ハロルド・フライのまさかの旅立ちのレビュー・感想・評価
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正直、ちょっと展開が退屈だった。
有名な小説だという原作を知らずに映画として初めて味わう。
なぜそこまでして無謀な旅?この夫婦の冷え方はなんで?息子はどうした?、、、なんとなく予測がつく中、随所に文句なしの地平線や山並みを挟んで気持ちいいロードムービーとして魅せてくる。
英国では「人生最後に国縦断するおじいさんの旅」は定番なのだろうか。しかも途中でバズって有名人になっていくところは「君を想い、バスに乗る」をなぞっているようだし、薬中の挫折息子の追憶の展開では「The Son息子」がフラッシュバックしてしまう。
そんなこんなで雑念にとらわれつつ睡魔には襲われなかったのは、奥さんの女優さんがダウントンアビーで安定の演技を見せてくれた方だったからだろうか。
一歩でも前に進めばいつかは辿り着く
私も歩いて旅をするのが好きで、野宿しながら1週間程かけて300kmくらい歩くと、本当にハロルドの様な足になり、時には雨に打たれ、他人の親切が身に染みて、美しい木漏れ陽や雄大な景色を眺めながら色んな事を思い出したりします。
本作の作家および制作陣はきっと撮影前に遠路歩きまわったと思います。 足の痛みと疲労と野宿と空腹と感動を知らずしてこんな素敵な映画はできませんよ。
非合理的なハロルドの行動に疑問を感じた方は、是非一人で歩き旅をしてみてください。
きっと納得できますよっ
居ても立っても居られない時は、後悔するより勇気を出して一歩踏み出す方が人生ドラマチック!
迷った時はハロルド夫妻の事を思い出します。
それこそが人生
原題は「ハロルド・フライの思いがけない巡礼旅」みたいな感じ。
初めから「神様は信じていない」というが、願いはいつしか祈りのように。最後まで見通すと、思ってもいなかったほどの『贖罪』の旅だったと分かる…
騒ぎになっていって「違う」と思うくだりや、奥さんとの『和解??』など人の複雑な機微を上手く拾い上げてると思う。
息子みたいに思えた(?)あいつはどうなった?とかちょっと腑に落ちないところはあるが、それこそが人生、ってことで…
前へ、置き去りの心を。
ちょうど時間が合ったので、「なんかおじいさんが主役っぽいな」くらいの前知識で観ました。
オスカー俳優のようですが、自分が知ってる人は誰1人出ておらず、予告ポスターのような明るい感じでもなく、ドキュメンタリーのような現実的な感じのストーリーでした。
なんというか…本当にこういう人はいそうだし、奥さんのヤキモキもよくわかるし、まぁ蟠りが解消できて良かったね、という感じで、見終わった後に何かすごい残る訳ではないけど、かといって全然退屈ではない。
自分がイギリスの地理に詳しくて、だいたいどの辺かとかがすぐわかればまた違った見方ができたのかもしれないけど。
ちなみに800kmは東京~広島くらいでした。
でも一番気になったのは、近くで観てた老夫婦が、このあとどんな感想を言い合うのか…。
それと、邦題がちょっと気になるかな。
歩いても、歩いても
気持ちを整理するには散歩が有効。ハロルドにはその対象が随分大きかったようです。なんか分かる気がした。
地元の映画館では上映予定がなく、わざわざ隣県まで観に行きました。そこまでしなくてもいいですが、良い作品です。
老域の心の在り方を描く
観る前は、昨年観た『君を想い、バスに乗る』の徒歩版で「初恋の人に会うために徒歩の旅なのかな?」みたいに想像していたのですが、全然違いました。
末期がんの友人に会うのがゴールではなかった。
極めて内面的な心の在り方を描く映画でした。
神に祈るのではなく、友人の無事を祈る旅。
その中で自分と向き合う旅。
まさに巡礼。
前へ向かって歩きながら、旅の途中で知り合った人と話す中で過去へと記憶を遡っていく。
