「美しさのあとの鑑賞後の胸のざわつき」ぼくのお日さま ひでぼーさんの映画レビュー(感想・評価)
美しさのあとの鑑賞後の胸のざわつき
子どもたちの繊細でピュアな心の描き方、屋内に差し込む「美しすぎる」光。素晴らしかった。
最初は美しすぎると感じるも、そこにまけない演技とスケートと画作りにより、うっとりするとともに、神々しさも感じる。
スタンダードで人物が中央に立つ画はどの作品でも好き。
そして、湖での3人のスケートは近年稀に見る、心に残るシーンだった。
無邪気な子どもたちに触発されて、のびのびとする荒川役の池松壮亮もいいね。
このまま美しく終わってほしいとおもっていたが、そこで終わらないのも映画としてよかった。
ともすれ、池松壮亮に目が行きがちだけども、
「ぼくのお日さま」、それは人に与えられたものではなく、タクヤが自立して自分で掴んでこそ意味がある。波乱の中でのもやもや、ざわつきとともに、終了。
そして、主題歌で心情を描く。これ以上ない終わり方ではないだろうか。
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大吉さんのコメント
2024年9月16日
「明日に向かって撃て」のバート・バカラックの主題歌をバックにポール・ニューマンとキャサリン・ロスが自転車に乗るシーンや、「小さな恋のメロディ」の遊園地でのデートシーンと同じように、あの湖のシーンだけでも、宝物として記憶に残る作品になりました。