのジョー』の方が泣ける(極端ですが笑)
それと3時間は長い… 内容は濃くて緊張感もあるのだが長い… これがNetflixとかの10話シリーズとかで、このクオリティで作ってくれはったならもっと深くて、味わいがある物語が観れたんちゃうかなーと思います。
でも、でも、この映画で映画館で観る楽しみと、実際に歌舞伎を観たいと気づいてくれはったらええと思います。
良い映画なのは間違い無い
きっつい映画だった
日本版「セッション」
血と盟友と家族、すべてのものを悪魔に捧げて初めて辿り着ける境地、人間国宝。
「セッション」では成長や努力といった狂気を巧みな映像表現によって描いていたが、本作では「血筋への渇望」や「継父、盟友との死別」など、かなり記号的なストーリー上の事実を積み重ねているだけのように感じる。
芸を極めるために、家族を捨てることで得たもの、継父や盟友との死別を乗り越えた先で得たものというのが描かれていない。芸に邁進する姿というのも中盤以降あまり描かれず、
なぜ人間国宝に辿りつけたのか、辿り着けなかった者と何が違うのか、かなり不明瞭に感じる。
芸以外のものをなぜ捨てる必要があったのかを描かないと「つらい経験をして人間として強くなった」という非常に曖昧な結論にしか辿り着けず、説得力に欠けると思う。
画作りは圧倒的にきれいで、役者の演技も素晴らしいのでぱっと見は良い作品に見えるが、冷静に考えるとストーリーの重要なところは非常にぼやけている。
極めつけは最後の鷺娘。このシーンは歌舞伎以外のすべてを捨てた結果を示す、本作で最も重要なシーン。息を飲むような、あるいは息をすることすら忘れさせるほどの演技、演出が必要になるだろう。
しかしこのシーンではBGMを大音量で流していた。私にはBGMでごまかしているようにしか見えなかった。音楽が大音量で流れているから感動するような、そんなに簡単に人の心は動かない。実際の歌舞伎で流れるはずのない音楽を流すことで凄みを嵩増しして人間国宝を表現しようとするなんて、安直すぎる。
セッションと同様のテーマにしては説得力に欠けるし、そうでなければただ主人公の皮肉めいた人生を描くだけの作品に成り下がる。
画作りがすごくよく、役者の演技も良かったと思う。この映画独特の雰囲気がかなりあっただけに残念な一作。
吉田修一のスゴさとヌルさ
面白いよね。
観てて「さすが芥川賞を獲ってからエンタメ路線に転向した作家の作品」と思ったもん。
でもグレてしまった横浜流星が戻ってきて、今度は吉沢亮が追放されてしまうあたりで「ん?」と思うのね。
なんとか吉沢亮も戻ってきて、そしたら横浜流星が足を切り落とさないといけないってとこで「んん?」と思うの。
しつこいんだよね。この作品、そこまで「こっちを苦しめます、はい、次はこっち、ついででもう一回こっち」ってやらなくても描けそうな気がすんだけど。
普通のエンタメ作家がやってるなら気にならないんだけど、吉田修一だからね。《パークライフ》で芥川賞とった。ちょっと一言いいたい。
同じことの繰り返しになっちゃってる気もするけど、みんな繰り返し好きだから、多分、いいんだろうな。
みんな、なんとなく収まるところへ収まっていくけど、森七菜が可哀想だね。
完全に利用されただけだもん。「お、森七菜でてきた」と思ったら利用されてるからね。
役者はみんな良かったけど、なかでも高畑充希よかったな。
横浜流星が逃げ出す前後の演技がすごかった。久しぶりに高畑充希を観た。
吉沢亮は、芸に精通するにつれて、色んなものを失うんだよね。
見上愛は最初から「二号さん、三号さんでいい」って吉沢亮と真剣に愛し合おうとしないし、高畑充希は結婚を申し込まれても身を引く形で断る。
この辺が不幸といえば不幸だけど、自ら望んだ不幸で、芸を手に入れたからいいんだってことだね。
最後に三浦貴大が「あんな風には、生きられねえよな」と我々を代表して言ってくれるね。
観てる間『こんなシビアな世界に身を置かなくて良かった』と思いながら観てたからね。
ラストで出てくる瀧内公美もさすが。
これだけの出番で、とても大事な台詞をビシッとやり切れるのは瀧内公美ならでは。
あと映像観てて、1970年代の日本はきれいだなと思った。
日本の勢いが衰えていない頃というのが大きそう。
それでファッションがいまとほとんど変わらないね。横浜流星や吉沢亮の衣装でそのまま令和に来ても違和感ないもん。二周回ってトレンドになってんの。
そして映画は大ヒットしてるけど、分かる。
令和の映画といったら《国宝》が挙がる作品になる気がする。
李相日監督の手腕も確かだね。
題材の歌舞伎は日本人のDNAに刻み込まれてると思うんだよね。ここを扱うと響きやすいんじゃ。
それに「芸のために全てをささげる」っていう、なんなら「芸道」の感じが、日本人はそもそも好きだった。
芸に身を捧げて舞台上で死ぬのも好き。
世襲のボンボンを叩き上げの実力者が倒す構図も大好き。
こういうのを集めて、きちんと捌く吉田修一は凄い!
