「歌舞伎のシーン、すごい…。」国宝 ゆめさんの映画レビュー(感想・評価)
歌舞伎のシーン、すごい…。
ロングランヒット中で気になって観に行った。
役者陣の熱演、そして歌舞伎のシーンなどは本当にすごい作品だと思った。
ただ、そうは思うものの、私にはなぜかあまり刺さらず…。
その理由含めて消化不良感の原因を考えて記録したい。
大きな一因としては、本作のメインテーマというか主軸になってるのって「歌舞伎の芸に身を捧げる者の狂気と業と悲哀」だと理解したのだけど(ちなみに原作は未読)、そこを堪能する前に色々個人的に感じるノイズが多かったせいかなと思った…。
まず思うのは伝統芸能・歌舞伎の世界、闇が深い…!
(本作はフィクションだけど、この辺割とリアルに描かれてる気がする)
明らかな男性優位社会だし、血統主義だし、今は他にもたくさんの良質なエンタメがあるから、正直私には良さがよくわからない…。
最終的に喜久雄は人間国宝になるとはいえ、この血統主義の慣習のせいで中盤はあまりに不遇。
俊坊との対比でさらにエグさが浮き彫りになってて辛い…。
そしてこの作品に登場する女性、もれなく全員不遇…。(でも春江の選択はあれどういうことなの…。)
喜久雄と俊坊の関係性はかなりスリリングで好きだったので個人的にはここを作品のメインでいってほしいくらいだった。
(実際序盤はそこに集中して観てたから、そこは主軸じゃないんだ…と途中から拍子抜けした。)
2人学校帰りに歌舞伎を練習するシーン、美しかったな…。喜久雄が二代目の代役に抜擢されて、本番前に化粧部屋で緊張してるところに俊坊が来て化粧しながら言葉を交わすシーンも良かった。
(私の中ではこの作品のハイライトはここ)
そんな感じで心から楽しみきれなかったものの、すごい大作だとは思った。
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