劇場公開日 2025年6月6日

「初めての歌舞伎に、この映画を」国宝 観たい日は休みますさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 初めての歌舞伎に、この映画を

2025年6月24日
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鑑賞方法:映画館

本物の歌舞伎は観たことがなく、お家制度についてもよく知らない素人ですが、ぐっと引き込まれました。
歌舞伎に関しては、最小限の歴史的背景が冒頭に文字で示される程度で、あとは役者たちの演技を通して、その世界の華やかさと厳しさが自然と伝わってきます。

物語としては、家に生まれながら芸を継ぐ者と、家の外から芸に惹かれていく者。
2人の青年が切磋琢磨しながら成長していく中で、ある出来事をきっかけに、それぞれが「自分にはないもの」の重さに苦しみます。
対照的な立場で歩む2人の姿には、それぞれに同情したくなるような厳しさがあり、世界の外にいる者には計り知れない重圧の中で、葛藤と覚悟を繰り返していることが伝わってきました。

舞台のシーンもとても美しく、目を奪われる瞬間がいくつもあります。
主演の吉沢亮さんと横浜流星さんは、見た目の美しさだけでなく、歌舞伎の所作や空気感を表現するために、相当な努力を重ねられたのだろうと感じました。
歌舞伎にまったく触れたことがなかった私でも、「生の舞台を観てみたい」と思えるほど、強く惹かれる作品でした。

フィクションではありますが、今も歌舞伎界で活躍されている方々も、多かれ少なかれこのような思い悩みを抱えているのではないか――と、つい想像してしまいます。
日本の文化の一端を知るという意味でも、とても学びの多い作品でした。

観たい日は休みます
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