「どこ見てたんやろな」国宝 sow_miyaさんの映画レビュー(感想・評価)
どこ見てたんやろな
あっという間とは言わないが、175分が長くない。田中泯を筆頭に、描かれる人物の佇まいだけで十分に画面が持つし、主人公喜久雄(黒川想矢、吉沢亮)の、内なる狂気が溢れ出て隠せない感じとか、ほんの少しだけ届かない俊介(越山敬達、横浜流星)の演じ方とか、巧者たちの演技合戦が贅沢で見事。
それでも、「人間のまつ毛って、上からライトが当たるだけで、こんなに影が伸びるのか」とか、「あの白粉どうやって落とすのかな」とか、観ていて、ちょいちょい思考が脱線気味になったのは、歌舞伎に詳しくないこちら側の責任。
ポスターのコピーがいう「血筋と才能」の問題や、そもそも「芸とは何か」とか、そこに「国宝」という言葉が当てられる意味とか、明確な輪郭を持たないものが個人を超えて伝承されていくのはどうしてなんだろうかとか、諸々についての問いかけを受け取った。
この映画、逆予告編詐欺というか、ネタバレのように切り取られて、軽く描かれているセリフや場面の数々は、本編で観ると全く違った重みで届いてくるので、やっぱり映画館で腰を据えて観るのがよいと思う。
特に「震えが止まらんのや」のシーンはものすごくよかった。
あと、個人的には、ホテルの屋上での「どこ見てたんやろな」の吉沢亮と、ラスト近くの瀧内公美がものすごく好み。
sow_miyaさま
共感ありがとうございます🙂
>逆予告編詐欺というか、ネタバレのように切り取られて、軽く描かれているセリフや場面の数々は、本編で観ると全く違った重みで届いてくる
予告編でハイライトシーンを見せ過ぎじゃないかな、と心配していましたが、まさに“逆”でした🧐
寺島しのぶさんが、李相日監督の喜久雄と俊介の稽古と撮影を、「えげつない(笑)」と暴露していました🫢
吉沢亮さんが、「流星の“負けたくない”という思いに、“負けられない”と思って頑張れた」と振り返っていました🥲
李相日監督、恐るべし…🤔
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