劇場公開日 2025年6月6日

「どこ見てたんやろな」国宝 sow_miyaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 どこ見てたんやろな

2025年6月7日
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鑑賞方法:映画館

あっという間とは言わないが、175分が長くない。田中泯を筆頭に、描かれる人物の佇まいだけで十分に画面が持つし、主人公喜久雄(黒川想矢、吉沢亮)の、内なる狂気が溢れ出て隠せない感じとか、ほんの少しだけ届かない俊介(越山敬達、横浜流星)の演じ方とか、巧者たちの演技合戦が贅沢で見事。
それでも、「人間のまつ毛って、上からライトが当たるだけで、こんなに影が伸びるのか」とか、「あの白粉どうやって落とすのかな」とか、観ていて、ちょいちょい思考が脱線気味になったのは、歌舞伎に詳しくないこちら側の責任。
ポスターのコピーがいう「血筋と才能」の問題や、そもそも「芸とは何か」とか、そこに「国宝」という言葉が当てられる意味とか、明確な輪郭を持たないものが個人を超えて伝承されていくのはどうしてなんだろうかとか、諸々についての問いかけを受け取った。

この映画、逆予告編詐欺というか、ネタバレのように切り取られて、軽く描かれているセリフや場面の数々は、本編で観ると全く違った重みで届いてくるので、やっぱり映画館で腰を据えて観るのがよいと思う。

特に「震えが止まらんのや」のシーンはものすごくよかった。
あと、個人的には、ホテルの屋上での「どこ見てたんやろな」の吉沢亮と、ラスト近くの瀧内公美がものすごく好み。

sow_miya
sow_miyaさんのコメント
2025年7月20日

iwaozさん、コメントありがとうございました。長崎ぶらぶら節、また観てみたいと思います。ご紹介ありがとうございます。

sow_miya
iwaozさんのコメント
2025年7月20日

レビュー感謝です。^ ^
細かいエピソード知らない事もあり
知れて良かったです。
瀧内さんの段、非常に同感です!
ほぼ横顔だけであの存在感と説得力!流石でした! m(_ _)m
個人的に芸道映画として
吉永さんの「長崎ぶらぶら節」を思い出しました。f^_^;
実話ベースで救いのない壮絶人生ものですが、今でもいろんなシーンが心に残っていて、オススメです!

iwaoz
ひなさんのコメント
2025年6月20日

sow_miyaさま🙂

>「人間のまつ毛って、上からライトが当たるだけで、こんなに影が伸びるのか」

流星くんは女子よりまつ毛が長いので、子どもの頃はお父さんがまつ毛をカットしていたそうです🤭

>個人的には、ホテルの屋上での「どこ見てたんやろな」の吉沢亮〜ものすごく好み。

今日レビューに追記したので、こちらのコメント欄でもお伝えします🫡

【6/20追記】
「屋上」のシーンで、喜久雄の舞いとつぶやく台詞が、吉沢亮さんのアドリブだと知りました。もう一度映画館に行って、喜久雄が芸に生きたように吉沢亮が役を生きていることを、目に焼き付けてきました。

映画館で驚いたのは、2週間前の初日には予想できなかった若い年齢層と、「歌舞伎」というワードからは想像できない観客層でした。映画が大ヒットすると、良い意味で作品が一人歩きすることを、映画館で再確認してきました。

ひな
まー。さんのコメント
2025年6月7日

僕もあの震えるシーン🎬で震えました!ラストの瀧内さんも良かったですね!良い映画でした

まー。
あんちゃんさんのコメント
2025年6月7日

共感ありがとうございました。そうか、あれ瀧内公美だったんですね。今やっと腑に落ちました。

あんちゃん
ひなさんのコメント
2025年6月7日

sow_miyaさま
共感ありがとうございます🙂

>逆予告編詐欺というか、ネタバレのように切り取られて、軽く描かれているセリフや場面の数々は、本編で観ると全く違った重みで届いてくる

予告編でハイライトシーンを見せ過ぎじゃないかな、と心配していましたが、まさに“逆”でした🧐

寺島しのぶさんが、李相日監督の喜久雄と俊介の稽古と撮影を、「えげつない(笑)」と暴露していました🫢

吉沢亮さんが、「流星の“負けたくない”という思いに、“負けられない”と思って頑張れた」と振り返っていました🥲

李相日監督、恐るべし…🤔

ひな
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