劇場公開日 2025年6月6日

「やっと観た、たしかに凄いといえば凄い映画だけどあまり好きな作品ではない、そして尿意問題と途中休憩について」国宝 pekeさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 やっと観た、たしかに凄いといえば凄い映画だけどあまり好きな作品ではない、そして尿意問題と途中休憩について

2025年11月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

混んだ映画館は大の苦手なので鑑賞を見合わせていたのだけれど、やっと観ることができた。それでもいまだに混んでいた。この「ブーム」いつまで続くのか?

というわけで、おそるべき大ヒット作『国宝』。
結論からいうと、僕はこのお話があまり好きではないです。
「たしかに凄いな、10年に一本の映画かもしれないな」――序盤から中盤までは、そう思って観ていた。ストーリーの設定も面白い。流れるような展開でテンポもよい。緊張感もある。そして、何といっても作品に力がある、凄みがある。あれよあれよという間にスクリーンの中に引き込まれていった。「これだけ評判になる理由もわかるなぁ」。そう思った。
けれども、喜久雄が三代目を襲名するあたりから、なんだかちょっとしんどくなってきた。中だるみした。そしてその後も前半に感じたような高揚感の持続を味わうことはできなかった。その理由は、僕が単純にこのお話が好きではないとわかったからだった。全体を通して最後まで観ると、物語の筋立てがいささか俗っぽく安易であるような気もした。さらにいうと、ストーリーだけでなく、本作のトーンというかムードというか、そういったものも僕はあまり好きになれなかった。それは気持ちが作品に引き込まれていた前半から「違和感」という形でうっすらと感じていたが、後半に至って明確に自覚できた。そして、前半に感じた「なるほど、これだけ評判になる理由もわかるなぁ」という思いは、観終わってみると「果たして、これだけ評判になるほどの作品なのだろうか?」という感想に変わっていた。そんなわけで、強く感動を覚えることはなかったし、もう一度観たいとも思わなかった。たしかに凄いといえば凄い作品だけど、どうなのかなぁ? みんな本当に感動してるのかなぁ? まあ自分とは相性が合わない作品だったのでしょう。

それにしても、このごろ、こういう3時間、あるいはそれ以上の上映時間を要する映画(以下、「長時間作品」とする)が多くなってきて困ります。僕も中年になって、おしっこの心配をすることが増えてきたからです。じつは今回も途中から尿意を催してきて集中力が低下しました。歳とるとロクなことないですね。
ボンタンアメや大福餅が有効かどうかは知らないけど、僕は尿意対策として体が冷えない格好をして映画館に出かけるようにしています。水分を控えていっても、体が冷えると、交感神経が刺激されて尿意を催しやすくなるので。それでも今回のように尿意とのたたかいをしないといけないときがあるから難儀します。
そんなわけで、僕はいいたい、訴えたい! できるだけ長時間作品には10分くらいの途中休憩をつくってほしい、と。制作者サイドからすると、はじめから終わりまでいっぺんに見せたいという思いもあるだろうけど、この高齢化社会、やっぱり長時間作品には休憩があったほうがいいのではないでしょうか(『ベン・ハー』『マイ・フェア・レディ』『ゴッドファーザーPARTⅡ』……この数年のあいだに観た映画だけど、全部インターミッションがあって有り難かった)。
今回の『国宝』鑑賞でも中高年の観客が多かった、というか、観客のほとんどが中高年だったのではないか。おしっこの心配をしながら鑑賞した人も少なくないはずです。
映画のつくり手は、途中休憩によって作品への没入感が途切れるのではないかなどと危惧するかもしれないけれど、長時間、尿意とたたかいながら観ているほうがよほど集中力がそがれて没入できない。そもそも人間の集中力が3時間も続くわけはないのだ。ちょっと気分転換を入れたほうが絶対にいいと思う。リフレッシュして再びスクリーンに臨んだほうがより集中できると思います。是非、映画関係者の皆さんにご検討いただきたい問題です。
――とはいうものの、本作のような超人気作、大勢の観客が入る映画では、インターミッションをつくったとしてもトイレが混んで(とくに女性トイレは混むでしょうね)10分や15分の休憩では済まないかもしれないなぁ。なかなか悩ましい問題だなぁ。

なんか『国宝』の感想より、おしっこ問題についての記述のほうが長くなっちゃいました。ごめんなさい。

追記
途中から尿意のために集中力が低下した状態、つまり作品をじゅうぶんに玩味できていなかったかもしれない状態で鑑賞してネガティブな感想を書くのは何だか良くないような気がしましたが、あまり好きな映画ではないということははっきりしているので、このままレビューを投稿します。

peke
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