過去の自分の過ちに向き合い、友人や妻、息子への悔恨と贖罪。
そのうえで、夫婦にできた心の傷と溝を見つめて、悲しみに止まっていた時間を改めて動かす決意をし、夫婦の在り方や自分の生き方を考える旅であったことが分かる仕組み。
友人が死に瀕し、自らも死を意識する年齢に達したことに気づき、目を背けたままでいいのかと自らに問う。
重い哲学的な話だった。
面白いと一括りに評することはできないが、いろいろ考えさせられる作品でした。
主人公が特定の宗教に関わらず、無宗教だったのもよかった。
500マイル歩き通す「動機」が重すぎて…
監督:へティ・マクドナルド
原作・脚本:レイチェル・ジョイス
原題は『The Unlikely Pilgrimage of Harold Fry』、
俳優として活躍していたレイチェル・ジョイスが、2012年に発売した小説処女作『ハロルド・フライの思いもよらない巡礼の旅』が、世界600万部を超えるベストセラーとなった。
今回、映画化に合わせタイトルを『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』に改題して再販するという。
いうなれば、老いらくのロードムービーだ。
デビッド・リンチの『ストレイト・ストーリー』を思い出す。
妻とふたり、静かな老後を過ごすハロルド・フライは、元同僚のクイーニーから手紙を受け取る。
彼女はホスピスで終末医療を受けていて、別れを告げる内容だった。
ハロルドは返事を書いて投函しに出掛けたその足で、
クイーニーがいる病院まで800km(500マイル)の道のりを歩いていくことを決意する。
なぜ、歩きでいくの?
映画の中で明快な説明はなかったが、
歩いてくるハロルドを待つことで少しでも長生きして欲しかったのか?
あるいは、歩く(苦難を選ぶ)ことがクイーニーへの罪滅ぼしになると考えたからか?
ロードムービーならではの、
「一期一会」や「人との触れ合い」が豊富に用意されている。
出演しているキャストがみなさん、なかなか個性的で魅力的だ。
◆向かいに住む妻を亡くしたレックス
◆ガソリンスタンドの若いレジ係(なかなか重要)
◆駅で朝食を共にするゲイのビジネスマン
◆農道でクルマに乗るか声をかけてくる女性
◆スロバキアから来た女医
◆妻モーリーが相談にいく医師
◆カフェで相席した中年
◆ホスピスのシスター
◆記念に写真を撮るヒゲ面(たぶん記者?)
◆カフェのウェイトレス(2か所)
◆巡礼グループのリーダー格・ケイト
道行きのウィルフに一人息子・デヴィッドを重ねるハロルド。
クイーニーへの想いで始めた旅は、
日が経つに連れ、デヴィッドへの想いがまさりはじめる。
新聞に美談として紹介されたハロルドには、
多くの人々が連れ立って移動するようになる。
このあたりは、『フォレスト・ガンプ』だ(笑)。
冗談はさておき、
老人を800km歩かせるには、「強い動機」が必要だった。
本作は、良くも悪くもこれに尽きる。
旅の途中の人々との出会いを、すごくチャーミングに表現できていただけに、
この「強い動機」がリアルに強すぎて、
すべてを覆い尽くしてしまった。
「そっちなんだ〜」となってしまったので、☆3.0
ゆっくり時間を掛けて歩くのも良い旅
人生いろいろあるけども、
やり直せないことはないですね。
ハロルドは、クイーニーを元気づけるために、
800㎞を歩き続ける旅に突如旅立ったけれど…
それは、過去の自分を許す旅へと替わっていき、
いろんな人に出会い、優しさに触れ、
見た目も精悍な顔つきに変わっていき、
人生も前に進んで行きました!!
前向きな気持ちを与えてくれる作品です。
クイーニーは、ビール工場の時と、
今回の旅の要因を作ってあげたというこで、
ハロルドを2回助けましたね。
電車や飛行機などの時間優先の旅も良いですが、
ゆっくり時間を掛けて歩くのも良いですね...
