ぼくのお日さまのレビュー・感想・評価
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冬の雪道の、春溢れる緑の、通学路
いい映画だった
「たくや、さ、女の子のほう見てたでしょ」
『みみみみてない。見てないよー』
「じろじろー、じろじろー(笑)」
『僕はそう、思いません』
「僕はそう思います(笑)」
あの冒頭の下校の雪道のシーンで、すでにもってかれた。あの雪道の登下校は、北海道の小学生のあるある。そこで交わされる会話も。
男の子も女の子も、小学生同士の会話がどことなくユーモラスで、観ていて微笑みがこぼれてきた。あの頃は、ほぼピュアだから。皆んな。
大人たちがいるから、もちろん、それだけではないんだけれど…
スリージャンプの練習のシーン。
ぽろん、ぽろんと鳴っていたピアノが、ゆっくりと「月の光」のメロディになっていくところがよかった〜♪
窓のあるスケートリンクや、晴れた日の雪一面の外の景色や、あの湖の一日。まばゆい白い光(Photon!)は、あの時間、気持ち、動き、を永遠にしていた。
そう、あの頃って、今より瞬間瞬間に存在してたと思う。
考えてみれば…、あの頃、身の回りに起こった事件って、しっかり決着がつくことなんて、(逆に)なかった。
そうそう、中途のまんまでおわることばかりだったなあ。
とてもシンプルでピュア
スケートができて演技ができて透明感がある中西希亜良ってどこから見つけてきたのよ?
ラストからの主題歌の演出が見事!
光のオブジェ
少年少女の思いを感じて、雰囲気を楽しめた。
主人公が吃音の小学6年生の男の子、その主人公が一目惚れするのが中学1年か2年の女の子。
この女の子が美少女でした。
こんな子のフィギュアスケートを間近で見たら一目惚れしちゃいますね。
この女の子、フィギュア経験者で初演技での映画デビューだったらしい。。
少年少女のほのぼのとした恋の物語と思っていたら、思わぬ方向へ話は進んでいった。
この設定は最近多いですね、時代なんだろうと思う。
単純に吃音の少年と年上の少女との小さな恋の物語にすればよかったんじゃないかな。
さりげなく描かれる、すれ違う少年の思いと少女の思い。
これで十分だったような気がしました。
映像もキレイでしたね。
冬の雪深い街並みと、夏の青々とした緑の風景、このコントラストがキレイでした。
スケートリンクに外から光が差し込み、その中でフィギュアスケートを踊るシーンは幻想的で良かったです。
主人公が家族で食卓を囲むシーンがあって、ここに出てくる父親だろう人も吃音だった。
吃音は遺伝するの?って思った。
私の人生の中で吃音の人に出会った事は無いです。
いまググってみると100人に1人の割合でいるらしい。
私が出会った人の中にも、気づかないくらいの吃音で無口の人がいたかもしれないと思った。
そういえば思い出したのだが、昔会社の昇進試験で人前ではうまくしゃべれないけど、仕事は出来るので昇進試験を通ったという人の話を聞いた事があった。
その人とはほとんど話した事は無かったので普段の話し方は知らなかったが、もしかして吃音だったのかもね。
映画を見終わってみると、吃音に関わる話はほとんど出てこなかった。
吃音を馬鹿にされたりするシーンも無かった。
友達に嫌な役目のキーパーを押し付けられている事くらい。
この辺も差別的なシーンを入れられない時代の流れなんでしょうか。。
青々とした緑の風景の中での最後のシーンは、これからの二人の物語が想像できる良いラストだったと思う。
そして、エンドロールも良かった。
流れる歌の歌詞が吃音についてを歌ってて、歌詞自体もクレジットの隙間に表示されて面白かった。
ハンバートハンバートという男女デュオらしい。
この映画のために作られた曲かと思ったら、もっと前に作られていた曲みたいでした。
そう、この映画は、選曲が良い映画でもありましたね。
監督のセンスと拘りだったのでしょう。
帰ってからYouTubeでハンバートハンバートの曲を聞いて思った。
やっぱり吃音をもっと掘り下げるべきだったんじゃないのと。
もしかして、そういうシーンも取ってて編集でカットしたのかもしれないけど。。
久しぶりにシッカリ最後まで見て、照明が付いてから座席を立ちました。
