「実力か世襲か」国宝 ひろちゃん千葉さんの映画レビュー(感想・評価)
実力か世襲か
評判が良い様なので見てきました。
タイトル通り人間国宝になった人(架空ですが)の半生の物語です。まあ歌舞伎の話しと言うのは話題になるまで知りませんでした(汗)
歌舞伎も歌舞伎の世界のことも何も知りませんでしたが楽しめました。大迫力で歌舞伎を見て感動しウルウルしました。
切磋琢磨して友人ともライバルとも兄弟とも敵とも言える間柄の若者二人が歌舞伎の世界に入る。
順風満帆かと思われた二人の行先に次々と訪れる問題。その人間模様と生き様、最終的に人間国宝と言われる所まで上り詰めるまでの紆余曲折が凄い。
3時間位ある物語だがあっという間に終わってしまった。素晴らしい出来だ。
物語としては長崎の893の親分の息子だった立花喜久雄(後の芸名花井東一郎)は組の新年会の余興で歌舞伎の演目を若集と行い喝采を受けた。
たまたま新年会にお呼ばれしていた歌舞伎役者の花井半二郎がそれを見て端正な顔立ちと演技の立ち振る舞いを見て女方の才能ありとみそめる。
その後色々あって半二郎に弟子入りし半二郎の息子俊介と厳しい稽古に明け暮れる。同い年の二人は意気投合し兄弟のように親しくなる。友人でありライバルであり両者とも顔にも才能にも恵まれて女方としてメキメキと頭角を表していく。しかし芸事が好きで真剣な東一郎と、跡目は決まっておりいつか親父の後を引き継ぐ事が決まっているボンボンの俊介(いつまで経っても俊坊と呼ばれている)は段々芸に身が入らなくなっていく。そして芸で一歩先んじた東一郎が怪我をした半二郎の代役として急遽主役級の役を任される。ここから二人の人生が大きく変わって行く。
この後も人生が二転三転する出来事があり二人は苦難に何度も襲われる。
果たして人間国宝まで上り詰めるのは誰か?一人か二人か両人とも無理か。
二人の友情はどこまで続くのか?どんな人生が待っているのか?
いやあ芸の道は厳しいし世襲もどうなのかとは思いますが、才能があれば出世する世界という訳でもなさそうなのがなんとも。
ただ最終的には家柄云々より芸に秀でていればいつかは認められるかも知れない…かな?そうあって欲しい。
歌舞伎の暗部?とも言える所に踏み込んでいるのは良かった。
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