国宝のレビュー・感想・評価
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国宝とは何か?想像力が試される。
ゴッホのことを想像するのが難しいのと同様に、市井で健康に普段の生活を送る自分には感情移入することは難しい。国宝の域、想像力が試される。
それでも、人間の業、執念や欲望、運命や選択、神と悪魔、目的と手段、生と死、孤独と親愛、さまざまな葛藤が映像、音楽でスクリーンに繰り広げられることで、偉大な芸術作品に接した畏怖を感じる。
そして、死の床でいったい自分は何を思うのだろうか、と考えさせられる。
惜しむらくは、尺を3時間に収めるにあたって、伏線が多すぎて、回収することを優先するあまり、大局的に重要なシーンがカットされているのか、観客を置き去りにしている部分がある。
配信ではカットした部分を補完したディレクターズカット版を出してほしい。
芸術性の高い映画
自己愛の果てにある物語
周りの人や身体を犠牲にしても芸を極めた人間にしか見えない景色がある…といった、自己愛性やナルシズムの果てにあるような内容で日本人は今こんな映画が好きなのか?と正直驚いてしまった。
それはもう表現したいものが芸ではなく、自分自身になってないか?と思うのですが。
バッドエンドとして描かれているのだとしたら話の筋は通っていると思いますが、バッドエンドして受け取らず、あれを美しい世界だと認識する人も多いのではと怖くなりました。
高評価に釣られて観たが…
この作品を情熱的に絶讃するレビューがあまりにも多いので興味が湧き観ました。吉沢亮、横浜流星の歌舞伎の舞台のㇱーンは綺麗でしたが、ストーリーは重いし端折っている感じで分かりにくく、主人公の妻となる女性との濡れ場も生々しくて悪印象が残ってしまいました。歌舞伎の世界にもあまり興味ないこともあり、あまり共感や感動は無かったです。
男2人、女2人、区別がつかない。。。
幼少期はほくろの位置でどっちがどっちかわかったが、青年期になったら、どっちが血の方で、どっちが才能のヤクザだっけ??って感じで、ヒロインも雰囲気が似ていて、どっちの女がどっちの彼女だっけ?ってなって、あれ??入れ替わってる??みたいな。
見分けるのに必死で、、、全然内容が頭に入ってこない。
せめて背格好とか髪型とか違う風にしてほしかった。
ミミズクの入れ墨のあるシーンだけでしか見分けがつかなかった。
あと、、、歌舞伎の教養が無いので、良さが全くわからない。歌舞伎のシーンも長過ぎる。
知識が無いので、ただ変な枝持ってチャンチャンチャンってやってる風にしか見えない。
2人で踊るやつも、2人ともバラバラだし、近代のダンスみたいに、2人動きがピッタリ揃ってる方が好き。
人気あるみたいだけど、男2人のセクシーシーンみたいのが多いから、それのファンが何度も通ってるのかなぁという。映画館も女性客が多い感じだった。
とは言え、ストーリーと言うか内容は良いもので、映画としては完成度が高いのだろう。
3時間が一瞬になる“大傑作”
この作品に出逢えて良かった
何回観たか数え切れないくらい観に行きました
吉沢亮、横浜流星の演技(歌舞伎も含めて)は言うまでもないですが青年時代の黒川想矢もまた素晴らしく、メインキャスト以外のキャストの力も本当に素晴らしい作品でした
日本の古き良き、そして古き悪き部分がテンポよく展開されてそれぞれの登場人物に感情移入しながらもそれぞれの弱さや狡さにいらいらしながらこの先の自分の生き方も考えるくらいにはたくさんの感情を与えてくれた本当に大切な作品です
