国宝のレビュー・感想・評価
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3時間が苦にならない良い作品だけど…
とても評判がいいので見に行きました。なるほど、3時間という長さが気にならず、最後は終わるのが寂しく感じるほどでした。
ただ、採点を5点にしなかったのは、2つほど気になったところがありまして。(以下ネタバレです)
まず、最後のほうで、年をとった主役の立花喜久雄(吉沢亮)を撮影するカメラマンの女性が、実は立花と愛人の間に生まれた子だったということで、その女性は立花に向かって、あなたを父と思ったことはない、と批判しながら、あとに、立花の舞台には拍手を送ったという趣旨のことを言うシーンがあります。ここが、私にはきれいすぎる作り物感を感じました。この作品は映像もストーリーもとてもリアルに展開してきたところが良かったので、ここは見ながら違和感を感じました。
もうひとつは、これも最後のほうで立花が人間国宝になるのですが(先の写真撮影がそれ絡みだったかも?)、これには唐突感がありました。立花はいろんな、中には悲惨な回り道をしながらも歌舞伎の世界で生きてきたのは感動的なのですが、決して役者としての王道を歩んだわけではないと思える彼の評価は分かれるのではないかと感じていました。それが、人間国宝になった経緯や過程が語られないままだったのは残念な気がしました。「国宝」というのは作品の題名でもあるのでなおさら…。
という感想を家族に話したら、そんなのあまのじゃくじゃんと一蹴されました。まあそうかもしれませんが、原作はどうだったのか?機会があれば読んでみたいと思います。
ともかく、3時間楽しめる素晴らしい作品であることは間違いありません。最後ですが、吉沢亮のすごさを感じました。
人間国宝、歌舞伎役者、素晴らしくも恐ろしい世界。
3時間という長さを感じさせない展開。若い二人の男の子が稽古に励み、励まし合って成長する姿から、大人になり素晴らしい歌舞伎役者として舞台に立ち絶賛される。その後の人生は波乱万丈。最後の方は数奇な二人の男性をフラッシュバックのように映し出した。
何と言っても、吉沢亮、横浜流星の二人の俳優の女形歌舞伎役者の素晴らしいこと。特に曽根崎心中は一番の見どころと思った。平日にもかかわらず、多くの女性を中心にかなりのお客さんが来ていた。ロビーでは「また来ようね」との声も聞こえた。
もちろんいい映画は認める上で。。
すごいものを見た
役者さんたちは一体どれだけの努力をしてこの作品をを作り上げたのだろうか。
伝統芸能のような型のあるものはただでさえ難しいと思う。それを未経験者が、感情を込めながら、こんなにも美しく見せるなんて。歌舞伎のシーンはもうそれだけで見る価値があるような美しさで、うっとりと見入ってしまった。まるで歌舞伎の舞台を観に来ているのかのように、自分が映像と一体化するような錯覚を覚える瞬間もあった。演技も良かった。特に喜久雄、俊介は本当に彼らが彼らとして生きているような感じがした。吉沢亮さん、横浜流星さん本当にすごい。格好いいだけじゃない本物の役者さんだった。魂のこもった演技だった。少年時代を演じた黒川想矢くんもとても良かった。
ストーリーは色んな感情が湧き起こり書き起こすのが難しいけれど、とにかく最初から引き込まれあっという間に時間が過ぎた。特に前半、喜久雄が代役に選ばれ曽根崎心中を演じたことで俊介が去るまでの流れは良かった。
名シーンはたくさんあったけど、プレッシャーで手が震えて化粧が出来ない喜久雄に俊介が化粧をしてあげるシーンが印象に残った。自分には守ってくれる血がないという喜久雄に、芸があるやないかと励ます俊介。俊介も相当複雑な気持ちでいただろうにあれを言ってあげられる2人の関係がすごく良かった。結局俊介はその舞台を見ていられなくて離れることになるけれど、その後のすべてのことを含めて彼らの関係は最後までとても愛おしく感じられた。それぞれの気持ちに感情移入出来て、幸せを願わずにはいられなかった。
