「歌舞伎の悪魔を憐れむ歌」国宝 ピンボールさんの映画レビュー(感想・評価)
歌舞伎の悪魔を憐れむ歌
李相日× 吉沢亮×横浜流星「国宝」血筋を重んじる歌舞伎の世界に人生の全てを賭けた男の物語。ロバート・ジョンソンはブルーズのためにクロスロードで悪魔に魂を売ったけど、吉沢亮演じる喜久雄は長崎の冬の夜に父の最期を見た時すでに芸の悪魔と契約していたのかもしれない。
終盤の壮絶な「曽根崎心中」のシーンである人物がつぷやく「こんな風には生きられないな」のつぶやきは映画を観ている人たちの代弁とも言えるけど、ひょっとしたら李相日の思いかもしれないなと考えたりしたな。
あと、吉沢亮と横浜流星は当然素晴らしくておそらく映画賞レースを席巻するんだろうが、この2人を喰う存在だったのが人間国宝を演じた田中泯で、その色気と悪魔性が混在する佇まいは圧巻でした。
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