劇場公開日 2025年6月6日

「 久々に大作感のある邦画を観た気がする。歌舞伎の撮り方も工夫が凝ら...」国宝 sugsyuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 久々に大作感のある邦画を観た気がする。歌舞伎の撮り方も工夫が凝ら...

2025年6月12日
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鑑賞方法:映画館

 久々に大作感のある邦画を観た気がする。歌舞伎の撮り方も工夫が凝らされていて、楽屋や舞台裏、舞台上でも黒子の動きなどにカメラが向いていて、単なる歌舞伎のダイジェスト、にならないようにしている。結果、普通の歌舞伎公演では目に映らない、役者の内面の激情が二重写しになったような、それだからこそ一層絢爛豪華な舞台をスクリーンに出現させていて、このテーマをわざわざ映画化した意味に納得がいく。ただ、二人のライバルの話にするのか、主人公の芸道一代記にするのか、はどっちかに絞った方が良かったかもしれない。それほどに結末一歩前の「曾根崎心中」は見事なドラマの結実だった。有名な、縁の下でお初の足を徳兵衛が抱きしめるシーンに、こんな新たな文脈を加えるとは…。田中泯が「手招き」の動作一つで主役2人の全編通しての熱演に拮抗しているのは、さすがに年季が違う。

sugsyu
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