小説は面白そう
「ハロルド・フライが歩く理由はこれだったんだ」と分かるところは感動がくるね。
ハロルドと奥さんとハロルドが会いに行く女の人に事情があって、それで、色々と想ってるんだよね。そこが描きこまれてたら面白いだろうなと思ったの。
でも映像にしちゃうと歩いてるだけだからね。細かなことまで分からない。
「日本縦断」とか誰かがやり始めると応援するけど、あれは何でなんだろうね。
なにか人間の根源に触れるものがあるのかな。
800km
高校の頃、隣の県のいとこの家まで歩いて行ったことがある。220km。たしか5日かかったと思う。
この映画は800kmだからその4倍。いくらなんでも2カ月はかかりすぎだ。
所持金は少なかったので野宿したが、途中、お寺に泊まった。軒先を借りようと思って声をかけたら、なんと、本堂を使ってよいという。だだっ広い本堂に寝袋を広げていると、「夕御飯を食べなさい」との声。厚かましくごちそうになってると「お風呂に入りなさい」と風呂に入れてくれた。明朝、起きて出かけようとすると、「朝御飯を食べていきなさい」。図々しくごちそうになり、今度こそ出かけようとすると、なんとおにぎりを持たせてくれた。
私は、それまで、近所のおばちゃんが飴をくれようとすると、遠慮して断るような子どもだった。この旅以降、間違いなく、私は変わった。
帰りはヒッチハイクで他県を経由して帰った。距離は何倍にもなったが、歩く距離が短くなった分、逆に楽だった。
そんなことを思い出しながら見た。
歩いての旅というのは、人生を変える力がある。もちろんハロルドも。
英国にて。 ある老人、余命わずかの旧友に会いに、遠い街からホスピス...
英国にて。
ある老人、余命わずかの旧友に会いに、遠い街からホスピスまで800キロほどを徒歩で目指す話。
奥様はやきもき、ご本人は猪突猛進。
英国のいろんな場所の眺め、ぞれだけでも目の保養になります。
道中には、さまざまな出会いや障壁も。
出会った人々から、貴重なご支援やお言葉を授かったり。
道中、息子さんとの確執、旧友への恩など、色々思い出し、心を痛める場面も。
ぼろぼろになりながらも、最後にはしっかり自身の足で到達。
無性にほっこりする、また、元気の出る物語でした。
私的にも、いずれリタイヤしたら、ネジの外れた爺さんになりたい気もしてきました。
大盛り上がりの感動作品ってわけではありませんが。
予告編を見たイメージで観覧すると肩透かしな
感じを受けるかもしれません。
静かに登場人物たちの心の内を描いている作品
なのです。決してゴールすることが目的の物語
ではないのです。
原題で使われている言葉は「旅立ち」ではなく
「巡礼」。確かに突然始まる旅であり、大義名分は
「人の為」であったものが、日常を離れ一人で道程を
進むことで主人公にとっての意味が変わってくる展開は
非常に意外なものであり、かつ「巡礼」という言葉
がしっくりくるのです。
巡礼の意味とは・・・様々な説明がネットにありますが
「聖地や霊場を順に参拝して信仰を深め,
心身のよみがえりと新生の体験また利益(りやく)を
得るための宗教行為。」
この作品の展開に最も近しい気がする説明でした。
決して宗教的な物語ではありませんが、日常を離れ
自身、自身の過去に向きあい受け入れることが
次への一歩につながるのだと確信できる物語です。
過去に縛られとどまらず、歩み続けること、
一歩踏み出すことが人生で必要あり、かつそれが
人生なんだと、じーんとしました。
すごく良かったです!いい映画でした。
かつての同僚が末期癌と聞いて800マイルを歩いて会いに行く。SNSで話題となり一緒に歩く人が増えて来る。こんな予告編を見て想像していたのとは全く違う映画だった。彼には行かなければならない理由があった。突然夫に置き去りにされた妻はとても怒るのだが彼女にも秘密があり…。 ハロルドの贖罪の旅であり家族の物語でもあった。 観る前は同僚は死にかけてるのに歩いて行って間に合うのか?とか思ったけど歩いていかなければ行けない理由もちゃんとあってすごく納得の行く終わり方だった。 映画館を出た時、爽やかな気分で前を向いて歩きたくなる映画だった。
