「いや大河ドラマやないかい」国宝 ねきろむさんの映画レビュー(感想・評価)
いや大河ドラマやないかい
いやいや大河俳優2人がダブル主演だからというわけではなくて、フィクションなのにまるで伝記映画のように少年時代から、初老の老人になるまで描ききってるからで。しかしまさか人間国宝になるまでやるとは。途中何回か「ここで終わってもええのになぁ」っていうところがいくつかあって、「せやったらネトフリのミニシリーズで観たかったわ、知らんけど」と関西弁で文句の一つも言いたくなってしまった。映像はすばらしかったです。時代背景は現代じゃなくて少し前の時代なのですが、素人目には明らかにおかしいようなところもなく物語に没入できました。
劇中の歌舞伎は観客目線ではなくて、どちらかというと裏方というか、歌舞伎を作ってる人側からのショットが多くてなかなか興味深い。それから劇場を舞台側から見上げるショットがまたすごい。エキストラで下の席から最上階まで埋まってます。役者も普通歌舞伎ってバストショットでドアップってありえないと思うけどこの映画の中ではやたらに出てくる。白塗りでシワだらけの田中泯さんとかちょっと「ウヘー」って思ってしまった(泯さんごめんなさい)。つまり歌舞伎そのものではなくて歌舞伎役者とその周辺にいる人たちの思いみたいなものを描いているのだと思いました。
ただ演技の良し悪しを客観的に表現することは難しくて、稽古のシーンとかやはりピントこない感じはやはりいかんともしがたいなぁと思いました。アニメ推しの子シーズン2も意味不明なイメージシーンを多用して苦労のあとがうかがえたけど。
最後にメインのストーリーについて。キク坊もシュン坊もそれぞれ2回ずつぐらい挫折して辛酸を舐めて奇跡の復活をする。そういえば人間国宝インタビューでインタビュアーが順風満帆な人生とか言ってたのはネタなのか?めちゃめちゃ波乱万丈やろがい!お前週刊誌読んでへんのかいと思ってしまった。
結論。糖尿病はやっぱ怖いよ(最終的にそれなんかい)。今作のヒットは糖尿病予防啓発映画という意味でも非常に意義深いのではないかと思った次第です(知らんけど)。
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