でも、そういうのは直木賞作家に任せておいて、芥川賞作家はもっと文学っぽい作品を書いてくれないかなあ。なあ、修一!
なんかすごいもの見た
人間の熱量を深く心に刻む感動の一作!
映画『国宝』は、周りの環境の変化にも振り回されつつも、仕事に対する誇りと、狂気じみたほどの熱中ぶりが強烈に描かれる作品。
やるか死ぬかの世界で、登場人物たちは周囲とのネットワークを活かして歌舞伎という伝統芸能の世界で戦っていきます。
その姿に、自分自身の仕事への向き合い方を正され、情熱や責任感の意味を改めて考えさせられました!!!
文化財を守る使命感と、人間の熱量が胸に響く一作です。
非常に質の高い人間劇
素晴らしいの一言。
題材の歌舞伎にまつわるシーンも素晴らしいが、人間劇の見せ方演技から役者の空気感から何もかも素晴らしかった。シーンの構成も冗長にならず、次次進んで視聴者に想像の余地を与えており、長時間の映画にも関わらず間延びは殆ど感じさせなかった。
主人公喜久雄の華やかな部分も暗い部分もそこに集積するいいことも悪いことも離れていくことも全てが喜久雄という人を魅せている。
また演者が完璧にセリフにコメられた感情、意図をこちらの想像を上回る演技の巧さで表現してきて、過剰さや作り物感がない。
一番心に残ったのは、途中曽根崎心中の代役を任され、本番前、眉を引くのに手が震えてうまく引けない後のシーン。複雑な立ち位置で切羽詰まった喜久雄の溢れ出た感情から出る台詞を見事に表現できていたと思う。このシーンは下手な役者が演じていたら絶対うまくいかなかっただろうと思う。
余り興味は無かったけれど、、オススメです
余り興味は無かったのですが、家族のオススメということで見てきました。
3時間の作品で集中力が持つか心配でしたが(観に行きたくて行ったジュラシックワールドでは一瞬ウトウトしたので)そんな心配は無用でした。
ストーリーだけを聞くともっとギスギスしたものを想像していたのですが、前半の少年時代は青春ムービー、大人になってからのやや重たい展開も人物の掘り下げ方を適度に抜いてて、嫌な気持ちにならずに観ることができると思います。
特に少年時代の話はデコピンだったり、チャリの2人乗り等見ていて温かい気持ちになれる光景が続きます。
舞台から観る客席、役者さんがすっぽんでせり上がり客席が見えてくるシーン等、絶対に観れないであろう景色をスクリーンで体験できるいい機会かと思います。是非、映画館で!
