「不易流行」キッチンから花束を 詠み人知らずさんの映画レビュー(感想・評価)
不易流行
上映最後の週になるかもしれない日曜日の朝、漸く拝見しました。
ふーみんママとよばれる斉風瑞さんの50年にも及ぶ台湾風家庭料理店の歩みを描いた素晴らしいドキュメンタリーでした。
一度でも台湾に足を踏み入れたことのある人ならば、彼の地の食を忘れることはできません。台湾人の両親を持ち東京で生まれたふーみんママ。彼女は、おそらくお父様からもらった味覚と料理人としての才能、お母様の持っていた力と愛情を引き継ぎ、何よりも、確かな舌を持っていました。
ただ、それを開花させるためには、日本の文化人の皆さんのヒントが必要でした。特に人気のメニューは、「ねぎそば」「豆腐そば」や「納豆チャーハン」。台湾では食べられていない「なっとう」や、作ったこともない「チャーハン」に挑むには、とてつもないふーみんママの適応力が必要でした。おそらく大ママから来た。
根本は、あくまで「小腹が空いた時に食べる台湾の家庭料理」なのでしょう。
スキャットで流れるアン・サリーのナチュラルで力のあるヴォイスも魅力的でした。
私は、松尾芭蕉が見出した「不易流行」を思い出していました。
変わらないものを理解しなければ、基礎は成り立ちません。ただ、変わるものを理解しなければ、進展はありません。
劇場に急ぎましょう!
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