「東宝はプロモーションがうまいね」国宝 jfs2019さんの映画レビュー(感想・評価)
東宝はプロモーションがうまいね
クリックして本文を読む
3時間近い長編ということで、大福3個食べて観賞に臨んだ。その効果があったのかどうかははっきりしないが、最後までトイレに行きたくならなくてすんだ。大画面で見られてよかった。
日頃、歌舞伎に興味がないわたしでも、初の大舞台の『二人道成寺』のシーンはハラハラしながら見た。渡辺謙に変わって『曽根崎心中』の舞台に立ったシーンは緊張感が伝わってきた。後でお初を横浜流星が演じるシーンでは、前もって『曽根崎心中』を見せてもらっていたおかげで、展開がよく理解できた。これは脚本の妙だと思う。
歌舞伎の演目名がその都度画面に字幕で出てくるのはダサいけど親切だなと思った。後で調べられますし。しかし、最後の『鷺娘』ではやっぱり歌舞伎のシーンに飽きてきて、少し意識が遠のいてしまった(トイレ我慢しなくてすんでたのも要因かもしれないけど)。吉沢亮の「きれいやなー」というセリフでハッと気がついたが、そのままエンドロールになってしまった。吉沢亮が見たかった景色というのはなんだったのだろう。不覚なり。
ストーリーは、孤児だけど圧倒的な才能をもつ主人公と、血統書付きのサラブレッドだけど才能はそこそこのライバルという、武道や伝統芸能を題材にした話では何度か見たパターン。そのライバルが、血筋だけではなく、糖尿病のリスクという遺伝的な形質(いやこれこそ血筋というべきか)も親から引き継いでいましたとさ、というのは皮肉だけどなるほどと思った。
個人的には田中泯の演技が鳥肌もんだった。芸を極めると妖怪のようになるのだ。そういう意味では、人間国宝となった後の吉沢亮には幽玄さが足りなかった。美しくはあったのだけれど。
コメントする
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。
