国宝のレビュー・感想・評価
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邦画だから配信待ち、は損。
邦画は時代劇と一部例外を除いては
テレビドラマの延長のような作品が多いので
劇場スルーが多いのですが
今作は予告やテレビでの役者のインタビューに惹かれ、
このサイトでの異常な評価の高さから、早速観賞してきました。
役者の演技、存在感、ビジュアル
どれも劇場観賞にふさわしく、配信待ちでは
本作の魅力は確実に1/3くらいになると思われます。
大スクリーンで上映している早めの観賞を。
歌舞伎の演技については詳しくないので感想を述べられませんが
中村鴈治郎さんが監修し、原作にも関わっているそうなので
かなりレベルの高いものでしょう。
日本が誇れる文化を、
ベストなスタッフとキャストが揃った今のタイミングで
映像化できたのは奇跡の賜物ですね。
長い上映時間なので
コーヒーとミントガムを用意して眠気対策をしましたが
杞憂でした。
「役者」を演じる役者たちの凄まじさ
歌舞伎役者の人生を描く本作。
何百年も受け継がれた芸を、自分の命をなげうってでも舞台で表現する。その覚悟への熱量が、これでもかというほど画面から降り注いでくる。
これは間違いなく傑作と言っていいだろう。
これを実現し得たのは、歌舞伎役者に対する演者たちの尊敬の念だろう。
華やかな世界の一方で、みな何か一般的な幸せを諦めてでも、芸の道を追求する。そうせざるを得ない役者たちの生き様。
これを表現しようとする吉沢亮、横浜流星、渡辺謙、田中泯。彼らの演技…というより、演技に対する熱量は、凄まじいものがあった。
感動するとか、泣けるとか、そういうことを超越した人間としての熱量に圧倒される。
もうひとつ特筆すべきは、カメラだろう。
役者たちの凄まじい熱量を、同じほどの覚悟と技を持って撮り切ろうとするカメラマン。
舞台の上での役者たちの演技、ホテルの屋上での悲しき笑い。シーンとして役者たちの演技を撮ることのみならず、その人生をすらカメラに収めていたように思える。
カメラマンは、チュニジア出身のソフィアン・エル・ファニ。アデル、ブルーは熱い色の撮影も担当しているのだとか。どういう経緯で、日本の伝統芸能の映像作品を撮ることになったのか。
とにかく彼の撮影が、この作品を傑作たらしめたことは間違いない。
小手先ではない、作り手たちの熱い思いが伝わってくる、そんな素晴らしい作品です。
タイトルなし
超速の3時間。 観る前は敷居と格式ちょっと高いか?と思ったが 過剰...
歌舞伎を観たことがない。でも引き込まれる圧倒的熱量と説得力
歌舞伎を観たことがない。歌舞伎役者の出演する映画やテレビ番組を見たことがある。あとは名女優・松たか子が歌舞伎の家系に生まれたことを知っているくらいである。
そんな僕のような歌舞伎素人であっても、歌舞伎の世界にどっぷりと浸らせてくれるすごい映画であった。
冒頭で、歌舞伎は大衆芸能として江戸時代に生まれ、あまりの庶民の熱狂から風紀維持のために女性が舞台に立つことを禁じられ、女形が生まれたことが説明される。
そして歌舞伎の世界では、血縁関係で親から子に芸が受け継がれていくが、この映画の主人公・喜久雄のように、血縁でなくても学ぶチャンスがあることも冒頭で示される。
どうやら彼はヤクザの息子のようだから、それを受け入れた歌舞伎の世界が寛容なのか、あるいは芸能や興業の世界ゆえなのかはよくわからない。
ここまででわかるのは、歌舞伎の世界の構造の複雑さや葛藤が非常に大きなものであるということだ。
現在では、伝統芸能としてある程度の保護・保存の対象となっているが、もともとはカタルシスを求める大衆のエネルギーを向けられる先であり、それゆえ時代に合わせた進化と革新があったはずだ。
それが今は「伝統芸能」として、ある種の権威化のなかで行われている。
後継者についても、完全に民主化されているわけではない。伝統を守る血筋の家系があり、その家に生まれた男児は芸を継ぐことを求められる。芸の世界だから能力の優劣で評価されるが、その血筋に生まれたからといって、最高の能力を獲得できるとは限らない。そもそも、歌舞伎の世界で生きることを、宿命づけられており、本人が主体的に選択したわけでもない。
伝統を守る家系の血筋の者にとって、これは恐怖だろう。No.1であることを運命づけられているが、そうなれる保証はない。さらに問題なのは、その世界で芸を磨きたいという動機が不明瞭というか、主体的に選択していないことだ。そうなると、喜久雄のように心底から芸を磨きたいという動機を持った外部の人間は、恐怖の対象でもあるだろう。