良い雰囲気の映画でしたね。
24-093
エンドロールの歌を聴くための映画♪
三分の二くらいで終わった印象
切ない恋の物語
映像がとにかく美しく、個人的には岩井俊二の作品を連想した。
本作はスケートリンクの場面が多いのだが、窓から射しこむ温かみを感じる”光”の演出は印象深い。岩井俊二もこうしたリリシズム溢れる映像を得意としているが、それを思わせる透明感溢れる映像は素晴らしいの一言だ。
中盤で荒川、タクヤ、さくらが凍った湖で一緒にはしゃぐシーンも、やはり明るい陽光が3人を包み多幸感溢れる名シーンとなっている。まるでMVでも観ているかのようなスタイリッシュさに魅了された。
更に、終盤でさくらがアイスダンスをするシーンには、岩井監督の「花とアリス」の蒼井優のバレエシーンを連想した。可憐な美少女の輝きが、これでもかと言わんばかりに主張されていて印象的である。
このように、美しい映像の数々は本作最大の美点ではないだろうか。作品世界を一層魅力的な物にしている。
一方、物語は基本的にタクヤとさくらの純愛ドラマで展開されていく。タクヤは吃音症で上手く思いを口にすることが出来ず、さくらを遠くから見つめることしかできなかった。そんな彼が一緒にフィギュアスケートをすることで彼女との距離を近づけていく。何とも可愛らしい初恋のドラマである。
ただ、終盤にかけて荒川のプライベートが絡んできて物語は徐々にシビアな展開へと突入していく。
彼が持っていた携帯電話がガラケーだったことから、時代設定は現代よりも20年くらい前と想像する。本ドラマのミソは正にこの時代設定ではないかと思う。
今でこそ彼が抱える問題は、社会的に見れば広く一般に認知される所となったが、当時はまだ彼のような人間は偏見の対象に晒されていた。そのせいで荒川は悲しい結末を迎えることになるが、これはそういう時代だった…としか言いようがない。正に絶妙な時代設定のように思う。
一方、タクヤとさくらの初恋については、かすかな希望を予感させるような終わり方になっていて救われた。
本作はエンドロールも秀逸である。主題歌は本作のタイトルと同名の曲で、物語と歌詞の内容が完全にフィットしているのが好印象である。歌詞を聴きながら静かな余韻に浸ることが出来た。
監督、脚本は自主製作した「僕はイエス様が嫌い」でデビューした奥山大史。前作同様、今回も撮影と編集を自ら兼務しており、透明感溢れる映像には独特の感性が感じられる。また、スケートシーンにおける流麗なカメラワークも中々のものである。
説明的なセリフを排した繊細な演出も、更に磨きがかかっているように感じられた。特に、荒川が秘めたる心情を吐露する終盤のシーンが味わい深い。タクヤにスケートを教えた理由がここではっきりと判明するのだが、きっとそこには過去の自分自身の叶わぬ思いが投影されていたのだろう。
また、グローブやカレンダーといった小道具の使い方も中々に上手いと思った。
逆に、本作で唯一心残りだったのは、さくらの心情が今一つ掴みきれなかったことである。
彼女はシングルプレイヤーを目指していたのだが、荒川の勧めで強引にタクヤとペアを組まされてしまう。タクヤはスケートを始めたばかりの初心者で、自分とは明らかにレベルが違う。当然最初は乗り気でなかったのだが、その不満や葛藤については本作では拍子抜けするほどスルーされてしまっている。いつの間にか練習中に笑みを見せるようになっており、これには違和感を覚えた。
物語は基本的にタクヤの視座で進行し、途中から荒川のドラマが入ってくるという構成になっている。したがって、敢えてさくらを第三者的位置にとどめたのかもしれない。しかし、ここでの彼女の迷いや葛藤が描かれていれば、ドラマは一層濃密なものにすることが出来ただろうと惜しまれる。
キャスト陣では、さくらを演じた中西希亜良の佇まいが印象に残った。幼い頃からフィギュアスケートを習っているということなのでスケートシーンは堂に入っている。ビジュアル的にもいわゆる正統派な美少女タイプで今後の活躍が楽しみである。
こうゆう映画を年に3回は見たい
エンドロール最高!
映像表現が心地よい
清々しいほどシンプルでピュア
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