劇場公開日 2024年11月29日

「横顔も見よ」正体 momoさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0横顔も見よ

2025年1月12日
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人は多面的に見なければわからない。
正面から見る顔、右から見る横顔、左から見る横顔、色んな角度から、見る人によってその人の見え方は違う。
自分で自分の顔を見るのは正面から。
横顔というのは他人にしか見えない自分の顔だ。
最初のインタビューから後半まで時々出てくる出演者の横顔が印象的だ。

横浜流星の表情がクルクル変わる。見事に別人を演じ分けていて惹き込まれた。
吉岡里帆が演じる女性はジャーナリストで父の痴漢の冤罪を晴らそうとしている娘というベースがあるから、その人の本質を見抜いて信じようと懸命になるところも納得がいき胸が熱くなる。こんな原作にない設定、吉岡里帆すごい役作りだ。
行って!と逃がすシーンは泣ける。
森本慎太郎もダチになってやるよ、という人生詰んでる役が絶妙にハマっていた。資格試験を勉強するまでになる変化も素敵だ。
刑事として上からの命令と己が信じる正義との葛藤のある役を中堅俳優でここまで深みが出せるのは山田孝之ならでは。渋いゾ!

後半の面会の横顔の対比。
横浜流星、首長っ!山田孝之、首短っ!
というのは思ったとて…置いといて。
もうその辺から息をつく暇がなくなってコーヒーを飲むのもすっかり忘れてスクリーンに釘付けだった。
気がついたらポロポロ泣いていた。

テンポも良くて本当によくできた脚本。
ものすごく好きな映画がまたひとつできた。

momo