吉田修一の原作は、その歌舞伎界の構造を人物設定と物語の構造に取り込んでいる。だがら、こちらもリベラルな現在の価値観、能力主義的な見方では割り切れない世界に感情的に翻弄されてしまう。
あと、この映画で見事だったのは、かなりの長時間にわたって映される歌舞伎の舞台の場面だ。
たとえば、『二人藤娘』や『二人道成寺』などが登場する。先達の人間国宝の演技は、これぞまさに国宝だと直感的に感じさせるものがあった。その後のさまざまな舞台演出でも、芸の見事さに鳥肌が立つ瞬間が何度もあった。
でもよく考えれば、歌舞伎を見たことのない僕に、伝統芸能の価値を読み取るスキルも知識もない。それに、この映画では歌舞伎役者ではない俳優(吉沢亮、横浜流星)が演じている。
彼らの演技力は非凡であり、徹底的なトレーニングを積んでいることは感じ取れるが、それが歌舞伎の文脈でどれほどすごいのかは僕にはわからないはずだ。
また、登場する演目がどれほど感動的な物語なのかも、正直よくわかっていない。
ただ、この映画の見事な演出と役者陣の名演が、それを「感じさせて」くれるのだ。
この物語で描かれる歌舞伎役者たちの人生は、まさに山あり谷ありである。芸の世界だから、そこでの力量があればある程度は安定するのかと思いきや、気まぐれな世間の評判で浮き沈みする様子は、キャンセルが跋扈する今の芸能界を描いたようにも見える。
実際の歌舞伎の世界でも、これほどのトップスターとなった者が、温泉旅館やスナック巡りをするような落ちぶれ方をすることがあるのだろうか。また、それが武者修行の旅となって、芸に深みを加えることがあるのだろうか。
先達の人間国宝の最晩年も、「本当にこんなことあるのかな」と思うほど、あまりに質素で孤独な暮らしであった。
“国宝”に到達するには、役者としての能力だけでなく、血筋に入り込む運や政治力、野心、そして何より、この理不尽なゲームを今さら降りられないという執着──そういったものの総合力が必要なのだと感じた。
歌舞伎を知らない僕でも、その世界を存分に味わわせてくれる見事な大作映画。長尺でもあるから、この新作の時期に、スクリーンで観るべき一本だと思う。
歌舞伎のシーンがかなり多いので、事前に演目の解説を見ていった方が良いと思います。。
歌舞伎の世界を描いた映画。
歌舞伎のシーンが全体の半分ちかくあったんじゃないでしょうか?
演目は、「二人藤娘」「二人道成寺」「曽根崎心中」「鷺娘」など。
これらの演目については公式サイトで解説があるらしい。。
私は何も調べずに見に行ってしまった。
特に「曽根崎心中」は内容を見ていった方が良いと思います。
地方に住んでいる私は歌舞伎は見た事がありません。
2年ほど前に映画館でシネマ歌舞伎を見ただけ。
だから、歌舞伎の知識はほとんど無かった。
映画の中の歌舞伎シーンは、なんとなく演技は素晴らしいのだろうと感じたけど、あまり分からずイマイチ感動が薄くなってしまったかな。
歌舞伎のシーンは時間を掛けて撮ったのが分かる感じの重厚なシーンばかり。
吉沢亮と横浜流星の二人もかなり練習したのでしょう。
血と芸の実力。
どっちも大事なのが歌舞伎の世界なんだという事がよくわかりました。
上映時間は3時間近くの大作。
李相日監督は『悪人』、『怒り』など重い映画を作る人というイメージ。
子供時代から老人になるまでの壮大な歌舞伎役者としての人生が描かれていました。
描いた期間が長いので、詳しい説明が無いまま通り過ぎていく話も多々あった。
歌舞伎のシーンが全てという感じの映画。
吉沢亮と横浜流星の二人は、おそらく、厳しい演出で知られる李相日監督から散々ダメ出しされながらの撮影だったのだろう。
この二人には拍手を送りたい気持ちになる映画でした。
飲酒トラブルもあったけど、吉沢亮には頑張ってほしい。
昨年見た彼が出ている『ぼくが生きてる、ふたつの世界』は、私の中では2024邦画No1でした。
(ちなみに全体1位は『きっと、それは愛じゃない』、私の劇場鑑賞映画67本の中からです。)
また、シネマ歌舞伎を見に行ってみるかな。
シネマ歌舞伎を見る上でのアドバイスがあります。
アプリを事前にダウンロードしておくと上映中に解説を聞く事が出来ます。
事前にアプリをスマホに入れて、イヤホンを持っていくと分かりやすく見れるんです。
行く方は事前に調べてみてください。
歌舞伎初心者の方は絶対に解説を聞きながらの方が良いと思う。
長かったけど、もっとあってもよかったかも?
