国宝のレビュー・感想・評価
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長すぎるのがもったいない
同名小説を映画化した『国宝』。
主演の吉沢亮演じる喜久雄と、横浜流星演じる俊介のライバル関係は、血筋と才能という如何ともし難いテーマを軸に、対立と共感が複雑に絡み合う。
脇を固める俳優陣も秀逸。田中泯の妖艶さ(本物の人間国宝っぽい)、寺島しのぶの静かなるも強烈な存在感(本物のおかみさんっぽい)、そして渡辺謙の熟練の演技(本物の歌舞伎役者っぽい)など、それぞれが物語に厚みを持たせている。
一方で、上映時間175分という長さはマイナスポイント。間延びしたシーンも多々あり、冗長で後半は集中できなかった。もっとコンパクトにすれば素晴らしかったと思う。
せっかくのダイナミックな視点の映像や演技なのに、途中で席を立つ人もいてなんだかもったいなかった。
映画としての構成に課題を感じる。
勧められて鑑賞👍自身では絶対に行かないジャンルですが面白いよ〜とか...
いい映画なのでしょうが。
覇王別姫の名前を出さないで欲しかった。
元々見るつもりはありませんでしたが、覇王別姫に影響を受けていると監督が仰っていたと知り見てみました。期待値が上がって、歌舞伎の立女形や真女形など軽く調べて映画を鑑賞しましたが、全然違いました。名前を出さないでほしかったです。
終始、2020年代の俳優が1960年〜2010年代の衣装をきてる感が拭えず、現代風のセリフ回しや髪型で最初の学生時代のシーンなんかは現代の青春映画を観てるのかと思ってしまいました。それでいてこの時代ではいけないという理由が特にないため、没入感がなく最初からツッコむような姿勢で見ざるを得ませんでした。
学生時代に出会った二人が次のシーンではいきなり仲良くなってるところも不思議でした。暴力や規律で徹底的に削られた環境で「芸だけが生きる手段」という切迫感や、その閉鎖的な空間が二人の関係を生み出したというような描写があればまだ感情移入できたと思います。
喜久雄が真女形なら舞台の上だけでなく日常の所作や生き方全てを「女らしさ」に捧げているくらいの作り込みが必要だと思います。そして、真女形が多くの人を魅了するのは、単に生物学的に女に見えるからではなく、実際には存在しない「女」として生きているからだと思います。だからこそ美しいのではないでしょうか?
「悪魔と取引した」という割にその代償や魂を削られてもやってやるみたいな決意や執念深さがいまいち感じられませんでした。「悪魔」=男社会の閉鎖空間での権力関係やそういったものをイメージしていましたが、役を得るために好きではない女と付き合ったという描写だけ。
全体的にキャラクターのセリフによる説明の多様、女性キャラクターが舞台装置的役割でしかなくキャラクターとしての描写が弱すぎたり(男社会だからこそ女性がどう生きるかが描けるのに!)、名門の跡継ぎの妻として入れ墨ある女がテレビに出てたりなど、色々ツッコミどころはありましたし、最後のシーンでは、あぁ、本当に蝶衣は美しかった、レスリーチャンは本当に美しかったって、映画自体に感動するんじゃなくて覇王別姫を思い出して泣きそうになりました。
横浜流星さんの演技はすごく良かったです。女形の時のわずかな口角とか表情とか素敵でした。歌舞伎界に忖度しているのか、闇という闇はなく、芸はこんなに残酷で、でも美しいというところまで突き詰めてほしかったです。
追記
私はこの作品を覇王別姫と比べて、どちらが優れている、劣っているとレビューしたいわけではありません。ただ、監督が「覇王別姫に影響を受けた」と発言していたため、その思想や骨格を受け継いでいるのではないかと期待してしまいましたが、実際には、構図やポスターといったビジュアル面の模倣だけで、作品全体からリスペクトが全く伝わってきませんでした。むしろ覇王別姫の名前が宣伝のために消費されただけのように思えてしまい、ただただ悲しかったというだけです。この発言がなければ、私はそもそも映画館に足を運ぶことも、こうしたレビューを書くこともなかったと思います。(ある意味では正しい宣伝の仕方なのかもしれません笑)
また、私のレビューが覇王別姫と比較していると受け取られてしまった方もいるようで、少し残念に感じます。私は映画自体を観たうえで感じた不満や違和感を中心に書いたつもりです。
覇王別姫は私にとって大切な作品だからこそ、誤解されたくありませんし、このレビューによって覇王別姫が悪く思われることも望んでいません。もちろん、観ていない人を否定したり、観るべきだと押しつけたいわけでもありません。
3時間があっという間に終わった
演技良き、カメラワークも最高。
歌舞伎ってそんなにもうからんの?渡辺謙が死んでいっぱい借金あったみたいなので驚いた。人件費とか稽古場とかの固定費がけっこうかかるんかな?
