キッチンから花束をのレビュー・感想・評価
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不易流行
上映最後の週になるかもしれない日曜日の朝、漸く拝見しました。
ふーみんママとよばれる斉風瑞さんの50年にも及ぶ台湾風家庭料理店の歩みを描いた素晴らしいドキュメンタリーでした。
一度でも台湾に足を踏み入れたことのある人ならば、彼の地の食を忘れることはできません。台湾人の両親を持ち東京で生まれたふーみんママ。彼女は、おそらくお父様からもらった味覚と料理人としての才能、お母様の持っていた力と愛情を引き継ぎ、何よりも、確かな舌を持っていました。
ただ、それを開花させるためには、日本の文化人の皆さんのヒントが必要でした。特に人気のメニューは、「ねぎそば」「豆腐そば」や「納豆チャーハン」。台湾では食べられていない「なっとう」や、作ったこともない「チャーハン」に挑むには、とてつもないふーみんママの適応力が必要でした。おそらく大ママから来た。
根本は、あくまで「小腹が空いた時に食べる台湾の家庭料理」なのでしょう。
スキャットで流れるアン・サリーのナチュラルで力のあるヴォイスも魅力的でした。
私は、松尾芭蕉が見出した「不易流行」を思い出していました。
変わらないものを理解しなければ、基礎は成り立ちません。ただ、変わるものを理解しなければ、進展はありません。
劇場に急ぎましょう!
これはいいドキュメント
東京南青山の台湾家庭料理の店ふーみんに関する飲食店のドキュメント。
ふーみんこと斎風瑞氏に関する密着ドキュメント。
ふーみんの人気メニューの裏話や平野レミ、五味太郎のインタビューなど
みどころが多く観て良かった。斎氏の食へのこだわり、哲学がしっかりしていて
これはお客様にファンが続出し、満席状態が続くのも納得できた。
今の飲食店はインスタ映えや食べログ炎上など嫌なイメージが多い中、今回の
ドキュメントはどこかホッとして機会があれば行ってみたい衝動に駆られた。
ただ、地方の人にとっては違和感を感じるかもしれない。むしろ、飲食店の
モットーや食のこだわりに注目して観るといいかもしれない。
納豆チャーハンが食べたくなった。
【”食べることはこころを作る事、生きる事。”今作は台湾中華風家庭料理店「ふーみん」の50年に及ぶ足跡を店主のいつも笑顔を絶やさない、斉風瑞さんの姿と共に描いたドキュメンタリーである。】
■台湾人の舌が確かな父と気丈な母を両親を持ち、日本で生まれ育った斉風瑞さん。
友人達から愛される彼女は「ふーみんママ」と呼ばれている。
今作は、友人の一言がきっかけで、1971年小さな台湾中華風家庭料理のお店「ふーみん」をオープンした後の50年の足跡を追ったドキュメンタリーである。
◆感想
・フライヤーに映る、斉風瑞さんの笑顔が素敵であり、映画タイトルも魅力的であり、映画館で観たかったのだが、上映館が県内で一館しかなく断念。だが、フライヤーは持っていた。
鑑賞理由は、料理が好きという単純なモノである。
・斉風瑞さんが非常に小柄な身体ながら、大きな中華鍋を振り、次々に美味しそうな料理を手際よく作る姿が良い。
そして、紹介される納豆炒飯、ネギそば、蒸し鶏の美味しそうな事。
・斉風瑞さんについて語る、著名な料理家や漫画家の何だか嬉しそうな顔。
・見ているだけで”きっと優しい味なんだろうなあ。”と想像できる料理の数々と、いつも笑顔の斉風瑞さん。
人間って、齢を重ねると人柄が顔に出ると思っているが、斉風瑞さんの笑顔はピカ一である。
この笑顔の人が作る料理は、それは美味しいだろうと思う。
<今作に登場する多くの人達は、斉風瑞さんの料理の美味しさを嬉しそうに語り、斉風瑞さんはいつもニコニコとその言葉を聞いているのである。
”料理は人なり”。”を地で行く人なのだろうな。
お客さんとの会話の中で出来上がって来たという数々の料理の誕生話も面白い。
今作は見ていてお腹が減る、素敵な料理ドキュメンタリーなのである。>
美味しそうだった
料理で広がる人の輪
台湾人のご両親をもつ、四姉妹の長女であり料理人の斉風瑞(さい・ふうみ)さんのドキュメンタリー映画。
今日出会った人との会話、今日出会った外食等、その時その時にちゃんと向かい合って来たからこそ得られる、学びやインスピレーションによって、斉さんの手料理は進化して行く。
この映画を観た後で自分を振り返ると、その日その日にやるべき計画ばかりに注力している気がしてくる。
斉さんは、もっと流れのままに生きていて
目の前に生じた予定外の出来事にもゆっくり対応しながら、まるで川の流れの様な風の様な時間を積み重ねているように感じた。
だからこそ、意図せず方向へ人生が流れて行って、意図しなかった新しい料理が生まれる楽しさと新鮮さ。何より人の輪が広がって行くのが素晴らしかった。
料理は語らずとも人へ沢山の事を伝えると改めて思いました。
料理は味覚・観察力・感性・探究心などの賜物。
斉さんの料理は、素材を出発点として加算方式で料理の味をイメージするとあったので参考にさせていただいて、私自身の料理も、もっと美味しくしたい。
映画の舞台となったお店に今現在は、斉さんがいらっしゃらないようですが、お店は営業されているので是非とも伺いたい。
少し不親切な位、
雰囲気のある映画
南青山の中華風家庭料理店と、その女将さんのドキュメンタリー。 創業...
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