劇場公開日 2025年6月6日

「『道』と愛と友情と打算の人生を描いた素晴らしい傑作」国宝 たこつぼさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0『道』と愛と友情と打算の人生を描いた素晴らしい傑作

2025年6月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

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知的

 ヤクザの子が歌舞伎の世界を歩んでいく人生の話。
 まずストーリーが素晴らしい、師匠への尊敬、幼馴染との友情、継子ならではの気遣いと気まずさ、多様な愛憎を洗い流す年月の重み、そしてそれらを貫く歌舞伎を極めるという道。
本当によくできていると思う。
 次に背景描写が素晴らしい。70年代から2010年代までそれぞれの時代の匂いを感じる背景とモブの時代描写が本当に現実味を表してる。
 最後に役者の演技が素晴らしい。
とにかく歌舞伎が上手くなりたいという主人公役の吉沢亮。
ボンボンであり裏切り者であり親友である幼馴染役の横浜流星。
大役者であり一門の長である師匠役の渡辺謙。
そしてそれらを取り巻く女性たち。

 どれもこれも本当に素晴らしかった。
 曽根崎心中のシーンは一度目は圧倒され、二度目は涙が出た。

ただ一つ、この映画は歌舞伎の演目を簡単に知っておいたほうがいい。
公式サイトに演目の簡単な説明があるからそれだけ読んでから映画を見たほうがより楽しめると思う。
なお簡単に説明すると、
連獅子は獅子の親子が張り合う演目、二人藤娘は藤の精が化けた2人の娘がもどかしい恋心を語る演目、(二人)道成寺は女の霊による恨みの演目。
そして曽根崎心中は、男が嵌められ、それに憤った遊女が相手方に殴り込みに行き、縁の下に隠れていた男に心中する覚悟はあるかと問う演目

たこつぼ
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