国宝のレビュー・感想・評価
全1878件中、241~260件目を表示
芸の血と病の血、血統(血糖)
あまりにも話題になり過ぎてて観る気になれなかったけど、毎年夏休みにベタなもの観る恒例のやつってことで…
結果あたしとしてはそこまでじゃなかった、話のスジはめっちゃ面白かったけどね
いかんせんあたし
小さい頃から花柳流日舞、大人になってから東流日舞
3歳から30年以上三曲で箏三味線・地唄をやってたから
慣れ親しんでいる目には踊りがさ、やはり年月かけてないのが分かっちゃうんだよね
でもあそこまでやるのは相当なことだと思う
吉沢・横浜両氏に拍手!
あと子役ふたりにも拍手!
藤娘や道成寺のふたり踊りは素敵ね、なかなか見られない
古典をある程度習熟している上に、前衛にも通じてるあたし、田中泯の舞踏も20年以上前から生で見てる
国宝万菊の役として踊っているのに映像の中では
前衛舞踏の田中泯の身体が着物の下に透けていて
ちょっと笑っちゃった、隠せないもんだなと…
とはいえ全編集中して観た、特に曾根崎心中
代役に立った東一郎キクちゃんの舞台と
のちの義足になってしまった半弥が演じる舞台
どちらもすごかったね〜役者だね〜
今回長丁場の映画、何も飲まず食べず鑑賞したけど
隣の女性はすごく気を遣ってポップコーンを音を立てずしゃぶっていたが気配はずっとあって笑
よりによって
隠し子の女性カメラマンが対峙するシーン
「覚えてるよ」と言ったところで
ぼりぼりぼり〜っとポップコーン食べた笑
映画ではありますけど
久々に地方(じかた)の演奏を聴かせて頂き
*たぶん杵屋さんだと思うけど
地唄、地唄三味線の風情を楽しみました…
『さらば、わが愛』には及ばない
あんまり観る気は無かったんだが、李相日監督が京劇を題材にした中国映画『さらば、わが愛 覇王別姫』を1990年代に観て、いつかああいう映画を作りたいと思っていたと言っていたという記事を読んで、監督同様に『さらば、わが愛』に感動した1人として、じゃあまあ観てみるかと思い観た。吉田修一の原作は未読。
うーん、それでハードルを上げすぎたかなぁ。悪くない映画だとは思うが、さすがに『さらば、わが愛』には遠く及ばない。確かに超豪華キャストで全員が好演してるし、歌舞伎も素人なんでよくわからないが素人目には素晴らしいものだったと思う。セットや美術などの時代考証もとにかくかなり金を掛けていることがうかがえ、映画としての出来は間違いなく良い。ただ……。僕が90年代に『さらば、わが愛』を観に行った理由は、京劇に興味があったわけでは全くなく、1つには女優のコン・リーが主演の1人だったからということがあり、もう1つは時代背景である中国近現代史と濃密に絡み合ったストーリーだったからというものだった。北洋軍閥時代から満州事変、日中戦争、国共内戦、反右派闘争、文化大革命と続く激動の中国近現代史の中で、移り変わる権力に人生を翻弄されていく2人の男と1人の女の姿をどこまでも残酷に映し出していたのが素晴らしかったのだ。一方、『国宝』では1960年代から2010年代が舞台となっているものの時代背景や社会状況などはほとんど描かれず、もっぱら主人公2人の人生のみに焦点を当てている。権力者の交代と歴史の激動という外的要因で主人公たちの人生が動いていく『さらば、わが愛』と違って、主人公2人の内的要因で物語が動いていくため、2人の人生がちょっと不自然なほど波乱万丈に描かれすぎているきらいがある。おそらく原作がそうだったから映画もそうならざるを得ないんだろうが、僕の求めるところとはちょっと違っていた。まあ1920年代から70年代の中国に比べると、60年代から10年代の日本はそもそもそれほど激動の時代ではないからと言ってしまえばそれまでなんだが。