おじいちゃん頑張った
ストーリーはわかるけど、まあ辛そうだったね。
白人さんの年の取り方が微妙なため、回想シーンが25年も前の話とはわからず、いろいろな時間軸が判明するのが本当の後半で。
最後になってそういう話なんかあという印象。
歩くことが生きる励みに。それだけじゃあないけれど
遅刻につき、スタンドのシーンから鑑賞。反省。。
800kmの距離なんて、ゴールはあれど意志がないと辿り着けないしバンバン差し込まれてくる家族の長い過去もけして明るい話ではない。このポップカラーなキービジュアルにはない複雑な色合いが視界をじわじわ浸透する。
地方の広く続いていくのどかな自然風景や一期一会、登場人物それぞれの溜まっていた想いが浄化されていく道程を只々見守っていた。責めるのは簡単だが、赦し合うは時間が要る。思いがはけて良かったな。迫る波音と共にラストのクリスタルが照らす光の先に希望をみた。
パンフレットを入手しイギリス縦断のポイント旅マップと日本地図での広さを目にし距離感納得。ハロルドさん、健脚。。
じわじわと涙が
シナリオの作りが非常に上手い。旅先で会う人々と過去の回想を上手く織り交ぜていてしかも見やすい。
本筋も時間を追うごとに明確になり良い。
ラストのオチも納得いく感じだし、人は死ぬのは当たり前で、しかしそれでも一筋の光があれば生きていけるし死んでいける深い話になっている。
無理しなくても・・
見終わって冷静に考えると・・そんな無理しなくても・・と考えがまとまってしまった・・。ホスピスに入所して余命いくばくもない、ましてや大事な人なら1分たりとも早く行ってその人との時間を多くとってあげた方がいいように思うが・・。1ヶ月以上かけて歩いて家庭や他人に迷惑かけてしまったり、有名になって想いと違う方向に向かってしまったり・・。人生の中でこれまで成し遂げた事がないからといっても・・多分フライは生き方の下手な人生を送ってきたのだろう。あれこれ考えてこの結論に至った私もあまり生き方が上手い方ではないのだが・・本当に「まさか」の内容でした。
ガラス玉
泣いた
去年観た「アフター・サン」は号泣したが、同じくらい泣いた
予告映像の段階では、まぁジーサンが頑張ってイギリスを縦断する感動話だろ~とナメタ感じだったが…
人間、歳をとると誰でも後悔の一つや二つあるもので、一見普通の老夫婦だが、彼等にも消化しきれないある思いが…
とりあえず、今年一番泣きました
オワリ
哲学的……よね?違う?
ひと昔前なら先回りして号泣しちゃうほど涙脆かったはずの自分が最近だとどんな映画を観ても全然涙が出なくなってしまったことに気が付いてしまった…。 『泣けたよ』と聞いたのであわよくば涙活を💕というわけで、泣きたい女の泣けるかチャレンジ🍀
【結果】撃沈(泣けませんでした💦)
映画について箇条書き👇
・とってもとっても哲学的な作品に感じた。
・人ひとりの人生がなんたるかをハロルドの道中で表現してるよぉな。
・人は一人では生きていけない。
・でも時として他人は居ても邪魔なだけ。
・思い悩んだり、振り切ったり、それを繰り返し『終着』まで進んでいく。
・ほう!ダウントンアビーのイザベルばあちゃんが奥さん!
と、そんな風に見えたのだけど、そんな堅苦しいこと考えなくてもただただイギリスのrural areaの雄大な景色を見ているだけでも気持ちが良い。
同じ日の直前に観た『東京カウボーイ』も雄大な自然が心地よかったけど、アメリカとイギリスとでは分かりやすく全然違っていたのが印象的な作品。
たまたまだけど、同じ日に観てよかったなー✨✨
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