上映時間が約3時間で、膀胱は耐えられるのか?!と心配になりつつも、表情管理ならぬ"膀胱管理"してたのでだいじょうぶでした。笑
主人公/喜久雄の上方歌舞伎人生50年を描くし、随所に歌舞伎の名シーンがありますので、この長さはしかたないんです。なんならもう少し喜久雄の人生観ていたかった。(原作小説のラストはもう少し先まで書かれてるって聞いたのですが、それホント?!)※原作未読です
歌舞伎を知らずに観てもいいけど、どうせなら少し予習した方が楽しめると思います。オフィシャルサイトの解説がちょうどよかったなと思うので、これからの方は読んでみてくださいね。
それにしてもだ、吉沢亮くんはいつからあんなにうつくしかったんだい?もう、その余韻がすごくて、夜中に目が覚めました。笑
舞台上の所作や声も、とてもうつくしくて、ほんとに女形向いてると思いました。歌舞伎はつまむ程度にしか観てないけど、これで終わりにするのはもったいないなと思いました。芸事を極めて欲しい…
その他、気になるシーンもいくつかありますけど、そこは目をつぶろうと思わせるパワーのある作品だとわたしは思いました。
ほんとはもっといろいろ書きたいんだけど、これから観る人もいらっしゃるし、ネタバレはしたくないたちなのでこのへんにしときましょうか。
でも、ほんとに吉沢亮くんがうつくしいです。ぜひ映画館で観てください…!
文句なし❗️圧巻❗️よく吉沢亮、横浜流星は歌舞伎の演技をこなした。
文句なし❗️素晴らしかった。時間の長さは感じない。よく、歌舞伎を映画化にした。吉沢亮、横浜流星は本当に演技が素晴らしく、歌舞伎の演技も完璧だった。時代背景、脚本、設定も文句なし❗️2025年上半期ベスト邦画、いや年間ベスト邦画も濃厚。それだけでなく、2025年の日本アカデミー賞を始めとする映画賞各賞、キネマ旬報2025年邦画ランキング1位も濃厚。それにしても吉沢亮、横浜流星の演技は凄い❗️この作品はぜひ映画館で観てほしい作品。おすすめします❗️
二人の演技は凄い
吉沢亮さんと横浜流星さんの演技は凄い。
特に横浜さん。糖尿病で片足切断、もう片方も壊死?
の中舞台に立って…。
原作も読みました。あのボリュームをよく3時間で
まとめたな、と思います。
では涙溢れて心打たれるシーンがあったか、と言うと
そこはうーん、どうなんだろう。
二人の役者人生は飽きることなく最後まで見れました。
圧巻の3時間
圧巻の舞台シーンに目が潤む! が、2~3の稚拙演出シーンが惜しい。 後半ネタバレ ★4.0
舞台で "役" を演じる。 只それだけのシーンでこれほどスクリーンに見入り、目が潤んだ事は初めてかも・・。
おそらく、吉沢亮は来年の「日本アカデミー主演男優賞」を獲るだろう。
とにかく、吉沢亮と横浜流星この二人の舞台演技はずば抜けていた!