近所の道明寺でてきて嬉しかった。
最後の吉沢亮の老けていくメイクだけが微妙でちょっと残念。流石にこんな見た目の年寄りがおるか!って言いたい。渡辺謙の老けメイクは良かったのに。
鑑賞日:25/08/26(火)
世界に誇れるクオリティ!
役者の本気
原作にリスペクトはあるのだろうか
とても前評判が高くネットで調べたところ、そもそも小説が素晴らしいとのことで小説を読んだ
個人的にラストはそこまで好きではなかったものの、全編を通して素晴らしかった。
満を持して映画を見た。
何これ?
大作を3時間に収めるので、ある程度端折る事は仕方がない。
そこは腕の見せ所。
それなのに
とにかく不要なシーンを付け足す。
そして必要だと思われるシーンを端折る
父親を殺した人間が、芸の道に斡旋したことをなぜ変える?この存在が無いから話の芯が欠けてしまっている
春江との濡れ場からの結婚しようとの流れ必要?
春江のキクオの一番の贔屓になってペルシャ絨毯買うたる、って小説でのトクジのセリフを春江に変更して、それ言った春江が俊ぼんと結婚したらお贔屓になんかなれないじゃん
キクオが歌舞伎に熱中しすぎて春江を相手しなかったからこそ、裏でシュン坊とできてしまったんだろうに、映画だと春江がただ悪い女に見える。
女将さんの幸子は、初見では親にはなれんし、いつまでも置いとけんみたいな話はするも、どうせ仲良くなるから、今日明日で喧嘩終わらせとき、みたいな粋な言葉をかけたりする
映画以上に人情味のある女将さん
あきことの濡れ場も必要?
親父に殴る蹴るされたら、何をしたか十分伝わる。
子供がお父ちゃんって、追っかけるシーンも要らない
キクオが悪魔に何も要らんから歌舞伎を上手くして欲しいってお願いしたと子供に伝えるシーン
子役の表情がとても良かった。それだけで十分伝わるのに、なぜわざわざ追っかけさせた?
俊ぼんが、何を頑張って復活したか、キクオが何をどうやって復活したか
端折りすぎてて二人の努力が全く伝わらない。
代役の曾根崎心中、ラストの2人での曾根崎心中は、本当に見応えがあり、歌舞伎を知らない人間だけれども、歌舞伎の映像には感動した
それだけに、とにかくストーリー全般が原作から端折りすぎてて、とっても薄く感じた
もっと原作に深い愛情があれば、もっと良い映画になったであろう、
誰か原作を深く愛する監督さんに、上、下の2作で完全版として取り直して欲しい
3時間でも大丈夫でした。
凄い
よく3時間でまとめたと思う
嫡出子と非嫡出子のつらさはあるが、この2人は同じ方向で描かれていた気がする
養子になってお披露目になった愛之助さんは大変だったろうと思う
田中泯氏の手つきに震えた
出会えて良かった映画。美の衝撃がすごい
とにかく美しい…。
少年時代、父親が殺されるシーンがあまりに美しく恐ろしく描かれていたのが衝撃で、それがラストに繋がっていく様に、美の価値観を揺さぶられました。
芸に生きる人の生き様は、こんなにも孤独なのか。その果てしない孤独の中に、ずっとずっと求めていたものがある。こんなに美しいラストシーンは、他のどの映画にもないでしょう。そんなシーンにふさわしい、美しい歌が聴こえた時は、魂の震えというものを感じました。
役者さんについて。
少年時代役の黒川さん。あどけない顔からの、あの色気は凄まじかったです。静かに燃える炎が、確かに見えました。将来が恐ろしい役者さんですね。
吉沢亮さんも、もはや喜久雄としてしか見れなくなってしまいました。それほど、喜久雄は生きていました。
印象に残ったシーン。
多すぎて上げきれないですが…
・黒川さんの舞台のシーン。会場の空気を完全に掌握していました。圧巻でした
・曽根崎心中の練習(病室で)のシーン。「演じる」ということがこんなに人を感動させるものであることを、初めて知らされた気がしました。
・曽根崎心中の舞台に立つ前、震えてメイクができない喜久雄と俊ぼんのシーン。血と、才能。それは決して二元論ではなく、交わり、支え合っていけるものなのだと信じさせるのに足るやりとりでした