三浦貴大さん演じる竹野も好きだった。あの役どころはこの映画に必要だったと思う。芸の世界の人ではなく普通の人であることがより2人を引き立てたと思う。時に現実に引き戻し、時に舞台に引き戻し、良いスパイスとなっていた。始めは嫌な奴だったのに喜久雄を認めて親しげになっていく様子もほっこりした。
喜久雄を取り巻く女性たちもそれぞれ良かった。春江が俊介とくっついたのは、喜久雄は結婚して家庭を顧みるような男じゃないことがわかってたのかも。喜久雄が何を犠牲にしても上を目指す根っからの役者であることを感じ取っていて、自分は必要じゃないと思ったのかなと解釈した。俊介への同情と、喜久雄へのコンプレックスの共感で、ついていくことを選んだのかなと。結果的に良い家の妻の座に落ち着いて、こう言っては悪いけどうまくやったのかも。
藤駒も喜久雄を見初めて娘を産んだけど、喜久雄が自分のものになるとは思っていなかったと思う。大人になった娘があとから出てきたのにはびっくりしたけど良い展開だった。悪魔と取引して日本一の役者になったね。
彰子は利用されたようなかたちで喜久雄と一緒になり、その後も苦労をして幸せそうに見えなかったのが残念だった。喜久雄暗黒期だったので仕方ないけれど、彰子はどうなったのだろう。
田中泯さん、良い意味でゾッとするようなオーラがあった。
本当にすごいものを見た。思い出す度、感動が蘇る。
日本の映画史に残る傑作になったんじゃないだろうか。
映画館で見られて本当に良かった。
175分をおはぎと牛乳で乗り越える
大ヒット作品とのことで
ロングラン上映を見越して
「観たい作品が無くなる閑散期」
のために とっておいた。
平日の夕方に行ったが 20代の
男女が多く 予告の間じゅう ポップコーンを
つまみながら喋る。
時期を見誤ったか!?と思ったが
映画が始まったとたん ピタリと
お行儀が良くなった
これも、ある種の作品の力であろう
3人の大河俳優だけじゃなく
脇役も好きな役者が揃い踏み。
自分的にはこの作品 田中泯目当てで行ったが
流石の寺島しのぶ(この人の着物の着こなし好き)
杉村太蔵にしか見えない三浦貴大とか、
実年齢と役柄がビミョーに計算合わない
瀧内公美も上手いな~。
やっぱりこの女優好き。
無駄な紆余曲折も有ったが歌舞伎初心者にも
分かりやすい編集なのもありがたい。
餅を食べるとトイレ耐性に有効とのことで
牛乳とぼたもちで挑んだがこれ、メッチャ
効きました。
芸能の世界で生きるとは
世界観が壮大で映像一つ一つがとても美しかった。
内容は、芸能の世界の醜いところが全部表れているなと感じた。日の目を浴びたと思ったら、血筋や世間の声が原因で評判を落とされてしまう、かと思ったらいつの間にか表舞台に復帰する…現在の芸能界でもよく聞く話だと納得だった。
だが、周りの人や自分自身を傷つけ泣かせても尚、そんな醜い世界で生きたいと思わせるような芸能の世界の美しさも感じさせる映画だった。この物語に出てくる歌舞伎役者たちは皆、その美しさを自分自身が感じるために、舞台に骨を埋める覚悟で毎日を必死に生きているのだろうと痛感した。
そして豪華キャストなだけあってとにかく演技が素晴らしい。必死に芸能の道を生きる物語の中の歌舞伎役者と、実際の俳優たちとの姿が重なってみえて感動した。
所々腑に落ちないところもあったが、3時間もあっという間に過ぎ、観て後悔はない映画だと思う。
期待しすぎたのか。いや
パパだけちょっと…
いやぁすごかった。いい映画でした。
何回も泣きそうになった。(と言うか泣いた)
3時間近くの長い映画だけど一瞬たりとも気を抜かず観れました。
こっから大いにネタバレ
吉沢くんと横浜くんすごかったです。
そしてディスる訳でなく、やっぱり本職の歌舞伎役者すげぇ、が映画を観終わった後の感想でした。
そりゃそうだ、年輪を重ねてこそ滲んでくる凄みや色気を1年2年で出せるわけがない。それでも本当に美しかったしすごかった。そしてカメラワークで上手く撮っていたと思う。
歌舞伎という芸事が主題の映画、として大いに面白かったです。
