「『女形を極めた人間国宝』という設定には無理があると思った」国宝 Moonさんの映画レビュー(感想・評価)
『女形を極めた人間国宝』という設定には無理があると思った
私は歌舞伎についてはド素人だし、歌舞伎界を代表する女形の役者さんといったら誰もが知っている『坂東玉三郎さん』や『中村七之助さん』『中村扇雀さん』のお名前しか出てきません。
玉三郎さんは、歌舞伎役者とか、女形とか、そういうジャンル分けを越えて、一人の人間としての佇まいがお美しく、色っぽく、人間を超越している存在だと思っております。
七之助さんは普段は男っぽくてカッコいいのに、女性を演じられている時は、匂い立つような色気がありますし、そしてやはりとってもお美しい。
中村扇雀さんも同様に、舞台上でお美しくて、色っぽい。
でも私には吉沢亮さんと横浜流星さんの女形からは、全く色気を感じることができず、『女装している男性』にしか見えませんでした。
横浜さんにいたっては、白塗りが全くお似合いになっておらず。
吉沢さんも横浜さんも『国宝級イケメン』であるのは紛れもない事実ですが、『男』にしかなっていなかったと思います。
女性を演じ切れていなかったと感じました。
人間国宝に選ばれた時の姿にも、女形を極めた。。。歴史を全くと言っていいほど感じることが出来ませんでした。
子供の頃から芸を叩き込まれている実際の歌舞伎役者の方と比べるのは違うのかもしれませんが、それを差し引いても・・・と、個人的に感じました。
一番目を引いたのは、やはり田中泯さん。
手招きをする手つきがとても美しいと思いましたし、なんといっても、落ちぶれていた東一郎を呼び、踊りを踊らせる場面で覇気がなかった目に力が入った瞬間のギャップが本当に凄いと思いました。
素晴らしかったです。
時代時代にスイッチされる『手法』は斬新だと感じました。
先に『結論』をバンと出して、後から状況を説明する感じは『韓国ドラマ』でもよく見られる手法ではないかと。
それにしても。
とても大ヒットしているようなので、私の感性が鈍いということでしょう。
『君の名は』以来の『置いてきぼり』感を感じております。
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