本物の歌舞伎ファンでも "納得" 以上の物を感じたのではないかと思う。
演舞以上に、女形独特の発声も全く違和感なく、本物の歌舞伎役者かと感じるぐらいに洗練されていて、
監督の舞台の魅せ方も巧いと感じた。
その舞台に臨むまでの紆余曲折が物語りで描写されているのだから、いっそう感涙に繋がる。
この原作を書いたのは、実際に歌舞伎で「黒衣」をされていた方が書いたようで、
その独特の世界観や舞台裏なども詳細に描写されている。
渡辺謙も過去視聴した中で一番の演技をしていて、
序盤での謙さんの絶妙表情は特別な存在感を放っていた。
さらにビックリしたのは、女形の国宝重鎮(万菊)役。
「はぁい、よぉろぉしぃく・・」とそのハンナリとした台詞は、
この人だけ本物(歌舞伎役者)を使っているのか?と感じたくらいで、
それを 田中泯さん が演じていたと、視聴後チェックで知って尚驚くことに♪
物語の序盤は説明描写的で心が動かないが、1時間経過した位の「曽根崎心中」の舞台から、
心に訴えるシーンが続き圧巻に繋がる。
稽古シーンで、「そんなので、命を賭すか否かが伝わるか!」的な叱責に吉沢亮が女形台詞を言い直すのだが、
3度目には本当に魂が入ったように表現されていて、相当な修練の賜を感じた。
ただ鍛錬・洗練されている舞台描写とは全く逆の、安易で稚拙なシーンも2~3あり、特に序盤は長く感じた。
それはネタバレに記す事に。
まあとにかく舞台シーンは圧巻です。
上映舞台挨拶で監督・役者とも、「とにかく観て下さい」と語っていたのが頷けます。
超力作・必見♪
私が感じた甘い描写 ↓ ネタバレ
序盤の宴会襲撃シーンは稚拙過ぎて、あきれた。
あのシーンにそれほど予算を掛けれなかったのかもしれないが、
よそ者が殴り込んで来ているのに、その数分後でも親分が自席に座っているのはあり得ない。
周りの若衆が、より安全な奥部屋へ連れていって当然。
それが、いつの間にか親分一人になって、銃で撃ってくれと言わんばかりに日本刀を掲げるポーズで・・・。
この時点で、これが★4.4か?・・と落胆・・。
あのシーンにもっと本格的殺陣を取り入れていたら、さらに高評価に繋がったと視聴後は惜しく感じた。
さらに後半、喜久雄が落ちぶれて旅館のステージ後に観客との一悶着シーンも、
まるで過剰な映画演出を感じて違和感たっぷり。
この監督は、激しい動きシーンは自然に撮れないのかと勘ぐってしまう・・。
監督の過去作をチェックすると、「フラガール」のみ観ていた(私も高評価)が、
イーストウッドの名作「許されざる者」のリメイク版は平均★3.3とかなり低い。
やはりアクションは苦手なのかも♪
脚本的には、かなり慎重な性格を表している喜久雄が、他の女性との関係を持つ点の、心境変化の描写が簡素な事や、
2度の舞台上でのアクシデントも、また?と感じてしまった点も惜しい。
まあ、現代作品に「黒沢明作品」のような完璧を求めるのは私ぐらいと思うので、
★は私なりの高評価 4.0 に♪
芸の肥やし
命をかけて目指すもの
役者ってすげえ
昔良く間違えてた俳優が遂に競演!
2025年劇場鑑賞163本目。
エンドロール後映像無し。
仮面ライダーフォーゼに仮面ライダーメテオ役で出演してブレイクしたのが吉沢亮なのですが、その変身前が朔田流星で、しかもその親友役に横浜流星が出ていたんです。しかも朔田流星はジークンドーの使い手で、実際の空手の有段者は横浜流星の方っていやこんなん間違えるやろ!それから2人が他の作品に出る度に「どっちだ・・・?」と混乱していました。べらぼうで毎週横浜流星見ていて、ようやく区別がつくようになったところでこれです。果たして区別がつくのか俺・・・?
大丈夫でした。去年だったらだめだったかも(笑)正直なっげぇなぁとは思ったのですが、歌舞伎シーンを逃げずに描いていたのと、渡辺謙演じる師匠から稽古を受けて何かつかんだ瞬間演技が変わったのが素人目にも分かった吉沢亮の演技、横浜流星の最後の出番の時の演技など、見どころ満載でした。
すごかった
席を立てずエンドロール最後まで
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映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。