ここからは追記します
3時間の長丁場なので、トイレに立つ人もかなりいました。思わず時間を確認してしまったであろう方は携帯の画面を光らせてました。となりの御婦人の水筒も転がって来ました。
いずれも目くじらを立てるほどの事では無いのでしょうが、私からのアドバイスです。
すいてる時間に行きましょう
水分補給はチビチビと
トイレは事前に済ませましょう
上り詰めた果ての、孤独
最初のうちこれは 妖艶な狂気『ブラックスワン』のナタリーポートマン的なやつかな・と思ってたんですが ちょっとちがってました
歌舞伎に心酔した 多少の才能を見込まれた男の子が、それ以上の血の滲むような稽古で研鑽と努力を重ね 血筋の理不尽さや人生の浮き沈みを経験し ようやく高みへ上り詰めた果ての、崇高で下衆で甘美な これは孤独の物語
こんな残酷で美しい景色を 自分は知らなかったです
大人になった芸妓の娘の言葉がすべてな気がしました、伝える順序ってホント大事ですよねー
劇中の曽根崎心中もいいですが 個人的には、駆け堕ちした先の場末の旅館での舞台がよかったです、無表情 無焦点なところが余計に狂気めいてみえちゃいそうというか・
『半』が『全』になる
『説明不足、時間の流れが早い』等と散見しましたが、自分は想像の余地が有るあの位が好きです。
芸と血……二人の『半二郎』が、「目指していた景色」「上のほうの光」に共に到達する事で『全』になり、それこそが国宝なのかなと思いました。
※以下、自分なりの解釈と感想です。
①曽根崎心中に被せた逃亡の心理
喜久雄を通して結び付き、辛い現実から共犯(共感)者として逃げたように思いました。
俊介の「逃げたんちゃう」も芸自体からは逃げておらず、春江も「喜久ちゃんの一番のヒイキ」のままの気がします。
②いつ「全部捨てて良い」程になったのか
万菊の鷺娘が雪中の父の死を見せて、無意識に面影を追い始めた気がします。
安宿で野垂れ死ぬ万菊は、喜久雄の将来(全て捨てた姿)の暗喩なのかな。
③女性陣の存在
俊介母、春江、愛人、ドサ回り女、喜久雄の娘……女性を通して、役者の業と厳しさが見られました。
女性が可哀想だけど、男性陣もそれぞれが報われず、男女共に孤独だと思いました。
男自らが女達を捨てると言うより、失っていく感じがします。
④血統
喜久雄は芸で血統(俊介)に打ち勝ちますが、自身の血統(ヤクザの血と父の面影)からは中々逃れられず
鷺娘を舞う姿は『芸で仇討ちしたらええんや』を果たし、血としがらみから遂に解放された姿に思えました。
全て捨てて(失って)到達した舞はこの映画の一番の見所で、その余韻のままエンディングを迎えたのが良かったです。
一方で俊介は、血統で生かされ、その血統(糖尿病)で死んでいきますが、芸を全うする最期は、重すぎる血統に遂に打ち勝った瞬間なのかなと思いました。
残った脚も壊死してた時は泣けた。
⑤まとめ
対局のライバルの苦悩と決別がよく描けていて、最終的に到達した極致は、エンディング曲の歌詞『痛みも恐れも無い 光の果て』で再び出逢うようで素晴らしかった。
日本でしか作れない映像美と演技で、映画館でみるべき映画でした。
劇中・劇後の音楽も俳優さんを引き立てていたし、俳優さんの目の演技や所作は、本物の歌舞伎役者に見えました。
あ、あと着物もとても良かった。
吉沢亮、役者として純粋にかっこよかった
文芸大作のふりした青春大作映画
俺がレビューするような映画じゃ無いよねコレ。
兄弟同然に育った2人がある件を切っ掛けに反目しあうのだが、やがて共に大舞台に挑む事になる。
とても大雑把にこんな話だが、このプロットには覚えが有る。
そう「男たちの挽歌」だ。あちらは実際の兄弟だが。
「男たちの挽歌」に限らず、こんなあらすじの映画は古今東西沢山有ると思う。
いや決してこの作品をサゲてるわけじゃない。むしろこの伝わり易いプロットのおかげで老若男女問わず大ヒットしているわけで、自分の様な普段アクションやホラーしか観ない中二脳の映画バカでもとても楽しんで鑑賞する事が出来た。
実際体感の上映時間は「男たちの挽歌」と大差なかったし。
主演の2人である吉沢亮も横浜流星も圧巻の演技だった。「ババンババンバンバンバンパイア」との振れ幅の広さには舌を巻くほどだし、「春に散る」で見せたボクサー役からも1つの役に入れ込む姿勢が半端では無いのが伝わってくる。
やっぱり顔の良さに胡座をかく様なトップ俳優なんて居ないのだな。
歌舞伎の世界を描いた文芸大作映画なんて本来の自分なら触れもしなかったし、ぶっちゃけここ迄のヒットもしなかったと思う。この2人の熱演あればこそ作品に深く引き込まれて、普段全く馴染みの無い歌舞伎という文化の中に入り込む事が出来たのだと思う。
無論この2人を演出した李相日監督の手腕の高さは過去作からも疑いようが無いし、まるで本当に歌舞伎座に居るように錯覚させた撮影監督のソフィアン・エル・ファニ氏のカメラも見事だった。(過去作は知りません、すまぬ。)