特に歌舞伎部分は配信などより大きなスクリーンで見たいので上映が続く限りあと何度かは観に行きたいです
それこそ子ども時代にこの作品に出逢えていたら自分の年齢や生きるステージで見え方が変わっただろう作品なので学生の間に見られる方々にもぜひ観て頂きたいです
上映時間が長くて疲れた
終わり方が素敵
演出面
始まり方がやや金切り音がうるさいが、劇場のスピーカーの関係もあると思うが
もう少し、あともう少しだけ抑えてゆるやかに始まるような演出が欲しかった。
桜舞う描写の伏線が、主人公の吉沢亮くんとカメラマンの女性が過去を反芻し、今に繋がる描写の演出としてとてもよかった。
全体の表現したいことに対してのこの長さにしたのは正解だが、でもやはり3時間以上は長い。いらないシーンがあったはず。カットする勇気は映画を作る上で重要なスパイスだと僕は思う。
涙がつつつーと最初に自然と流れたのは、壇上に恐ろしい化け物がぁ〜 て
何かが(ごめん細部はめんどくさくていちいち調べたくない)舞うところと、吉沢亮くんの客席での恐れおののき泣いている表情の対比のところ。圧巻だった。
濡れ場も情熱的な演技で、終わった後のリアルさもお見事。胸が熱くなった。
これは物語なのでこういうフィクション
にして正解なんです。実際の歌舞伎を知りたい人はこの作品を見て、あ、本当はどうなんだろうって思って自発的に調べたり見に行ったりするんです。
渡辺謙さんが渋くてかっこよかった。
高畑充希さんがキレイだった。
森七菜さんは可愛かった。
満足。
歌舞伎版クロスロード伝説
クロスロード、1930年代のブルースミュージシャン、ロバート・ジョンソンの伝説であり、また自信の代表的な曲。『十字路に行って悪魔と契約し、誰にも負けないギターの技術を手に入れた』って内容でウォルター・ヒルの同名の映画のモチーフにもなっている。
この映画の主人公喜久夫が、お参りの際に隠し子から『なにを神様にお願いしたの?』と聞かれ『悪魔と契約したんだよ』と返すくだりや、最後の娘との再会で『悪魔さんに感謝やな』と言われるあたり、明らかに意識してると思う。
ヒルの映画はつっこみどころ満載のなんだかなーな作品だったが、これは傑作。3時間に私の膀胱が耐えられるか心配だったが、意識しなかったためか、難なく乗り切った。
ストーリーの切り方がシャープで余計な補足がない分、唐突に感じられる転換もなくはないが、説明しすぎよりはいいか。
聞けば実写映画で日本最高興行収入だそうでそれも納得。
芸に生きる人生
日本一の歌舞伎役者になれますように、、、そのかわりその他は何もいりまへん
女形と日本、を表現した作品
歌舞伎だけではなく、雅楽、舞台、建物、着物、空気......『日本』が凝縮されていて気持ちの基軸の部分からすでに高揚感があふれました。
町の感じ、お祭りの屋台、神社、、勘亭流フォントの垂れ幕...
数秒数分と画面が進むごとに豪華に漂う『和』を味わいました。
歌舞伎を題材にしていますが、歌舞伎というよりは「女形」の物語のように感じました。
男性が一生かかっても到達出来ない女性の心。
それははかなげで可憐で美しく可愛らしく、情念が深く執着が半端なく邪悪でもある。
女性には男性とは違う良い部分も悪い部分もあります。
喜久雄も俊介も、女性的な情念と執着、そして女性特有の卑怯さズルさを持っています。
役者としての魂を持つから情念が深いのか...