またコン・リー的なヒロインは存在せず、高畑充希・見上愛・森七菜がリレー的に登場するものの彼女たちのキャラクターはあまり掘り下げられてなくて、やや型通りの人物像に収まってしまっている。さらに吉沢亮が一時落ちぶれるあたりで見上愛と森七菜は相次いで舞台から退場してしまい、その後登場しないのも不満なところ。見上愛のほうの話は最終的に回収されるが、森七菜のその後には全く触れられないというのはやっぱりちょっとどうかと思う。なお映画の最後のほうに瀧内公美が登場するが、最初はロングの後ろ姿でモブのように映しており、途中からちょっと寄って斜め後ろのショットになった時に僕はもう、あれ?瀧内公美じゃね?と気づいた。瀧内さんが無意味なちょい役なわけないから、これはひょっとして……と思ったらやっぱり予想通りの役でした。女優陣で実は1番おいしい役だったんじゃなかろうか。
結論としてはもちろんよく出来た映画だが、やっぱり『さらば、わが愛』と比べちゃうとなあ、という感じ。もちろんそもそも比べること自体がどうかとも思うのも確かではあるが。
芸事を極める緊張感と喪失感
今年一番話題の映画を鑑賞。既に上映開始から2か月以上経っているのに、朝9時開始の回で9割がた席が埋まっているだけでも話題性を実感した。
極道の倅が親を失い、歌舞伎役者に拾われて世界に足を踏み入れ、全てを捨てて命を懸けて人間国宝に上り詰める50年を描いている。
自分なり惹かれたエピソード
①悪魔と取引をしていると隠し子と話しラストに繋がる部分
②役を懇願しに行った際、章子の父から「役者風情が・・・」という台詞。
芸事・芸術を極めるためには魂を悪魔に捧げ、他の全てを犠牲にしていく覚悟がじりじりと伝わってきた。
役者なんてもんは人以下なんだと言っているようで。だから極めた者は人以上に成れるというように捉えられた。普通の人の物差しで測るなと・・・
この映画の為、歌舞伎の演技の為に随分と長い期間鍛錬を重ねたようだ。
それでも人生を懸けた本物歌舞伎役者からはツッコミ所満載なんだろう。だけど、歌舞伎を映画に昇華したエンターテイメントとしては素晴らしい映画だった。きっと暫くはこの映画の恩恵で歌舞伎界も潤うじゃないだろうか。
うまい役者の歌舞伎一代記
吉沢亮さんに感服!
いろんな示唆が得られた
衝撃的なスタート。目の前でヤクザの組長である父が射殺される。その後かたきうちに失敗して、たまたま射殺現場で同席していた歌舞伎役者の家に引き取られる。
厳しい環境のもとで芸を磨けば地位を気づくことができるというサクセスストーリーの面。実子を外して部屋子を代役に抜擢する、本心ではそれでいいのかもしれないが、大きなハレーションを起こすという事業承継についての教訓。しんどい時代を経て、再び2人で舞台に立つという友情物語。歌舞伎の世界の厳しさが伝わるという面。人を育てるにはハラスメントなんて言ってられない、その人の骨格を作るには厳しさが必要という教訓。
いろんなことを考えさせられ、そして歌舞伎に興味を持った。
関西弁が…
大ヒット日本映画はこれまで基本、観てこなかったが、小説の映画化ということもあり鑑賞。バラエティにも出る一流有名俳優が出てくるので、やっぱり邦画は入り込みにくい。それでもストーリーは次々と展開して面白く、長さを感じさせない。
子どもの喜久雄が引き取られて厳しく躾けられるまで、半弥と東一郎がW女形として舞台で喝采を浴びるが半二郎の代役は東一郎が選ばれて半弥が去るまで、襲名の挨拶で半二郎(白虎)が舞台で倒れるまで、東一郎の出自が暴かれてどさ回りの役者に落ちぶれるまで、喜久雄と俊ぼんが再会・和解し2人でまた舞台に立つまで、俊ぼんが倒れるまで、そして国宝となった喜久雄のインタビューのシーンという章分けになっているみたい。
基本的に表舞台に立つ人物を描いており、歌舞伎役者でない人気俳優の熱演を通して華やかな世界の彼らが想像以上の努力をしているのだということもだが、むしろ瀧内公美の「あなたがスポットライトを浴びる影で何人の人間が辛い思いをしてきたか、何人を傷つけたか分かっているのか」と迫るシーンが最もグッときた。
吉沢亮と横浜流星の歌舞伎に対する努力は相当だと思う一方で関西弁のイントネーションが明らかに変な箇所があり、めちゃくちゃ気になった。関西弁は最もメジャーな方言だと思うが、生まれも育ちも首都圏という人にはそんなに難しいのか?
また田中泯の登場シーンは本物のベテラン歌舞伎役者っぽい何とも言えないオーラが、圧巻だった。
あと宮澤エマちゃんがきれい!