一つだけ個人的に難を言うなら、お父ちゃんの謙さんがミスキャストだったかな。もちろん大御所の役者みはあるし、素晴らしい俳優さんなんですけどね。
曽根崎心中のお初が持ち役のベテラン歌舞伎役者としては、男らしすぎるのよ、謙さん。笑笑
男らしくても、女形をこなされる役者さんて、どこかフィメールみを帯びた色気があるのよね。決してカマっぽい、というわけでなく。謙さんは対極。笑笑
「じゃどなただったら??」水谷豊さん、古田新太さん、市村正親さん辺りどうだろう。!!そうだ、我らがマスター、真田広之さん!!彼なら日本舞踊の名取だし、現役でアクションもこなしてるから身体能力的にもハマったんじゃないかなぁ。久々に髭剃ってさぁ。
なんて色々妄想しつつ。笑笑
まさか「国宝」て、人間国宝になるまでの道程とは。
吉沢くんと横浜くんの舞台すごかったけど、物語としては前後編で6時間くらいで、もっと人間模様じっくり描いても良かったかもね。前段の実家話すごい良かったのに、最後半が取ってつけたみたいになっちゃってたから。
とはいえ、朽ちていくけど役者目だけはギラギラしてる泯さんの怪演とか、すごい良かったけどね。
あと友人が「ちょっと!なんで春江、俊ちゃんについて行くのさ!!!」って憤ってたけど。笑笑
いや、あれは喜久雄の凄まじい舞台を目の当たりにして、俊ちゃんはおろか春江までもが立ち入る隙がない、って絶望して逃げ出したんだよ。喜久雄はそんな事望んでないのに。さらに師匠は「精進して尽くして、逃げ出した血(息子)より選んでくれたと思ったら結局息子かい!」っていう、とにかく何もかもが喜久雄にとって噛み合わずすれ違ってくとこが、それでも役者続けるところが、切なくて重いんじゃん!!!と説明しました。笑笑
確かに女人達との関わりの描かれ方は薄っぺらかったかな。でもそのおかげで、やることやってても結局は舞台以外はどうでもいい喜久雄、は強調されたかな。
舞台以外はどうでもいい、というより心底それしかできない、って。鬼畜のように利用しようとしたのは彰子ちゃんだけなんだよね。下手こいてしくじったけど。あとは流れるように受け入れて、ひたすら歌舞伎役者として生きた。
などなど、色々考えを巡らせることができる、良い映画でした。
映像はキレイでした
国宝
今日観てきました。
歌舞伎のルパンを観て、興味が湧き、観に行きました。
春江は、俊ぼうと同じように キクオから逃げたんだなと。どこを見てるかわからない、血筋以上に芸に秀でたキクオから。
俊ぼうの、若い頃はちょっと下手な感じ
から、足が義足になってから演じる曽根崎心中が鬼気迫っていて、キクオが演じた時よりも素晴らしくて ダダ泣きしました。
ビールを買って、館内に入ったけどトイレに行きたくなったら困ると思い、飲まないようにしていたが、結果的に3時間 気づけばビール飲むような気持ちにならずラストまで…
キクオの脳裏のあの景色は、父親が殺された時に見ていた雪の吹雪 と思い
綺麗やな が最後の台詞なのが
巧みだなと
実の娘 あやのの場面も良かったです
忘れたことはなかった
すぐにわかったことも、ただ全てを犠牲に「国宝」になった訳ではない深さを表現していたと思います。
命を懸けた舞台の幕が上がる!
やっと鑑賞出来ました!
前回は満員で
チケット購入を断念
今回も満員に近い観客でしたが
何とかチケットゲット出来ました。
本当に良かった~
3時間あっと言う間でした!
息を呑むシーンの連続で
スクリーンに釘付けでした。
人生の
愛や憎しみや喜びや悲しみ
多くを経験するほど
芸が磨かれていく
その身を削りながら
命を懸けて舞台に立つ姿
鬼気迫るものがありました。
美しい映像でありながら
自らの全てを
燃やし尽くすような
真剣勝負の舞台の連続
感想の言葉が見つからないほど
凄かったです。
人は誰でも
何かしらの宿命を背負って
生きています。
登場人物達の
自らの宿命に必死に抗う姿
泣けてきました。
人生の全てが詰まった
最高傑作でした。
改めて
大スクリーンで鑑賞出来て良かったです!
