劇場公開日 2025年6月6日

「この奇跡を見逃すな!今すぐ映画館へ!」国宝 Georgeさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5この奇跡を見逃すな!今すぐ映画館へ!

2025年6月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

知的

初めての映画投稿で恐縮。読みにくければすみません。ただ、この映画は日本人が出会える芸術作品の一つの「宝」のような存在に思えるので、あえて投稿させていただきました。

本年度の日本アカデミー賞の総なめは容易に想像がつくが、それよりも、今後上映される日本映画作品は、「あの『国宝』と比べて」と枕詞をつけて評されるような、日本の代表作として、少なくとも国内では評価されることになると想像される。それほどの出来栄えだ。
自分は年に30本程度の映画しか見ないのでとても映画通とは言えないが、それでもこの映画の構成、脚本、俳優選出、演出、演技、音楽、撮影、等々、各要素ごとの磨かれ方と、それらのバランスをとりつつ、原作を映画という世界へ展開するギリギリの刈込みと原作にはないオリジナルな創造が施されている。通でない私もでも分かる。
巨匠と言われる人はともすると自らの作品に感情移入してしまい、上記の要素をそろえながらも最後に作品を壊してしまうケースもままある中で、(コッポラさん、高畑さん、ごめんなさい)李監督はこれらを見事に制御したうえで三時間の内容に見事に収めており、その意味でこの作品は「奇跡」と言っていいのではないか。(李監督は撮影ごとに歯が一本づつなくなるんだそうだ。理由は撮影の際に歯を食いしばるせいらしい。)
今後、テレビ放送やメディア配信で茶の間でも観られるようになるのだろうが、吉沢亮、横浜流星の舞台上のあの艶めかしいほどの演技を鑑賞するのに、テレビでの鑑賞では日常空間が入り込むところとなり、その鑑賞j時間そのものが勿体ない。やはり、映画館という、そのためだけに費やす、暗闇に囲まれた映像のためだけの空間でしか得られない贅沢な体験を味わうべきなのだ。これはそういう作品だ。刺身用の食材をわざわざ煮物にしていただくようなものになってしまう(かな?)
また、今後、上映期間延長や再演であった場合、映画館の都合で三時間をさらに縮小される可能性も高く、このギリギリの編集でしか観られない作品は早く映画館に足を運ぶべきだろう。それが、タイトルをようにした理由である。
なお、映画の世界には理屈抜きで本当に映画でしか表現のできない内容の作品もある。(例:「サチリコン」)あるいは主人公の魅力だけが切り立って成立しているものもある。(例:「燃えよドラゴン」)こうした芸術品の存在を認めるために、これを考慮し、あえて満点はおかなかったのでご了承願いたい。
なお、なぜ印象のマークに「美しい」や「複層的」がないのか映画ドットコムにお尋ねしたいところである。本来、この映画の印象はこれららの既存のマークに当てはまらない気がするので。

George
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