「評価が高く、李相日監督ということで足を運びました。 まず、なんの前...」国宝 aooniさんの映画レビュー(感想・評価)
評価が高く、李相日監督ということで足を運びました。 まず、なんの前...
評価が高く、李相日監督ということで足を運びました。
まず、なんの前知識もなく、能を一度もみたことがなかった私ですが、今作を通じて能の面白さを感じることができました。
俳優陣は素晴らしく、能や演技の練習もかなり積んだのだろうと思われます。
特に田中泯さんはハマり役で本物なのかと思いました。最後の登場シーンは少し力が入り過ぎ感もありましたが・・・。
主演の二人も若いながら、頑張っていたように思います。ただ若いからこそなのか、重厚なセリフのシーンでは少し物足りなさも感じてしまいました。
作品に関しては話が飛ぶシーンが何回かあるので、やや話に入り込みづらい印象がありました。そして最後の方のシーンなど、やや説明しすぎなセリフがあったり、顔のドアップだったり、カットを切りすぎな感じがしたりと、個人的には気持ちが乗りませんでした。鷺のところはもう少し俳優の演技を信じて長回しできなかったものでしょうか。手を加えるならオーバーラップなり、スローなりにしてなんとかもっと効果的にはできなかったかと少し残念です。丁寧に撮っているのだろうと思うので余計に。あと正面で撮らずとも、後ろ姿で十分と言うこともあります。景色というのもいまいちピンと来ず・・・。
とはいえ、能という伝統的な題材に立ち向かい、丁寧なつくりは李相日さんらしいという気がしました。改めて久しぶりに本物の日本映画みたなーという気持ちになりました。
ありがとうございました。
歌舞伎という芸事を題材にして、映画という枠組みの中で50年の半生を表現するには3時間たらずの作品には収まりきらなかった感じは確かにあります。ですが、それを余白部分として受け止めて、観客が後からいろいろな解釈と想像を膨らませる。何しろここまで作り上げたこと自体が奇跡的な作品と思います。観るものに訴えてくる力は比類ない程です。作品を感じる力は人それぞれなので、評価については何も言うことはありませんが、楽しんだもの勝ちです。次は能の世界を誰かが映画化してくれないかなあ。楽しみにしていたい。
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