それもあるけど、『女形』だからというのもあるように感じます。
だけど、子供も作るし女も抱く。
『男』ではあるのだけれど、、最後に結局、本来一生分かることの出来ない景色(女性の心)を見ることが出来た。
という感じに収束したように感じました。
これは私個人の感想なので、実際は全然そんなことは何も意図していないのかもしれないですが、なるべくしてそういう風な空気が自然と織られたようにも少し思います。
国宝というのは、ある特別な景色を見ることが出来た者がなるものなのでしょう。
女形の場合は、女心に浸り男では味わえない景色を見る者が...なのでしょうか。
これを映画館で観ることが出来て本当に良かった。
日頃の行いが良いのかな。
文化と美、人生を描いた作品
吉沢亮さん主演、横浜流星さん共演の映画『国宝』が、2025年11月下旬、公開172日間で、観客動員数1231万人、興行収入173.7億円を突破。『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』を超え、邦画実写歴代1位という歴史的快挙を達成と、22年間破られることのなかった記録を超えた。わずか2カ月で23.7億円を上積みするというペース。
2025年11月15日から『国宝』初となる入場者プレゼントが全国の映画館で配布されると聞き、再度鑑賞に。
歌舞伎役者の視点で語られる舞台裏や楽屋の様子、小道具へのこだわり、実際の踊りの稽古について。師匠の病気の悪化から、代役がまさかの展開で人間関係がリアルに見える数分間、扇子に込められた意味、女性の立ち回りの変化含め、年数を重ねた展開の変化が絶妙に心地よく、人生観を感じる。悪魔との取引と例える考え深いセリフにも魅了される。
美術、衣裳、舞台、音楽といった多岐にわたる制作のこだわり、吉沢さん、流星さんが撮影までどれだけ努力と稽古を重ねたのであろう。美しい歌舞伎に一瞬本物の歌舞伎役者⁈と感じるほど、俳優という文字を忘れるほど。
個人的には、持病の合併症が悪化し、プロは心身ともにバランスを整える事も運とタイミングの一つとメッセージ性を感じた。
1人でも鑑賞を楽しめる作品。
日本の文化、美をぜひ劇場で。
これは、田中泯さんの映画。
俳優の方々、みなさん素晴らしかったです。
主役の二人も。渡辺さんも。
しかしながら私は、最初に万菊役の田中泯さんが出てきた時に
その圧倒的存在感、魂の入った演技に心が震えました。
この方がこの役でいなかったら、この映画の魅力は半減していたでしょう。
最後の床に伏してるシーンまで、圧巻でした。
ぜひ世界に出て活躍してほしい役者さんです!
ゴッドファーザーで言えば、マーロンブランド的存在ですね。
これからも田中さんに注目していきたいです。
映画自体もとても素晴らしく、飽きずに3時間鑑賞しました。
私的には、男二人の友情物語という側面が良かったです。
アメリカでも話題になりつつあるとのことで、
ぜひアカデミー賞取ってほしいです。
「血」を考えさせられる
圧倒された。吉沢亮、横浜流星、舞を身につけるのは大変だったろうなと思う。特に喜久雄の曽根崎心中と、最後の鷺娘の舞は圧巻だった。
曽根崎心中の「死ぬる覚悟」のセリフが喜久雄自身のものとして入った瞬間、鬼気迫る物を感じた。お初と徳が手を取って行く場面と、春江が俊介の手を取り、去っていく姿がリンクして対照的だった。
単なる歌舞伎役者としての成長物語だけではなかった。最初は、何故この映画がここまでヒットしたんだろうと思いながら観ていたが、「血」の残酷さや執念、気迫に圧倒される大作でもう一度観たいと思った。
あれだけ目をかけられた半次郎が、最期に呼ぶのは実の子の名前だった時の絶望感は辛かった。俊介が遺伝の病を発症したのも皮肉だ。
万菊さんの言うことには含蓄があって存在感ありすぎる。とても愛があって好きな役柄だ。「それでもやるの」というセリフは特に印象的。初めから喜久雄のことを目にかけていたんだと思う。
最後の場面はすごく綺麗で、すぐそこに本当にいるかのように見えた。映画館で見たほうがいいと言われていたのはこういうことだと思う。きっと喜久雄の見たかった景色がそこにあったのだろう。「しっかり見ておけ」と言って、誇りを持って死んでいった父の姿。その時の景色がずっと喜久雄の中にはあったと思う。
歌舞伎の血を持てないことを呪い、悪魔と取引をして芸のために真っ当でないやり方もしてきた。泥水をすすった経験をしたからこそ、父(自分の血)の生き方も含めて「綺麗」だと言えるようになった、ということか。あるいは父と同じ景色を見ることができている、ということかもしれない。
エンドロールで流れる、井口理の歌が作品の美しさにマッチしていてさらに感動した。
全2339件中、21~40件目を表示
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