評判以上だった
面白かった。ただ、感動できない事情があった
歌舞伎のことは全くわからないですが、周りの評判がよかったので見にいきました。
◾️全体的な感想
・血を持っている者とそうでない者の物語として、とてもよくまとめられた作品だったと思います。
・極道の出自や、家族を失った過去を抱え、歌舞伎の世界に入った彼は俊介と絆を結ぶが、常に「血のつながり」の壁に阻まれる。途中、大役を得ても結局最後には選ばれず、愛も家族もつかみ損ねる。花江や彰子、藤駒らとの関わりも、途中で手放してしまう。
喜久雄は芸の道でしか存在を証明できず、その生き方が最後の綾乃との再会の言葉に凝縮されていた。
・役者の眼差し、一挙手一投足が緊張感を持って伝わってきた。見ている私も息が切れるような、苦しさや彼らのもがきを体験できる作り方で素晴らしかったように思う。
・歌舞伎のシーンも、(まったく歌舞伎を見たことのない自分から見ればだが)とても完成度が高く、映画とは別に歌舞伎としての面白さを感じられた。
◾️個人的な感想
・物語のテーマ、主人公の設定や、歌舞伎という世界の特殊さから、芸事に飲み込まれた人間の生涯として楽しく見ることができた。
・ただ、これは作品の性格上、必要な描写ではあるしむしろ現実的だなと思うところとして、「喜久雄最悪!」と思ってしまったことなのだが、喜久雄の女の子の扱い(特に藤駒、綾乃、彰子)にムカついてしまった。そのせいで喜久雄のことが好きになれないところがあり、物語に感動しきれないところがあった(とはいえ、物語の流れからしたら不自然な描写ではなかった。むしろそう思わせる構成や演技だったから、すごいなと思った)。
・とはいえ、喜久雄もかわいそうだなと思うことがあった。喜久雄も俊介も、互いに思うところはありながらも、互いを思い遣って接しようとする姿は素敵だった。同じくらいの熱量で芸事を語れるのが、喜久雄にとっては俊介くらいだったし、なにより同じ時間、同じことを同じ厳しさで味わってきた二人だから、深い絆ができたんだと思う。
・一方で、それ以外の絆を喜久雄は築けなかった。血のつながりというのは、この作品において非常に重要なテーマだが、喜久雄は「歌舞伎界に必要な血のつながり」だけでなく、「血を分けた自身の家族」も持っていなかった。仇を討とうとすら思えるほどの大きな愛情を失ってしまった喜久雄は、それゆえに誰かを愛することができなかったように思う。花江、藤駒、彰子という3人の女性との関わりの中で、三者三様の喜久雄との繋がりをもった。喜久雄を利用しようとした藤駒、喜久雄に利用された彰子。花江だけは、どう考えていたのかはわからない。背中の刺青だって喜久雄を思っていれたのだろうし、故郷からいなくなった喜久雄を探してわざわざやってきたし、喜久雄と深い関係にもなるし。喜久雄のことを一途に思っていた彼女は、しかし俊介と共に喜久雄から離れ、結婚した。そこに関する花江の心理描写はほとんどなかったので、想像するしかないのだが。だが、戻ってきた花江と俊介に対し、喜久雄が問い詰めることもなかった。絶望していたようにも見えなかったし、結局喜久雄にはもう芸事しかないのかもしれないとも思った。
・全編を通して、この人が何を考えているのかわからない、ということもあった。だが、喜久雄の物語として見ると、喜久雄の目を通して世界を見ているのだなと感じると、喜久雄自身にはわからなかったり、興味のないことだったのかもしれない。それでも歌舞伎に関することは鮮明に仔細に描かれていて、それをとても美しく見れたのだから、喜久雄には本当に芸を極める道しか残らなかったのかなと思った。
◾️総評
・主人公が様々なものをないがしろにしているせいで不快に感じる人もいるだろうし、いろんな人の感情がわからないせいでつまらなく感じる人もいるだろうなと思った映画。
・でも、うまく生きられない、生きようと思うことが難しい人の、唯一の優れた一面を極めようとした波瀾万丈な生き様は面白かった。
・こういう人を許す、許せないという心情的な聴者の葛藤はあり、それがその人の映画の評価につながるとは思う。でも、そう思わせる構成と演技だったように感じた。
吉沢!横浜!李!…そして音楽
久しぶりに「痛い」映画に出会いました。
まるで3時間 平手打ちをされているようでした。
ノンフィクションで他人の壮絶人生を見せられた様な気分…というより、自分にはそれ以上のショックだったかもしれません。
いくらここで話しても、私の拙い説明では伝わらないので、映画館で体感していただくと良いかと思います。
演者の演技、監督の演出に関しては他の方々が書かれている通りだと感じますので、私からは特段申し上げませんが、挿入されている楽曲が作品をさらに盛り上げているということは強調してお伝えしたいです。
