「嬉しくもあり悲しい」ゼーガペインSTA neeterさんの映画レビュー(感想・評価)
嬉しくもあり悲しい
正直に言って新作映画をしてくれたことはうれしいし関係者皆様には感謝しきれない。
けど見終わって思ったのは、素直に評価できない作品になっているなと思いました。
自論にはなりますが、このゼーガペインという作品のファンの大多数はシズノ派が多いと思います。
TV最終回でキョウとシズノは互いの本音を伝え合って決着をつけてるような雰囲気はありました。でも周りが三角関係がどうとか言うからまだワンチャンあるんじゃと我々ファンは思ったわけです。
ゆえにと言いますが、ファンもスタッフもミサキ・シズノというキャラクターに囚われすぎているんだと感じました。
だからスタッフもキョウとシズノの関係に決着を描くための物語が今作なのだと伝わりました。
で、その方法がTV本編で自爆して消えたはずのキョウを使うことでした。正直に言って自分はこれに対してあまり肯定的ではなくて。
結局シズノ自身も私が愛したのはあなた(消えるまえのキョウ)と言わせたのもなんか嫌でしたね。なんか逃げてる感じがして。
似たようなあったなあっと思い出したのはGANTです。これも類似してて、まあ向こうはちゃんと死ぬんでケジメはつけているのですが。
別にここだけならまだ我慢してよかったなと評価できるんですけど、肝心の内容はお世辞にもよくない。
パンフにもありましたが既存のファン向け以外にも新規の方に云々と監督が言っていましたが、はっきり言ってゼーガペインに新規なんて今更無理だし映画を見に来るのも既存のファンぐらい。
だからなのか冒頭に三分の一ぐらい使って本編およびADPを混ぜた総集編を流すのを見てドン引きしました。これがすぐに終わるならいいけど体感三分の一ぐらい使ってるから余計に構成が酷いです。
映像もADPの時もそうですがパチスロの映像に少し新規映像をつけたぐらいでしょう。ただ私はパチスロの映像を知らないので本作の映像がどこまで新規なのかはわかりません。
CGに関しては今の技術だとかなり綺麗でいいものになってはいるのですが(使いまわし除く)、肝心の戦闘シーンはお世辞にもロボットオタクを唸らせるものではなく、むしろ拍子抜けでした。
まさか自爆して倒して終わりだとは思わんかったわ……。
勘違いだったら申し訳ないけど、そもそも今作ってTV最終話に繋がらないのでは? 多分ADP→TV本編→STA→TV本編エピローグだと思うんですけど。
でもシズノの記憶は戻ってキョウと冬の舞浜?にいって消えるから本編の最後には繋がらなくなってるし。もう滅茶苦茶や。
この手の何年も経って新作映像で成功しているのシティーハンター、復活のルルーシュ、最近だと種自由だけど、ゼーガペインはなんかこれには当てはまらないと思う。
個人的にオルタモーダ関連の設定は納得はできるけど逆に足を引っ張っているなと感じました。一人だけ最後まで何がしたかったのマジわからないし。
最後になるけど、やってくれたことには感謝するけどTV本編の綺麗な終わり方のままでいたいなら見ないほうがよかったと思ってしまった。思いたくなかったけど。
あとこれだけは言わせてくれ。
パンフ高杉。