・白虎襲名の際に白虎が倒れたのを見て、動けなくなった喜久雄と、それを刺す万菊の目。全てを見透かす彼の目がとても怖かった
・屋上で喜久雄が踊るシーン。取り憑かれていましたね、喜久雄も観客も。
・俊ぼんと喜久雄の曽根崎心中。映画であることを忘れ、私は歌舞伎の舞台に入り込みました。歌舞伎の舞台?いや、曽根崎心中の世界に入り込んだ。ドキドキして、美しくて、涙をこらえるのに必死でした
・そしてもちろんラストシーン。喜久雄が見つめていたものは何だったのでしょう。芸の神様?父親?半ニ郎?俊ぼん?いずれにしても、生死を超越した何かであり、美しいものであったのでしょう。
芸を極めるということ
3時間飽きさせないテンポ感でもっと描いて欲しい部分もあるくらいで、切り詰めて切り詰めての3時間なんだと思う。歌舞伎の世界に復帰できた理由に関わる部分や人気絶頂の演目も見てみたかった
人間国宝の芸を見たことがあるわけでもないので何とも言えないが、芸に魂を売ることの意味。あらゆることが芸の肥やしになると言われる世界で、血筋の理不尽さに葛藤することや、芸のために他者を利用すること、婚外子を作ること、義兄弟の将来を奪ってしまうこと、仲直りをすること、義母の心無い言葉、義父の執着、自分の才能に溺れること、挫折、あらゆる経験が芸に反映されて、老人といわれる年齢の男性が若い娘を演じる際にこれまでの自身の経験や自分が傷つけた女性のことを思い出すように演じることで細部に神が宿る。そうゆう歌舞伎の世界があることを描いた作品なんだと思った。だからこそ国宝になれたのは全ての人をおかげなんだと本気で思っている、婚外子のことも最初からわかっていたけど芸のために必要な過去であった。ここで謝ったりするのは自分の芸の到達を否定することになるので、謝ったりはしないけど人のおかげで到達できたことを理解しているし感謝している。そうゆうことと解釈した。
別世界すぎて共感とかはできないけど、綺麗事じゃない世界の美しさ、儚さを感じて納得させられた。
病室での曽根崎心中の練習シーンと結婚式場の屋上のシーンが個人的にはベストアクトだった。
オールドメディアのゴリ押し映画
大手事務所ありきの映画かな?電通など利権関係も絡んでるんでしょう、テレビでかなりの量の広告をうっていますねそういった意味では広告宣伝費にかなり巨額なお金をかけているのでしょう、たいしたことない映画です。F1か鬼滅の刃を見ることをお勧めします。
これほど美しい映像表現にはなかなか出会えない
陰湿な物語だった。
主人公が性格悪い。
結局のところ主人公は周囲の人間にした仕打ちについて全く反省していない。人に対する責任感がなく、人との関わりを全て自己陶酔に繋げてしまうナルシスト。
物語はそんな主人公を落ちぶれさせることによって「表面上」非難しているだけ。ラストの娘との再会のシーンは、娘を主人公を飾り立てるだけの舞台装置としか扱っていないことがわかる。
結局のところ犠牲者は主人公の人生の飾りだったと伝えたいのかと解釈してしまった。
原作ではもう少し血の通った物語であると聞いたため、ここまで陰湿に仕上がったのは脚本と監督の手腕のせいだろうと思う。
映像は終始美しかったが、ちょうど飽きてきたところで瓶を叩き割ったり、殴り合いのシーンが始まるのが嫌だった。
こちらが無理やり叩き起こされている気分になって精神的に疲れた。
日本映画史に残る傑作
面白いとか、感動とか月並みな感想を超えて、ただ、ただ凄い映画を観た!というのが正直な感想。こんな作品は観たことがない。ただ一途にひたむきに歌舞伎の芸に没頭する人間の生涯を垣間見たと言えばいいのか。吉沢亮と横浜流星の圧巻の演技(ホントに凄いです!)。そして人間国宝役の田中泯のこの世のものとは思えない幽玄な佇まい。その世界観に圧倒された3時間。長尺だけど、一寸たりとも目が離せず、見終わった後に茫然自失となり、立ち上がった際には膝がガクガクしてました。映画好きの方は是非映画館で観ていただきたいです。
ん〜やはり…
全2125件中、341~360件目を表示
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