目が眩む様な美術背景を演出した種田陽平監督についてはここで記すまでも無いでしょう。今や世界で活躍する " アーティスト " で、この方の起用はちょっと卑怯だと感じるくらいです。(笑)
作中にマスコミのいい加減さを差し込むのも李監督らしさだったと思う。
ほぼ不満点の無いこの映画だが、小さな不満が1つ有る。
女性陣の掘り下げが全く無い事だ。
これは監督が2人の物語には不要と判断した為だと思うが、3時間も有るんだし、ねぇ。
そんな中でも寺島しのぶ氏の安定の存在感はさすがでしたけどね。
馴染みの薄い歌舞伎の世界を描いた文芸大作映画ですが、中身は同じ夢を追う若者2人の青春映画です。
こんな自分でも大いに楽しむ事が出来たのですから、まだの方は是非。
自白
この作品をチョイスしたのは自分では無い。
夏休みに帰省した際に甥っ子がコレ観たいと言い出した。(自分じゃ絶対観ないよコレ)
どんな映画の出会い型が有ってもいいじゃない。てことで、レビューじゃなくて夏休みの日記です。
歌舞伎ファンとしてもエンタメとしても素晴らしかった❗
3時間長いなーと思いながら
始まった途端 冒頭のシーンから
引き込まれてました。3時間で
ふたりの一生を夢中で追い続けて
終わったあとはしばらく放心状態でした。
スクリーンでのドアップにも耐えられる
吉沢亮さん演じる喜久雄の美しさといったら…その姿も声もカタチも全てが
女形そのものでした。
喜久雄には歌舞伎座で女形を
演じてほしいほどにうっとり
見惚れっぱなしでした。
代々受け継がれる歌舞伎の血縁に生まれるということ 背負って行くその苦悩
俊ぼんを演じた横浜流星さんも
本当に素晴らしかったです
寺島しのぶさんの存在感がこの作品を
さらにグレードアップされたものにしていたと思います。何度でも観たい映画のひとつとなりました。
歌舞伎を観たこと無い方たちにも
お勧めです。
日本の誇れる作品だと思います。
映画以上に思える映画
お盆休みの最終日にレイトショーで見たが、1500円では申し訳ないと思うくらいの最高の映画。5点満点で6点付けたい。邦画ではこれが最高峰ではないか、この映画自体「国宝」ではないかと思う。歌舞伎役者を演じる俳優二人の演技が鬼気迫るもので、歌舞伎を見る目がない私は、彼らの演技で歌舞伎はこんなに美しいのかと、まるでその神髄に接したように感じた。役者が役者を演じるとこんなにも凄まじく、もはや演技を超えて、その人の人生丸ごとを投げつけられた気がした。演技指導した人も、その他のスタッフも装置もロケもエキストラも凄いと思う。何も手抜きがない。
実際に伝統芸能で血を越える逆転はあまりないかと思うが、あえてジャンルは書かないが、逆転の例はあったし、実子と婚外子の因縁の例はあった。血が支えてくれることもあるだろうし、演技が神がかって全てを超越することもあるだろうし、また色々なものを犠牲にすることもあるだろうと、芸と(芸を演じないわれわれも含め)人生の業を色々考えさせてくれる。
関西のあちこちがロケ地でいい味を出しており、やはりもともと芸事は上方かと風情を感じた。
直前に原作読破したお間抜けなワタシ
副音声ガイド付きでバリアフリーで鑑賞、なおかつ直前に原作を日本点字図書館で録音図書を聴き終えて鑑賞しました。原作が良かったのでどんな映画になっているか期待でしたがなんかイマイチ物足りない、
なお道成寺は能や歌舞伎でさんざん観劇してて原作もシナリオも入ってで和歌山の道成寺も行きました、歌舞伎より能の方が好きな私です。なんか違う、これはけなして言ってる訳ではないんです。マニアな人間にはなんかわかるありものがないです。
それと原作の演目と映画化した時演目の変更は好ましくないです。足を切断して舞台に上がったのは「隅田川」です。曽根崎人中ではないんですよね。もし足を切断して舞台なら一本刀土俵入とかに変更すれば良いのですがね。2人の舞とかを見せたいなら「二人静」とかいいかもですね。私は能や狂言、文楽や浄瑠璃とか歌舞伎とかいろいろ観てるもので映画化のは良くやってるのはわかるけどなんかなあでした。
録音図書は19時間ありました。それを3時間にだから仕方がないですけど。
しかし来年度の日本アカデミー賞はほぼ確実でしょう、キネマ旬報ベストテンでは読者選出では3位以内,批評家部門では5位以内にはほぼ確実でしょうね。
ある意味、幸せな人たち
人生かけて芸に身を預ける?こがす?ことが出来てある意味とても幸せな人たちではなかろうか?田中さんのそれこそ人間国宝がおどろおどろしかった。芸に体も心も乗っ取られた感じがした。
全2209件中、501~520件目を表示
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