見るべき一本です
目指していた所
鬼気迫る。
稽古は辛くて、逃げ出したくなる程だけど
逃げない。
切磋琢磨できたのもお互いの存在があったからだ。
節目には互いに想いをぶつけ合い、
またいつしか戻る
親友っていいよね。
国宝を目指してたわけではないけど、
人間国宝となると色々なプレッシャーもあり
終いには孤独だ
得る物も大きいが
喪失感もまた。
歌舞伎部分はすごいがストーリーにしわ寄せが
出演者の演技や、歌舞伎の映像など、どれだけの情熱や労力を費やしたらこれだけの作品が出来上がるのか想像も着かないほどでした。
原作未読のため、原作では描かれていたらなら申し訳ないですが、映像が素晴らしい分、かえってストーリーの不自然な部分や飛躍している部分が目についてしまいました。
例えばですが。なぜ俊介があのタイミングで戻って来るのか、違和感を覚えました。いちばん喜久雄に不都合なタイミングを狙って引きずり下ろすため、ということであればむしろわかるのですが。ある程度の衝突は描かれていたとはいえ、その程度でまた2人で舞台に立つくらいの関係にまで戻れるのだろうかと、今一つリアルに感じられませんでした。
また、家を飛び出した俊介は、もっと早く帰ってくるのであればまだしも、もはや喜久雄と共演できる可能性がゼロといえるほどの長期ブランクをあけてしまってからひょっこり現れても、勝算あるのかと。
喜久雄との技能差を埋めるべく尋常でないほど稽古をしたということなのかもしれませんが、その間喜久雄も立ち止まっているわけではなく自分の稽古をしているわけですし。もし俊介がそれだけの努力ができたのであれば、そもそも歌舞伎界から離れず済んでいたのではないかと思えてしまうので、不自然というか矛盾を感じてしまいます。共演ではなく、喜久雄をつぶして俊介ひとりが跡取りとなるため戻ってきた、ということだったらまだ納得しやすいのですが。
俊介が亡くなった後、喜久雄が人間国宝となるまでの経緯についても、映像ではほぼ何も描かれず不自然に感じました。喜久雄を支えようとした人物が、もともと俊介とその父しかいなく、その2人ともいなくなった不利な環境下で、どうやって喜久雄が人間国宝にまでなったのか、何もわかりませんでした。喜久雄を快く思っていない、その他全ての人々から引きずり下ろされても良さそうなのに、そうならなかったのは喜久雄が相当な苦労を経ての一大ストーリーがあったはずなのに、何も描かれていなかったのはなんとも奇妙です。せっかくタイトルが(人間)「国宝」なのに、映画ではそこがわからずじまいでした。あまり幸せそうにも見えず、支えとなっている人たちもどうも見当たらなく、謎のままでした。
歌舞伎の部分を20~30分削っても、その部分を描くべきではないかと思いましたが、映画興行的にはそういった地味と思われるシーンに時間を割くのは難しかったのでしょう。
脇役だのみ
主人公・子役の黒川想矢、人間国宝役の田中泯、この二人がいなかったら……
とにかく、脇役が輝いてる映画。主役がダメなのではない、無理すぎる。歌舞伎をよく知らない私でも、やはり素人にここまでの大役させちゃダメでしょ、と感じた。監督は「決め手は吉沢亮の存在」と言ってて、彼の才能もカリスマも分かるけど、それを超える役。させるなら中村七之助など、本物を使ったほうが…… 分からないな。
その中で黒川、田中の二人は画面を飛び出す演技をしてた。これは見る価値あり!
最も残念なのは女性陣の使い方。原作ではどう書いてあるか分からないが、本作では納得出来なさすぎ。消化不良感、満々。それに高畑と森、顔系統似すぎ。
もいっかい見ることはないかな
Absolutely Spiffing!
お誕生日とクリスマスとお正月がいっぺんに来たくらい
素晴らしい作品です。役者さんの演技も、踊りも、衣装も、着物も、音楽も全て美しいです。久しぶりに同じ映画を2回も見ました。私は、李監督の作品は初めて見たのですが、見ている側の想像を掻き立てられる、長いお話を上手く綺麗に面白くまとめられた作品だと思いました。自分の試験が終わったら、もう一度見に行くのが楽しみです。
スペシャル過ぎて称賛の言葉が思いつかない
本当に素晴らしい映画でした。これは映画館で見なければ駄目な映画です。テレビ放送なんて見たらCMが間に入って雑音になります。当然間にCMが入るサブスク系も持ってのほかです。3時間が本当にあっという間でした。全てがスペシャル。俳優陣も素晴らしい、演出も素晴らしい、映像も素晴らしい。主演2人の友情が本当に心地よかったです。いや~いいもの見ました。これは映画館で絶対見るべきです。多分今まで見た映画で1番と言い切ってもいいです。
称賛しか思いつきません。今年の映画賞は全部持ってって下さい。凄い。面白い。まだ称賛が足りませんがこの位にします。映画館で絶対見るべきです!
後、教養なくて歌舞伎わかりませんでしたがきっと食わず嫌いなんだと思います。興味持ちました!
ただただ美しいばかりでなく
素晴らしく美しい映像
全1878件中、241~260件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。