「純血主義とチンケな復讐」フィリップ uzさんの映画レビュー(感想・評価)
純血主義とチンケな復讐
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当時の文化や価値観に疎い自分には、いまいちピンとこなかった。
そもそも、主人公の復讐に理解が及ばない。
純血主義を汚すというのは分かるが、フィリップと関係を持つということは差別意識が薄いのでは?
(単に快楽主義の淫売なだけかもだけど)
そんな女性を嵌めることが本当に復讐ですか??
最後の無差別発砲も含め、ピントがズレて見える。
嫌いな人間(総支配人)に自分のツバを飲ませるなんてのも、個人的にはむしろ嫌だけどなぁ…
口で「復讐」と言うだけで家族や恋人を思い出すシーンもなく、これではフィリップが猿にしか見えない。
他の女性では避けていたキスをするまでのリザとの顛末にも納得感はないし。
素人のブランカに簡単にユダヤ人だとバレたのに、そっち方面のハラハラは無し。
マレーナ関連は最後までよく分からず。
ナチス非道い、ピエール良い奴ってくらいで、フィリップやリザの心象の変化も掴みきれなかった。
冗長な会話とかホールでの運動とか、カットの間延びも気になった。
ピエールが射殺されての慟哭は凄い演技だったが、いくらなんでも長い。
全部を見せずに“先”を想起させてこそ映画では。
自伝だからフィリップは死なないし、ピエールの死は粗筋に書いてある。
細部の説明がない上に、大まかには事前情報の範囲でしかないので、“発禁”というワードの割に退屈でした。
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