平穏には流さないが、どん底にも落とさない、絶妙な調子の音楽が要所要所で床下浸水のごとく耳に入り込んできます。
指先の小さな火傷のように、音楽は私の中にヒリヒリと残りました。
そして
観終わって既視感というか、何か再体験した気がしたのですが…
「ああ、鬼龍院花子!」
同じ人、いたら嬉しいです。
普通
昭和の街並みや歌舞伎の扱い(旅館の出し物になるほど身近だったこと等)、ドサ回りでやる場合と本格的な歌舞伎座でやる場合の舞台裏が見れたのは良かった。
ストーリー序盤、観客を引き込むシーンになるはずの、関の扉で主人公が才能があると感じるシーン、人間国宝(おじいちゃん)が演じる鷺娘の凄さを感じるシーンで凄さが感じられず置いてかれる気分になった。
おじいちゃんの鷺娘だけ分かりやすくCG入れてるのも演出感溢れてて若干覚めました。
それよりは二人藤娘の笠の扱い(あんなクルクルクルクルしてて綺麗に収まっててすげえ)、二人道明寺のすり足で歩きながらも全くブレない上体の方が分かりやすく歌舞伎役者すげえになりました。
動き?セリフ?の少ない鷺娘を人間国宝という最高峰の人が演じてくれても一般人は凄さを感じられないんだ…
あと全体的に顔面アップ多いかも。曽根崎心中はどっちもアップだからこそ感情に訴えるものがあってめっちゃ良かったですが、他はそんないるかな…
多分夜景のライトを目指す景色と重ねたかったんだろうけど、きくちゃんがビルでクルクルしてるのとかもうちょい引きの映像あっても良かったと思う。役者の狂気を表すには薄い。もっと前半部から執念を積み上げて欲しかった。学生時代がちょっと爽やか過ぎたのかもしれない。
歌舞伎単独だと盛り上がりを示すの難しいのは分かるけど、盛り上げたいシーンでとりあえずオーケストラ入れて音量上げて直後無音にすれば良いやろ感も感じた。もうちょいアングルとか魅せ方にこだわって頂きたかった…
しゅん坊ときくちゃんの関係性はとても良かった。認め合って支え合って尊敬しつつでもお互いに欲しいものを持ってて憎みこそしないけど羨ましさと悔しさが滲む、みたいな。
あきちゃんの献身と虚無も良かった。
きくちゃんが丹波家を出てく時の女将さんの居ないもの扱いするムーブも良かった。鳥肌立ちますね。
本筋とは関係ない部分のストーリーの投げっぱなし感は気になる。関の扉を一緒に演じて一緒に復讐に行った兄ちゃんどうなったとか、一緒にドサ回りして支えてたあきちゃん何処行ったとか、花井半次郎(渡辺謙)にデカイ借金ってなんや?とか、瞬く間に丹波家没落してたけどどういうこと?とか、竹野いつの間にそんなきくちゃん気にかけるようになった?とか、人間国宝(おじいちゃん)寝たきりなのにどうやってきくちゃん戻した?あの状態で発言力あるのか?とか、芸事でトップになるのが復讐になる話どこいった?とか……思いのほか気になる点多いな
あとは初期の組長亡くなる時の殺陣、どうにかなりませんでしたか…歌舞伎に力入れてるのはわかるけどドス持って囲みながら1人ずつ突撃は流石に笑ってしまう
実写で役者の凄さを表す難しさを感じた。漫画1話だけ読んだけど2次元は凄さが盛りやすくて分かりやすいなあ。という感想です
彼の痛み
周囲の評判が高く、「映像が美しいから絶対映画館で観た方がいい」と勧められ、足を運びました。
演技力に対しての評価は★5です。
ただし、作品そのものに対しては、正直★1をつけようかと悩んだほどです。
物語の中盤、あまりのしんどさに途中退室を考えた瞬間もありました。
一番深く傷ついていたのは、喜久雄のはずなのに。
なぜか周囲の人々のほうが、彼以上に「傷ついた表情」を浮かべ、「怒り」を向けてくる。
誰も、彼の痛みに触れようとしない。
誰一人として、「どうしてそんな選択をしたのか」を見ようとしない。
傷つける側だったのではなく、ずっと“傷つき続けてきた人間”だったのに。
喜久雄が口にした「悪魔との契約」という言葉は、
彼の覚悟の言葉のように感じました。
悪人になりたかったわけじゃない。
狂人になりたかったわけでもない。
ただ、
純粋に歌舞伎を愛せる自分がいて、
どんな自分でも無条件に支えてくれる人がいて、
つらいことがあっても乗り越える度に笑い合える日常が欲しかっただけ。
でも現実は絶望の果てに立っていて、悪魔と契約するしかなかった。
結果だけを見れば、「映像が素晴らしい作品だった」「喜久雄が世界一になってよかった」と言う人も多いでしょう。
でも、この作品に刻まれていた
孤独と痛みの深さを、
一体どれだけの人が本当に感じ取っているのでしょうか。
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